有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10083TR
日本電信電話株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年3月期)
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)営業実績
①電気通信回線設備等
NTTグループ(当社及び連結子会社)は、良質な電気通信サービスを提供するため、多種多様な電気通信回線設備等を保有し、運用しておりますが、最近における主要サービス別の回線設備等の状況は次のとおりであります。
(注)1.「加入電話」は、一般加入電話とビル電話を合算しております(加入電話・ライトプランを含む)。
2.「INSネット」には、「INSネット64」及び「INSネット1500」が含まれております。「INSネット1500」は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)いずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しております(INSネット64・ライトを含む)。
3.「フレッツ光(コラボ光含む)」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しております。
4.「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」は、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。
5.「グループ主要ISP」には、「OCN」、「ぷらら」の他、「WAKWAK」、「InfoSphere」が含まれております。
6.携帯電話(LTE(「Xi」)、「FOMA」を含む)契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて掲載しております。
7.2008年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、携帯電話(「FOMA」を含む)契約数にはその場合の当該「FOMA」契約も含まれております。
②営業収支等の状況
(単位:億円)
営業収益
NTTグループの営業収益は、固定音声関連、移動音声関連、IP系・パケット通信、通信端末機器販売、システムインテグレーション及びその他の6つのサービス分野に区分しております。
2016年3月期の営業収益は、前期比4.0%増加し、11兆5,410億円となりました。これは、海外事業の成長に加え、移動通信事業やシステムインテグレーション事業の増収により国内事業も増収となったことなどによるものです。
2016年3月期における各サービス分野における営業収益の概要は、次のとおりです。
・固定音声関連収入
固定音声関連サービスには、加入電話、INSネット、一般専用、高速ディジタル伝送など、地域通信事業セグメントと長距離・国際通信事業セグメントの一部が含まれております。
2016年3月期における固定音声関連収入は、前期比7.7%減少し、1兆3,300億円(営業収益の11.5%に相当)となりました。これは、携帯電話や光IP電話の普及、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスの増加などにより、加入電話やINSネットの契約数が引き続き減少したことなどによるものです。
・移動音声関連収入
移動音声関連サービスには、LTE(「Xi」)における音声通話サービスなどの移動通信事業セグメントの一部が含まれております。
2016年3月期における移動音声関連収入は、前期比3.9%減少し、8,378億円(営業収益の7.3%に相当)となりました。これは、「月々サポート」の割引影響などによるものです。
・IP系・パケット通信収入
IP系・パケット通信サービスには、「フレッツ光」などの地域通信事業セグメントの一部、Arcstar Universal One、IP-VPN、OCNなどの長距離・国際通信事業セグメントの一部、LTE(「Xi」)におけるパケット通信サービスなどの移動通信事業セグメントの一部が含まれております。
2016年3月期におけるIP系・パケット通信収入は、前期比2.3%増加し、3兆7,578億円(営業収益の32.6%に相当)となりました。これは、地域通信事業における「フレッツ光(コラボ光含む)」契約数の増加による収入の増加や移動通信事業において料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」における上位プランへの移行が進んだこと等によるものです。
・通信端末機器販売収入
通信端末機器販売には、地域通信事業セグメント、移動通信事業セグメントの一部などが含まれております。
2016年3月期における通信端末機器販売収入は、前期比4.4%減少し、9,530億円(営業収益の8.3%に相当)となりました。これは、移動通信事業におけるスマートフォンなどの携帯電話端末の卸売販売台数が減少したことによるものです。
・システムインテグレーション収入
システムインテグレーションには、データ通信事業セグメント及び長距離・国際通信事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれております。
2016年3月期のシステムインテグレーション収入は、前期比13.8%増加し、3兆635億円(営業収益の26.5%に相当)となりました。これは、国内事業・海外事業ともに成長したことなどによるものです。
・その他の営業収入
その他のサービスには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、リース、研究開発などが含まれております。
2016年3月期のその他の営業収入は、前期比12.5%増加し、1兆5,988億円(営業収益の13.9%に相当)となりました。これは、主に移動通信事業におけるスマートライフ領域に関する収益や不動産事業に関する収入が増加したことなどによるものです。
営業費用
2016年3月期の営業費用は前期比1.8%増加し、10兆1,928億円となりました。主な要因は以下のとおりであります。なお、下記の人件費、経費は、連結損益計算書上のサービス原価、通信端末機器原価、システムインテグレーション原価、販売費及び一般管理費に含まれております。
・人件費
2016年3月期の人件費は、前期比0.9%増加し、2兆2,997億円となりました。地域通信事業セグメントを中心に従業員数は減少したものの、海外子会社の人件費が連結拡大・業容拡大により増加したことなどにより、人件費は前期と比較して増加しております。
・経費
2016年3月期の経費は、前期比4.1%増加し、5兆6,759億円となりました。地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメントにおける業務効率化の取り組みなどによる経費の削減はあったものの、海外子会社の連結拡大などにより、経費は前期と比較して増加しております。
・減価償却費
2016年3月期の減価償却費は、前期比3.4%減少し、1兆7,663億円となりました。これは、長距離・国際通信事業セグメントにおいてデータセンターなどにかかる設備投資を拡大したことにより減価償却費が増加した一方で、地域通信事業セグメントや移動通信事業セグメントにおいて設備投資の効率化により投資額が減少したことに伴って減価償却費が減少したことによるものです。
営業利益
以上の結果、2016年3月期の営業利益は、前期比24.3%増加し、1兆3,481億円となりました。
営業外損益
2016年3月期の営業外損益は、前期の△179億円に対し△189億円とほぼ横ばいとなりました。
税引前当期純利益
以上の結果、2016年3月期の税引前当期純利益は前期比24.6%増加し、1兆3,293億円となりました。
法人税等
2016年3月期の法人税等は、前期比10.7%減少し、3,548億円となりました。これは主に、西日本電信電話株式会社および株式会社NTTドコモが繰延税金資産の実現可能性の見積もりを変更したことに伴い、評価性引当金が減少したため、「法人税等:繰延税額」が減少したことなどによるものです。この結果、2015年3月期と2016年3月期の税負担率は、それぞれ37.25%、26.69%となっております。
持分法による投資利益(△損失)
2016年3月期の持分法による投資利益(△損失)は、前期の59億円に対し横ばいの58億円となりました。
当社に帰属する当期純利益
以上の結果、2016年3月期の当期純利益は前期比45.2%増加し、9,802億円となりました。また、非支配持分に帰属する当期純利益を控除した当社に帰属する当期純利益は、前期比42.4%増加し、7,377億円となりました。
(2)セグメント情報
NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメント、データ通信事業セグメントおよびその他の事業セグメントに区分しております。(連結財務諸表の注記18参照)
地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれております。
長距離・国際通信事業セグメントには、主に固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、システムインテグレーションサービス、その他が含まれております。
移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、その他が含まれております。
データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションサービスが含まれております。
また、その他の事業セグメントには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、リース、研究開発等に係るその他のサービスが含まれております。
各セグメントの営業実績の概要は、次のとおりです。なお、各セグメントの営業実績の記載における営業収益・営業費用・営業利益は、セグメント間取引を含んでおります。
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
①地域通信事業セグメント
地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、「フレッツ光(コラボ光含む)」契約数の増加によりIP系・パケット通信収入が増加しましたが、固定電話契約数の減に伴う固定音声関連収入の減少分を補えず3兆4,079億円(前期比2.8%減)となりました。
一方、当連結会計年度の営業費用は、「光コラボレーションモデル」の進展に伴うマーケティングコストのコントロールや継続した業務効率化などによる経費の削減、人員数の減少に伴う人件費の減少、投資効率化による減価償却費の減少などにより3兆1,429億円(前期比5.8%減)となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は2,650億円(前期比56.9%増)となりました。
地域通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は以下のとおりです。
