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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100780V

有価証券報告書抜粋 アサヒグループホールディングス株式会社 研究開発活動 (2015年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


アサヒグループでは、第5次中期経営計画の達成に向けて、酒類、飲料、食品の各事業において革新的で差別化された商品の開発、及びそのベースとなる技術開発を行ってまいりました。また、アサヒグループの次世代を担う新たな事業の創出のための研究開発も行っています。さらに、国内外の社外研究機関を活用し、研究開発のスピードアップを図っています。一方、2011年の純粋持株会社制移行後、グループ内のシナジーを発揮するための横串の取り組みを積極的に進めています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、10,399百万円です。なお、研究開発費については、研究開発にかかわる費用をセグメント別に関連づけることが困難であるため、その総額を記載しています。

[酒類事業]
(商品開発関連)
アサヒビール㈱は、ビール市場のさらなる活性化を目指して、主要商品である『アサヒスーパードライ』について、“洗練されたクリアな味、辛口”の味はそのままに、新・仕込み技術を導入する事で、更に際立つ飲みごたえ、冴えわたるキレを実現しました。具体的には、厳選優良ドライ酵母を使用しながら、「原料投入時の温度最適化により、酵素の働きを抑える技術」と、「麦汁製造時の過度な熱負荷を軽減する技術」を新たに製造工程に導入するにより、時間経過による味の変化を抑制し“飲みごたえ”と“キレ”がそれぞれ1割向上することを可能としました。
プレミアム商品である『アサヒスーパードライ ドライプレミアム』においては、その特長である“贅沢なコクとキレ”を実現する、フレッシュな状態の「ゴールデンドライ酵母」および厳選した「国産ゴールデン麦芽」の使用はそのままに、新たにチェコザーツ産の最高級ファインアロマホップを一部使用し、さらに煮沸工程の後半から終了にかけてホップを添加するレイトホッピング製法を採用する事で、よりフルーティーで華やかな香りを実現しました。また、香ばしいコクにこだわった『アサヒスーパードライ ドライプレミアム 煎りたてコクのプレミアム』、香りと味わいにこだわった『アサヒスーパードライ ドライプレミアム 贅沢香り仕込み』、芳醇なホップ香と香ばしいロースト香の調和をお楽しみいただける『アサヒスーパードライ ドライプレミアム 香りの琥珀』、2015年に収穫した国産ゴールデン麦芽、国産ホップ(一部使用)、国産新米を使用し、爽やかなホップの香りと麦のうまみを実感いただける『アサヒスーパードライ ドライプレミアム 初仕込みプレミアム』を限定商品として、それぞれ発売いたしました。
また、『アサヒスーパードライ』が、2014年に累計出荷数35億箱(1箱は大びん633ml×20本換算。以下同様)を突破したことを記念して、『アサヒスーパードライ エクストラシャープ』を、期間限定で発売いたしました。『アサヒスーパードライ エクストラシャープ』は、氷点下でろ過する “エクストラコールドろ過製法”と、発酵度を高めアルコール度数を5.5%に高めたことによって、“超辛口の「スーパードライ」”を実現したものです。
ビール文化を広く一般に伝えていく取組の一環として展開している「アサヒ クラフトマンシップ」シリーズからは、上面発酵酵母とシトラホップを一部使用した、フルーティーな香りとホップの軽快な苦みが特長の『アサヒ クラフトマンシップ ドライセゾン』、ミュンヘン麦芽を一部使用し、豊かな麦芽の香りとまろやかな甘みが特長の『アサヒ クラフトマンシップ ドライメルツェン』を発売いたしました。また、クリスマスシーズンに合わせ、『アサヒ ザ・クラフトマンシップ クリスマスビア』として、国産ゴールデン麦芽を一部使用し、麦芽由来のコクとほのかな甘みが特長の『メリーゴールド』、国産ゴールデン麦芽を一部使用し、麦芽由来の香ばしく豊かな味わいがありながらキレのある後味がお楽しみいただける『イヴ・アンバー』の2品種を発売いたしました。
発泡酒市場においては、「アサヒスタイルフリー」ブランド初のエクステンション商品となる『アサヒスタイルフリー プリン体ゼロ』を発売しました。「スタイルフリー」ブランドならではの“糖質ゼロ※1”機能に加え、ビールテイスト清涼飲料やビアカクテルの開発などで培ってきた技術を結集し“プリン体ゼロ”を新たに実現した発泡酒です。また、「スタイルフリー」ならではの爽快な飲み口とすっきりした味わいはそのままに、アルコール度数を6%まで高めることでしっかりした飲みごたえを実現しました。また、日本初のコラーゲンを含有した糖質オフの発泡酒である『アサヒ スマートオフ』を発売しました。
