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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10079BF

有価証券報告書抜粋 キヤノン株式会社 研究開発活動 (2015年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当グループは、2011年からの5カ年計画「グローバル優良企業グループ構想 フェーズⅣ」のもと、研究開発における主要戦略として、1.「全主力事業の圧倒的世界No.1の実現と関連・周辺事業の拡大」、2.「グローバル多角化による新たな事業の獲得と世界三極体制の確立」、及び3.「環境先進企業としての基盤の確立」を掲げ、その取組みを進めています。
1.では、既存の主力事業の独自技術や製品を進化させると共に、サービス、ソリューション等のシステム開発を強化しています。また、現有技術をベースに新たなイノベーションを付加することにより、CINEMA EOS SYSTEMや業務用フォトプリンター等、現行事業の周辺領域への展開を進めています。
2.では、商業印刷分野のオセ社、ネットワークカメラ分野のマイルストーンシステムズ社、及び連結子会社化を完了したアクシス社により、欧州における各分野の研究開発体制を強化しています。米州では、キヤノンU.S.ライフサイエンス社に続き、事業会社であるキヤノンバイオメディカル社を設立し、バイオメディカル分野の研究開発と事業化を加速しています。また、ハーバード大学医学部関連機関であるマサチューセッツ総合病院及びブリガム・アンド・ウィメンズ病院との連携により、先進的な臨床応用研究も進めています。
3.では、「製品の高機能化」と「環境負荷の最小化」の両立実現に向け、小型・軽量化・ライフサイクル考慮設計やシミュレーション活用による開発環境負荷低減等、環境配慮設計を推進し、製品ライフサイクル全体で環境負荷の低減に取り組んでいます。
その他、産学官の連携においては、東京大学、京都大学、東京工業大学、東北大学、スタンフォード大学、アリゾナ大学等、国内外の有力大学及び独立行政法人産業技術総合研究所等との間で、基礎研究、先端技術開発を進めています。また、当社の生体や物質内部を捉えるイメージング技術が採択された、内閣府が推進する革新的研究開発推進プログラムにおける活動など、オープンイノベーションの手法を取り入れて研究開発を進めています。
2016年からは新たなる成長に挑戦する「グローバル優良企業グループ構想 フェーズⅤ」をスタートさせ、2020年売上高5兆円を目指し、研究開発活動を一層強化していきます。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、328,500百万円であり、事業の種類別セグメントごとの主な研究開発の成果は次のとおりです。

Ⅰ.オフィスビジネスユニット
オフィス向け複合機においては、A3カラー複合機「imageRUNNER ADVANCE C3300」シリーズが、ビジネス用途に適した色設計やシャープネスコントロールによる高画質化とともに、消耗品交換作業の動画表示などによる快適な操作性や、業界初※1の「針なしとじ※2/針とじ」機能搭載のインナーフィニッシャーなどにより、高い生産性を実現しました。高速モノクロ複合機「imageRUNNER ADVANCE 6500/8500」シリーズは、個々のワークフローに柔軟に対応するパーソナライズ機能により操作性を向上させるとともに、人感センサーを搭載するなど生産性を向上させる機能を強化しました。
レーザープリンターにおいては、A3対応カラーレーザープリンター「Satera LBP9950Ci」が、毎分カラー51枚の高速出力、200万枚※3の高耐久性能、大容量トナー/ドラムユニットによる低ランニングコストを実現し、大量出力業務を強力にサポートします。
デジタルプロダクションプリンティングシステムにおいては、プロダクションプリンター「imagePRESS C10000VP」が、外部加熱ベルトを用いた定着システムを搭載し、普通紙から厚紙まで※4毎分100枚の高速印刷を実現しているほか、高画質と高信頼性を兼ね備えました。また、毎時8,500枚のA4サイズ両面プリントを可能とする、高速カットシート・インクジェットプリンター「Océ VarioPrint i300」が、全米の印刷業界において最も名誉ある技術賞である「2015インターテック・テクノロジーアワード」を受賞※5しました。印刷関連分野に大きな発展をもたらすとされる、独創的で革新的な技術が評価されました。
当事業セグメントに係る研究開発費は、105,298百万円であります。

