有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007UAF
ヤマハ株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、「感動を・ともに・創る」をコーポレートスローガンに掲げ、「音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづける」を企業理念に掲げております。これを支えるために、これまでに蓄積してきた「音・音楽」に関する技術群をコア技術と定め、更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、物理音響、音源、音声及び音響信号処理、音楽情報処理、素材、解析、電子デバイス、オペレーティングシステム、通信、ネットワークと、音の入口から出口まで、さらには音の多目的利用と大きく広がっております。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めております。
当社グループの研究開発体制は、楽器・音響機器事業については当社の楽器・音響開発本部及び当社の連結子会社であるLine 6,Inc.、NEXO S.A.、Revolabs,Inc.、Steinberg Media Technologies GmbHの開発部門、電子部品事業については当社の半導体事業部の開発部門、その他の事業については当社のゴルフHS事業部及び当社の連結子会社であるヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&Dについては当社の技術本部研究開発統括部、新規事業創出については当社の事業開発部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は247億93百万円であります。
1 楽器事業
アコースティック楽器関連では、トランスアコースティック™技術を搭載した、ハイブリッドピアノ「トランスアコースティック™ピアノ」の新製品として、アップライトピアノ「YUS1SHTA」「YUS3SHTA」「YUS5SHTA」、グランドピアノ「C1X-SHTA」「C3X-SHTA」を開発しました。電子音の情報を振動に変換してピアノ本体の響板に伝えるトランスデューサ―(加振器)を搭載しており、響板の振動に弦の共鳴効果が加わることで、電子音がピアノ全体から豊かに自然な響きで広がります。アコースティックピアノでありながら音量調整が可能であり、内蔵された多彩な音色の電子音とアコースティックピアノの音を重ねたレイヤー演奏が楽しめます。外部のオーディオデバイスとの接続により、響板をスピーカー代わりにしてオーディオリスニングを楽しんだり、趣味やシーンに合わせて幅広く楽しむことが可能です。なお「サイレントブラス™」とグランドピアノ「CX」シリーズは各々、「German Design Award 2016」(ドイツデザイン賞)の「Winner」と「Special Mention」に選出されました。また「サイレントブラス™」の意匠は、2015年度全国発明表彰(主催:公益社団法人 発明協会)の特別賞「朝日新聞発明賞」を受賞しました。
ギター関連では、Line 6,Inc.が、ギター・ワイヤレス・システム「Relay G60」「Relay G75」を開発しました。定評のあるLine6社のデジタル・ワイヤレス・テクノロジーにより、高音質でクリアな音色と低レイテンシーを実現し、ワイヤレスでありながら、ケーブルを繋いだサウンドと同じ様な感覚で演奏することを可能にしました。またレシーバーは、複数のトランスミッターをサポートしており、多種多様なセットアップ、トランスミッターの追加、楽器の持ち替えなどに簡単に対応することが可能です。
電子楽器関連では、コンパクトシンセサイザー「reface」シリーズ「reface CS」「reface DX」「reface CP」「reface YC」を開発しました。当社がこれまで発売し好評を博してきたシンセサイザーやキーボードを現代風にアレンジし、本格的な演奏性とコンパクトな筐体を両立させた新たなキーボードです。それぞれの名前には、アレンジの基にした名器のシリーズ名を冠しました。4機種それぞれに特色ある高品質の音源を搭載し、レコーディングユースやステージユースにも対応する本格的な演奏性を実現しているほか、音の強弱を弾き分けることができる新開発のコンパクトな鍵盤「HQ mini」を搭載し、幅広い表現が可能です。