有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10079TQ
サッポロホールディングス株式会社 研究開発活動 (2015年12月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
2015年3月、グループ研究戦略推進部内に事業会社の枠にとらわれない研究を行うための食品価値基盤開発グループを新設しました。従来の「サッポロビール社」及び「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の研究開発部門メンバーにより構成されたグループ横断的な研究開発体制「サッポロイノベーションラボ」の活動推進と合わせ、「食のメーカー」としての成長加速に引き続き貢献してまいります。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は27億円です。
セグメントの状況は次のとおりです。
[国内酒類事業]
1.商品開発について
酒類の商品開発については、経営ビジョン「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を実現すべく、「サッポロビール社」の強みである原料へのこだわりや、永年培ってきた商品開発力、技術開発力を活かして、引き続き、新たな価値創造に取り組んでまいりました。
ビールテイストについては、2月に「サッポロ 生ビール黒ラベル」をリニューアル、当社独自の原料「旨さ長持ち麦芽」を増量、黒ラベルならではの「麦のうまみと爽やかな後味のベストバランス」に更に磨きをかけ、21年ぶりに前年を超える売上実績を残しました。プリン体ゼロのパイオニアである「極ZERO」は、健康志向のお客様のニーズにお応えし、人工甘味料ゼロとすることで、更なる価値強化を実現しました。また、5月に特定保健用食品で初となるノンアルコールビールテイスト飲料「SAPPORO+(サッポロ プラス)」を発売、当社ノンアルコールビールテイスト飲料の売上伸長に貢献いたしました。「ヱビス」ブランドでは、3月にコクと香りに更に磨きをかけて「ヱビス ロイヤルセレクション」を再発売、また、歳暮ギフト限定の「ヱビス 冬のコク」が好評を博し、歳暮ギフトの計画達成に大きく寄与しました。
続伸するRTD市場に対しては、「バカルディ」ブランドの強化に加え、9月に欧州主要国で売上NO.1(※)の本格派ウォッカ、「エリストフ」のRTDを発売しました。また、基軸ブランドの「男梅サワー」、「ネクターサワー」の強化を図り、梅干し本来のしょっぱい旨さを磨き、アルコール度数も高めた「超男梅サワー」を5月、ネクターならではのフルーティな白桃の果実感と乳酸菌飲料由来の爽やかな酸味の「白いネクターサワー白桃ピューレ」を8月に限定発売、いずれも当初計画を大幅に上回る実績を上げ、「白いネクターサワー白桃ピューレ」はご好評にお応えして12月に通年で再発売しました。さらに、「極ZERO」のRTDへのカテゴリーエクステンションとなる「極ZERO CHU-HI ゴクハイ」を6月に発売しました。そして、多様化する飲み方ニーズで伸長しているRTS市場には若年層に向けた梅酒ベースの新RTS「ウメカク 果実仕立ての梅酒カクテル ピンクグレープフルーツ」、ぶどう果汁からつくった新RTS「グレープドロップ ぶどうの雫でつくったお酒」を9月に同時発売、好調な推移となり、新たな需要を開拓しました。
(※) フランス・ベルギー・オーストリア・ポルトガル・ノルウェーのスタンダードカテゴリーにおいて販売数量No.1。2014年IWSR調べ
2.研究開発について
国内酒類事業における研究開発は、醸造技術研究、感性科学研究、新規素材研究、品質保証分析研究等を幅広く担う「サッポロビール社」の価値創造フロンティア研究所と、原料研究を担うバイオ研究開発部が中心となって、新しい価値をお客様にお届けするための研究開発活動を推進しました。