※1 A3複合機において 2015年4月現在(当社調べ)
※2 用紙圧着方式で金属針を使うことなく、自動で最大5枚(52~64g/㎡)まで対応
※3 所定の部品交換、メンテナンスを行った場合の継続使用の目安
※4 用紙坪量が普通紙60~350g/㎡、コート紙70~350g/㎡まで対応
※5 2015年8月 PIA:Printing Industries of America (米国印刷工業会)より受賞

Ⅱ.イメージングシステムビジネスユニット
デジタル一眼レフカメラにおいては、「EOS 5DS/EOS 5DS R」が、独自開発の世界最高画素数※6となる約5,060万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載し、圧倒的な高解像度の撮影を実現しました。また、「EOS 7D MarkⅡ」が、10コマ/秒の高速連写性能や、65点全点でクロス測距が可能な優れたAF性能などの革新性が認められ、世界有数の写真・映像関連の賞である「TIPAアワード2015」※7 、及び「EISAアワード2015-2016」※8、「カメラグランプリ2015大賞」※9の3つを獲得しました。
交換レンズにおいては、超広角ズームレンズ「EF11-24mm F4L USM」が、世界最大口径※10の研削非球面レンズなどの採用により、世界最広角※11の焦点距離と歪曲収差を抑えた高画質を実現しました。人間の視界のほとんどをワンショットで収めることができ、今まで撮影が不可能だった超広角における新しい映像表現を可能にします。
4K・2Kなどの高画質な動画を効率的に記録することができる独自のビデオフォーマット「XF-AVC」を新たに開発しました。ビデオカメラ「XC10」、デジタルシネマカメラ「EOS C300 Mark II」など、4K対応の業務用ビデオカメラを中心に採用していくことで、撮影から編集まで映像制作現場におけるさまざまなシーンで快適な作業を可能にします。
放送機器においては、4K放送カメラに対応する光学性能を持ったフィールドズームレンズ「UHD-DIGISUPER 86/UHD-DIGISUPER 90」、およびポータブルズームレンズ「CJ12e×4.3B/CJ20e×7.8B」によりラインアップを拡充しました。色再現性の優れた高い描写力を発揮し、臨場感あふれる映像制作に貢献します。
インクジェットプリンターにおいては、新開発のプリントヘッドと効率的な用紙搬送により、高速プリント※12を可能とし、ビジネスニーズに応える高い生産性を実現したインクジェット複合機「MAXIFY MB5330/MB5050」が、世界最大級のデザイン賞である「レッドドット・デザイン賞 プロダクトデザイン2015」を受賞※13しました。国際的なデザイン専門家により、革新性や機能性、品質、人間工学を基準に審査されました。今後も性能とデザインを高度に融合させた製品づくりを続けていきます。
マルチメディアプロジェクターにおいては、長年培ってきた光学技術や光学システム、高性能映像エンジンなどの独自技術を結集し、4Kデジタルシネマを上回る4,096×2,400画素の解像度に対応した5,000lmのLCOS液晶プロジェクターを開発しています。高輝度・高解像度と大幅な小型・軽量化を同時に実現し、幅広い設置環境に対応可能です。
当事業セグメントに係る研究開発費は、90,236百万円であります。