(固定音声関連サービス)
本セグメントにおける固定音声関連サービス収入は、前期比1,078億円(7.7%)減少の1兆2,980億円となりました。これは主に以下の要因によるものです。
加入電話やINSネットについて、お客様ニーズが携帯電話、IP電話、ブロードバンドアクセスサービス、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスなどへと移行していることなどに伴い、2016年3月31日現在の固定電話契約数(固定電話+INSネット)は、前期比1,625千契約減少し、22,718千契約となりました。
加入電話とINSネットの契約数は、次のとおりです。
(単位:千加入/回線)
2016年3月期における固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)は、前期に比べ、NTT東日本が50円(1.9%)減少し2,650円、NTT西日本が40円(1.5%)減少し2,610円となりました。これらの原因は、移動体通話への移行、高利用者層のIP電話への移行などによるものです。
なお、ARPUについては、「(注)2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit)」をご参照ください。また、固定電話総合ARPUの算定式については、「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。
マイライン登録数シェアは、以下のとおりです。
公衆網の大宗を占める長期増分費用方式(LRIC)対象の2016年3月期におけるアクセスチャージの水準は、GC接続が5.78円、IC接続が7.22円(いずれも3分間あたり)とされております。なお、2016年3月期におけるNTT東日本およびNTT西日本のアクセスチャージ収入は、前期に比べ、それぞれ39億円減少、54億円減少(東西交付金の受入を含む)し、511億円、558億円となっております。
専用サービスについては、定額・高品質なビジネスユーザ向けアクセスサービスとして提供していますが、NGNを活用した「ビジネスイーサワイド」の提供など、より低廉な価格で信頼性の高いLAN通信に適したイーサネット系のサービスをはじめ、「フレッツ・VPN ワイド」などのIP系サービスへの需要シフトが進展したことにより、専用サービスの契約数は減少傾向が続いております。
地域通信事業セグメントにおける専用サービスの契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
(IP系・パケット通信サービス)
本セグメントにおけるIP系・パケット通信サービス収入は、前期比173億円(1.1%)増加の1兆5,644億円となりました。これは主に以下の要因によるものです。
本セグメントにおいては、光アクセスサービスを幅広い分野の多様なサービス事業者にお使いいただくことで、新たな価値創造によるICT市場の活性化を図るため、世界初の本格的な光アクセスのサービス卸である「光コラボレーションモデル」を2015年2月より導入しています。当連結会計年度においては、引き続き当モデルによるB2B2Xビジネスの展開などに取り組みました。移動通信事業者やISP事業者に加え、エネルギー業界、不動産業界、警備業界など異業種の事業者とも協業を進め、卸サービスを提供している事業者数は当事業年度末時点で約350社となりました。また、ケーブルテレビ業界では、提供エリアの全域光化において、「光コラボレーションモデル」が採用されるなどの新たな活用事例も生まれました。こうした取り組みにより、同モデルにおける光アクセスサービスの契約数は469万契約まで拡大しました。
これらの取組みの結果、2016年3月31日現在の「フレッツ光(コラボ光含む)」の契約数は、前期比543千契約(2.9%)増加し19,259千契約、「ひかり電話」の契約数は、前期比267千チャネル(1.6%)増加し17,374千チャネル、「フレッツ・テレビ」の契約数は、前期比87千契約(6.5%)増加し1,432千契約となりました。
「フレッツ光(コラボ光含む)」、「フレッツADSL」および光IP電話「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」の契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
(注)1.「フレッツ光(コラボ光含む)」はNTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しております。
2.「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」は、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。
2016年3月期におけるフレッツ光ARPUは、NTT東日本が5,510円となり、前期に比べ20円(0.4%)の微増となりました。これは各種割引サービスの縮小等によるものです。一方、NTT西日本は5,470円となり、前期に比べ210円(3.7%)減少しました。この原因は、主として割引サービスの影響が継続しているものです。
フレッツ光ARPUの算定式については、「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。
(その他サービス)
システムインテグレーションサービス、その他サービスについては、地域密着の営業体制の強みを活かし、自治体ごとの課題やニーズの把握に注力し、地方創生をICTで効果的に推進できるモデルの提案を進めることなどに取り組みました。
具体的には、観光分野において、訪日外国人の増加等を受けて、自治体や商店街等では観光拠点などに自ら公衆Wi‐Fiをいち早く整備しようとする動きが広がっており、これらの要望にこたえるため、札幌市や福岡市に対して、Wi-Fi整備や運用のサポートを行いました。
②長距離・国際通信事業セグメント
長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、国内における固定音声関連収入の減少はあったものの、連結子会社の拡大などによるシステムインテグレーション収入の増加により2兆2,509億円(前期比12.6%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、連結子会社の拡大などに伴う経費や人件費の増加などにより、2兆1,542億円(前期比14.3%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は967億円(前期比14.9%減)となりました。
長距離・国際通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は次のとおりです。
(固定音声関連サービス)
本セグメントにおける固定音声関連サービス収入は、前期比220億円(7.2%)減少の2,851億円となりました。これは、主に携帯電話や光IP電話の普及、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスの増加などにより固定電話の契約数が減少する一方、「プラチナ・ライン」の料金改定を行うなどにより多様なお客様ニーズに引き続き応えたことによるものです。
長距離・国際通信事業セグメントにおけるマイライン登録数シェアは、次のとおりです。
(IP系・パケット通信サービス)
本セグメントにおけるIP系・パケット通信サービス収入は、前期比99億円(2.7%)増加の3,719億円となりました。これは、主に以下の取り組みによるものです。
個人のお客様向けには、NTTコミュニケーションズのLTE対応モバイルデータ通信サービス「OCN モバイル ONE」において、音声通話も可能な「音声対応SIMカード」の即日受渡カウンターの全国展開を開始するなど、営業体制の強化に取り組むことなどで契約者数を増加させました。
法人のお客様向けには、NTTコミュニケーションズが196カ国/地域で提供中の企業向けネットワークサービス「Arcstar Universal One」において、同社のクラウドサービスをはじめ、多様なクラウドサービスと接続することで、スピーディー、柔軟かつ安価にマルチクラウド環境を構築できるオプション「Multi-Cloud Connect」を提供開始するなど、先進的な機能提供などを通じて、契約数の増加に努めました。
長距離・国際通信事業セグメントにおけるIP系・パケット通信関連サービスの契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
(注1)「ネットワークサービス(VPN)」には、Arcstar Universal One、ArcstarグローバルIP-VPNなどが含まれております。
(注2)「ぷらら」及び「ひかりTV」に係る収入は、その他の営業収入に含まれております。
(システムインテグレーションサービス)
本セグメントにおけるシステムインテグレーションサービス収入は、前期比2,656億円(22.9%)増加の1兆4,253億円となりました。これは、グローバル・クラウドサービスをNTTグループ全体の事業の基軸として拡大させる取り組みを強化したことによるものです。具体的には、以下の取り組みを行いました。
フルスタック・フルライフサイクルでのサービス提供力をさらに強化するため、M&Aの推進およびデータセンターなどのクラウド基盤の拡充や、ネットワーク・セキュリティなどを組み合わせたシームレスICTソリューションの提供力の強化、クラウドサービスやITアウトソーシングといった成長分野でのサービス提供力の強化などを図りました。
具体的には、Lux e-shelter 1 S.a.r.l. 、RagingWire Data Centers, Inc.、Arkadin International SAS 、Oakton Limitedなど、連結子会社が拡大したことによりシステムインテグレーション収入が増加しました。また、世界各地でのクラウドサービスやデータセンター需要への対応能力を強化するため、北米ではサクラメント、欧州ではウィーン、アジアでは香港・ムンバイ・バンコクにおいて、電力・通信設備の冗長化や充実したセキュリティにより高い信頼性を備えたデータセンターの提供を新たに開始し、世界各地の顧客の獲得に努めました。
また、クラウドマイグレーション、ITアウトソーシング案件を中心に、本セグメントの主要企業であるNTTコミュニケーションズやDimension Dataやデータ通信事業セグメントの主要企業であるNTTデータなどのグループ会社間の連携によるクロスセルを推進し、各産業のリーディングカンパニーから受注を獲得しました。
③移動通信事業セグメント
移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、スマートライフ事業などが拡大したことに加え、料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の減収影響が対前年に比べ改善したことなどに伴い、4兆5,271億円(前期比3.3%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、スマートライフ事業の拡大による収益連動費用の増加などがあったものの、コスト効率化を推進したことなどにより、前年並の3兆7,388億円(前期比0.2%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は7,884億円(前期比24.0%増)となりました。
