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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007UIB

有価証券報告書抜粋 株式会社ヤクルト本社 研究開発活動 (2016年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、腸内菌叢(腸内フローラ)を構成する微生物のヒトへの役割を中心とした生命科学の追究により、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献するという企業理念の達成を目指しています。その中にあって当社研究開発部門は、長期的展望に立った基礎研究を行うとともに、それら基礎研究の成果を活かした食品・医薬品・化粧品などの研究開発に取り組んでいます。あわせて、事業戦略上求められる研究開発課題の解決や社会の要請に応じた商品の安全性確保と環境対策に関する研究にも力を注いでいます。
当連結会計年度の研究開発費の総額は12,677百万円で、セグメント情報にかかわる研究開発活動の概要は、次のとおりです。

(1) 基礎研究開発分野

基礎研究開発分野においては、腸内フローラとヒトの健康との関わりを明らかにするために、分子生物学・微生物学・免疫学・生理学・栄養学などの多面的な研究を行っています。プロバイオティクスとしての乳酸菌・ビフィズス菌がヒトの健康維持・増進に果たす役割の解明に重点をおくと同時に、新規の微生物や天然物の探索を行い、食品・医薬品・化粧品などへの利用を目指した機能性素材開発に積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究成果は次のとおりです。
① 慶應義塾大学医学部を中心とする研究グループとの共同研究で、感染防御ならびに炎症性腸疾患および自己免疫疾患などの病態形成に関与するTh17細胞(免疫細胞)の誘導機構を検証した結果、腸内細菌が小腸上皮に強く接着することにより、Th17細胞が誘導されることを明らかにしました。さらに、ヒトの腸内細菌叢においてTh17細胞を誘導する20種類の細菌を同定しました。今回の成果は、Th17細胞が関与する炎症性腸疾患などの自己免疫疾患の診断・治療法の確立や感染症の制御に寄与するプロバイオティクスの開発研究に役立つことが期待されます。本研究成果は、学術誌「Cell」に掲載されました。
② アトピー性皮膚炎患者を対象とした「ラクトバチルス プランタルム YIT 0132(乳酸菌)」を含む発酵果汁飲料の飲用試験を実施した結果、アトピー性皮膚炎症状およびQOLの改善ならびにアレルギー性疾患と関わりが深い血液中のマーカー(ECP、IgE 等)の低減が確認されました。この研究により、本発酵果汁飲料は、アトピー性皮膚炎患者の免疫バランスを調節し、アレルギー症状の軽減に役立つことが期待されます。本研究成果は、学術誌「Bioscience of Microbiota, Food and Health」の電子版に掲載されました。
③ 順天堂大学大学院プロバイオティクス研究講座 との共同研究で、健常小児を対象とした「L.カゼイ・シロタ株(乳酸菌)」を含むプロバイオティクス飲料の飲用試験を実施しました。この結果、健常小児の腸内には有害菌および日和見感染菌が一定の割合で存在し、さらにプロバイオティクス飲料の継続摂取により腸内フローラおよび腸内環境が改善されることが確認されました。この研究により、プロバイオティクス飲料の継続摂取は、有害菌や日和見感染菌を減少させ、健康の維持・増進につながることが期待されます。本研究成果は、学術誌「Annals of Nutrition & Metabolism」に掲載されました。
④ 順天堂大学大学院プロバイオティクス研究講座、東京女子医科大学病院小児科との共同研究で、高齢者施設入所者などを対象とした「L.カゼイ シロタ株(乳酸菌)」を含むプロバイオティクス飲料の飲用試験を実施しました。この結果、施設入所者の発熱日数の短縮および下痢や便秘日数の減少などの健康状態の改善と腸内フローラおよび腸内環境の改善が確認されました。この研究により、プロバイオティクス飲料の継続摂取は高齢者施設入所者の感染症リスク低減およびQOLの向上に役立つことが期待されます。本研究成果は、学術誌「Annals of Nutrition & Metabolism」に掲載されました。

今後も、最先端のバイオテクノロジーに基づく腸内フローラ研究を推進し、プロバイオティクスの健康維持・増進機能の検証と解明に取り組んでいきます。さらに、生活習慣病予防をターゲットとした次世代プロバイオティクスや新規機能性素材の研究開発に重点的に力を注いでいきます。