醸造技術研究においては、ビール中のタンパク質の解析により、ビールの泡持ちや混濁に関与する新規な大麦タンパク質及び遺伝子を同定しました。さらに、泡品質を向上させるための遺伝子診断技術(DNAマーカー)を新規に開発し、泡持ちを向上させるための大麦育種の基盤技術を確立しています。こうした一連の研究成果により、「農芸化学技術賞」に続いて、「日本育種学会奨励賞」、「欧州ビール醸造学会(35th Congress, European Brewery Convention) Best Paper賞」を受賞することができました。
適正飲酒は健康によいとされていますが、適正飲酒の継続とアルコール依存の関係についての科学的な報告はあまりありません。適正飲酒の正しい知見を得るために、行動薬理学的実験方法を用いて適正飲酒の影響を調べたところ、適正飲酒はアルコール習慣化のリスクが小さいという実験結果が得られ、依存に至らないために重要であることが確認されました。本結果はBiol. Pharm. Bull誌に論文が受理され掲載されました。当社ではこのような科学的な研究に加え、講演やセミナーを通じてアルコールの適正飲酒について働きかけています。
醸造技術を応用展開したバイオマスの資源化に関する技術開発においては、国内外にテストプラントを設置して実用化の検討を進めてきました。国内の水素・メタン発酵技術開発では、「タカキベーカリー社」、「広島大学」、「広島ガス社」と共同で実施した製パン工場廃棄物からのバイオ水素・メタン製造の試験結果を基に応用方法を検討してきました。また、バイオエタノール発酵では、「NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)」から受託したタピオカデンプン工業廃棄物からのエタノール製造実証試験(国際エネルギー消費効率化等技術普及協力事業)で建設したパイロットプラント設備を用いて実用化の実現可能性試験を実施しました。いずれも今後の成果が期待されています。
感性科学研究では、視線解析装置を用いて、パッケージデザインに対するお客様の意識や嗜好について調査を続けています。これまでに得られた結果を活用し、「サッポロ 生ビール黒ラベル」の昨年のリニューアルでは、現行のイメージを踏襲しつつ、「サッポロ 生ビール黒ラベル」を大きく表記し、缶体のデザインの全体的なバランスを見直すことにより、お客様に意識されやすいデザインを実現しました。このほか、購買や飲用時など商品との接点でのお客様の心理変化を、視線や脳血流量計測から理解することに取り組み、研究成果を、パングボーン感覚科学シンポジウム(11th Pangborn Sensory Science Symposium)、日本味と匂学会、日本生物工学会において報告しました。官能評価・開発設計技術の分野では、「金沢工業大学」と共同で「記憶に残る飲料」の研究を行い、その成果を「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」のロングセラー炭酸飲料商品である「リボンシトロン」のリニューアルに応用し話題を呼びました。
新規素材研究では、「サッポロビール社」が発見した「SBL88®」乳酸菌に次々に新しい機能を見出しています。肌の保湿につながる知見に続き、睡眠の質を向上させる効果も明らかになってきています。
品質保証分析研究では、価値創造フロンティア研究所の品質保証部門と「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の食品安全分析センターとの協働体制を深め、グループワイドに安全・安心な製品をお届けできるよう、原料・製品の安全性分析及びそれを支える分析新技術の研究に取り組んでいます。
カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ及び国内で品種開発を進めているLOXレス大麦については、栽培特性を改良した新品種「ShineStar」をオーストラリアで品種登録出願しました。現在も国内外でLOXレス品種の開発を進めており、「旨さ長持ち麦芽」のより安定した供給を可能とし、ビールテイスト商品の一層の高品質化を目指して取り組んでいます。
ホップについても、海外での高品質品種の安定生産を目指し、ユニークな香りをもつ3品種をアメリカで植物特許出願(国内の品種登録出願に相当)しました。また、ホップ成分の活用技術に関する特許を国内で出願するなど、技術基盤の拡充にも努めています。