移動通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は次のとおりです。
(移動音声関連サービス/IP系・パケット通信サービス)
移動音声関連サービス収入は、前期比344億円(3.9%)減少の8,494億円となりました。これは、契約数の増加や解約率の維持・低下に努めたものの、「月々サポート」の割引影響などにより、音声ARPUが減少したことによるものです。本セグメントにおけるIP系・パケット通信サービス収入は、前期比1,018億円(5.5%)増加の1兆9,548億円となりました。これは、タブレット端末のラインアップ充実などによる2台目需要の増加や料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」における上位プランへの移行が進んだことなどによりパケットARPUが増加したことによるものです。
2016年3月31日現在、NTTドコモの携帯電話サービスの契約数は、7,096万契約と前期末時点の6,660万契約から1年間で437万契約増加いたしました。携帯電話サービスのうちLTE(「Xi」)サービス契約数は、前期末時点の3,074万契約から2016年3月31日現在で 3,868万契約と793万契約(25.8%)増加し、「FOMA」サービス契約数は、前期末時点の3,585万契約から2016年3月31日現在で3,229万契約と357万契約(9.9%)減少いたしました。また、解約率は前期とほぼ横ばいの、0.62%となりました。
移動通信事業の契約数および市場シェアは、次のとおりです。
(単位:千契約)
(注1) 通信モジュールサービス契約数を含めて算出しております。また、2008年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、その場合の当該「FOMA」契約を含んでおります。
(注2) 他社契約数については、一般社団法人電気通信事業者協会及び各社が発表した数値を基に算出しております。
2016年3月期における携帯電話総合ARPUは4,170円と、前期の4,100円に比べ70円(1.7%)増加しました。これは、「月々サポート」による減収影響が引き続きあったことにより音声ARPUが1,210円と前期の1,280円に比べて70円(5.5%)減少した一方で、データARPUが「カケホーダイ&パケあえる」による減収影響の縮小やドコモ光の開始などにより、2,960円と前期の2,820円に比べて140円(5.0%)増加したことによります。
携帯電話サービスにおけるMOUについては「(注)1.MOU(Minutes Of Use)」を、また、ARPUの算定式については「(注)3.ARPUの算定式(b)NTTドコモ」をご参照下さい。
下の表は、携帯電話サービスにおけるARPUおよびMOUに関するデータを示しております。
(その他サービス)
その他サービスの一部である通信端末機器販売においては、お客様の多様なニーズにお応えするため、Androidスマートフォン、iPhone 6s*のほか、ドコモケータイやドコモタブレット、ウェアラブル端末、Wi-Fiルーターなど端末ラインナップの充実に努めました。
* TM and © 2016 Apple Inc. All rights reserved. iPhoneはApple Inc.の商標です。iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
④データ通信事業セグメント
データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、海外連結子会社の増加や新規顧客開拓および既存顧客向けシステムにおける規模拡大などにより1兆6,168億円(前期比7.0%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、連結子会社の拡大などに伴う経費や人件費の増加などにより1兆5,041億円(前期比5.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,127億円(前期比30.5%増)となりました。
データ通信事業セグメントでは、お客様のグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応したシステムインテグレーションなどの多様なITサービスの拡大と安定的な提供に取り組みました。
行政、医療、通信、電力などの社会インフラや地域化を担う高付加価値なITサービスの提供を行う公共・社会基盤分野向け事業については、中央府省・テレコム業界などでの落ち込みが見込まれていましたが、国家全体のIT戦略推進を背景とした新規ビジネスや、ユーティリティ業界における制度変更(電力システム改革)に伴う市場変化への対応などによる事業拡大により、営業収益が増加しました。
海外おける各地域及び地域を跨いだグローバルでの高付加価値なITサービスの提供を行うグローバル事業については、世界最大のITサービス市場であり、かつ今後も高い成長が見込まれる北米での Carlisle & Gallagher Consulting Group, Inc.のM&Aによる連結拡大影響などにより、営業収益が増加しました。
⑤その他の事業セグメント
その他の事業においては、不動産事業における賃貸事業の新規物件や既存物件の空室率改善による増収や、物件売却による増収などにより、当連結会計年度の営業収益は1兆2,945億円(前期比1.7%増)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は、収益連動経費の増加などにより、1兆2,204億円(前期比1.3%増)となりました。この結果、営業利益は740億円(前期比9.7%増)となりました。
(参考)国内売上高及び海外売上高に関する情報
(単位:億円)
(注)営業収益は、製品及びサービスの提供先別に国内・海外を分類しております。
国内における当連結会計年度の営業収益は、IP系・パケット通信収入や国内におけるシステムインテグレーション収入の増加などにより9兆6,462億円(前期比1.4%増)となりました。海外における当連結会計年度の営業収益は、連結子会社の増加などによる増収により1兆8,948億円(前期比19.5%増)となりました。
(注)
1.MOU(Minutes Of Use):1利用者当たり月間平均通話時間
2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit):1契約者(利用者)当たり月間平均収入
1契約者(利用者)当たりの月間平均収入(ARPU)は、契約者(利用者)1人当たりの各サービスにおける平均的な月間営業収益を計るために使われます。固定通信事業の場合、ARPUは、地域通信事業セグメントの営業収益のうち、「加入電話」、「INSネット」、および「フレッツ光」の提供により毎月発生する収入を、当該サービスの稼動契約数で除して計算されます。移動通信事業の場合、ARPUは、移動通信事業セグメントの営業収益のうち、携帯電話(LTE(「Xi」))と携帯電話(「FOMA」)のサービス提供により毎月発生する収入(基本使用料、通信料/通話料)を、当該サービスの稼動利用者数で除して計算されます。これら数字の計算からは、各月の平均的な利用状況を表さない端末機器販売、契約事務手数料、ユニバーサルサービス料などは除いております。こうして得られたARPUは各月のお客様の平均的な利用状況を把握する上で有用な情報を提供するものであると考えております。なお、ARPUの分子に含まれる収入は米国会計基準による連結決算値を構成する財務数値により算定しております。
3.ARPUの算定式
(a) NTT東日本、NTT西日本
NTT東日本およびNTT西日本のARPUは、以下の2種類に分けて計算をしております。
・音声伝送収入(IP系除く)に含まれる加入電話とINSネットの基本料、通信・通話料、およびIP系収入に含まれる「フレッツ・ADSL」、「フレッツ・ISDN」からの収入に基づいて計算される固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)。
・IP系収入に含まれる「フレッツ光」、「フレッツ光」のオプションサービスからの収入、「ひかり電話」における基本料・通信料・機器利用料、および附帯事業営業収益に含まれる「フレッツ光」のオプションサービス収入に基づいて計算されるフレッツ光ARPU。
※1 「フレッツ光」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ光ライトプラス」および「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しております。「フレッツ光」のオプションサービスは、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。
※2 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)およびフレッツ光ARPUには相互接続通話料が含まれておりません。
※3 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)算定上の契約数は、各サービスの契約数です。
※4 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上、「INSネット1500」の契約数は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)いずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しております。
※5 フレッツ光ARPU算定上の契約数は、「フレッツ光」の契約数(「フレッツ光」はNTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含む)であります。
※6 NTT東日本およびNTT西日本におけるARPU算出時の稼動契約数の計算式は以下のとおりです。
通期実績:4月~3月までの各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計
(b) NTTドコモ
NTTドコモのARPU算出時の計算式は、以下のとおりであります。
・携帯電話総合ARPU= 音声ARPU+パケットARPU+ドコモ光ARPU
※1 音声ARPUは、音声サービスの基本使用料と通話料の収入に基づいており、また、パケットARPUは、LTE(「Xi」)及び「FOMA」サービスによるパケットサービス月額定額料と通信料の収入に基づいており、ドコモ光ARPUは、「ドコモ光」、「ドコモ光」のオプションサービスの基本使用料と通話料のの収入に基いております。
※2 2016年3月期よりNTTドコモのARPU及びMOUの算定方法を見直しております。これに伴い過年度である2015年3月期の実績の数値についても変更しております。