新ジャンル市場においては、主要ブランドである「クリアアサヒ」ブランドのクオリティアップを行いました。『クリアアサヒ』は仕込工程を通常より高い温度で行う“鮮度製法”を新たに採用して爽快な飲みごたえをアップし、『クリアアサヒ プライムリッチ』は最高級ホップを使用することで、華やかな香りを訴求しました。また、糖質ゼロの新ジャンル商品『クリアアサヒ 糖質0(ゼロ)』を発売しました。『クリアアサヒ 糖質0(ゼロ)』は、醸造工程において麦汁にアルコールを加え発酵させる新技術(特許出願中)を採用することで、これまでの糖質オフ商品では難しかった、しっかりした飲みごたえを実現したものです。機能性新ジャンルの主力ブランド『アサヒ オフ』においては、醸造工程においてプリン体を含む酵母等をこまめに取り除き、最適な温度帯をコントロールすることでプリン体の含有量を低減させる「プリン体最少化技術」を新たに採用し、“プリン体ゼロ”“糖質ゼロ”の機能を実現しました。このほか、期間限定商品として、収穫後に乾燥したホップを氷点下に冷却し粉砕後、葉などを取り除き苦みや香りのもとになるルプリンを抽出した「氷点下ホップ」を使用し、氷点下でろ過・貯蔵することで、「クリアアサヒ」ブランドならではの澄みきった“クリアな後味”をさらに追求した『クリアアサヒ クリスタルクリア』、4種の麦芽と7種のホップを組み合わせることにより、香ばしいコクがありながらクリアな後味が特長の『クリアアサヒ 秋の琥珀』、2015年に収穫した山形県産ホップを使用して爽やかな香りと爽快な飲みごたえを実現した『クリアアサヒ 初摘みの香り』、カスケードホップとシトラホップを一部使用したことによる華やかでややスパイシーな香りと、アルコール分6%の飲みごたえが特長の冬限定『アサヒ 冬の乾杯』を、それぞれ発売しました。
ビールテイスト清涼飲料市場においては、「アサヒドライゼロ」ブランドの特長である“アルコール0.00%”“カロリーゼロ”“糖質ゼロ”の3つのゼロに、さらに“プリン体0.0”を加えて4つのゼロを実現した『アサヒドライゼロフリー』を発売いたしました。「ドライゼロ」ブランド独自の“ドライ鮮度製法※2”により、コクとキレのあるドライな味わいはそのままに、スッキリとした飲みやすさをお楽しみいただける味わいに仕上げました。また、「機能性表示食品」として、食事の脂肪や糖分が気になる方に適したビールテイストおよびRTDテイスト清涼飲料の『アサヒスタイルバランス』を新たに発売いたしました。「機能性表示食品」としてRTDテイスト清涼飲料が受理されたのは、初めてのことです。『アサヒスタイルバランス』は、難消化性デキストリン(食物繊維)を5g含有し、“食事の脂肪の吸収を抑える”“食事の糖分の吸収を抑える”ビールテイスト清涼飲料、および“食事の脂肪や糖分の吸収を抑える”RTDテイストの清涼飲料で、共通して“アルコール0.00%”“カロリーゼロ”“糖類ゼロ”で、毎日飲んでも飲み飽きない、食事に合うすっきりとした味わいが特長です。
RTD※3市場においては、「アサヒカクテルパートナー」ブランドから、新フレーバーとして『完熟ぶどう&シャルドネ』、『はちみつレモネード』を、夏限定フレーバーとして、『太陽のマンゴー&トロピカルフルーツ』、『渚のパイン&パッション&ココ』を、冬限定のフレーバーで『ベリーミックスパンチボウル』『ラ・フランスミックスパンチボウル』を、「特濃シリーズ」の期間限定のフレーバーとして『はちみつグレープフルーツ』、『はちみつ柚子みかん』をそれぞれ発売しました。「アサヒSlat(すらっと)」ブランドからは、期間限定フレーバーとして、『シチリア産ブラッドオレンジサワー』、『アサイー&ブルーベリーサワー』、『ひんやりみかんサワー』、『フルーツサングリアサワー』、『アップル&ジンジャーサワー』を発売しました。「アサヒ辛口焼酎ハイボール」ブランドからは、基幹2フレーバーの『プレーン』、『レモン』に加えて、新フレーバーとして、『ドライクリア』を発売しました。また、期間限定フレーバーとして、『青ゆず』、『赤ウメ』、『青みかん』、『青しそ』、『冬しょうが』、『かぼす&すだち』を、それぞれ発売しました。「アサヒハイリキザ・スペシャル」ブランドからは、新フレーバーとして『メロンソーダサワー』、『フルーツパンチサワー』、期間限定フレーバーとして『アイスマンゴー』、『ストロングゴールド』を、それぞれ発売しました。
ウイスキー市場においては、主力ブランドである「ブラックニッカ」から、『ブラックニッカ ディープブレンド』を発売しました。ホワイトオークの新樽で熟成を重ねたモルト原酒と、樽熟成したカフェグレーン原酒を調和させた深いコクと豊かで伸びのある甘い味わい、心地よいピートの香りとビターな樽の余韻が特長です。また、蒸溜所の個性を際立たせた新たな「シングルモルト」※4として、重厚で力強い味わいの『シングルモルト余市』、華やかでスイートな味わいの『シングルモルト宮城峡』を刷新し発売しました。復刻版シリーズとしては、『初号ブラックニッカ復刻版』、『初号ハイニッカ復刻版』、『初号スーパーニッカ復刻版』を数量限定で発売しました。そのほか、ピートを燻したモルトでつくられる“ヘビーピートモルト原酒”のみを厳選してヴァッティング※5した『シングルモルト余市 ヘビリーピーテッド』、スペインの酒精強化ワインであるシェリーの貯蔵に使われた樽を使って熟成させた“シェリー樽熟成原酒”のみを厳選してヴァッティングした『シングルモルト宮城峡 シェリーカスク』を発売しました。
焼酎市場においては、「かのか」ブランドから、自然由来の香りにこだわった氷を入れて注ぐだけで楽しめるRTS新商品として『季節香るかのか 大人のカシス』と『季節香るかのか 和みのゆず』を発売しました。また、『季節香る かのか ホットハニージンジャー』を期間限定で発売しました。
