有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007YC0
エイベックス株式会社 業績等の概要 (2016年3月期)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、弱さもみられますが、緩やかな回復基調が続いております。また、先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されます。当社グループが属するエンタテインメント業界の環境としましては、音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産金額が前年比0.1%増の2,544億49百万円(2015年1月~12月。一般社団法人日本レコード協会調べ)、有料音楽配信売上金額が前年比7.7%増の470億73百万円(2015年1月~12月。一般社団法人日本レコード協会調べ)となりました。映像関連市場につきましては、映像ソフトの売上金額が前年比5.1%減の2,181億13百万円(2015年1月~12月。一般社団法人日本映像ソフト協会調べ)となったものの、映像配信市場規模は前年比11.1%増の1,495億円(2015年1月~12月。㈱野村総合研究所推計)となり、国内外の映像配信サービスの新規参入等により、今後も拡大することが予想されます。また、ライヴ・エンタテインメントの市場規模が前年比15.9%増の3,186億34百万円(2015年1月~12月。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会調べ)と引き続き堅調に推移しております。
このような事業環境の下、コンテンツの強化、デジタルサービスの進化、ライヴビジネスの拡大に注力し、コンテンツとプラットフォームの循環サイクルを構築することで、中期的な成長に取り組んでまいりました。具体的には、外部プロダクションとの提携や著作権管理事業への出資、新たな外部パートナーとのデジタルサービスを開始しました。また、環境変化に対応し更なる成長シナリオを描くために、グループ全体の改革に向けた検討を開始しております。
以上の結果、大規模会場でのライヴ公演数が減少したことや音楽ソフトのアルバム作品の販売が減少したこと等により、売上高は1,541億22百万円(前年度比8.9%減)、映像配信サービスの競争力を高めるためのリニューアルに伴う費用の増加等により、営業利益は72億77百万円(同16.1%減)、音楽配信サービスへの投資を行ったことにより持分法による投資損失等が発生したため、親会社株主に帰属する当期純利益は42億92百万円(同28.2%減)となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
① 音楽事業
(単位:百万円)
2015年 3月期 | 2016年 3月期 | 増減 | |
売上高 | 67,628 | 61,224 | △6,403 |
売上原価 | 39,977 | 36,802 | △3,175 |
売上総利益 | 27,650 | 24,422 | △3,228 |
売上総利益率 | 40.9% | 39.9% | △1.0% |
販売費及び一般管理費 | 19,801 | 17,839 | △1,962 |
営業利益 | 7,849 | 6,583 | △1,266 |
営業利益率 | 11.6% | 10.8% | △0.8% |
外部顧客に対する売上高 | 65,463 | 58,871 | △6,592 |
音楽ビデオ作品の販売が増加したものの、アルバム作品の販売が減少したこと等により、売上高は612億
24百万円(前年度比9.5%減)、営業利益は65億83百万円(同16.1%減)となりました。
② 映像事業
(単位:百万円)
2015年 3月期 | 2016年 3月期 | 増減 | |
売上高 | 39,831 | 41,801 | 1,970 |
売上原価 | 31,139 | 33,488 | 2,348 |
売上総利益 | 8,691 | 8,313 | △377 |
売上総利益率 | 21.8% | 19.9% | △1.9% |
販売費及び一般管理費 | 6,858 | 8,228 | 1,369 |
営業利益 | 1,832 | 85 | △1,747 |
営業利益率 | 4.6% | 0.2% | △4.4% |
外部顧客に対する売上高 | 39,620 | 41,361 | 1,741 |
映像作品の販売及び映像配信サービスの会費収入が増加したこと等により、売上高は418億1百万円(前年度比4.9%増)となったものの、映像配信サービスの競争力を高めるためのリニューアルに伴う費用の増加等により、営業利益は85百万円(同95.3%減)となりました。
③ マネジメント/ライヴ事業
(単位:百万円)
2015年 3月期 | 2016年 3月期 | 増減 | |
売上高 | 65,334 | 55,756 | △9,577 |
売上原価 | 50,399 | 42,532 | △7,866 |
売上総利益 | 14,934 | 13,224 | △1,710 |
売上総利益率 | 22.9% | 23.7% | 0.8% |
販売費及び一般管理費 | 12,169 | 11,641 | △528 |
営業利益 | 2,765 | 1,583 | △1,182 |
営業利益率 | 4.2% | 2.8% | △1.4% |
外部顧客に対する売上高 | 61,482 | 51,195 | △10,286 |
大規模会場でのライヴ公演数が減少したこと等により、売上高は557億56百万円(前年度比14.7%減)、営業利益は15億83百万円(同42.7%減)となりました。
④ その他
(単位:百万円)
2015年 3月期 | 2016年 3月期 | 増減 | |
売上高 | 3,282 | 2,976 | △306 |
売上原価 | 1,629 | 1,576 | △52 |
売上総利益 | 1,653 | 1,399 | △253 |
売上総利益率 | 50.4% | 47.0% | △3.4% |
販売費及び一般管理費 | 2,369 | 2,178 | △191 |
営業損失 | △716 | △779 | △62 |
営業利益率 | - | - | - |
外部顧客に対する売上高 | 2,690 | 2,694 | 3 |
本社ビルの建替えに伴い賃貸収入が減少したこと等により、売上高は29億76百万円(前年度比9.3%減)、営業損失は7億79百万円(前年度は営業損失7億16百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、211億7百万円(前連結会計年度末は256億99百万円)となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は81億69百万円(前年度は113億37百万円)となりました。
これは主に、法人税等の支払額33億28百万円及び未払金の減少27億75百万円による資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益79億38百万円、減価償却費33億0百万円及び法人税等の還付額15億53百万円による資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は67億78百万円(前年度は13億30百万円)となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出33億49百万円、有価証券の取得による支出10億0百万円及び投資有価証券の取得による支出8億29百万円による資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用された資金は59億69百万円(前年度は30億40百万円)となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出22億1百万円、配当金の支払額21億63百万円及び非支配株主への配当金の支払額7億62百万円による資金の減少要因があったことによるものであります。
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