※3 NTTドコモにおけるARPU算出時の稼動利用者数の計算式は以下のとおりです。
通期実績:4月~3月までの各月稼動利用者数{(前月末利用者数+当月末利用者数)/2}の合計
※4 利用者数は、以下のとおり、契約数を基本としつつ、一定の契約数を除外して算定しています。
利用者数 = 契約数
-通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びに仮想移動体通信事業者(MVNO)へ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る契約数
-LTE(「Xi」)契約及びFOMA契約と同一名義のデータプラン契約数
なお、通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びに仮想移動体通信事業者(MVNO)へ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る収入は、ARPUの算定上、収入に含まれておりません。
(3)流動性及び資金の源泉
資金調達及び資金の源泉と使途
当連結会計年度の営業活動によって得たキャッシュ・フローは、2兆7,118億円となり前連結会計年度の2兆3,918億円から3,200億円増加しております。これは、当連結会計年度の営業利益が前連結会計年度に比べて増加したこと等によるものであります。
NTTグループは、営業活動によって得たキャッシュ・フローを主に設備の取得、有利子負債の返済、配当金の支払い等に充てました。
当連結会計年度の投資活動に充てたキャッシュ・フローは、1兆7,598億円となり、前連結会計年度の1兆8,686億円から1,088億円減少しております。これは、有形固定資産、無形固定資産に対する投資が現金支出ベースで1,656億円減少した一方で、新規連結子会社の取得による支出が784億円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の有形固定資産、無形固定資産に対する投資の減少は、地域通信事業において光関連投資が減少したことに加え、移動通信事業においてLTE基地局構築の効率化により投資が減少したこと等によります。なお、当連結会計年度の発生主義に基づく設備投資額1兆6,872億円の主な内訳は地域通信事業が6,221億円、移動通信事業が5,952億円でした。
当連結会計年度に財務活動に充てたキャッシュ・フローは、7,076億円となり、前連結会計年度の6,780億円から支出が296億円増加しております。これは、短期借入債務及び長期借入債務の返済による支出が純額で4,113億円増加した一方で、自己株式の取得による支出が純額で2,445億円減少したことや非支配持分からの子会社株式の取得による支出が1,594億円減少したこと等によります。なお、当連結会計年度の長期借入による資金調達額の内訳は、社債による調達61億円、金融機関借入による調達3,922億円となっております。
また、2016年3月31日現在のNTTグループの有利子負債残高は4兆1,633億円であり、2015年3月31日現在の4兆4,067億円から2,434億円減少しました。2016年3月31日現在の有利子負債の株主資本に対する比率は47.1%(2015年3月31日現在は50.8%)となりました。なお、2016年3月31日現在の有利子負債は、連結財務諸表の注記11に記載されている短期借入債務及び長期借入債務に加え、金銭消費寄託契約に基づく預り金107億円を含んでおります。
NTTグループは、営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、銀行やその他の金融機関からの借入金、あるいは、資本市場における株式や債券の発行により、将来にわたって現在予測される設備投資とその他の支出や負債の支払に必要な財源が確保できると確信しております。
翌連結会計年度は、地域通信事業において光関連投資が減少することや、移動通信事業においてLTE基地局構築の効率化により投資が減少する一方で、長距離・国際通信事業においてデータセンター関連投資やクラウド関連投資が増加することや、データ通信事業において大型案件の規模拡大により投資が増加すること等により、発生主義に基づく設備投資額は当連結会計年度から328億円増加の1兆7,200億円と見込んでおります。その内訳は、地域通信事業が5,890億円、移動通信事業5,850億円等となっております。設備投資は確実な予測が困難な需要動向、競争環境及びその他の要因に影響を受けるため、予想とは異なることもありえます。なお、NTTグループの実際の資金調達額は、将来の事業運営、市場状況、その他の要因によって変化するため、正確に予測することは困難であります。
流動性
2016年3月31日現在のNTTグループの現預金及び現金同等物(期間3ヶ月以内の短期投資を含む)残高は1兆883億円であり、2015年3月31日現在の8,492億円から2,391億円増加しました。現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。
契約上の債務
下記の表は、2016年3月31日現在におけるNTTグループの契約上の債務をまとめたものであります。
(注)1.長期借入債務の詳細については、連結財務諸表の注記11参照。
2.キャピタル・リース債務には利息相当額を含んでおります。
3.購入債務は主に有形固定資産その他の資産の購入に関する契約債務であります。なお、残余期間が1年内の購入債務を含んでおりますが、解約可能な購入債務を除いております。
4.その他の固定負債は重要性がない、あるいは支払時期が不確実であるため、上表に金額を記載しておりません。なお、連結財務諸表の注記12に記載のとおり、NTTグループの年金制度に対して、翌連結会計年度に合計17,193百万円の拠出を見込んでおります。
2016年3月31日現在、NTTグループの有形固定資産及びその他資産の購入等に係る契約債務残高は約4,050億円となっており、営業活動によって得たキャッシュ・フローによりこれらの売買契約代金の支払をする予定であります。
(4)オフバランスシートアレンジメント(簿外取引)
2016年3月31日現在、保証債務等に関する偶発債務は793億円であります。
(5)最重要の会計方針
NTTグループの連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準(米国会計基準)に準拠して作成しております。連結財務諸表の注記3には、財務諸表作成に用いられた重要な会計方針の要約が記載されております。当社は、重要な会計方針のうち以下に記載した事項は、より高度な判断もしくは複雑さを伴うものと考えております。
・収益の認識
固定音声関連収入、移動音声関連収入、IP系・パケット通信収入及びその他の通信サービスに係る収益は、顧客にサービスが提供された時点で認識しております。契約事務手数料等の初期一括収入は繰り延べ、サービス毎に最終顧客(契約者)の見積平均契約期間にわたって収益として認識しております。また、関連する直接費用も、初期一括収入の金額を限度として繰り延べ、同期間で償却しております。当該処理方法は、当期純利益には重要な影響を与えないものの、収益及び原価の計上額は、初期一括収入及び関連する直接費用、ならびに収益・費用の繰り延べの基礎となる顧客の見積平均契約期間によって影響を受けます。顧客の平均契約期間の見積りに影響を与える要因としては、解約率、新規のまたは予想されうる競合商品・サービス・技術等があげられます。現在の償却期間は、過去のトレンドの分析と経験に基づき算定されております。通信端末機器販売収入は、顧客(販売代理店等)への引渡時に代理店手数料及びお客様に対するインセンティブの一部を控除した額を収益として認識しております。当該引渡日とは、製品の所有権が販売代理店に移転し、所有によるリスクと便益が実質的に移転したとみなされる日であります。システムインテグレーション収入に関しては、損失の発生が予測される場合の損失引当は、損失の発生が最初に予測され、損失の額が合理的に見積り可能となった日の属する連結会計年度において行っております。NTTグループは、給付完了時に見込まれる全ての収益及び費用の見積りに基づいて損失を認識しております。これにより、給付が完了するまでの様々な段階で収益及び費用の合理的見積りが可能となります。認識された損失は、契約の進捗にしたがって見直すことがあり、その原因となる事実が判明した連結会計年度において計上されます。
・有形固定資産、ソフトウェアその他の償却可能無形資産の見積耐用年数及び減損
NTTグループは、連結会計年度に計上すべき減価償却費を決定するために、有形固定資産、ソフトウェアその他の償却可能無形資産の耐用年数及び残存価額を見積っております。耐用年数及び残存価額は、資産が取得された時点で、類似資産における過去の経験に基づくほか、予想される技術その他の変化を考慮に入れて見積っております。技術上の変化が予想より急速に、あるいは予想とは異なった様相で発生した場合には、当該資産に適用された耐用年数を短縮する必要が生じる可能性があります。その場合、結果として、将来において減価償却費を増加修正する必要が生じる可能性があります。また、こうした技術上の変化は、資産価値の下落を反映するため、減損の認識をもたらす可能性もあります。NTTグループは、2014年7月1日より、一部の電気通信設備に関わるソフトウェア及び自社利用のソフトウェアの見積り耐用年数について使用実態を踏まえた見直しを行い、耐用年数を最長7年に延長しております。この見直しにより、前連結会計年度の減価償却費は513億円減少しております。NTTグループは、その帳簿価額が回復不能であることを示唆する事象や環境の変化がある場合、常に減損の検討を行っております。仮に、割引前将来キャッシュ・フロー見積額が資産の帳簿価額を下回る場合には、当該資産の帳簿価額と割引キャッシュ・フロー、市場価額及び独立した第三者による評価額等により測定した公正価値との差額を減損損失として計上することとしております。前連結会計年度において、NTTグループは、携帯端末向けマルチメディア放送事業に係る長期性資産の減損損失として302億円を計上しております。なお、上記を含む前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された減損損失は、それぞれ387億円及び198億円であります。
・営業権及び耐用年数を特定できない無形資産
営業権については、少なくとも年に一度、減損の兆候があればそれ以上の頻度で、事業セグメントまたはそれより一段低いレベルの報告単位毎に、当該報告単位の公正価値の見積りから始まる二段階の減損テストを行っております。減損テストの第一段階では、報告単位の公正価値と営業権を含む帳簿価額を比較し、報告単位の公正価値については、割引キャッシュ・フロー等に基づき算定しております。第二段階では、報告単位の営業権の帳簿価額とこの時点で改めて算定された営業権の公正価値を比較し、帳簿価額が公正価値を上回っている金額を減損損失として計上することとしております。二段階の減損テストの前に、報告単位の公正価値が帳簿価額を下回る可能性が50%以下であると結論づける場合、当該報告単位の二段階の手続きによる減損テストは要求されません。