ワイン市場においては、国産ワイン「サントネージュ リラ」ブランドより新たなラインナップとして『サントネージュ リラ スパークリングロゼ』を発売しました。また、「酸化防止剤無添加」シリーズとして『サントネージュ リラ ぶどう香る酸化防止剤無添加ワイン(赤・白)』を、「フルーツ」シリーズとして『サントネージュ リラ フルーツ ベリーと赤ワイン』、『サントネージュ リラ フルーツ 洋なしと白ワイン』を発売し、既存の「スタンダート」シリーズにおいては2,700ml大容量の『サントネージュ リラ(赤・白・プレミアムこく赤)』を追加発売しました。日本ワイン※6の「サントネージュ エクセラント」シリーズからは、山形県蔵王山麓かみのやまで栽培され厳選した国産ぶどうを100%使用した『サントネージュ エクセラント かみのやま スパークリングロゼ』を発売しました。また、製造元であるサントネージュワイン㈱が自社畑「牧丘 倉科畑」で収穫したぶどうを100%使用した『サントネージュ エクセラント 牧丘 倉科畑収穫カベルネ・ソーヴィニヨン2013』『同 シャルドネ2014』を数量限定で発売しました。リンゴ100%のスパークリングワイン「ニッカシードル」ブランドからは、生産量の少ない国産の紅玉リンゴのみを使用した『ニッカシードル紅玉リンゴ』、果汁が多く、甘味と酸味のバランスの良い国産ふじリンゴを100%使用した『ニッカシードルサマースパークリングふじリンゴ』、2015年に収穫した早生(わせ)品種“国産つがるリンゴ”を100%使用した『ニッカ シードルヌーヴォスパークリング2015』を、期間限定でそれぞれ発売しました。
業務用ハイボール市場においては、飲食店向けに『ブラックニッカ フリージングハイボール』の展開を開始しました。『ブラックニッカフリージングハイボール』は、氷点下(-2℃~0℃)の温度帯で楽しむ新しいハイボールです。氷点下にすることで、「ブラックニッカ クリア」ならではの“クリアな味わい”はそのままに、ほのかな甘さが引き立ち、炭酸がきめ細やかで鮮烈になり、爽快感が際立ちます。『ブラックニッカ フリージングハイボール』は、提供品質が一定であることや、オペレーションコストが抑えられることなどから売上アップにも貢献する商材として飲食店にも高く評価されています。

※1:栄養表示基準による。以下同じ。
※2:1.酸化しにくい原材料を厳選、2.熱によるダメージを低減し不快な香りを抑制、3.氷点貯蔵・ろ過により雑味成分を低減、4.製造工程内の酸素を低減し香味の劣化を抑制、により、最もビールに近い味を目指し、ドライなうまさにこだわった製法。
※3:Ready to Drinkの略。缶チューハイや缶カクテルなど、そのまま楽しめる低アルコール飲料のこと。
※4:1つの蒸溜所のモルトウイスキーだけでつくられたウイスキー。その蒸溜所の気候や風土などを反映した個性的な味わいが楽しめる。
※5:モルトウイスキーとモルトウイスキーを混和(ブレンド)すること。
※6:原料ぶどうに国産ぶどうを100%使用して製造したワインのこと。

(技術開発関連)
アサヒビール(株)の『アサヒスーパードライ』は、2014年にアメリカで開催された国際的なビールコンテスト「ワールドビアカップ」での金賞受賞に続き、ベルギーの国際的なビールコンテストである「ブリュッセルビアチャレンジ2015」において、日本のビールメーカーとして初めてゴールドメダルを獲得しました。同コンテストでは、30カ国から1,111ブランドのエントリーがあり、世界各国から選ばれた総勢75名のプロの審査員による厳正なる審査の上、それぞれの賞が決定されました。その結果、『アサヒスーパードライ』がラガー・インターナショナルスタイルピルスナー部門でゴールドメダルを獲得し、スタウトエクスポート部門では、『アサヒスタウト』が優秀賞を受賞しました。「ブリュッセルビアチャレンジ」は国際的なビアコンペティションであり、世界中のビール生産者が、最高の品質を競い合うという機会を提供することを目的に、2012年から毎年開催されています。
ニッカウヰスキー㈱が製造するブレンデッドウイスキー『フロム・ザ・バレル』は、世界的な酒類品評会である「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2015」のウイスキー部門において、450品を超えるエントリーの中からカテゴリー最高賞となる“トロフィー”を受賞しました。ニッカブランドが“トロフィー”を受賞するのは、2009年の『竹鶴21年ピュアモルト』に次いで2度目となります。同時に、ニッカウヰスキー(株)が、“ディスティラー オブ ザ イヤー”を受賞しました。高品質で優れた製品を生み出したメーカー(ディスティラー)の中から、1社だけに贈られる非常に名誉ある賞で、ニッカウヰスキーとしては初めての受賞となります。また、『竹鶴25年ピュアモルト』・『竹鶴21年ピュアモルト』・『ピュアモルトレッド』・『フロム・ザ・バレル』・『スーパーニッカ』・『鶴17年』・『カフェグレーン』・『カフェモルト』の8アイテムが金賞を受賞しました。インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)とは 、毎年イギリスの酒類専門出版社「ドリンクス・インターナショナル」が主催している酒類品評会です。ウイスキー部門のほか、ブランデー、テキーラ、ジン、ウォッカなどの部門があり、審査はブラインド・テイスティングによって行われます。各部門のカテゴリーから、金賞、銀賞、銅賞などが選ばれ、金賞の中から最高賞である“トロフィー”を選出します。ウイスキー部門については、世界の著名なウイスキー蒸溜所のブレンダーやディスティラーなどが審査員となっています。
