株式会社南日本銀行 業績等の概要 (2016年3月期)

・業績

○金融経済環境
わが国経済は、金融・財政面での政策効果が広く波及したことにより、都心部を中心に公共投資や住宅投資が底堅く推移する中、企業収益の改善等を背景として雇用情勢の好転や個人消費・設備投資に持ち直しの動きが見られるなど、全体としては緩やかな回復基調が続きました。
一方、県内経済におきましては、観光面や個人消費面が底堅く推移する中、雇用環境も改善するなど、全体としては緩やかな回復基調にあるものの、先行きについては一部不透明な状況にあります。
○企業グループの状況
私ども南日本銀行グループは、2014年度より『中期経営計画「なんぎん維新Ⅱ」～“地域力”クリエイトバンクへの挑戦～』をスタートさせており、「本業」として「WIN-WINネット業務(新販路開拓コンサルティング)」に取り組むなど、地域の皆様のご支援にお応えできるよう銀行全体で組織的・継続的に取り組んでまいりました。当行グループを挙げて「収益力の強化」「経営の効率化」「資産の健全化」などの経営内容の充実に努めております。
○営業の経過及び成果
預金は、安定した資金調達を第一に考え、一般の個人・法人預金を中心に増強を図った結果、当連結会計年度の残高は、前連結会計年度に比べ151億円増加し、7,160億円となりました。
貸出金は、中小企業貸出や個人ローン等を中心に増強を図った結果、当連結会計年度の残高は、前連結会計年度に比べ140億円増加し、5,727億円となりました。
有価証券は、前連結会計年度に比べ3億円増加し、1,059億円となりました。
損益面につきましては、当連結会計年度の経常収益は、有価証券売却益及び役務取引等収益等の増加により、前連結会計年度に比べ9億9千5百万円増加し、202億4百万円となりました。一方、経常費用は、経費が減少したものの、与信関連費用及び預金利息等の増加により、前連結会計年度に比べ3億8千3百万円増加し、160億4千6百万円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ6億1千2百万円増加し、41億5千7百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に特別利益で退職給付信託設定益を16億9千4百万円計上しましたが、当連結会計年度はこのような特殊要因がなかったことから、前連結会計年度に比べ3億6千1百万円減少し、22億1千7百万円となりました。
また、連結自己資本比率(国内基準)は、8.24%となりました。

・キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により、71億6百万円のプラスとなり、前年比88億9百万円減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び有形固定資産の取得等により、22億6百万円のマイナスとなり、前年比32億2千7百万円増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、6億7百万円のマイナスとなり、前年比4千5百万円増加しました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度に比べ42億9千3百万円増加し、751億4千4百万円となりました。

(1)国内・国際業務部門別収支

資金運用収益は有価証券利息配当金の減少等により前連結会計年度に比べ3千1百万円減少し、158億9千3百万円となりました。一方、資金調達費用は預金利息の増加等により前連結会計年度に比べ8千9百万円増加し、6億7千2百万円となりました。その結果、資金運用収支は前連結会計年度に比べ1億2千万円減少し、152億2千1百万円となりました。
役務取引等収支は前連結会計年度に比べ1億7千1百万円増加し、3億2千5百万円となりました。
その他業務収支は国債等債券売却益の増加等により前連結会計年度に比べ6千4百万円増加し、3億7千6百万円となりました。

種類	期別	国内業務部門	国際業務部門	相殺消去額(△)	合計
		金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)
資金運用収支	前連結会計年度	15,254	86	-	15,341
	当連結会計年度	15,159	61	-	15,221
うち資金運用収益	前連結会計年度	15,835	90	△2	15,924
	当連結会計年度	15,829	65	△2	15,893
うち資金調達費用	前連結会計年度	581	3	△2	583
	当連結会計年度	670	3	△2	672
役務取引等収支	前連結会計年度	151	2	-	154
	当連結会計年度	323	2	-	325
うち役務取引等収益	前連結会計年度	2,089	5	-	2,095
	当連結会計年度	2,295	5	-	2,300
うち役務取引等費用	前連結会計年度	1,938	2	-	1,940
	当連結会計年度	1,972	3	-	1,975
その他業務収支	前連結会計年度	313	△1	-	312
	当連結会計年度	364	11	-	376
うちその他業務収益	前連結会計年度	352	4	-	357
	当連結会計年度	514	14	-	529
うちその他業務費用	前連結会計年度	38	5	-	44
	当連結会計年度	150	2	-	152

(注)1.国内業務部門は当行の円建取引及び連結子会社の業務、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。
2.「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借利息であります。
3.資金調達費用は、金銭の信託見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。

(2)国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況

資金運用勘定は前連結会計年度に比べ、平均残高が282億8千6百万円増加し、7,303億1千3百万円、利息が3千1百万円減少し、158億9千3百万円となりました。平均残高の増加は、国内業務部門において貸出金が150億1千3百万円増加したことが主因であります。
資金調達勘定は前連結会計年度に比べ、平均残高が261億8百万円増加し、7,068億9千7百万円、利息が8千9百万円増加し、6億7千2百万円となりました。平均残高の増加は、国内部門で預金が262億6千7百万円増加したことによるものです。

