シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1008J5J

有価証券報告書抜粋 株式会社テクノメディカ 対処すべき課題 (2016年3月期)


生産、受注及び販売の状況メニュー事業等のリスク

このたび、会計監査人からの指摘および第三者委員会による調査の結果、当社の売上取引に関して不適切な会計処理が行われていたことが明らかとなりました。この不適切な会計処理は、役職員におけるコンプライアンスの意識が希薄であったこと、内部統制・ガバナンス体制の不備に起因するものと考えられます。
当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識し、財務報告に係る内部統制を是正するため、第三者委員会からの提言を踏まえ、以下のとおり再発防止策を講じ、内部統制の改善を図ってまいります。

①役職員のコンプライアンス意識の向上
前期比での売上高の増加を続ける、との経営方針により、不適切な会計処理を行ってまでもこれを実現すべき、との誤った意識を役職員が持つに至りました。これを踏まえ、上場会社として、公正な証券市場の確立に不可欠な適正な開示をおこなうことの責務について認識するため、全役職員を対象に研修を行い、コンプライアンス重視の経営方針を確認いたしました。
また、社内において製品の売上の認識および製品の検収の意義にかかわる理解の不足があったことが、今回の問題発生と発見できなかったことの一因となっていると考えられるため、売上認識、管理および会計等に関する教育研修についても、全役職員を対象に行いました。

②ガバナンス体制の是正
採血管準備装置の売上高の前倒し計上は、社内では周知の事実でありながら、これが不適切な会計処理であるとの認識を持たず、異を唱えるものがいなかった事が、不適切な会計処理が長年にわたり継続された一因となっておりました。
このような不適切な会計処理が再発しないために、現経営陣と一定の緊張感を保った上で厳しく業務執行部門を監督でき、企業経理財務の実務に深い経験を持った取締役候補者を採用し、定時株主総会において取締役として選任予定です。これにより、適切な会計処理の徹底を図ります。
更には社外取締役として、企業法務等について深い見識を持ち、過去に当社との業務上の接点が無い弁護士を、株主総会において選任予定であります。また、社内で何らかの不適切な処理の疑いがあった場合に通報をする窓口を外部にも設け、適切な対応をとれるようにいたしました。

③収益認識時点を特定する証憑書類の整備
採血管準備装置に係る売上取引につき、売上計上の根拠証憑としていた「検収確認書兼受領書」が、取引先の検収の事実の有無にかかわらず押印されており、検収の実態を示すものではなく、医療施設等のエンドユーザーにおける検収の事実を示す証憑書類が存在しませんでした。今後、売上計上と検収の実態の乖離を防ぐべく、証憑書類のあるべき形について議論・検討を深め、会計処理上適切な収益認識を裏付ける証憑類の整備を進めます。

④棚卸の実施体制の是正
期末時点において外部倉庫で採血管準備装置の本体等の一時保管を行っていましたが、これを監査法人に伝えず、当社においても実地棚卸の対象としておりませんでした。これを踏まえ、適正な在庫管理、会計監査人との正確な情報連携を徹底し、棚卸の実施が適切に行われる体制の整備を進めます。

以上の施策により、社内においてコーポレート・ガバナンスの意義と重要性を改めて共有し、経営者層のみならず従業員一人ひとりが、法令はもとより社会規範の遵守、徹底に努めるべく、ガバナンス体制の建て直しを図ってまいります。

次に、医療業界において当社が対処すべき課題についてご説明いたします。

少子化・高齢化の速度が速いわが国では、医療費の増大が国家財政上の大きな負担となり、医療保険財政の悪化に対応するための医療財政の緊縮化、医療費適正化政策の維持・強化等、政府の医療費抑制政策が継続して推進されております。
臨床検査医療費は、医療保険制度のもと、診療体系による支払制度が基準となっておりますため、制度改革論議のもとにおいて恒常的に2年毎におこなわれる診療報酬の改定は、医療機関の収入に影響し、必然的に当社が主要なターゲットとしている臨床検査市場全体へと響くことが予想されます。
また医療施設では、臨床検査装置の自動化、ブランチラボ(注1)やFMS(注2)方式による検査の外注・委託の増加、医療施設の統廃合が引続きおこなわれ、今後益々の値下げ要請及びメーカー間の競争が激しくなると予想されます。
医療施設におけるコスト削減および効率化がおこなわれていく一方、医療の安全への関心の高まり、質の向上、QOL(注3)を重視する風潮は強まり、病気の診断治療から予防へ、治療技術からQOL重視へと医療の質が転機を迎えつつある現在、医療機器メーカーについても新たな視座に立ち、その有り方を検討することが必要とされております。
このような見通しの中、医療財政やQOLの観点からも、長期療養を要する生活習慣病やストレス診断等のセルフケア、プライマリーケアを実施できるよう、今後も保険点数の影響に左右されず付加価値を付けたPOCT(注4)分野の検体検査装置やヘルスケア製品の研究開発に引続き注力してまいります。
政府の推進する医療施設業務のIT化による電子カルテやオーダリングシステムの普及に伴い、需要の高まりがある採血管準備装置については新製品の積極的な営業活動を展開すると共に、採血管準備装置導入の後押しとなる電子カルテ・検査システムの販売と併せて、更なるシェアの拡大に努めてまいります。
医療機器産業では、品質・コスト面において世界的な競争激化が予見されるため、バイオ技術や新素材の利用をおこない、新しい技術を医療機器へ応用した、新規性のあるお客様に選ばれる製品の早期製品化に努めてまいります。

(注1)ブランチラボ
受託先(検査センター)が病院内のスペースに新たに検査室を作るというものであります。
(注2)FMS(Facility Managed System)方式
臨床検査を担当する技師及びそのスペースは病院側から提供されるが、分析装置などの設備、試薬や消耗品等のランニングコスト及び、検査部運営のためのノウハウは受託先の検査センターが負担するシステムであります。
(注3)QOL(Quality Of Life)
人間が日常生活上で必要とされている満足感、幸福感、安定感を規定している様々な要因のことであります。
(注4)POCT(Point Of Care Testing)
診察・看護の現場で医療スタッフが実施する簡易検査ならびに患者自身が在宅で実施する自己検査のことであります。

生産、受注及び販売の状況事業等のリスク


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02345] S1008J5J)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。