さらに、スピーカー内蔵で乾電池駆動も可能なため、どこでも気軽に本格的な演奏を楽しむことができます。なお「reface」は、「2015年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)の「グッドデザイン・ベスト100」に選出されると共に、ドイツの「Red Dotデザイン賞2016」(主催:ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)において「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2016」を受賞しました。またクラビノーバ「CLP」シリーズは、「第9回キッズデザイン賞」(主催:キッズデザイン協議会)の「奨励賞 キッズデザイン協議会会長賞」を受賞しました。
音楽ソフト関連では、「Unity」向けソフトウェア開発キット「VOCALOID SDK for Unity」を開発しました。「Unity」は、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社が提供する世界で極めて高いシェアを誇るゲームエンジンであり、その上で、当社の歌声合成技術「VOCALOID™」を利用したインタラクティブコンテンツを開発することが可能になりました。開発者は、使い慣れた「Unity」の開発環境からシームレスに「VOCALOID™」の機能が利用可能で、マルチプラットフォームに対応しております。同時に「Unity」のオフィシャルキャラクター「ユニティちゃん」が持つ世界観を表現するために開発したオリジナルボイス「Unityランタイム版VOCALOID Library unity-chan!」も、同時提供しました。
研究開発費は92億91百万円であります。
2 音響機器事業
オーディオ関連では、無線通信を使い、家庭内の複数の部屋に設置したオーディオ機器で、Hi-Fiやホームシアターサウンドの音楽を共有して、手軽に楽しめる機能である「MusicCast®」を開発しました。既存の家庭内Wi-Fiネットワークを使い、ストリーミングサービスやインターネットラジオ、サーバーやスマートフォンに保存された好きな音楽を、家の何処にいても、シームレスに再生し楽しむことができます。AppleやAndroidのスマートフォンやタブレット端末で動作する専用の無料アプリ「MusicCast CONTROLLER」でMusicCast®対応機器を操作して、コンテンツを検索し再生させることができます。今後当社は、AVレシーバー、無線スピーカー、サウンドバー、Hi-Fiコンポーネント、パワードスピーカーなどMusicCast®対応機器を拡大させていき、ホームシアター・オーディオの楽しみ方を広げていきます。また、臨場感あふれるサラウンド再生をワンボディで実現するデジタル・サウンド・プロジェクター「YSP」シリーズの新製品として最上級モデル「YSP-5600」を開発しました。最新の3DサラウンドフォーマットであるDolby Atmosにサウンドバーとして世界で初めて対応し、さらにDTS:Xにも対応しました。ハイトチャンネルのための垂直ビーム専用アレイスピーカーを含む、YSP史上最多となる44個のアレイスピーカーと2個のウーファーからなるスピーカー構成を採用することで、最大7.1.2ch相当のリアル3Dサラウンド再生を実現しました。なおライティングオーディオシステム「Relit LSX-70/LSX-170」は、「2015年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)の「グッドデザイン・ベスト100」に選出されると共に、「アジアデザイン賞2015」(主催:香港デザインセンター)の「プロダクト/工業デザイン」部門において「DFA銅賞」を受賞しました。またデジタル・サウンド・プロジェクター「YSP-1600」は、「2015年度グッドデザイン賞」の「グッドデザイン賞」を受賞しました。