前連結会計年度において、NTTドコモは経営管理方法の変更を反映させるため、事業セグメントの区分を変更しました。当該変更により、NTTグループは、移動通信事業セグメントの報告単位の構成を通信事業、スマートライフ事業及びその他の事業に変更しています。この変更に伴い、変更前の報告単位に帰属していた営業権を、変更後の報告単位に帰属する変更前各事業の構成要素の公正価値の比率に基づき、通信事業、スマートライフ事業及びその他の事業それぞれに再配分しております。
営業権の公正価値の測定にあたっては、当該報告単位の将来の事業利益及びキャッシュ・フローの創出能力に対する経営陣の見通し、ならびに当社の事業目標における報告単位の戦略的重要性等がその決定要素となっております。また、耐用年数を特定できない無形資産は償却をせず、年1回以上、減損テストを実施することとしております。NTTグループは、現時点で合理的であると判断される一定の前提に基づき公正価値の測定を行っておりますが、将来の予測不能な事業上の環境の変化により見通しと異なることがあります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「営業権及びその他の無形資産の一時償却」は、それぞれ35億円及び129億円であります。2016年3月31日現在、重要な報告単位のうち、長距離・国際通信事業セグメントにおけるDimension Data及びNTT Americaに帰属する営業権はそれぞれ2,957億円及び703億円、データ通信事業セグメントにおけるグローバルに帰属する営業権は2,382億円であります。当連結会計年度の年次減損テストの結果、Dimension Data、NTT America及びグローバルに帰属する報告単位の公正価値は帳簿価額をそれぞれ14.8%、4.0%及び27.0%上回っております。
・投資
NTTグループは、他企業に対して投資を行っており、原価法、持分法及び公正価値に基づいて会計処理しております。また、NTTグループは、投資価値が帳簿価額を下回り、その下落が一時的でない場合は減損損失を認識し、新たな取得原価を計上しております。一時的な下落か否かを判断するにあたっては、投資価値が帳簿価額を下回る程度及び期間、出資先企業及び事業分野の財務状況、ならびに投資を維持する能力及び意図を考慮しております。NTTグループは、投資の簿価が回復できない可能性を示唆する事象や環境の変化が発生したときは、常に減損の要否について検討を行っております。さらに、NTTグループは、評価を行うにあたり、キャッシュ・フロー予測、外部の第三者による評価、ならびに適用可能である場合は株価分析を含む様々な情報を活用しております。
当該予測及び評価には、統計(人口、普及率及び普及速度、解約率等)、技術革新、設備投資、市場の成長及びシェア、ARPU及び残存価値に係る推定が必要になります。前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「市場性のある投資有価証券及びその他の投資」の減損損失は、それぞれ約20億円及び約60億円であります。また、関連会社の市場を取り巻く最近の経済、財政状況により、投資先の価値が一時的ではない下落が生じていないか判断するため、投資先の事業の見通しを検討しております。
過去において、NTTグループはいくつかの「関連会社投資」について多額の減損処理を実施し、その減損額はそれぞれの会計期間における「持分法による投資損益」に計上されました。今後においても「市場性のある有価証券及びその他の投資」及び「関連会社投資」について同様の減損が発生する可能性があります。また、今後、投資持分の売却に際して多額の売却損益を計上する可能性もあります。
・退職給付会計
NTTグループにおける前連結会計年度及び当連結会計年度の退職給付費用は、それぞれ営業費用合計の概ね1.0%及び0.9%となっております。従業員に対する退職給付制度に係る費用及び債務の連結財務諸表計上額は、多くの仮定を用いた数理計算により決定されております。退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる仮定には、長期期待運用収益率、割引率、予定昇給率、平均残存勤務期間等があり、そのなかでも長期期待運用収益率と割引率は重要な仮定といえます。これらの仮定は、少なくとも年1回は見直され、また重要な仮定に大きな影響を与えることが想定される出来事が起こるか、あるいは環境が変化した場合にも見直しが行われます。仮定と実績との差異は、米国会計基準に従い、数理計算上の差異として将来にわたって繰延償却処理されます。2016年3月31日現在、NTTグループの退職給付制度に関連する数理計算上の差異の合計額は5,638億円であり、このうち退職給付債務又は年金資産の公正価値の10%を超える金額は、予測平均残存勤務期間にわたって償却するため、将来の年金費用に対し増加影響が生じることとなります。
NTTグループは、年金資産の長期期待運用収益率として、前連結会計年度及び当連結会計年度において2.0-2.5%を採用しております。NTTグループは、年金資産の長期期待運用収益率の決定に際し、現在及び将来の年金資産のポートフォリオや、各種長期投資の過去の実績利回り分析を基にした期待収益とリスクを考慮しております。NTTグループ及びエヌ・ティ・ティ企業年金基金(以下、「NTT企業年金基金」)は、年金資産のポートフォリオについて、年金資産の種類別の期待収益を考慮するとともに、年金資産から生ずる収益を安定化させリスクを軽減するため、制度毎に資産構成割合を定めております。退職一時金及び規約型企業年金においては、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、生保一般勘定に、それぞれ55.0%、5.0%、10.0%、10.0%、20.0%の年金資産の配分を、NTT企業年金基金においては、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、生保一般勘定に、それぞれ48.6%、14.9%、10.0%、14.4%、12.1%(加重平均)の年金資産の配分を行うこととしており、2016年3月31日現在の年金資産残高は、概ね目標配分比率に整合するものとなっております。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における年金資産の実際運用収益率は、それぞれ約11%、約0%となっており、将来においても、その時々の市場環境により、大きく増減する可能性があります。年金資産の市場価格は測定日現在の公正価値を用いて測定しております。
もう一つの重要な仮定は、退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる割引率であります。NTTグループは、退職給付費用の決定に際して、前連結会計年度においては1.4%の割引率を使用し、当連結会計年度においては1.0%の割引率を使用しております。また、退職給付債務の決定に際して、2015年3月31日現在においては1.0%の割引率を使用し、2016年3月31日現在においては0.5%の割引率を使用しております。NTTグループは、割引率の決定に際して、年金給付満期までの見積り期間と同じ期間の優良確定利付債券の利率に関し利用可能な情報を考慮しております。
2016年3月31日現在のNTTグループの年金制度において、その他全ての仮定を一定としたままで、割引率及び長期期待運用収益率を変更した場合の状況を示すと次のとおりであります。
・法人税等
NTTグループは、資産・負債の帳簿価額と税務申告上の価額との間の一時差異及び繰越欠損金に対する税効果について、繰延税金資産及び負債を認識しております。繰延税金資産及び負債の金額は、一時差異が解消する期間及び繰越欠損金が利用可能な期間において適用が見込まれる法定実効税率を用いて計算しております。法定実効税率が変更された場合には、税率変更のあった日が属する連結会計年度において、税金費用の計上を通じて繰延税金資産及び負債を調整しております。
2015年3月31日、「所得税法等の一部を改正する法律」等が成立し、2015年4月1日以降開始する連結会計年度より法人税率等が変更されることとなりました。この税率変更による繰延税金資産(純額)の減少額は544億円であり、前連結会計年度の連結損益計算書「法人税等:繰延税額」に計上しております。また、前連結会計年度の当社に帰属する当期純利益は478億円減少しております。
2016年3月29日、「所得税法等の一部を改正する法律」等が成立し、2016年4月1日以降開始する連結会計年度より法人税率等が変更されることとなりました。この税率変更による繰延税金資産(純額)の減少額は327億円であり、当連結会計年度の連結損益計算書「法人税等:繰延税額」に計上しております。また、当連結会計年度の当社に帰属する当期純利益は237億円減少しております。
NTTグループは、将来の実現可能性を考慮し、繰延税金資産に対して評価性引当金を計上しております。評価性引当金を適切に決定するため、予想される将来の課税所得水準及び利用可能なタックスプランニングを考慮に入れております。将来の課税所得が予想を下回った場合、またはタックスプランニングが期待通りに利用可能とならなかった場合には、その判断がなされた連結会計年度において、税金費用の計上を通じて評価性引当金を追加計上する可能性があります。2015年3月31日及び2016年3月31日現在、NTTグループは、それぞれ1兆4,911億円及び1兆5,802億円の繰延税金資産を有しており、その資産に対して、それぞれ2,660億円及び1,717億円の評価性引当金を計上しております。当該評価性引当金は、主に将来の実現が見込めない税務上の欠損金を有する当社及び特定の子会社の繰延税金資産に関するものであります。評価性引当金の変動額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ60億円の増加及び942億円の減少となっております。当連結会計年度における評価性引当金の減少額には、NTT西日本において、将来課税所得の発生見通しが改善したことに伴う地方税に係る評価性引当金の減少額437億円と、NTTドコモにおいて、慎重かつ実行可能なタックスプランニング戦略を考慮したことに伴う評価性引当金の減少額327億円が含まれております。なお、繰越可能期間を経過した繰越欠損金に係る繰延税金資産の減少は財務諸表に反映されております。
・ポイントプログラム引当金
NTTグループは、携帯電話やフレッツ光等の利用に応じて付与するポイントと引き換えに、商品購入時の割引等の特典等を提供しており、顧客が獲得したポイントについてポイントプログラム引当金を計上しております。2015年3月31日現在及び2016年3月31日時点におけるポイントプログラム引当金は短期、長期合わせてそれぞれ1,106億円及び941億円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において計上されたポイントプログラム経費は、それぞれ778億円及び603億円であります。
ポイントプログラム引当金の算定においては、将来の解約等による失効部分の見積りが可能である場合には、その失効部分を反映したポイント利用率等の見積りが必要となります。実際のポイント利用率が当初見積りよりも多い場合等において、将来において追加的な費用の計上や引当金の計上を実施する必要が生じる可能性があります。