国内酒類事業の研究開発費の金額は16億円です。
[食品・飲料事業]
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」として事業を開始して3年目となり、研究開発本部内の組織改変を行い、従来の「中央研究所」を改め、「商品開発研究所」「新規基盤開発研究所」を新設し、「味の科学研究所」は機能を「新規基盤開発研究所」と「研究企画部」に移管しました。それぞれお客様においしい「!(ひらめき)」をお届けするための研究開発活動を推進しました。
1.商品開発について
飲料商品において、主力ブランド「キレートレモン」より春に発売した「キレートレモン ENERGIE(エナジエ)」は、従来のエナジードリンクのようなケミカルな味わいではなく、レモン果汁と炭酸をベースに、「ローヤルゼリー」や「イミダゾールジペプチド」といったエナジー成分と、「ビタミンC」や「クエン酸」などの女性に嬉しい成分を加え、「カフェインゼロ」「カロリーオフ」「リキャップ可能」といった女性目線で作り上げた新しいエナジードリンクを開発しました。秋に発売した「キレートレモン INNER BEAUTE (インナーボーテ)」は、レモン果汁と炭酸をベースに「クエン酸」「ビタミンC」に加え、「イノシトール」「グルコシルセラミド」「ヒアルロン酸」などの女性に嬉しい成分を配合して開発しました。一方、茶系飲料では国産茶葉を100%使用した日本品質の烏龍茶「にっぽん烏龍」を発売しました。茶葉だけでなく、茶業種メーカーと共同して、本場中国の烏龍茶製法を国内の工場で再現し、国産素材を積極的に使用して国産農林水産物の消費拡大に寄与した点を評価いただき「フード・アクション・ニッポン アワード2015 商品部門 食品産業分野 優秀賞」を受賞しました。
スープ食品においては、主力ブランド「じっくりコトコト」において、厳選素材「北海道十勝芽室町産ゴールドラッシュ」のみを使用した、贅沢なコーンポタージュ「じっくりコトコト プレミアム 黄金のコーンポタージュ」など、ブランドの幅を広げる商品開発に挑戦しました。また、お客様の健康ニーズに応えた商品ラインナップ強化として「一杯の減塩」ブランドより「一杯の減塩 コーンポタージュ」を開発しました。
レモン食品においては、基幹ブランド「ポッカレモン100」から、こだわりを持たれるお客様の声に応えた商品として、イタリア・シチリア産のレモン果汁100%を使用した「ポッカレモンプレミアム シチリア産ストレート果汁」を発売しました。また、近年、調味料として話題となった“塩レモン”を簡単に便利な形で使用できるよう、当社商品としてレモンの果皮、果肉、果汁と塩を使用して作った「塩レモン」を開発し、新たなレモンの用途幅を広げました。
2.研究開発について
飲料、食品技術開発を担う組織として、研究開発本部の傘下に「商品開発研究所」と「新規基盤開発研究所」の2つの研究所で研究活動に取り組んでおります。
「商品開発研究所」では、コーヒーや柑橘果汁などの飲料、レモン、スープなどの食品の中身設計や容器開発、素材の探索など商品の高付加価値に繋がる研究を実施しました。
「新規基盤開発研究所」では、「サッポロビール社」とも協力しながら、新たな価値を提供する素材の探索、加工技術、機能性研究など幅広い領域の研究活動に取り組みました。
2015年度は、技術開発面の「交流高電界殺菌技術」研究発表で、日本果汁協会、全国清涼飲料工業会、日本農芸化学会の3団体から技術賞などを受賞しました。「交流高電界殺菌技術」は、「農研機構 食品総合研究所」及び「株式会社フロンティアエンジニアリング」と共同で開発した技術で、ポッカレモン100製造ラインにて、「製品に及ぼす風味向上」を目的として業界で初めて実用化したものです。
素材開発面では、国産茶葉を使ったウーロン茶飲料の開発に取り組みました。国産茶葉を使いながらも本場中国の製法にこだわり、苦味や渋みが少なく豊かな香りとコクを楽しめるやさしい味わいを実現しました。
おいしさ評価の研究面では、レモンの品質を把握する方法として、レモンを評価する言葉の体系化に取り組み、日本調理科学会で発表しました。