業務用音響機器関連では、新世代フラッグシップモデルとなるデジタル・ミキシング・システム「RIVAGE PM10」を発売しました。「RIVAGE PM10」は、長年に渡るデジタルミキサー開発の歴史の中で培ってきた技術の集大成であるだけでなく、さらに最新の技術を取り入れ、コンポーネントの組み合わせによるシステム構築の柔軟性と膨大なミキシング能力を備えた新世代フラッグシップとなるデジタル・ミキシング・システムです。観客数数百人・数千人規模のホールコンサートから数万人を超える大規模コンサートまで、複雑なセッティングの再現を要する演劇から開会式やセレモニーといった大規模イベントまで、様々な分野・環境に対応しており、伝統のナチュラルサウンドを極めたアナログ部と独自のモデリング技術VCMテクノロジーでさらに進化を遂げたデジタル部から成る新開発の「ハイブリッドマイクプリアンプ」により音作りのバリエーションを大きく広げました。また、革新的な操作性を提供する新世代の小型デジタルミキシングコンソール「TFシリーズ」を開発しました。タッチパネルに最適化した直感的なユーザーインターフェイスを核とする新開発の操作体系「TouchFlow Operation」により、初心者から経験豊富なエンジニアまで幅広く快適なオペレーションを提供します。当社のハイエンドレコーディング機器で定評のあるD-PREマイクアンプを搭載し、プロフェッショナルな要求に応える音質を実現しました。さらに、ライブレコーディングへの対応やiPadなどデジタルデバイスとの連携といった機能と拡張性を備え、小型デジタルミキサーの活躍するシーンをこれまで以上に大きく広げました。
情報通信機器関連では、Revolabs,Inc.が開発した、USBスピーカーフォン「FLX UC 500」の日本国内での販売を開始しました。設備音響業界最高レベルのRevolabs社の技術を活かして開発され、中会議室向け高性能マイクスピーカーを搭載し、PCを中心とした6人程度のWeb会議などでの利用に最適な、ユニファイドコミュニケーションのためのマイクスピーカーです。音声帯域幅が広く聞き取りやすいスピーカーや、360度どこからでも広範囲の周波数を集音できるマイク、さらにエコーキャンセラー機能等の優れた音声処理技術の組み合わせにより、遠隔コミュニケーションに適した高音質を実現しました。
研究開発費は114億61百万円であります。
3 電子部品事業
モバイル市場向けの地磁気センサーにて、3軸磁気センサーと周辺回路、I2Cインターフェイス回路を1パッケージに集積した、世界最小クラスのLSI「YAS539(MS-3S)」を開発しました。高感度、高S/N比の磁気センサー素子を採用し、センサーブリッジの低電圧化を実現しました。これにより、1.8Vでの単一電源動作が可能となり、測定完了後の自動パワーダウン機能などの特徴により、世界最高水準の低消費電力を実現しました。機能面では、連続測定モード、低消費電力と低ノイズを選択可能な平均化フィルターを搭載し、使用環境に合わせ、より柔軟な磁気測定を行うことを可能としました。またLSI内部には、出荷検査時に個々に測定された補正データを保持しており、これらを使って簡単に高精度な磁気測定が可能です。
研究開発費は21億62百万円であります。
4 その他の事業
ゴルフ用品では、ゴルフクラブ「RMX®(リミックス)」シリーズの2016年モデルのドライバー「RMXドライバー」を開発しました。“たわみ”のヘッドと“しなり”のシャフトを組み合わせて、飛距離性能を進化させております。“たわみ”で飛ばす「スーパーデュアル弾力ボディ」のヘッド性能だけで最大プラス6.4ヤードを実現し、「シンメトリック構造」と「アルティメットフェース」でオフセンターヒット時に強さを発揮しております。また自分に合うドライバーをつくることができるように、好みの弾道・打感で選べるヘッド2モデルと、スイングスタイルに合わせられるカスタムシャフト4モデルをラインアップしました。
FA機器では、水素漏れを高速・高感度で検出する、卓上スニファー式水素ディテクタ「YHLD-100」を開発しました。容器や配管の機密性をチェックするためのトレース(追跡)ガスとして利用する水素は、現在主流のヘリウムに比べてガス自体のコストが安く、設備費も大幅に抑制できると期待されております。独自に開発したMEMS(微小電気機械システム)水素センサーを、世界で初めて搭載することにより、低濃度(0.5ppm)から高濃度(13,000ppm=1.3%)までの広いダイナミックレンジと、1秒以内の高速応答(1,000ppmにおける)を実現しております。今後はディテクタ-のラインナップ拡充に加えて、水素社会発展に伴い拡大する市場(水素ステーション、燃料電池、水素発電など)への用途開拓も進めていきます。
研究開発費は18億79百万円であります。
当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は5,176件であります。
(注)
・ iPadは、Apple Inc.の登録商標です。
・ Androidは、Google Inc.の登録商標です。