2016年3月31日現在の携帯電話の利用に応じて付与するポイントに対する引当金において、その他全ての仮定を一定としたままで、ポイント利用率が1%上昇した場合、約10億円の引当金の追加計上が必要となります。
(6)最近公表された会計基準
・顧客との契約から生じる収益
2014年5月28日、FASBはASU2014-09「顧客との契約から生じる収益」を公表しました。当該基準は、企業が、約束した財又はサービスの顧客への移転の対価として権利を得ると見込んでいる金額を認識することを要求しております。当該基準が適用になると、現在の米国会計基準の収益認識に係るガイダンスの大部分が当該基準の内容に置き換わります。また、2016年3月にASU2016-08「本人か代理人かの検討(収益の総額表示か純額表示)」、2016年4月にASU2016-10「履行義務の識別及びライセンス付与」、2016年5月にASU2016-12「限定的な改善及び実務上の処理」が公表となり、当該基準の一部が修正されております。
2015年8月12日、FASBはASU2015-14「顧客との契約から生じる収益―適用日の延期」を公表し、当該基準の適用を1年延期しました。このため、当該基準は、NTTグループにおいて2018年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。なお、2017年4月1日に開始する連結会計年度からの早期適用も認められています。当社は、当該基準適用時の移行方法の選択は実施しておらず、NTTグループの連結財務諸表及び関連する注記に与える影響について、現在検討しております。
・金融資産及び金融負債の認識並びに測定
2016年1月5日、FASBはASU2016-01「金融資産及び金融負債の認識並びに測定」を公表しました。当該基準は、企業が保有する持分投資が損益計算書に与える影響及び公正価値オプションを選択した金融負債の公正価値の変動の認識を、大幅に変更するものであります。当該基準は、NTTグループにおいて2018年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。当社は、当該基準の適用による影響について、現在検討しております。
・リース
2016年2月25日、FASBはASU2016-02「リース」を公表しました。当該基準は原則として、すべてのリースの借手に対し、使用権資産とリース負債の計上を要求しております。当該基準は、NTTグループにおいて2019年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。当社は当該基準の適用による影響について、現在検討しております。
(1)営業実績
①電気通信回線設備等
NTTグループ(当社及び連結子会社)は、良質な電気通信サービスを提供するため、多種多様な電気通信回線設備等を保有し、運用しておりますが、最近における主要サービス別の回線設備等の状況は次のとおりであります。
2015年 3月31日現在 | 2016年 3月31日現在 | 増減 | 増減率 | |||||
加入電話 | (千加入) | 21,286 | 19,943 | △1,343 | △6.3% | |||
NTT東日本 | (千加入) | 10,492 | 9,875 | △618 | △5.9% | |||
NTT西日本 | (千加入) | 10,794 | 10,068 | △726 | △6.7% | |||
INSネット | (千回線) | 3,058 | 2,776 | △282 | △9.2% | |||
NTT東日本 | (千回線) | 1,559 | 1,414 | △144 | △9.3% | |||
NTT西日本 | (千回線) | 1,499 | 1,361 | △137 | △9.2% | |||
加入電話+INSネット | (千回線) | 24,344 | 22,718 | △1,625 | △6.7% | |||
NTT東日本 | (千回線) | 12,051 | 11,289 | △762 | △6.3% | |||
NTT西日本 | (千回線) | 12,293 | 11,429 | △863 | △7.0% | |||
公衆電話 | (個) | 183,655 | 171,179 | △12,476 | △6.8% | |||
NTT東日本 | (個) | 87,785 | 78,199 | △9,586 | △10.9% | |||
NTT西日本 | (個) | 95,870 | 92,980 | △2,890 | △3.0% | |||
フレッツ・ISDN | (千回線) | 95 | 85 | △10 | △10.4% | |||
NTT東日本 | (千回線) | 42 | 37 | △5 | △10.8% | |||
NTT西日本 | (千回線) | 53 | 48 | △5 | △10.1% | |||
フレッツ・ADSL | (千回線) | 1,219 | 1,053 | △167 | △13.7% | |||
NTT東日本 | (千回線) | 550 | 475 | △75 | △13.6% | |||
NTT西日本 | (千回線) | 669 | 577 | △92 | △13.7% | |||
フレッツ光(コラボ光含む) | (千回線) | 18,716 | 19,259 | 543 | 2.9% | |||
NTT東日本 | (千回線) | 10,403 | 10,666 | 264 | 2.5% | |||
NTT西日本 | (千回線) | 8,313 | 8,593 | 280 | 3.4% | |||
(再)コラボ光 | (千回線) | 270 | 4,691 | 4,421 | 1634.6% | |||
NTT東日本 | (千回線) | 190 | 3,077 | 2,886 | 1517.2% | |||
NTT西日本 | (千回線) | 80 | 1,615 | 1,534 | 1913.1% | |||
ひかり電話 | (千チャネル) | 17,108 | 17,374 | 267 | 1.6% | |||
NTT東日本 | (千チャネル) | 9,032 | 9,123 | 91 | 1.0% | |||
NTT西日本 | (千チャネル) | 8,076 | 8,252 | 176 | 2.2% | |||
一般専用サービス | (千回線) | 241 | 232 | △8 | △3.5% | |||
NTT東日本 | (千回線) | 117 | 113 | △4 | △3.5% | |||
NTT西日本 | (千回線) | 124 | 120 | △4 | △3.4% | |||
高速ディジタル伝送サービス | (千回線) | 127 | 115 | △12 | △9.5% | |||
NTT東日本 | (千回線) | 66 | 59 | △7 | △10.2% | |||
NTT西日本 | (千回線) | 62 | 56 | △5 | △8.8% | |||
グループ主要ISP | (千契約) | 11,586 | 11,411 | △175 | △1.5% | |||
(再)OCN | (千契約) | 8,282 | 8,046 | △236 | △2.9% | |||
(再)ぷらら | (千契約) | 2,960 | 3,005 | 45 | 1.5% | |||
ひかりTV | (千契約) | 3,014 | 3,052 | 38 | 1.2% | |||
フレッツ・テレビ伝送サービス | (千契約) | 1,345 | 1,432 | 87 | 6.5% | |||
NTT東日本 | (千契約) | 877 | 910 | 33 | 3.7% | |||
NTT西日本 | (千契約) | 468 | 522 | 54 | 11.6% |
2015年 3月31日現在 | 2016年 3月31日現在 | 増減 | 増減率 | |||||
携帯電話 | (千契約) | 66,595 | 70,964 | 4,368 | 6.6% | |||
(再)新料金プラン | (千契約) | 17,827 | 29,704 | 11,877 | 66.6% | |||
LTE(「Xi」) | (千契約) | 30,744 | 38,679 | 7,934 | 25.8% | |||
FOMA | (千契約) | 35,851 | 32,285 | △3,566 | △9.9% | |||
spモード | (千契約) | 28,160 | 32,463 | 4,303 | 15.3% | |||
iモード | (千契約) | 22,338 | 18,770 | △3,569 | △16.0% |
(注)1.「加入電話」は、一般加入電話とビル電話を合算しております(加入電話・ライトプランを含む)。
2.「INSネット」には、「INSネット64」及び「INSネット1500」が含まれております。「INSネット1500」は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)いずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しております(INSネット64・ライトを含む)。
3.「フレッツ光(コラボ光含む)」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しております。
4.「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」は、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。
5.「グループ主要ISP」には、「OCN」、「ぷらら」の他、「WAKWAK」、「InfoSphere」が含まれております。
6.携帯電話(LTE(「Xi」)、「FOMA」を含む)契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて掲載しております。
7.2008年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、携帯電話(「FOMA」を含む)契約数にはその場合の当該「FOMA」契約も含まれております。
②営業収支等の状況
(単位:億円)
前連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 当連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 110,953 | 115,410 | 4,457 | 4.0% |
固定音声関連収入 | 14,414 | 13,300 | △1,114 | △7.7% |
移動音声関連収入 | 8,721 | 8,378 | △342 | △3.9% |
IP系・パケット通信収入 | 36,722 | 37,578 | 857 | 2.3% |
通信端末機器販売収入 | 9,970 | 9,530 | △440 | △4.4% |
システムインテグレーション収入 | 26,918 | 30,635 | 3,717 | 13.8% |
その他の営業収入 | 14,210 | 15,988 | 1,779 | 12.5% |
営業費用 | 100,108 | 101,928 | 1,821 | 1.8% |
営業利益 | 10,846 | 13,481 | 2,636 | 24.3% |
営業外損益 | △179 | △189 | △10 | △5.3% |