分析技術面では、サッポログループ内での最適化を検討しながら、残留農薬の分析インフラとして液体クロマトグラフ質量分析計の新機種への更新を行い精度の向上を図ると共に、分析インフラの効果的な活用という観点から、酒類における残留農薬分析手法に関しても技術確立しました。
食品・飲料事業の研究開発費の金額は9億円です。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は27億円です。
セグメントの状況は次のとおりです。
[国内酒類事業]
1.商品開発について
酒類の商品開発については、経営ビジョン「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を実現すべく、「サッポロビール社」の強みである原料へのこだわりや、永年培ってきた商品開発力、技術開発力を活かして、引き続き、新たな価値創造に取り組んでまいりました。
ビールテイストについては、2月に「サッポロ 生ビール黒ラベル」をリニューアル、当社独自の原料「旨さ長持ち麦芽」を増量、黒ラベルならではの「麦のうまみと爽やかな後味のベストバランス」に更に磨きをかけ、21年ぶりに前年を超える売上実績を残しました。プリン体ゼロのパイオニアである「極ZERO」は、健康志向のお客様のニーズにお応えし、人工甘味料ゼロとすることで、更なる価値強化を実現しました。また、5月に特定保健用食品で初となるノンアルコールビールテイスト飲料「SAPPORO+(サッポロ プラス)」を発売、当社ノンアルコールビールテイスト飲料の売上伸長に貢献いたしました。「ヱビス」ブランドでは、3月にコクと香りに更に磨きをかけて「ヱビス ロイヤルセレクション」を再発売、また、歳暮ギフト限定の「ヱビス 冬のコク」が好評を博し、歳暮ギフトの計画達成に大きく寄与しました。
続伸するRTD市場に対しては、「バカルディ」ブランドの強化に加え、9月に欧州主要国で売上NO.1(※)の本格派ウォッカ、「エリストフ」のRTDを発売しました。また、基軸ブランドの「男梅サワー」、「ネクターサワー」の強化を図り、梅干し本来のしょっぱい旨さを磨き、アルコール度数も高めた「超男梅サワー」を5月、ネクターならではのフルーティな白桃の果実感と乳酸菌飲料由来の爽やかな酸味の「白いネクターサワー白桃ピューレ」を8月に限定発売、いずれも当初計画を大幅に上回る実績を上げ、「白いネクターサワー白桃ピューレ」はご好評にお応えして12月に通年で再発売しました。さらに、「極ZERO」のRTDへのカテゴリーエクステンションとなる「極ZERO CHU-HI ゴクハイ」を6月に発売しました。そして、多様化する飲み方ニーズで伸長しているRTS市場には若年層に向けた梅酒ベースの新RTS「ウメカク 果実仕立ての梅酒カクテル ピンクグレープフルーツ」、ぶどう果汁からつくった新RTS「グレープドロップ ぶどうの雫でつくったお酒」を9月に同時発売、好調な推移となり、新たな需要を開拓しました。
(※) フランス・ベルギー・オーストリア・ポルトガル・ノルウェーのスタンダードカテゴリーにおいて販売数量No.1。2014年IWSR調べ
2.研究開発について
国内酒類事業における研究開発は、醸造技術研究、感性科学研究、新規素材研究、品質保証分析研究等を幅広く担う「サッポロビール社」の価値創造フロンティア研究所と、原料研究を担うバイオ研究開発部が中心となって、新しい価値をお客様にお届けするための研究開発活動を推進しました。
醸造技術研究においては、ビール中のタンパク質の解析により、ビールの泡持ちや混濁に関与する新規な大麦タンパク質及び遺伝子を同定しました。さらに、泡品質を向上させるための遺伝子診断技術(DNAマーカー)を新規に開発し、泡持ちを向上させるための大麦育種の基盤技術を確立しています。こうした一連の研究成果により、「農芸化学技術賞」に続いて、「日本育種学会奨励賞」、「欧州ビール醸造学会(35th Congress, European Brewery Convention) Best Paper賞」を受賞することができました。