・ Unityおよび関連の製品名は、Unity Technologies及びその子会社の商標です。
・ Dolby Atmosは、Dolby Laboratories, Inc.の登録商標です。
・ DTS:Xは、DTS,Inc.の登録商標です。
・ トランスアコースティック、サイレントブラス、VOCALOID、MusicCast、RMXは当社の登録商標です。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めております。
当社グループの研究開発体制は、楽器・音響機器事業については当社の楽器・音響開発本部及び当社の連結子会社であるLine 6,Inc.、NEXO S.A.、Revolabs,Inc.、Steinberg Media Technologies GmbHの開発部門、電子部品事業については当社の半導体事業部の開発部門、その他の事業については当社のゴルフHS事業部及び当社の連結子会社であるヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&Dについては当社の技術本部研究開発統括部、新規事業創出については当社の事業開発部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は247億93百万円であります。
1 楽器事業
アコースティック楽器関連では、トランスアコースティック™技術を搭載した、ハイブリッドピアノ「トランスアコースティック™ピアノ」の新製品として、アップライトピアノ「YUS1SHTA」「YUS3SHTA」「YUS5SHTA」、グランドピアノ「C1X-SHTA」「C3X-SHTA」を開発しました。電子音の情報を振動に変換してピアノ本体の響板に伝えるトランスデューサ―(加振器)を搭載しており、響板の振動に弦の共鳴効果が加わることで、電子音がピアノ全体から豊かに自然な響きで広がります。アコースティックピアノでありながら音量調整が可能であり、内蔵された多彩な音色の電子音とアコースティックピアノの音を重ねたレイヤー演奏が楽しめます。外部のオーディオデバイスとの接続により、響板をスピーカー代わりにしてオーディオリスニングを楽しんだり、趣味やシーンに合わせて幅広く楽しむことが可能です。なお「サイレントブラス™」とグランドピアノ「CX」シリーズは各々、「German Design Award 2016」(ドイツデザイン賞)の「Winner」と「Special Mention」に選出されました。また「サイレントブラス™」の意匠は、2015年度全国発明表彰(主催:公益社団法人 発明協会)の特別賞「朝日新聞発明賞」を受賞しました。
ギター関連では、Line 6,Inc.が、ギター・ワイヤレス・システム「Relay G60」「Relay G75」を開発しました。定評のあるLine6社のデジタル・ワイヤレス・テクノロジーにより、高音質でクリアな音色と低レイテンシーを実現し、ワイヤレスでありながら、ケーブルを繋いだサウンドと同じ様な感覚で演奏することを可能にしました。またレシーバーは、複数のトランスミッターをサポートしており、多種多様なセットアップ、トランスミッターの追加、楽器の持ち替えなどに簡単に対応することが可能です。
電子楽器関連では、コンパクトシンセサイザー「reface」シリーズ「reface CS」「reface DX」「reface CP」「reface YC」を開発しました。当社がこれまで発売し好評を博してきたシンセサイザーやキーボードを現代風にアレンジし、本格的な演奏性とコンパクトな筐体を両立させた新たなキーボードです。それぞれの名前には、アレンジの基にした名器のシリーズ名を冠しました。4機種それぞれに特色ある高品質の音源を搭載し、レコーディングユースやステージユースにも対応する本格的な演奏性を実現しているほか、音の強弱を弾き分けることができる新開発のコンパクトな鍵盤「HQ mini」を搭載し、幅広い表現が可能です。さらに、スピーカー内蔵で乾電池駆動も可能なため、どこでも気軽に本格的な演奏を楽しむことができます。なお「reface」は、「2015年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)の「グッドデザイン・ベスト100」に選出されると共に、ドイツの「Red Dotデザイン賞2016」(主催:ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)において「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2016」を受賞しました。またクラビノーバ「CLP」シリーズは、「第9回キッズデザイン賞」(主催:キッズデザイン協議会)の「奨励賞 キッズデザイン協議会会長賞」を受賞しました。