※6 35mmフィルムサイズ相当の撮像素子を搭載したデジタル一眼レフカメラにおいて 2015年8月現在(当社調
べ)
※7 2015年4月 TIPA:Technical Image Press Association (欧州を中心とした5大陸16カ国のカメラ、ビデ
オなどの分野における主要な専門誌27誌が加入する業界団体)より21年連続受賞、他にコンパクトデジタ
ルカメラ「IXY150/IXY170」、EFレンズ「EF100-400mm F4.5-5.6L IS ⅡUSM」、「EF11-24mm F4L USM」が同時
受賞
※8 2015年8月 EISA:European Imaging and Sound Association (欧州のカメラ、ビデオ、オーディオなど
の分野における主要な専門誌約50誌が加入する業界団体)より27年連続受賞、他に「EOS 5DS/EOS 5DS R」、
「EF11-24mm F4L USM」が同時受賞
※9 2015年5月 国内の写真・カメラ専門誌の担当記者で構成されるカメラ記者クラブが主催する国内で最も権
威のあるカメラ・レンズ関連の賞の1つ、他に同製品が「カメラグランプリ2015あなたが選ぶベストカメラ
賞」、「EF11-24mm F4L USM」が「カメラグランプリ2015レンズ賞」を併せて受賞し、3冠を達成
※10 外径φ87mm、レンズ交換式カメラ用交換レンズに採用されている非球面レンズとして 2015年2月現在
(当社調べ)
※11 焦点距離11mm、レンズ交換式カメラ用交換レンズとして、魚眼レンズを除く 2015年8月現在(当社調べ)
※12 A4サイズ モノクロ毎分23枚、カラー毎分15枚
※13 2015年3月 ドイツ、ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催

Ⅲ.産業機器その他ビジネスユニット
半導体露光装置においては、半導体デバイスの製造コストを大幅に削減でき、解像力10nm台の高度な微細加工を実現するナノインプリント技術を用いた、次世代半導体露光装置の開発を進めています。欠陥制御技術の確立、重ね合わせ精度の向上など、技術開発が進んでおり、早期の製品化を目指しています。
ネットワークカメラにおいては、赤外照明を搭載した「VB-M741LE」が、0ルクスの暗闇でも30m先の対象物の撮影を可能にしました。赤外照明を使用しない場合でも、0.001ルクスの星明かりほどの環境下で撮影できる、クラス最高水準※14の低照度性能を備えました。また、4K対応の「AXIS Q6128-E」は、高解像度で高画質な画像を提供できるほか、仰角20度のエリアをカバーするチルト機構や、雨天時に付着した水滴を高速振動にて振り落とすスピードドライ機能など独自技術を搭載しています。
3Dマシンビジョンシステムにおいては、小型部品の3次元認識※15を可能とする新モデルをラインアップに追加しました。生産ライン自動化の需要が高まる中、3次元認識できる部品サイズの幅を広げることで、さまざまな業種の生産ラインにおける多様な部品供給のニーズに応えます。
業務用ディスプレイにおいては、24型4Kリファレンスディスプレイ「DP-V2410」が、独自開発の映像エンジンや独自設計のRGB LEDバックライトシステム、IPS液晶パネルの採用により、忠実な色再現・高解像度・高コントラストを実現しました。小型・軽量で機動性に優れ、さまざまな撮影現場での利用に威力を発揮します。CINEMA EOS SYSTEMと合わせて、入力から出力まで4K映像制作を強力にサポートします。
医療機器放射線事業においては、医療従事者や患者の負担軽減を目指した低侵襲技術や軽量化等による使いやすさの追求、独自のセンサー技術による高感度高画質デバイスの開発を推進してきました。眼科事業においては、画像の統合管理等の付加価値の高いソフトウエア提供によって医療現場のニーズに応え、またハイエンド機器によって新たな臨床価値の提供を可能にします。
当事業セグメントに係る研究開発費は、66,585百万円であります。

※14 ナイトモードでの白黒撮影時、カラー撮影時は0.02ルクス。1.3メガピクセルに対応したネットワークカメラ
において 2015年2月現在(当社調べ)
※15 「RV300」では最小約10mm×10mm、「RV500」では最小約20mm×20mmのバラ積み部品を3次元認識

また、各事業セグメントに配分できない基礎研究に係る研究開発費は66,381百万円であります。

注:製品名は日本国内での名称です。


事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02274] S10079BF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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