また、『竹鶴17年ピュアモルト』は、ウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2015」(WWA)において、「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」を受賞し、“世界最高賞”のブレンデッドモルトウイスキー(ピュアモルトウイスキー)として認定されました。『竹鶴17年ピュアモルト』が世界最高賞を受賞するのは、2012年、2014年に続き今回で3回目となります。『竹鶴21年ピュアモルト』が07年、09年、10年、11年にワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキーを4回受賞していることから、「竹鶴」ブランドとしては今回で7回目の受賞となります。1ブランドが7回世界最高賞を受賞するのは、WWA史上初となります。
同じく、ニッカウヰスキー㈱が製造するスパークリングワインである『ニッカシードル・ロゼ』は、シードルの国際品評会「インターナショナル サイダー チャレンジ2015(International Cider Challenge)」において、銀賞を初受賞しました。同時に、『ニッカシードル・ドライ』は2度目の銀賞受賞、『ニッカシードル・スイート』は銅賞を受賞しました。
サントネージュワイン㈱が製造した『サントネージュ エクセラント かみのやま 佐竹畑収穫シャルドネ 2014』は、「Japan Wine Competition(日本ワインコンクール) 2015」で金賞を受賞しました。サントネージュワイン(株)として、日本ワインコンクールの金賞受賞は初めてのことです。また、『サントネージュ エクセラント かみのやま 渡辺畑収穫カベルネ・ソーヴィニヨン2013』『サントネージュ エクセラント かみのやま 奈良崎畑収穫メルロー2012』の2アイテムは銅賞を受賞しました。

[飲料事業]
(商品開発関連)
アサヒ飲料社は、「ブランド強化を軸にした売上成長」を成長戦略に掲げ、ブランドの育成を軸とし新商品への積極的なチャレンジをして新価値創造に取り組んで参りました。
具体的には、100年以上もお客様に愛され続ける「三ツ矢サイダー」、「ウィルキンソン」、そしてまもなく100年目を迎える「カルピス」をはじめ、「ワンダ」、「十六茶」、「おいしい水」、「バヤリース」、「Welch’s」といった当社にしかないブランドを永続的にお客様に支持していただける強固なブランドへ育成していく事を目指しました。また、お客様のニーズに対応した新たな提案や、市場の変化を先取りした新市場創造型の提案にも積極的に取り組んで参りました。
「ワンダ」ブランドでは、『モーニングショット』、『金の微糖』、『ゴールドブラック-金の無糖-』の3本柱を中心とした継続育成に加え、伸長するボトル缶市場、PET市場に対して新商品の展開を行いました。
『ワンダ モーニングショット』は、香り高く風味豊かなアラビカ種の新豆を100%使用し、コーヒー抽出時や充填時の酸化を防止する抗酸化製法で仕上げることで、“焼きたて、挽きたて、淹れたて”の目覚めるおいしさにすることに加え、本年のリニューアルでは後味の良さを改良し、さらに朝にふさわしいおいしさに仕上げました。
また、近年のコーヒーの飲用機会拡大に伴い、コーヒーの質や製法にこだわるユーザーが増えていることに着目し、質や製法にこだわった新たな缶コーヒーの提案として、世界最大級の焙煎機メーカーである「PROBAT」(プロバット)社とタイアップした「焙煎を極めた缶コーヒー」が特長の「グランドワンダ」シリーズを本年発売いたしました。
「三ツ矢」ブランドでは、最重点商品である『三ツ矢サイダー』、ならびに『三ツ矢サイダーゼロ』を含めた透明炭酸の商品力強化と新たな魅力のご提案に取り組みました。また、果汁炭酸については、「三ツ矢フルーツサイダー」や、「ぜいたく三ツ矢」シリーズ、『三ツ矢梅』『三ツ矢柚子』といった幅広い層のお客様にご支持頂ける商品提案力の強化により、果汁炭酸市場での「三ツ矢」ブランドの存在感の拡大を目指して参りました。
さらに、一昨年発売した特保炭酸『三ツ矢サイダープラス』をはじめ、新たな商品提案、新たな価値提案に年間を通して積極的にチャレンジしました。
「ウィルキンソン」ブランドについては、「シャープな爽快感」という固有の価値を磨き上げ、飲用シーン拡充や利便性を追求した新商品をご提案することで、炭酸水自体の価値に立脚したブランド価値を構築し、永続的なNo.1ブランドとなることを目指して参りました。
具体的には、主力商品『ウィルキンソン タンサン』、『ウィルキンソン タンサン レモン』に加え、新たに大容量商品『ウィルキンソン タンサン PET1Lビッグボトル』を発売し、お客様の幅広いニーズにお応えできるラインアップとすることで、更なるブランドの成長を目指しました。