音楽ソフト関連では、「Unity」向けソフトウェア開発キット「VOCALOID SDK for Unity」を開発しました。「Unity」は、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社が提供する世界で極めて高いシェアを誇るゲームエンジンであり、その上で、当社の歌声合成技術「VOCALOID™」を利用したインタラクティブコンテンツを開発することが可能になりました。開発者は、使い慣れた「Unity」の開発環境からシームレスに「VOCALOID™」の機能が利用可能で、マルチプラットフォームに対応しております。同時に「Unity」のオフィシャルキャラクター「ユニティちゃん」が持つ世界観を表現するために開発したオリジナルボイス「Unityランタイム版VOCALOID Library unity-chan!」も、同時提供しました。
研究開発費は92億91百万円であります。
2 音響機器事業
オーディオ関連では、無線通信を使い、家庭内の複数の部屋に設置したオーディオ機器で、Hi-Fiやホームシアターサウンドの音楽を共有して、手軽に楽しめる機能である「MusicCast®」を開発しました。既存の家庭内Wi-Fiネットワークを使い、ストリーミングサービスやインターネットラジオ、サーバーやスマートフォンに保存された好きな音楽を、家の何処にいても、シームレスに再生し楽しむことができます。AppleやAndroidのスマートフォンやタブレット端末で動作する専用の無料アプリ「MusicCast CONTROLLER」でMusicCast®対応機器を操作して、コンテンツを検索し再生させることができます。今後当社は、AVレシーバー、無線スピーカー、サウンドバー、Hi-Fiコンポーネント、パワードスピーカーなどMusicCast®対応機器を拡大させていき、ホームシアター・オーディオの楽しみ方を広げていきます。また、臨場感あふれるサラウンド再生をワンボディで実現するデジタル・サウンド・プロジェクター「YSP」シリーズの新製品として最上級モデル「YSP-5600」を開発しました。最新の3DサラウンドフォーマットであるDolby Atmosにサウンドバーとして世界で初めて対応し、さらにDTS:Xにも対応しました。ハイトチャンネルのための垂直ビーム専用アレイスピーカーを含む、YSP史上最多となる44個のアレイスピーカーと2個のウーファーからなるスピーカー構成を採用することで、最大7.1.2ch相当のリアル3Dサラウンド再生を実現しました。なおライティングオーディオシステム「Relit LSX-70/LSX-170」は、「2015年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)の「グッドデザイン・ベスト100」に選出されると共に、「アジアデザイン賞2015」(主催:香港デザインセンター)の「プロダクト/工業デザイン」部門において「DFA銅賞」を受賞しました。またデジタル・サウンド・プロジェクター「YSP-1600」は、「2015年度グッドデザイン賞」の「グッドデザイン賞」を受賞しました。
業務用音響機器関連では、新世代フラッグシップモデルとなるデジタル・ミキシング・システム「RIVAGE PM10」を発売しました。「RIVAGE PM10」は、長年に渡るデジタルミキサー開発の歴史の中で培ってきた技術の集大成であるだけでなく、さらに最新の技術を取り入れ、コンポーネントの組み合わせによるシステム構築の柔軟性と膨大なミキシング能力を備えた新世代フラッグシップとなるデジタル・ミキシング・システムです。観客数数百人・数千人規模のホールコンサートから数万人を超える大規模コンサートまで、複雑なセッティングの再現を要する演劇から開会式やセレモニーといった大規模イベントまで、様々な分野・環境に対応しており、伝統のナチュラルサウンドを極めたアナログ部と独自のモデリング技術VCMテクノロジーでさらに進化を遂げたデジタル部から成る新開発の「ハイブリッドマイクプリアンプ」により音作りのバリエーションを大きく広げました。また、革新的な操作性を提供する新世代の小型デジタルミキシングコンソール「TFシリーズ」を開発しました。タッチパネルに最適化した直感的なユーザーインターフェイスを核とする新開発の操作体系「TouchFlow Operation」により、初心者から経験豊富なエンジニアまで幅広く快適なオペレーションを提供します。当社のハイエンドレコーディング機器で定評のあるD-PREマイクアンプを搭載し、プロフェッショナルな要求に応える音質を実現しました。さらに、ライブレコーディングへの対応やiPadなどデジタルデバイスとの連携といった機能と拡張性を備え、小型デジタルミキサーの活躍するシーンをこれまで以上に大きく広げました。