適正飲酒は健康によいとされていますが、適正飲酒の継続とアルコール依存の関係についての科学的な報告はあまりありません。適正飲酒の正しい知見を得るために、行動薬理学的実験方法を用いて適正飲酒の影響を調べたところ、適正飲酒はアルコール習慣化のリスクが小さいという実験結果が得られ、依存に至らないために重要であることが確認されました。本結果はBiol. Pharm. Bull誌に論文が受理され掲載されました。当社ではこのような科学的な研究に加え、講演やセミナーを通じてアルコールの適正飲酒について働きかけています。
醸造技術を応用展開したバイオマスの資源化に関する技術開発においては、国内外にテストプラントを設置して実用化の検討を進めてきました。国内の水素・メタン発酵技術開発では、「タカキベーカリー社」、「広島大学」、「広島ガス社」と共同で実施した製パン工場廃棄物からのバイオ水素・メタン製造の試験結果を基に応用方法を検討してきました。また、バイオエタノール発酵では、「NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)」から受託したタピオカデンプン工業廃棄物からのエタノール製造実証試験(国際エネルギー消費効率化等技術普及協力事業)で建設したパイロットプラント設備を用いて実用化の実現可能性試験を実施しました。いずれも今後の成果が期待されています。
感性科学研究では、視線解析装置を用いて、パッケージデザインに対するお客様の意識や嗜好について調査を続けています。これまでに得られた結果を活用し、「サッポロ 生ビール黒ラベル」の昨年のリニューアルでは、現行のイメージを踏襲しつつ、「サッポロ 生ビール黒ラベル」を大きく表記し、缶体のデザインの全体的なバランスを見直すことにより、お客様に意識されやすいデザインを実現しました。このほか、購買や飲用時など商品との接点でのお客様の心理変化を、視線や脳血流量計測から理解することに取り組み、研究成果を、パングボーン感覚科学シンポジウム(11th Pangborn Sensory Science Symposium)、日本味と匂学会、日本生物工学会において報告しました。官能評価・開発設計技術の分野では、「金沢工業大学」と共同で「記憶に残る飲料」の研究を行い、その成果を「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」のロングセラー炭酸飲料商品である「リボンシトロン」のリニューアルに応用し話題を呼びました。
新規素材研究では、「サッポロビール社」が発見した「SBL88®」乳酸菌に次々に新しい機能を見出しています。肌の保湿につながる知見に続き、睡眠の質を向上させる効果も明らかになってきています。
品質保証分析研究では、価値創造フロンティア研究所の品質保証部門と「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の食品安全分析センターとの協働体制を深め、グループワイドに安全・安心な製品をお届けできるよう、原料・製品の安全性分析及びそれを支える分析新技術の研究に取り組んでいます。
カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ及び国内で品種開発を進めているLOXレス大麦については、栽培特性を改良した新品種「ShineStar」をオーストラリアで品種登録出願しました。現在も国内外でLOXレス品種の開発を進めており、「旨さ長持ち麦芽」のより安定した供給を可能とし、ビールテイスト商品の一層の高品質化を目指して取り組んでいます。
ホップについても、海外での高品質品種の安定生産を目指し、ユニークな香りをもつ3品種をアメリカで植物特許出願(国内の品種登録出願に相当)しました。また、ホップ成分の活用技術に関する特許を国内で出願するなど、技術基盤の拡充にも努めています。
国内酒類事業の研究開発費の金額は16億円です。
[食品・飲料事業]
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」として事業を開始して3年目となり、研究開発本部内の組織改変を行い、従来の「中央研究所」を改め、「商品開発研究所」「新規基盤開発研究所」を新設し、「味の科学研究所」は機能を「新規基盤開発研究所」と「研究企画部」に移管しました。それぞれお客様においしい「!(ひらめき)」をお届けするための研究開発活動を推進しました。