① 国内業務部門

種類	期別	平均残高	利息	利回り
		金額(百万円)	金額(百万円)	(%)
資金運用勘定	前連結会計年度	701,443	15,835	2.25
	当連結会計年度	729,891	15,829	2.16
うち貸出金	前連結会計年度	545,057	13,244	2.42
	当連結会計年度	560,070	13,353	2.38
うち商品有価証券	前連結会計年度	50	0	1.15
	当連結会計年度	129	0	0.56
うち有価証券	前連結会計年度	92,276	1,306	1.41
	当連結会計年度	96,330	1,311	1.36
うちコールローン 及び買入手形	前連結会計年度	13,906	15	0.11
	当連結会計年度	907	0	0.06
うち預け金	前連結会計年度	46,929	42	0.09
	当連結会計年度	69,862	65	0.09
資金調達勘定	前連結会計年度	680,198	581	0.08
	当連結会計年度	706,471	670	0.09
うち預金	前連結会計年度	678,593	495	0.07
	当連結会計年度	704,860	580	0.08
うちコールマネー 及び売渡手形	前連結会計年度	0	0	0.07
	当連結会計年度	-	-	-
うち借用金	前連結会計年度	0	0	3.60
	当連結会計年度	0	0	3.65

(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、原則として半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.国内業務部門は、当行の円建取引及び連結子会社の業務であります。
3.資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度490百万円、当連結会計年度491百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。

② 国際業務部門

種類	期別	平均残高	利息	利回り
		金額(百万円)	金額(百万円)	(%)
資金運用勘定	前連結会計年度	3,806	90	2.38
	当連結会計年度	3,012	65	2.16
うち貸出金	前連結会計年度	-	-	-
	当連結会計年度	-	-	-
うち有価証券	前連結会計年度	3,869	89	2.31
	当連結会計年度	2,519	64	2.56
資金調達勘定	前連結会計年度	3,813	3	0.10
	当連結会計年度	3,016	3	0.10
うち預金	前連結会計年度	308	0	0.05
	当連結会計年度	284	0	0.04
うちコールマネー 及び売渡手形	前連結会計年度	282	1	0.53
	当連結会計年度	141	0	0.67

(注)1.平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2.国際業務部門は、当行の外貨建取引であります。
3.国際業務部門の外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

③ 合計

種類	期別	平均残高(百万円)			利息(百万円)			利回り (%)
		小計	相殺 消去額 (△)	合計	小計	相殺 消去額 (△)	合計
資金運用勘定	前連結会計年度	705,249	△3,222	702,027	15,926	△2	15,924	2.26
	当連結会計年度	732,903	△2,590	730,313	15,895	△2	15,893	2.17
うち貸出金	前連結会計年度	545,057	-	545,057	13,244	-	13,224	2.42
	当連結会計年度	560,070	-	560,070	13,353	-	13,353	2.38
うち商品有価証券	前連結会計年度	50	-	50	0	-	0	1.15
	当連結会計年度	129	-	129	0	-	0	0.56
うち有価証券	前連結会計年度	96,145	-	96,145	1,396	-	1,396	1.45
	当連結会計年度	98,850	-	98,850	1,376	-	1,376	1.39
うちコールローン 及び買入手形	前連結会計年度	13,906	-	13,906	15	-	15	0.11
	当連結会計年度	907	-	907	0	-	0	0.06
うち預け金	前連結会計年度	46,929	-	46,929	42	-	42	0.09
	当連結会計年度	69,862	-	69,862	65	-	65	0.09
資金調達勘定	前連結会計年度	684,011	△3,222	680,789	585	△2	583	0.08
	当連結会計年度	709,488	△2,590	706,897	674	△2	672	0.09
うち預金	前連結会計年度	678,901	-	678,901	495	-	495	0.07
	当連結会計年度	705,145	-	705,145	580	-	580	0.08
うちコールマネー 及び売渡手形	前連結会計年度	282	-	282	1	-	1	0.53
	当連結会計年度	141	-	141	0	-	0	0.67
うち借用金	前連結会計年度	0	-	0	0	-	0	3.60
	当連結会計年度	0	-	0	0	-	0	3.65

(注) 1.資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度490百万円、当連結会計年度491百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
2.「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。

(3)国内・国際業務部門別役務取引の状況

役務取引等収益は前連結会計年度に比べ2億5百万円増加し、23億円となりました。
役務取引等費用は、前連結会計年度に比べ3千5百万円増加し、19億7千5百万円となりました。
この結果、役務取引等収支は前連結会計年度に比べ1億7千1百万円増加し、3億2千5百万円となりました。