情報通信機器関連では、Revolabs,Inc.が開発した、USBスピーカーフォン「FLX UC 500」の日本国内での販売を開始しました。設備音響業界最高レベルのRevolabs社の技術を活かして開発され、中会議室向け高性能マイクスピーカーを搭載し、PCを中心とした6人程度のWeb会議などでの利用に最適な、ユニファイドコミュニケーションのためのマイクスピーカーです。音声帯域幅が広く聞き取りやすいスピーカーや、360度どこからでも広範囲の周波数を集音できるマイク、さらにエコーキャンセラー機能等の優れた音声処理技術の組み合わせにより、遠隔コミュニケーションに適した高音質を実現しました。
研究開発費は114億61百万円であります。
3 電子部品事業
モバイル市場向けの地磁気センサーにて、3軸磁気センサーと周辺回路、I2Cインターフェイス回路を1パッケージに集積した、世界最小クラスのLSI「YAS539(MS-3S)」を開発しました。高感度、高S/N比の磁気センサー素子を採用し、センサーブリッジの低電圧化を実現しました。これにより、1.8Vでの単一電源動作が可能となり、測定完了後の自動パワーダウン機能などの特徴により、世界最高水準の低消費電力を実現しました。機能面では、連続測定モード、低消費電力と低ノイズを選択可能な平均化フィルターを搭載し、使用環境に合わせ、より柔軟な磁気測定を行うことを可能としました。またLSI内部には、出荷検査時に個々に測定された補正データを保持しており、これらを使って簡単に高精度な磁気測定が可能です。
研究開発費は21億62百万円であります。
4 その他の事業
ゴルフ用品では、ゴルフクラブ「RMX®(リミックス)」シリーズの2016年モデルのドライバー「RMXドライバー」を開発しました。“たわみ”のヘッドと“しなり”のシャフトを組み合わせて、飛距離性能を進化させております。“たわみ”で飛ばす「スーパーデュアル弾力ボディ」のヘッド性能だけで最大プラス6.4ヤードを実現し、「シンメトリック構造」と「アルティメットフェース」でオフセンターヒット時に強さを発揮しております。また自分に合うドライバーをつくることができるように、好みの弾道・打感で選べるヘッド2モデルと、スイングスタイルに合わせられるカスタムシャフト4モデルをラインアップしました。
FA機器では、水素漏れを高速・高感度で検出する、卓上スニファー式水素ディテクタ「YHLD-100」を開発しました。容器や配管の機密性をチェックするためのトレース(追跡)ガスとして利用する水素は、現在主流のヘリウムに比べてガス自体のコストが安く、設備費も大幅に抑制できると期待されております。独自に開発したMEMS(微小電気機械システム)水素センサーを、世界で初めて搭載することにより、低濃度(0.5ppm)から高濃度(13,000ppm=1.3%)までの広いダイナミックレンジと、1秒以内の高速応答(1,000ppmにおける)を実現しております。今後はディテクタ-のラインナップ拡充に加えて、水素社会発展に伴い拡大する市場(水素ステーション、燃料電池、水素発電など)への用途開拓も進めていきます。
研究開発費は18億79百万円であります。
当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は5,176件であります。
(注)
・ iPadは、Apple Inc.の登録商標です。
・ Androidは、Google Inc.の登録商標です。
・ Unityおよび関連の製品名は、Unity Technologies及びその子会社の商標です。
・ Dolby Atmosは、Dolby Laboratories, Inc.の登録商標です。
・ DTS:Xは、DTS,Inc.の登録商標です。
・ トランスアコースティック、サイレントブラス、VOCALOID、MusicCast、RMXは当社の登録商標です。
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