1.商品開発について
飲料商品において、主力ブランド「キレートレモン」より春に発売した「キレートレモン ENERGIE(エナジエ)」は、従来のエナジードリンクのようなケミカルな味わいではなく、レモン果汁と炭酸をベースに、「ローヤルゼリー」や「イミダゾールジペプチド」といったエナジー成分と、「ビタミンC」や「クエン酸」などの女性に嬉しい成分を加え、「カフェインゼロ」「カロリーオフ」「リキャップ可能」といった女性目線で作り上げた新しいエナジードリンクを開発しました。秋に発売した「キレートレモン INNER BEAUTE (インナーボーテ)」は、レモン果汁と炭酸をベースに「クエン酸」「ビタミンC」に加え、「イノシトール」「グルコシルセラミド」「ヒアルロン酸」などの女性に嬉しい成分を配合して開発しました。一方、茶系飲料では国産茶葉を100%使用した日本品質の烏龍茶「にっぽん烏龍」を発売しました。茶葉だけでなく、茶業種メーカーと共同して、本場中国の烏龍茶製法を国内の工場で再現し、国産素材を積極的に使用して国産農林水産物の消費拡大に寄与した点を評価いただき「フード・アクション・ニッポン アワード2015 商品部門 食品産業分野 優秀賞」を受賞しました。
スープ食品においては、主力ブランド「じっくりコトコト」において、厳選素材「北海道十勝芽室町産ゴールドラッシュ」のみを使用した、贅沢なコーンポタージュ「じっくりコトコト プレミアム 黄金のコーンポタージュ」など、ブランドの幅を広げる商品開発に挑戦しました。また、お客様の健康ニーズに応えた商品ラインナップ強化として「一杯の減塩」ブランドより「一杯の減塩 コーンポタージュ」を開発しました。
レモン食品においては、基幹ブランド「ポッカレモン100」から、こだわりを持たれるお客様の声に応えた商品として、イタリア・シチリア産のレモン果汁100%を使用した「ポッカレモンプレミアム シチリア産ストレート果汁」を発売しました。また、近年、調味料として話題となった“塩レモン”を簡単に便利な形で使用できるよう、当社商品としてレモンの果皮、果肉、果汁と塩を使用して作った「塩レモン」を開発し、新たなレモンの用途幅を広げました。
2.研究開発について
飲料、食品技術開発を担う組織として、研究開発本部の傘下に「商品開発研究所」と「新規基盤開発研究所」の2つの研究所で研究活動に取り組んでおります。
「商品開発研究所」では、コーヒーや柑橘果汁などの飲料、レモン、スープなどの食品の中身設計や容器開発、素材の探索など商品の高付加価値に繋がる研究を実施しました。
「新規基盤開発研究所」では、「サッポロビール社」とも協力しながら、新たな価値を提供する素材の探索、加工技術、機能性研究など幅広い領域の研究活動に取り組みました。
2015年度は、技術開発面の「交流高電界殺菌技術」研究発表で、日本果汁協会、全国清涼飲料工業会、日本農芸化学会の3団体から技術賞などを受賞しました。「交流高電界殺菌技術」は、「農研機構 食品総合研究所」及び「株式会社フロンティアエンジニアリング」と共同で開発した技術で、ポッカレモン100製造ラインにて、「製品に及ぼす風味向上」を目的として業界で初めて実用化したものです。
素材開発面では、国産茶葉を使ったウーロン茶飲料の開発に取り組みました。国産茶葉を使いながらも本場中国の製法にこだわり、苦味や渋みが少なく豊かな香りとコクを楽しめるやさしい味わいを実現しました。
おいしさ評価の研究面では、レモンの品質を把握する方法として、レモンを評価する言葉の体系化に取り組み、日本調理科学会で発表しました。
分析技術面では、サッポログループ内での最適化を検討しながら、残留農薬の分析インフラとして液体クロマトグラフ質量分析計の新機種への更新を行い精度の向上を図ると共に、分析インフラの効果的な活用という観点から、酒類における残留農薬分析手法に関しても技術確立しました。
食品・飲料事業の研究開発費の金額は9億円です。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
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