種類	期別	国内業務部門	国際業務部門	相殺消去額(△)	合計
		金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)
役務取引等収益	前連結会計年度	2,089	5	-	2,095
	当連結会計年度	2,295	5	-	2,300
うち預金・貸出業務	前連結会計年度	709	-	-	709
	当連結会計年度	724	-	-	724
うち為替業務	前連結会計年度	500	5	-	505
	当連結会計年度	504	5	-	509
うち証券関連業務	前連結会計年度	335	-	-	335
	当連結会計年度	310	-	-	310
うち代理業務	前連結会計年度	474	-	-	474
	当連結会計年度	679	-	-	679
うち保護預り・ 貸金庫業務	前連結会計年度	5	-	-	5
	当連結会計年度	5	-	-	5
うち保証業務	前連結会計年度	17	-	-	17
	当連結会計年度	17	-	-	17
役務取引等費用	前連結会計年度	1,938	2	-	1,940
	当連結会計年度	1,972	3	-	1,975
うち為替業務	前連結会計年度	140	2	-	143
	当連結会計年度	141	3	-	144

(注) 国内業務部門は当行の円建取引及び連結子会社の業務、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。

(4)国内・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類	期別	国内業務部門	国際業務部門	相殺消去額(△)	合計
		金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)
預金合計	前連結会計年度	700,601	303	-	700,904
	当連結会計年度	715,787	295	-	716,082
うち流動性預金	前連結会計年度	234,717	-	-	234,717
	当連結会計年度	245,014	-	-	245,014
うち定期性預金	前連結会計年度	461,594	-	-	461,594
	当連結会計年度	466,587	-	-	466,587
うちその他	前連結会計年度	4,289	303	-	4,592
	当連結会計年度	4,185	295	-	4,480
譲渡性預金	前連結会計年度	-	-	-	-
	当連結会計年度	-	-	-	-
総合計	前連結会計年度	700,601	303	-	700,904
	当連結会計年度	715,787	295	-	716,082

(注) 1.国内業務部門は当行の円建取引及び連結子会社の業務、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。
2.預金の区分は、次のとおりであります。
①流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
②定期性預金=定期預金+定期積金

(5) 国内・国際業務部門別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別	前連結会計年度		当連結会計年度
	金 額(百万円)	構成比(%)	金 額(百万円)	構成比(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)	558,711	100.00	572,720	100.00
製造業	26,163	4.68	24,969	4.36
農業、林業	4,040	0.72	4,460	0.78
漁業	3,667	0.66	3,331	0.58
鉱業、採石業、砂利採取業	16	0.00	18	0.00
建設業	35,943	6.43	35,066	6.12
電気・ガス・熱供給・水道業	4,929	0.88	9,174	1.60
情報通信業	1,410	0.25	1,313	0.23
運輸業、郵便業	11,975	2.15	11,541	2.02
卸売業、小売業	54,344	9.73	53,269	9.30
金融業、保険業	5,269	0.94	5,058	0.88
不動産業、物品賃貸業	101,106	18.10	107,691	18.81
その他の各種サービス業	92,671	16.59	95,109	16.61
地方公共団体	15,584	2.79	16,387	2.86
その他	201,588	36.08	205,326	35.85
海外及び特別国際金融取引勘定分	-	-	-	-
政府等	-	-	-	-
金融機関	-	-	-	-
その他	-	-	-	-
合計	558,711	-	572,720	-

(注) 国内は当行の円建取引及び連結子会社の業務であります。

② 外国政府等向け債権残高(国別)

該当事項はありません。

(6)国内・国際業務部門別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

種類	期別	国内業務部門	国際業務部門	相殺消去額(△)	合計
		金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)
国債	前連結会計年度	52,318	-	-	52,318
	当連結会計年度	53,242	-	-	53,242
地方債	前連結会計年度	4,841	-	-	4,841
	当連結会計年度	9,519	-	-	9,519
社債	前連結会計年度	16,200	-	-	16,200
	当連結会計年度	16,651	-	-	16,651
株式	前連結会計年度	12,164	-	-	12,164
	当連結会計年度	8,007	-	-	8,007
その他の証券	前連結会計年度	16,232	3,823	-	20,055
	当連結会計年度	16,379	2,112	-	18,492
合計	前連結会計年度	101,758	3,823	-	105,581
	当連結会計年度	103,800	2,112	-	105,912

(注) 1.国内業務部門は当行の円建取引及び連結子会社の業務、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。
2.「その他の証券」には、外国債券等を含んでおります。

(自己資本比率の状況)

(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号。以下、「告示」という。)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

連結自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%)

	2016年3月31日
1.連結自己資本比率(2/3)	8.24
2.連結における自己資本の額	401
3.リスク・アセットの額	4,868
4.連結総所要自己資本額	194

単体自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%)

	2016年3月31日
1.自己資本比率(2/3)	8.39
2.単体における自己資本の額	404
3.リスク・アセットの額	4,825
4.単体総所要自己資本額	193

(資産の査定)

(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

3.要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

資産の査定の額

債権の区分	2015年3月31日	2016年3月31日
	金額(億円)	金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権	77	69
危険債権	190	208
要管理債権	105	75
正常債権	5,283	5,441