「十六茶」ブランドについては、1993年に発売の『アサヒ 十六茶』が2005年から「カフェインゼロ」として生まれ変わり、今年で12年目をむかえました。無糖茶市場の流れをとらえるとともに、「健康的な水分補給」 ×「明るく元気」というブランドコンセプトの浸透が進み、2010年から5年連続で成長を続け、4年連続2,000万箱を突破しました。本年は、このブランドコンセプトに合わせて中味・パッケージに磨きをかけていくことで、さらなる進化を目指しました。中身については「仙草」に替えて新素材「ナツメ」を採用し、ご好評いただいている「カフェインゼロ」はそのままに、素材本来の旨み・甘味を活かしながら、お客様が求めるすっきり香ばしいおいしさに仕上げました。
また、『食事と一緒に十六茶W』につきましては、トクホ無糖茶における「カフェインゼロ」ニーズに着目し、カフェインを取り除いたデカフェ茶葉(ウーロン茶葉、緑茶葉)を新たに採用することで、2つのヘルスクレームを持つトクホ茶では史上初の「カフェインゼロ」に中味をブラッシュアップ。さらに今までよりもすっきりとした味わいに仕上げ、より食事との相性を高めました。
お客様のニーズに対応した新たな提案や、市場の変化を先取りした新市場創造型の商品としては、昨年4月より施行された機能性表示食品制度を活用した“目や鼻の調子を整える”『アサヒ めめはな茶』を発売いたしました。『アサヒ めめはな茶』は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市 理事長 井邊 時雄)との共同研究による成果を活用し、鹿児島で畑作りから取り組んだ国産の「べにふうき」茶葉を100%使用。その「べにふうき」に含まれるメチル化カテキンにより、ほこりやハウスダストによる目や鼻の不快感を緩和する今までにない健康価値を提供する商品を発売しました。
カルピス㈱においては、『カルピスソーダ』のリニューアルを行うとともに、マンゴー、洋なし、巨峰のバリエーションを開発しました。また炭酸を強めた「カルピスソーダ」にレモンとライムを皮ごと凍結粉砕した果汁を加え、果実そのままの爽やかな風味と炭酸の刺激から生まれる爽快なキレ味にこだわった『「カルピスソーダ」大人のキレ味レモン&ライム』を開発いたしました。果汁入りの「カルピス」RTDとして、『メロン&「カルピス」』、『さくらんぼ佐藤錦&「カルピス」』、『信州巨峰&「カルピス」』、『キウイ&「カルピス」』、『ブラッドオレンジ&「カルピス」』、『いちご&「カルピス」』を開発いたしました。さらにゼリー飲料である『ふっておいしい「カルピス」ゼリー』やニンジン汁入りの「カルピス」RTDの『「カルピス」ベジタラッテ』、「カルピス」にコクを生み出す乳素材を組合せ、宮古島の「雪塩」をひとつまみ入れることで甘みを引き出して、甘みと塩分で疲れた体と心を癒す『夏のコク甘「カルピス」』など数多くの「カルピス」ブランド製品を開発し、「カルピス」ブランドの拡大と価値向上に努めました。「Welch’s」ブランドにおいては、新規なシリーズとして、『「Welch’s」ザ・フルーツマイスターグレープ100』、『ピンクグレープフルーツ100』の開発を行うとともに、新しい「Welch’s」の価値の提供を目指して、家庭で手作りしたような濃厚な食感のスムージーで、サラダボウル1杯分の野菜を加え、飲ごたえのある食感に仕上げた『「Welch’s」Smoothie Kitchen グレープミックス』、『オレンジミックス』、『ストロベリーミックス』の開発を行い「Welch’s」ブランドの価値向上に努めました。その他にも、懐かしい味わいの『味わいメロンクリームソーダ』、『味わいコーラフロート』、『味わいマンゴーオ・レ』など、新しい乳性飲料の提案も行いました。我々は、これからも新しい乳酸菌及び乳酸菌飲料、乳性飲料の価値を提案していきます。
㈱エルビーにおけるデイリーチルド及びロングライフ(LL)紙容器飲料では、基幹カテゴリーであるデイリーチルド無糖茶への新たな提案として、『ルイボスティー(1L)』を関東エリア限定にて発売しました。
健康志向の高まりを背景に好調に推移している、カロリーゼロのデイリーチルド紅茶飲料(「大人の紅茶」シリーズ)では、茶葉を増量、また産地や品種にこだわった果汁を使用した500ml容器で「大人の紅茶PREMIUM」シリーズを新たに投入し、よりこだわったものを求められるお客様のニーズにもお応えしました。
また食感素材入り飲料としては、独特の食感と健康素材としても近年注目されている「チアシード」とアロエ、ナタデココ、タピオカを組み合わせた「チアシード」シリーズをデイリーチルド500ml容器で新たに展開し、好評を得ました。
デイリーチルド乳飲料では、アサイーに続き、ココナッツやピタヤ等の新たな素材を使用した飲料を展開しました。
グループシナジーとしては、「カルピス」ブランドにて基幹商品となる「味わいカルピス」1Lシリーズの強化策として、『味わいカルピス』のリニューアル及び『国産白桃』、『ぶどう』の発売に加え、最盛期に『マンゴー』を投入、定番商品としての基盤をさらに増強しました。その他、タピオカ、ナタデココ、アロエ入りの「食感」シリーズ、クリームやミルクが入り、濃厚な味わいが楽しめる500ml商品の充実を図りました。LL商品においては、健康ニーズにお応えするビタミンやコラーゲン入りの「カルピス」商品、『メロン&「カルピス」』、『信州産巨峰&「カルピス」』を新たに発売いたしました。その他、カップ飲料にて『「カルピス」ゼリー』、『タピオカ&「カルピス」』を展開しました。
