有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007T4T
不二製油グループ本社株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは長年積み重ねてきた研究成果と先進の技術力を生かし、植物性油脂と大豆および大豆たん白を基礎とする新しい機能を持つ食品素材の開発に取り組んでおります。「おいしさ」「健康」「環境」を方針として、グローバル展開に向けた独創性のある製品の開発に注力しております。
日本国内を統括する不二製油株式会社では、2015年4月より、製品別の各事業部の下に素材開発部門を編入し、製造・販売・開発を一体としました。併せて、応用開発部門を応用開発研究所に統合し、各事業部と密接に連携を取ることで、顧客対応スピードを重視した開発体制としました。
基盤研究部門は、生産技術のイノベーションを担うグループを併合した上で、未来創造研究所と名称を変更することにより、不二グループの将来を支えるための、新規事業を創造する研究所として位置付けました。また、生産技術開発部門では引き続きコア技術の強化・革新に関する研究開発を進めております。大学等の公的研究機関との共同研究も積極的に行っており、特に国立大学法人京都大学とは、産学共同講座を2015年4月より開設し、引き続き研究に取り組んでおります。
アジア圏を統括するFUJI OIL ASIA PTE. LTD.では、2015年3月に「アジアR&Dセンター」をシンガポールに開設し、アジアにおける開発機能を同施設に集中させ、現地のニーズに合わせた製品研究・開発を行っております。また、他のグループ各社においても、素材開発・応用開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、41億7百万円であります。
研究開発活動の概要は次のとおりであります。
(油脂部門)
安全安心で環境に配慮した油脂の製造技術、新機能を有する油脂製品およびその最適な応用法に関する研究開発を通して、お客様のご要望を形にし、新しいおいしさの創造に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果としては、一昨年来より検討してきましたDTR技術(*)をチョコレート用油脂やサンドクリーム用油脂に応用し、風味発現の向上に取り組みました。昨年度は新風味を付与できるDTR新製品を発売し、より幅広くお客様のニーズにお応え出来るようになりました。一方、米国FDAより部分硬化油をGRASより除外するとの発表を受け、早急に代替品をお客様へご提案したり、昨今の米油供給量不足を補うべく、お客様と協業してパーム油への置換を検討し、ご要望にお応えしました。また、チョコレート用油脂のCBEのグローバルシェア拡大を目指し、海外グループ会社と協業で品質設計を行いました。
当部門の研究開発費は7億47百万円であります。
*DTR技術:水溶性成分を油脂に微分散させる技術で、素材の呈味(塩味、旨味、辛味など)や保存安定性を付与、増強する技術。
(製菓・製パン素材部門)
チョコレートやホイップクリーム、マーガリン、チーズ様素材、パイ製品等、製菓・製パン用素材を中心にした新技術・新製品開発、およびソフト開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、チョコレートにおいては、新関東工場の稼動と連動し、栄養健康を志向したチョコ素材の開発に取り組みました。特に市場認知度の高い糖質・糖類を低減したチョコ素材の開発を行い市場開拓に努めました。また、調理加工市場向けのソフトチョコ、生チョコソースなどの素材を重点的に開発しチョコレート部門の数量拡大に寄与しました。乳化・発酵素材開発においては、従来からのホイップクリームやマーガリン等の製菓・製パン市場向け素材の継続的な開発に加え、消費者の健康志向が高まる中で植物性に拘った不二独自の素材開発に取り組みました。USS(ウルトラソイセパレーション)製法で加工された低脂肪豆乳を乳酸菌発酵させることで動物資源原料を一切使用しないチーズ様素材を開発し、豆乳の呈味と乳化技術を組み合わせたスープ様調味素材等の開発など新しい領域の製品開発に取り組んでまいりました。また、これら製品の特長を活かした新しいアプリケーション開発と消費者への価値作りを組み合わせた総合的な提案活動を実施しております。
当部門の研究開発費は16億16百万円であります。
(大豆たん白部門)
大豆たん白、大豆たん白食品、豆乳、大豆多糖類、大豆イソフラボン他大豆関連製品の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、昨年に続き世界初の豆乳の分離分画技術、USS(ウルトラソイセパレーション)製法で加工された豆乳クリームおよび低脂肪豆乳は、風味の面から調理加工分野や飲料分野にて高い評価をいただくことができました。また、これらUSS素材(豆乳クリームおよび低脂肪豆乳)の特性を生かし、これまでに無かった豆腐類、ドレッシング、ホイップクリーム、フィリング等が誕生し、大豆加工素材として新しい分野への展開が進んでおります。植物性の組織状たん白素材は、肉に近い食感をもつ大豆ミートとしての高品質化、バラエティー化を進め、味と食感が評価され純植物性素材としての展開が進みました。一方、粉末状植物性たん白素材は、高騰する卵白やすり身の保水力を代替できるように物理特性を見直し、動物性資源の代替の可能性を高めました。また、たん白補給、高齢化社会に対応すべく、大豆たん白粉末を応用されやすいよう改質するほか、高齢者が喫食しやすい食品、柔らかい食感の冷凍流通豆腐、がんもどきなどの大豆たん白食品を開発し、老健向けの豆腐パティーも展開しております。生協向け大豆たん白食品では具材の産地にこだわった商品が好調で、チーズ様素材や粒状大豆たん白でジューシー感を付与した内材を包餡したハンバーグ・豆腐つくねも引き続き好調であります。大豆多糖類においては、引き続き国内外における飲料分野や国内市場での麺および米飯用品質改良剤分野での使用が好調であります。
当部門の研究開発費は11億30百万円であります。
(全社(共通))
未来創造研究所では、経営課題である「おいしさと健康」に重点を置き、中長期で新しい事業に繋がる新素材開発や新技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の主な成果としては、健康に関する研究開発として、2015年度より始まった機能性表示食品制度に対応した製品開発を行いました。健康増進素材の開発においては、自社素材である大豆ペプチド「ハイニュート」に認知症予防効果がある事を明らかにしました。おいしさに関する素材開発としてはUSS素材(豆乳クリームおよび低脂肪豆乳)がもつ、大豆本来のおいしさの解明をで取り組みました。新規事業に繋がる新技術開発としては、健康優位性は高いものの、著しく低い酸化安定性のために従来食品への使用が難しかったDHA・EPAを食品に使用可能なレベルまで安定化する技術を確立しました。また、新規プロセスによる油脂食品製造の工程改善にも取り組みました。その一方で、農林水産省の食品産業科学研究推進事業における、油脂酵母を用いた高機能油脂生産の研究に参画し、産学連携による新技術開発に取り組んでおります。
当部門の研究開発費は6億13百万円であります。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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