税引前当期純利益 | 10,666 | 13,293 | 2,626 | 24.6% |
法人税等 | 3,973 | 3,548 | △425 | △10.7% |
持分法による投資利益(△損失) | 59 | 58 | △1 | △2.0% |
当期純利益 | 6,752 | 9,802 | 3,050 | 45.2% |
控除:非支配持分に帰属する当期純利益 | 1,571 | 2,425 | 854 | 54.3% |
当社に帰属する当期純利益 | 5,181 | 7,377 | 2,197 | 42.4% |
営業収益
NTTグループの営業収益は、固定音声関連、移動音声関連、IP系・パケット通信、通信端末機器販売、システムインテグレーション及びその他の6つのサービス分野に区分しております。
2016年3月期の営業収益は、前期比4.0%増加し、11兆5,410億円となりました。これは、海外事業の成長に加え、移動通信事業やシステムインテグレーション事業の増収により国内事業も増収となったことなどによるものです。
2016年3月期における各サービス分野における営業収益の概要は、次のとおりです。
・固定音声関連収入
固定音声関連サービスには、加入電話、INSネット、一般専用、高速ディジタル伝送など、地域通信事業セグメントと長距離・国際通信事業セグメントの一部が含まれております。
2016年3月期における固定音声関連収入は、前期比7.7%減少し、1兆3,300億円(営業収益の11.5%に相当)となりました。これは、携帯電話や光IP電話の普及、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスの増加などにより、加入電話やINSネットの契約数が引き続き減少したことなどによるものです。
・移動音声関連収入
移動音声関連サービスには、LTE(「Xi」)における音声通話サービスなどの移動通信事業セグメントの一部が含まれております。
2016年3月期における移動音声関連収入は、前期比3.9%減少し、8,378億円(営業収益の7.3%に相当)となりました。これは、「月々サポート」の割引影響などによるものです。
・IP系・パケット通信収入
IP系・パケット通信サービスには、「フレッツ光」などの地域通信事業セグメントの一部、Arcstar Universal One、IP-VPN、OCNなどの長距離・国際通信事業セグメントの一部、LTE(「Xi」)におけるパケット通信サービスなどの移動通信事業セグメントの一部が含まれております。
2016年3月期におけるIP系・パケット通信収入は、前期比2.3%増加し、3兆7,578億円(営業収益の32.6%に相当)となりました。これは、地域通信事業における「フレッツ光(コラボ光含む)」契約数の増加による収入の増加や移動通信事業において料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」における上位プランへの移行が進んだこと等によるものです。
・通信端末機器販売収入
通信端末機器販売には、地域通信事業セグメント、移動通信事業セグメントの一部などが含まれております。
2016年3月期における通信端末機器販売収入は、前期比4.4%減少し、9,530億円(営業収益の8.3%に相当)となりました。これは、移動通信事業におけるスマートフォンなどの携帯電話端末の卸売販売台数が減少したことによるものです。
・システムインテグレーション収入
システムインテグレーションには、データ通信事業セグメント及び長距離・国際通信事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれております。
2016年3月期のシステムインテグレーション収入は、前期比13.8%増加し、3兆635億円(営業収益の26.5%に相当)となりました。これは、国内事業・海外事業ともに成長したことなどによるものです。
・その他の営業収入
その他のサービスには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、リース、研究開発などが含まれております。
2016年3月期のその他の営業収入は、前期比12.5%増加し、1兆5,988億円(営業収益の13.9%に相当)となりました。これは、主に移動通信事業におけるスマートライフ領域に関する収益や不動産事業に関する収入が増加したことなどによるものです。
営業費用
2016年3月期の営業費用は前期比1.8%増加し、10兆1,928億円となりました。主な要因は以下のとおりであります。なお、下記の人件費、経費は、連結損益計算書上のサービス原価、通信端末機器原価、システムインテグレーション原価、販売費及び一般管理費に含まれております。
・人件費
2016年3月期の人件費は、前期比0.9%増加し、2兆2,997億円となりました。地域通信事業セグメントを中心に従業員数は減少したものの、海外子会社の人件費が連結拡大・業容拡大により増加したことなどにより、人件費は前期と比較して増加しております。
・経費
2016年3月期の経費は、前期比4.1%増加し、5兆6,759億円となりました。地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメントにおける業務効率化の取り組みなどによる経費の削減はあったものの、海外子会社の連結拡大などにより、経費は前期と比較して増加しております。
・減価償却費
2016年3月期の減価償却費は、前期比3.4%減少し、1兆7,663億円となりました。これは、長距離・国際通信事業セグメントにおいてデータセンターなどにかかる設備投資を拡大したことにより減価償却費が増加した一方で、地域通信事業セグメントや移動通信事業セグメントにおいて設備投資の効率化により投資額が減少したことに伴って減価償却費が減少したことによるものです。
営業利益
以上の結果、2016年3月期の営業利益は、前期比24.3%増加し、1兆3,481億円となりました。
営業外損益
2016年3月期の営業外損益は、前期の△179億円に対し△189億円とほぼ横ばいとなりました。
税引前当期純利益
以上の結果、2016年3月期の税引前当期純利益は前期比24.6%増加し、1兆3,293億円となりました。
法人税等
2016年3月期の法人税等は、前期比10.7%減少し、3,548億円となりました。これは主に、西日本電信電話株式会社および株式会社NTTドコモが繰延税金資産の実現可能性の見積もりを変更したことに伴い、評価性引当金が減少したため、「法人税等:繰延税額」が減少したことなどによるものです。この結果、2015年3月期と2016年3月期の税負担率は、それぞれ37.25%、26.69%となっております。
持分法による投資利益(△損失)
2016年3月期の持分法による投資利益(△損失)は、前期の59億円に対し横ばいの58億円となりました。
当社に帰属する当期純利益
以上の結果、2016年3月期の当期純利益は前期比45.2%増加し、9,802億円となりました。また、非支配持分に帰属する当期純利益を控除した当社に帰属する当期純利益は、前期比42.4%増加し、7,377億円となりました。
(2)セグメント情報
NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメント、データ通信事業セグメントおよびその他の事業セグメントに区分しております。(連結財務諸表の注記18参照)
地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれております。
長距離・国際通信事業セグメントには、主に固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、システムインテグレーションサービス、その他が含まれております。
移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、その他が含まれております。
データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションサービスが含まれております。
また、その他の事業セグメントには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、リース、研究開発等に係るその他のサービスが含まれております。
各セグメントの営業実績の概要は、次のとおりです。なお、各セグメントの営業実績の記載における営業収益・営業費用・営業利益は、セグメント間取引を含んでおります。
サービス種別 | 当連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | ||
金額(億円) | 前期比(%) | ||
地域通信事業 | 固定音声関連サービス | 12,980 | △7.7 |
IP系・パケット通信サービス | 15,644 | 1.1 | |
システムインテグレーションサービス | 1,612 | △1.4 | |
その他 | 3,842 | △1.3 | |
小計(セグメント間取引含む) | 34,079 | △2.8 | |
セグメント間取引 | 4,996 | 5.6 | |
地域通信事業計(セグメント間取引除く) | 29,082 | △4.1 | |
長距離・国際通信事業 | 固定音声関連サービス | 2,851 | △7.2 |
IP系・パケット通信サービス | 3,719 | 2.7 | |
システムインテグレーションサービス | 14,253 | 22.9 | |
その他 | 1,686 | △0.7 | |
小計(セグメント間取引含む) | 22,509 | 12.6 | |
セグメント間取引 | 895 | △2.5 | |
長距離・国際通信事業計(セグメント間取引除く) | 21,614 | 13.4 | |
移動通信事業 | 移動音声関連サービス | 8,494 | △3.9 |
IP系・パケット通信サービス | 19,548 | 5.5 | |
その他 | 17,229 | 4.6 | |
小計(セグメント間取引含む) | 45,271 | 3.3 | |
セグメント間取引 | 435 | 0.9 | |
移動通信事業計(セグメント間取引除く) | 44,837 | 3.3 |
サービス種別 | 当連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | ||
金額(億円) | 前期比(%) | ||
データ 通信事業 | システムインテグレーションサービス (セグメント間取引含む) | 16,168 | 7.0 |
セグメント間取引 | 1,040 | △5.2 | |
データ通信事業計(セグメント間取引除く) | 15,128 | 8.0 | |
その他の事業 | その他(セグメント間取引含む) | 12,945 | 1.7 |
セグメント間取引 | 8,196 | △4.4 | |
その他事業計(セグメント間取引除く) | 4,748 | 14.5 | |
合計 | 115,410 | 4.0 |
①地域通信事業セグメント
地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、「フレッツ光(コラボ光含む)」契約数の増加によりIP系・パケット通信収入が増加しましたが、固定電話契約数の減に伴う固定音声関連収入の減少分を補えず3兆4,079億円(前期比2.8%減)となりました。