当分野の研究開発費は1,766百万円です。



(2) 飲料および食品製造販売事業分野

飲料および食品研究開発分野においては、ヒトの健康に積極的に寄与する商品開発を目指しています。特に、研究開発の対象としては、生活環境の変化や加齢によってバランスのくずれた免疫調節機能を正常化する生体防御面と、世代を超えて拡大している生活習慣病の予防に配慮した生理・代謝機能面に着目しています。具体的には、プロバイオティクスのパイオニアとして「乳酸菌 シロタ株」や「ビフィズス菌 BY株」「B.ビフィダム Y株」などを利用した食品や、自然界に存在する多くの機能性素材を利用した食品の研究開発に力を注いでいます。
また、より一層お客さまのニーズに応えるため、プロバイオティクスを使用した乳製品および清涼飲料水のラインアップの充実を図っています。
当連結会計年度の成果は次のとおりです。
① 乳製品
ア. 当社のロングセラー商品である「ジョア」について、昨年6月に、「ストロベリー」および「ブルーベリー」の果汁使用量を従来品より増量し、果汁とヨーグルトのおいしさをさらに際立たせた風味に変更するととともに、マスカットの果汁とヨーグルトのまろやかさがマッチした「ジョア マスカット」を導入しましたさらに、期間限定アイテムとして、「ジョア マンゴー」を昨年8月に、「ジョア アップル」を11月に、「ジョア レモン」を本年2月に導入しました。
イ. 60代以上のシニア層において摂取意向の高い「グルコサミン」「ローヤルゼリー」「カルシウム」「ビタミンC」および「ビタミンD」が含まれている高付加価値タイプの乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト ゴールド」を、従来品よりもさらに酸味を抑えたまろやかな風味に変更し、昨年9月に導入しました。
ウ. ハードタイプヨーグルト「ソフール」の期間限定アイテムとして、巨峰の果汁とヨーグルトの風味が程よくマッチした「ソフール 巨峰」を昨年10月に導入しました。
エ. ビジネスパーソンをサポートする乳製品乳酸菌飲料「毎日飲むヤクルト」を、首都圏エリア限定で昨年11月に導入し、本年1月に販売エリアを北関東、東北地区に拡大しました。
オ. のむヨーグルト「ミルミル」および「ミルミルS」について、大腸ではたらく当社独自の「ビフィズス菌 BY株」を1本当たり100億個以上から120億個以上に増やし、本年3月に導入しました。
② ジュース・清涼飲料等
ア. 栄養ドリンク「タフマン」「タフマンV」および「タフマンスーパー」のガラスびんを、省資源化による環境負荷の低減のため、軽量化するとともに、「タフマンV」に新たに「ガラナ」を配合し、昨年5月に導入しました。
イ. 袋入り即席めん「麺許皆伝」シリーズ4品(「しょうゆ味」「みそ味」「しお味」「ソース焼そば」)のめんに新たに国産米粉を練りこみ、もちもちした食感に変更するとともに、新シリーズ品として、数種の香辛料をブレンドしスパイスをきかせたコク深いスープの「カレーラーメン」を昨年9月に導入しました。
ウ. 果汁入り飲料「さっぱり」シリーズの新商品として、レモン果汁入り炭酸飲料「さっぱりレモン Sparkling(スパークリング)」を本年3月に導入しました。
③ その他海外事業支援
ア.メキシコヤクルト株式会社が昨年8月に導入した、従来品と比較してカロリーを30%以上低減した「ソフー
ルLT」(ドリンクタイプ)の技術支援を行いました。
イ.広州ヤクルト株式会社が昨年10月に、中国ヤクルト株式会社および上海ヤクルト株式会社が本年1月に導入した、「ヤクルト」と比較してカロリーを約40%低減し、「カルシウム」および「ビタミンD」を強化した「ヤクルトライト」の技術支援を行いました。

当分野の研究開発費は4,632百万円です。



(3) 医薬品製造販売事業分野

医薬品研究開発分野においては、抗がん剤を中心とした薬剤の研究開発を進めています。
抗悪性腫瘍剤「エルプラット」(一般名:オキサリプラチン)は、「進行・再発の結腸・直腸がん」「結腸がんにおける術後補助化学療法」「治癒切除不能の膵がん」および「進行・再発胃がん」の標準的治療薬として広く用いられています。これらの効能・効果に加え、胃がん術後補助化学療法についての適応拡大のため、2014年12月に承認申請を行い、昨年11月に効能・効果として「胃がん」で承認を取得しました。これにより、エルプラットは胃がんにおいて進行・再発に加え、術後補助化学療法における治療薬としての使用が可能となりました。
このほか、「進行・再発胃がん」について、用法・用量の追加を目的とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
ドイツのエテルナゼンタリス社から導入したPI3K/Akt阻害剤「ペリフォシン」については、婦人科がんを対象とした第Ⅱ相臨床試験を終了し、現在、小児神経芽腫を対象とした第Ⅰ相臨床試験を実施中です。
ドイツの4SC AG社から導入したHDAC阻害剤「レスミノスタット」については、肺がんを対象とした第Ⅱ相臨床試験を終了し、現在、肝細胞がんを対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中です。また、胆道がんおよび膵がんを対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を実施しています。
昨年10月に日産化学工業株式会社から導入した血小板増加薬「NIP-022(当社開発コードはYHI-1501)」については、現在、日本人を対象とした治験を計画中です。
基礎研究分野では、抗がん剤およびその周辺領域でのシーズを確保するための研究を引き続き実施しています。
当分野の研究開発費は5,559百万円です。

(4) その他事業分野

その他事業分野のうち化粧品研究開発分野においては、多様化するお客さまニーズに応えることを目指し、「美」と「健康」の追究と当社独自の乳酸菌はっ酵技術を活かした「高機能・高品質で安全性の高い化粧品」の開発を志向しています。
基礎化粧品については、化粧品事業を代表するロングセラー商品「S.E.ローション」シリーズにエイジングケア効果が期待できる「プラチナケア S.E.ローション」を昨年4月に導入し、また、当社の乳酸菌研究と肌構造研究の成果を結集し、開発された高機能基礎化粧品「パラビオ」シリーズのリニューアルを昨年11月に実施しました。
仕上化粧品については、流行や季節に応じた新色を開発し、口紅やアイシャドウなどのポイントメイクを導入することにより、「グランティア EX」シリーズのラインアップの充実を図りました。
当分野の研究開発費は719百万円です。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00406] S1007UIB)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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