「バヤリース」ブランドではLL商品にて「バヤリース ホテルブレックファースト100%」シリーズのリニューアル及び新たに『トロピカルミックス』を追加、シリーズ強化を行いました。
その他自社ブランドのLLでは、宅配向け商品として『毎日ベリー習慣』『まるごとみかんのチカラ』を新たに投入、活性化を図りました。一方で『さらりと飲めるあまざけ』『ソイグルト』を開発、今までにない新たな商品提案を行いました。その他、牛乳や豆乳などと混ぜることでとろりとした食感が楽しめ、料理など様々な用途に使える『まぜておいしい黒酢りんご』、秋冬に体が温まり、容器ごとレンジ加温も可能な『素材のチカラ 生姜しぼり』を新容器で発売し、新たな顧客獲得を図りました。

(技術開発関連)
アサヒ飲料㈱では、アサヒグループの環境ビジョン2020に基づき「低炭素社会」ならびに「循環型社会」の構築に貢献できる技術開発を推進して参りました。
その結果、弊社炭酸飲料ブランドである「三ツ矢サイダー」、「ウィルキンソン」の省資源化と環境負荷低減への取り組みが、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会が実施する「2015年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」において協議会会長賞を受賞しました。
また、お茶用アセプティックHOT/COLD兼用ボトルの開発を行い、それぞれに高温販売適性と自販機適性を持たせるとともに、軽量化を実現しPET使用量の削減、ならびに同一金型を使用することにより、型替時間を削減しPET成型工程の省力化と効率化を可能にしました。
この他、製品、工程、苦情品解析に必要な安心安全技術(新規分析技術、解析技術)の拡充と有害微生物の検出技術、同定技術、静菌技術の研究についても継続して取り組みました。
カルピス㈱では、人々の心とからだの健康に役立つ商品・技術を提供することを目指し、乳酸菌や微生物を活用した研究に取り組みました。その中で、津田彰久留米大学大学院心理学研究科教授の監修のもと、当社独自の乳酸菌と酵母を活用した乳酸菌飲料の機能性研究において、乳酸菌単独では作りだせない“乳酸菌と酵母”で発酵して作られる独特の“香り”には自律神経に働きかけて、リラックスをもたらし不安を和らげるなどの“癒し”効果があることをヒト試験にて確認し、日本生理心理学会で発表しました。今後も、さらに研究をすすめ、“乳酸菌と酵母”で発酵した乳酸菌飲料の香りの作用に関する科学的な知見を深めてまいります。
そして、少子化が進む社会への貢献を目指し、田島信元白百合女子大学生涯発達研究教育センター長の監修のもと、乳酸菌飲料<希釈タイプ>を親子で共同作製することが子と親の心理発達に与える影響を調査しました。親子で共同して希釈作製し、飲用する体験を通じて、豊富な親子のコミュニケーションが生まれ、子が自分で考えて取り組むように成長することが明らかとなり、お絵かきや工作といったその他の発達ツールと比較しても、自分で考える力や、人を思いやる心を育む上で優れていることが明らかとなりました。これら研究成果を、日本発達心理学会、日本教育心理学会にて発表しました。今後は、子と親の心理発達に与える良い影響についてさらに検証を進めます。
また、これまでアレルギーの改善やインフルエンザの予防効果が報告されてきた「L-92乳酸菌」のさらなる活用を目指し、この摂取により体内でどのような免疫指標が働いているのかをヒト試験において調べたところ、ウイルスや細菌を不活化することが知られている免疫グロブリンAが唾液中で増えていることを見出し、日本食品免疫学会で発表しました。「L-92乳酸菌」が働きかけることによって主要な免疫指標である免疫グロブリンAの働きが強化されるというメカニズムが明らかになってきたため、これを『守る働く乳酸菌』の学術支援や新たな研究開発に役立ててまいります。
乳酸菌CP2305株(「プレミアガセリ菌CP2305」)については、おなかの健康に役立つ働きを排便回数が少ない人と多い人とを対象として調べたところ、それぞれの方々の排便回数や便性の改善、および腸内環境を改善する新たな試験成績が得られましたので、腸内細菌学会にて発表しました。この成果は『届く強さの乳酸菌』の学術支援や新たな研究開発に役立ててまいります。
乳酸菌ばかりでなく、枯草菌C-3102株のおなかの健康に役立つ働きを、松井輝明帝京平成大学健康メディカル学部教授の監修のもと、近年多く取り上げられるようになった機能性胃腸症※1に悩む方々に対して調べたところ、胃腸症状や腹部の不快感をいろいろな評価項目において改善する作用を見出し、日本消化吸収学会で発表しました。この当社独自の枯草菌の新しい可能性につきましては、今後の活用に向けてさらに研究を進め、現代人に特有なおなかの悩みに役立てるよう開発につなげてまいります。
乳酸菌が作り出すユニークな食品成分としては、これまでに血圧が高めの方に適する「ラクトトリペプチド」※2を見出し、『アミールS』に活用して1997年に特定保健用食品の許可を受け発売してまいりましたが、2015年の機能性表示食品制度開始に合わせ、北風政史国立循環器病研究センター臨床研究部・心臓血管内科部長の監修のもと、「ラクトトリペプチド」の日本人を対象とした血圧に関する有効性試験のシステマティックレビューを実施し、検索・選抜された18試験をまとめて評価しても血圧を下げる働きが検証されたことから、PLOS ONEという英文専門誌に発表しました。この成果をもとに、さらに健康な方を対象とした10試験に絞り込み、システマティックレビューを実施したところ、「ラクトトリペプチド」含む食品の形態、原料の種類、試験された1日当たりの摂取量によらず、健康な方においても血圧を下げる働きを検証したことから、これらを根拠として製品『アミールWATER』の機能性表示食品を届出て受理・発売に至りました。これにより「ラクトトリペプチド」の血圧に関する有効性が健康な方にも広く認められ、広く血圧に関する機能性表示が可能になりましたので、今後は各種の製品に活用してまいります。

※1:内視鏡検査等で異常を認めないにも関わらず腹部の痛みや膨満感を感じる胃腸症状。
※2:乳タンパク質の一種であるβ-カゼインに含まれる、バリン-プロリン-プロリンおよびイソロイシン-プロリン-プロリンという3つのアミノ酸からなる2種類のペプチド(アミノ酸がつながったもの)の呼称で、一部の乳酸菌または麹菌の酵素による分解により得られる。

[食品事業]
(商品開発関連)
アサヒフードアンドヘルスケア㈱の菓子食品事業では、拡大傾向にある錠菓市場でのさらなる伸長を目指して「ミンティア」シリーズの強化に努め、育成ジャンルである中粒錠菓にこれまでに無かった華やかなフレーバーを特徴とする新製品『シャイニーピンク』を提案したのを始めとして新製品17品、リニューアル品3品を投入しました。人気のシリアル市場に向けては、大箱タイプの新製品『大豆グラノーラカカオ&ナッツ』を発売すると共に『フルーツグラノーラ』のリニューアルを行いました。また、キャンディ、グミ、焼き菓子やスープ等のジャンルにおきましても、新価値創出とブランド育成を目標に66品の新製品提案と29品の既存品リニューアルを行っています。一方、ヘルスケア事業におきましては4月にスタートした機能性表示食品制度に着目し、各種原料の有効性データの精査を実施することで信頼性の高い成分を選定して業界トップクラスの9アイテムの受理を得ることに成功。2015年中には「ディアナチュラ」ブランドを中心に6アイテムの新製品を発売いたしました。また、ダイエット市場におきまして、海外での流行を受けて国内でも取り上げられる事の多くなりつつあるスーパーフードに注目し、15種のスーパーフードを含む25種類の素材をぎゅっと固めた新製品『スリムアップスリム スーパーフードキューブ』を提案したのを始めとして、ダイエット、コラーゲンや化粧品等のジャンルにおいても合計26品の新製品を発売しました。
和光堂㈱は、ベビーフード市場向けに、幼児食カテゴリーとして親子のおかずを一度につくることのできる「おやこdeごはん」シリーズ3品を追加発売し、さらに親子のスープが一度にできるスープタイプの新商品3品を発売、ラインナップを強化しました。また、そのまま食べられるフルーツピューレの「くだもの食べよっ!」シリーズを刷新し、月齢に合わせてステップアップできる中身設計で、1食分のカップタイプの7品を発売しました。お出かけ時も便利で食事バランスをしっかりケアできるベビーフード「栄養マルシェ」シリーズ30品を、レンジも簡単な新容器にてリニューアル発売しました。シニア向けの介護食品では、水分補給を美味しく手軽にサポートできる「アクアチャージ」シリーズの2品(ゼリー飲料、とろみ付き粉末飲料)を発売。ゼリー飲料では誤飲配慮、開封性の良い容器を採用しました。また、3つの成分で栄養サポートできる粉末嗜好飲料の2品(カフェオレ、ミルクココア)と、しっとりやわらかタイプで食べやすさと美味しさにこだわった一口サイズの和風クッキー3品(かぼちゃ風、抹茶風、あずき風)を新発売し、シニアの間食分野を新規カテゴリーとして提案しました。粉末飲料「牛乳屋さん」シリーズは、いちごとミルクにバニラの香りをやさしく組み合わせた『牛乳屋さんのいちごバニララテ』と、カフェインレス※でやさしい味わいの『牛乳屋さんのやさしいミルクティー』を発売しました(※カフェインを90%以上カット)。業務用として、コンビニエンスストアのカウンターカフェ向けに『抹茶オレ』、『ココアオレ』をパウダータイプにて発売しました。
天野実業(株)は、フリーズドライ食品を「より多くのお客様に、より多くの場所で、より購入しやすい価格で、よりおいしく食べてもらい驚いてもらう」を事業方針とし、商品開発に取り組みました。
具体的には、主力である「みそ汁」カテゴリーの主力ブランドを強化、次の柱とする「米飯」、「にゅうめん」カテゴリーのラインナップを強化、フリーズドライの優位性が発揮できる新価値の提案に取り組みました。また、フリーズドライ食品の魅力を情報発信するための開発にも取り組みました。
流通事業では、「うちのおみそ汁」ブランドでは、追加フレーバー『豚汁』、『赤だしなめこ』、『なす(減塩)』『赤だしなめこ(減塩)』を発売しました。「いつものおみそ汁」ブランドでは、追加フレーバー『赤だしなめこ(減塩)』、『野菜(減塩)』を発売しました。「にゅうめん」ブランドでは、追加フレーバー『梅と豚肉』『なすと水菜』、『生姜のあんかけ風』を発売しました。また、新技術の導入で「炙り雑炊」ブランドと「三ツ星キッチンパスタ」ブランドを展開しました。「炙り雑炊」では、具材を炙る技術を導入し、『炙りかに雑炊、』、『炙りさけ雑炊』、『炙りたらこ雑炊』を発売しました。「三ツ星キッチンパスタ」ブランドでは、コンセプト開発から2年をかけて60秒で復元するパスタを開発し、『3種のチーズのクリームパスタ』、『焼なすとトマトのクリームパスタ』を発売しました。また、2013年より防災食を発売していましたが、お客様のニーズに対応した「容器付き非常食保存食(保存期間5年)」の『ほうれん草のおみそ汁』、『たまごスープ』を発売しました。
通販事業では、主に新価値の提案に取り組みました。昨年好評だった「一人鍋」シリーズは、『キムチ仕立て』、『豚しゃぶ仕立て』、『みぞれ仕立て』を再提案しました。「にゅうめん」ブランドでは、お客様の減塩ニーズに対応して既存品より25%塩分カットした優しい味わいの『すまし柚子(減塩)』、『まろやか鶏だし(減塩)』、『五種の野菜と味噌(減塩)』を提案しました。「健康軸商品」シリーズでは、グループ会社のカルピスが保有するトクホ関与成分ラクトトリペプチド(LTP)を配合した塩分1%未満の『LTP入り減塩みそ汁』、粒こんにゃくと押し麦が入ったカロリー(73Kcal)に配慮した『粒こんにゃく入りリゾット』を提案しました。「お惣菜」シリーズでは、『ひじきの煮物』、『ポテトサラダ』、『ほうれん草の白和え』、『なすの煮びたし』、『切干大根の煮物』、『卯の花』を提案しました。また、高機能高品質かつこれまでにない驚きある商品として『チキンカツの玉子とじ』を提案し、お湯をかけるだけで揚げ物カツの食感を味わえるフリーズドライの価値を高める商品を開発しました。
フリーズドライ食品の魅力の情報発信は、創業の地である広島県福山市にアンテナショップ2号店の開設、若年層向けのWEBコンテンツサイト名「アマノ食堂」の運用開始など、ECサイト、アンテナショップとのミニオムニチャネルを実現させ、新製品の「パスタ」、「お惣菜」、「お茶碗丼」ブランド等のテストマーケティングにも取り組みました。

(技術開発関連)
アサヒフードアンドヘルスケア㈱機能性評価部門では、機能性表示食品の開発に際して消費者庁の動向把握に努め、ガイドラインの公表に先行してシステマティックレビューを実施することで、いち早いタイミングで届出の受理に成功し、業界トップレベルのアイテム数を確保することに成功しました。また、酵母関連部門においては特定の菌株向けの培地用酵母エキスの開発に取組み、その第一弾として乳酸菌培養用酵母エキス「CM1」を開発し、商品化を行いました。
和光堂㈱では、高齢者向けに開発されたクッキーの食べやすい食感を機器測定で評価する方法を検討し、日本咀嚼学会第26回学術大会でポスター発表しました。また、錠剤の製造方法において、圧縮成形性に劣る機能性原料の顆粒化製法を確立し、さらに本製法で作製された原料を含む錠剤が崩壊性に優れていることを見出し、アサヒフードアンドヘルスケア㈱と共同で特許を2件出願しました。
天野実業(株)では、業界初の熱湯60秒での復元を可能にした「フリーズドライパスタ」を開発しました。

[食の安心安全]
食品の安全性に対するお客様の期待が高まる中、食品に含まれる微量成分を網羅的に分析することが可能な最新の飛行時間型質量分析計を導入しました。本分析機器を活用して、食品の原材料、とくに食品添加物や容器包装資材を精密に分析することで、安全な製品づくりに貢献しています。また、水・原料・製品の安全性を正確かつ迅速に評価するために、最先端の分析技術を駆使し、残留農薬、残留動物用医薬品、カビ毒、有害金属、その他食品リスクとなる化学物質の高感度・高精度そして高速分析が可能な分析法を新規開発・改良し、品質確認のための分析体制を常に最先端のものに更新しています。各種学会や社外研究機関において密な情報交流を行うことで食品リスクに関する情報をいちはやく入手し、新規リスクの迅速な分析技術確立や新規技術導入に役立てています。グループ各社の分析部門と連携し、原料・製品の品質保証体制の更なる充実に貢献しました。


[新規事業関連]
バイオエタノールに関する研究開発では、砂糖とエタノールの同時増産を実現する新プロセス“逆転生産プロセス”を開発しました。サトウキビは、ショ糖(砂糖原料)と還元糖(砂糖生産を阻害するブドウ糖,果糖)の2種類の糖分を含有しています。多くの収穫量が期待できる高バイオマス量サトウキビや収穫期間外のサトウキビなどは、還元糖の含有率が高いため、砂糖の生産効率を低下させるという課題がありました。今回開発した“逆転生産プロセス”は、従来の砂糖・エタノールという製造順序を逆転させ、砂糖生産効率を下げる原因となる還元糖のみを先に選択的にエタノールに変換した後に、砂糖を生産するという画期的な同時生産プロセスです。バイオエタノールを生産することによって、砂糖生産効率を大幅に向上させ、これまでの収穫期間(工場稼働期間)を延長することができる革新的な技術で、国内外で特許登録が進んでいます。本技術は2013年度にマスコミ向けに発表を行い、地球規模で懸念される食料・エネルギー問題の解決に貢献する技術として、砂糖産業など多くの関係者から関心を集めています。現在、事業化を目指して更なる技術開発を推進しています。
一方、副産物としての酵母を活用した農業資材などの新規事業開発についても実用化を目指して技術開発を推進しています。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00394] S100780V)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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