一方、当連結会計年度の営業費用は、「光コラボレーションモデル」の進展に伴うマーケティングコストのコントロールや継続した業務効率化などによる経費の削減、人員数の減少に伴う人件費の減少、投資効率化による減価償却費の減少などにより3兆1,429億円(前期比5.8%減)となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は2,650億円(前期比56.9%増)となりました。
地域通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は以下のとおりです。
(固定音声関連サービス)
本セグメントにおける固定音声関連サービス収入は、前期比1,078億円(7.7%)減少の1兆2,980億円となりました。これは主に以下の要因によるものです。
加入電話やINSネットについて、お客様ニーズが携帯電話、IP電話、ブロードバンドアクセスサービス、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスなどへと移行していることなどに伴い、2016年3月31日現在の固定電話契約数(固定電話+INSネット)は、前期比1,625千契約減少し、22,718千契約となりました。
加入電話とINSネットの契約数は、次のとおりです。
(単位:千加入/回線)
サービスの種類 | 2015年3月31日 現在 | 2016年3月31日 現在 | 増減 | 増減率 |
(NTT東日本) | ||||
加入電話 | 10,492 | 9,875 | △618 | △5.9% |
INSネット | 1,559 | 1,414 | △144 | △9.3% |
(NTT西日本) | ||||
加入電話 | 10,794 | 10,068 | △726 | △6.7% |
INSネット | 1,499 | 1,361 | △137 | △9.2% |
2016年3月期における固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)は、前期に比べ、NTT東日本が50円(1.9%)減少し2,650円、NTT西日本が40円(1.5%)減少し2,610円となりました。これらの原因は、移動体通話への移行、高利用者層のIP電話への移行などによるものです。
なお、ARPUについては、「(注)2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit)」をご参照ください。また、固定電話総合ARPUの算定式については、「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。
マイライン登録数シェアは、以下のとおりです。
区分 | 2015年3月31日 現在 | 2016年3月31日 現在 | 増減 |
市内通話: | |||
NTT東日本 | 56.5% | 57.3% | 0.8ポイント |
NTT西日本 | 53.8% | 54.7% | 0.9ポイント |
NTTコミュニケーションズ | 32.7% | 32.2% | △0.5ポイント |
県内市外通話: | |||
NTT東日本 | 52.9% | 53.8% | 0.9ポイント |
NTT西日本 | 50.6% | 51.5% | 0.9ポイント |
NTTコミュニケーションズ | 33.6% | 33.1% | △0.5ポイント |
公衆網の大宗を占める長期増分費用方式(LRIC)対象の2016年3月期におけるアクセスチャージの水準は、GC接続が5.78円、IC接続が7.22円(いずれも3分間あたり)とされております。なお、2016年3月期におけるNTT東日本およびNTT西日本のアクセスチャージ収入は、前期に比べ、それぞれ39億円減少、54億円減少(東西交付金の受入を含む)し、511億円、558億円となっております。
専用サービスについては、定額・高品質なビジネスユーザ向けアクセスサービスとして提供していますが、NGNを活用した「ビジネスイーサワイド」の提供など、より低廉な価格で信頼性の高いLAN通信に適したイーサネット系のサービスをはじめ、「フレッツ・VPN ワイド」などのIP系サービスへの需要シフトが進展したことにより、専用サービスの契約数は減少傾向が続いております。
地域通信事業セグメントにおける専用サービスの契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
サービスの種類 | 2015年3月31日 現在 | 2016年3月31日 現在 | 増減 | 増減率 |
(NTT東日本) | ||||
一般専用サービス | 117 | 113 | △4 | △3.5% |
高速ディジタル伝送サービス | 66 | 59 | △7 | △10.2% |
(NTT西日本) | ||||
一般専用サービス | 124 | 120 | △4 | △3.4% |
高速ディジタル伝送サービス | 62 | 56 | △5 | △8.8% |
(IP系・パケット通信サービス)
本セグメントにおけるIP系・パケット通信サービス収入は、前期比173億円(1.1%)増加の1兆5,644億円となりました。これは主に以下の要因によるものです。
本セグメントにおいては、光アクセスサービスを幅広い分野の多様なサービス事業者にお使いいただくことで、新たな価値創造によるICT市場の活性化を図るため、世界初の本格的な光アクセスのサービス卸である「光コラボレーションモデル」を2015年2月より導入しています。当連結会計年度においては、引き続き当モデルによるB2B2Xビジネスの展開などに取り組みました。移動通信事業者やISP事業者に加え、エネルギー業界、不動産業界、警備業界など異業種の事業者とも協業を進め、卸サービスを提供している事業者数は当事業年度末時点で約350社となりました。また、ケーブルテレビ業界では、提供エリアの全域光化において、「光コラボレーションモデル」が採用されるなどの新たな活用事例も生まれました。こうした取り組みにより、同モデルにおける光アクセスサービスの契約数は469万契約まで拡大しました。
これらの取組みの結果、2016年3月31日現在の「フレッツ光(コラボ光含む)」の契約数は、前期比543千契約(2.9%)増加し19,259千契約、「ひかり電話」の契約数は、前期比267千チャネル(1.6%)増加し17,374千チャネル、「フレッツ・テレビ」の契約数は、前期比87千契約(6.5%)増加し1,432千契約となりました。
「フレッツ光(コラボ光含む)」、「フレッツADSL」および光IP電話「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」の契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
サービスの種類 | 2015年3月31日 現在 | 2016年3月31日 現在 | 増減 | 増減率 |
(NTT東日本) | ||||
フレッツ光(コラボ光含む) | 10,403 | 10,666 | 264 | 2.5% |
フレッツ・ADSL | 550 | 475 | △75 | △13.6% |
ひかり電話(千チャネル) | 9,032 | 9,123 | 91 | 1.0% |
フレッツ・テレビ伝送サービス | 877 | 910 | 33 | 3.7% |
(NTT西日本) | ||||
フレッツ光(コラボ光含む) | 8,313 | 8,593 | 280 | 3.4% |
フレッツ・ADSL | 669 | 577 | △92 | △13.7% |
ひかり電話(千チャネル) | 8,076 | 8,252 | 176 | 2.2% |
フレッツ・テレビ伝送サービス | 468 | 522 | 54 | 11.6% |
2.「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」は、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。
2016年3月期におけるフレッツ光ARPUは、NTT東日本が5,510円となり、前期に比べ20円(0.4%)の微増となりました。これは各種割引サービスの縮小等によるものです。一方、NTT西日本は5,470円となり、前期に比べ210円(3.7%)減少しました。この原因は、主として割引サービスの影響が継続しているものです。
フレッツ光ARPUの算定式については、「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。
(その他サービス)
システムインテグレーションサービス、その他サービスについては、地域密着の営業体制の強みを活かし、自治体ごとの課題やニーズの把握に注力し、地方創生をICTで効果的に推進できるモデルの提案を進めることなどに取り組みました。
具体的には、観光分野において、訪日外国人の増加等を受けて、自治体や商店街等では観光拠点などに自ら公衆Wi‐Fiをいち早く整備しようとする動きが広がっており、これらの要望にこたえるため、札幌市や福岡市に対して、Wi-Fi整備や運用のサポートを行いました。
②長距離・国際通信事業セグメント
長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、国内における固定音声関連収入の減少はあったものの、連結子会社の拡大などによるシステムインテグレーション収入の増加により2兆2,509億円(前期比12.6%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、連結子会社の拡大などに伴う経費や人件費の増加などにより、2兆1,542億円(前期比14.3%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は967億円(前期比14.9%減)となりました。
長距離・国際通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は次のとおりです。
(固定音声関連サービス)
本セグメントにおける固定音声関連サービス収入は、前期比220億円(7.2%)減少の2,851億円となりました。これは、主に携帯電話や光IP電話の普及、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスの増加などにより固定電話の契約数が減少する一方、「プラチナ・ライン」の料金改定を行うなどにより多様なお客様ニーズに引き続き応えたことによるものです。
長距離・国際通信事業セグメントにおけるマイライン登録数シェアは、次のとおりです。
区分 | 2015年3月31日 現在 | 2016年3月31日 現在 | 増減 |
県外への通話 | 82.6% | 83.1% | 0.5ポイント |
国際通話 | 81.3% | 81.7% | 0.4ポイント |
(IP系・パケット通信サービス)
本セグメントにおけるIP系・パケット通信サービス収入は、前期比99億円(2.7%)増加の3,719億円となりました。これは、主に以下の取り組みによるものです。
個人のお客様向けには、NTTコミュニケーションズのLTE対応モバイルデータ通信サービス「OCN モバイル ONE」において、音声通話も可能な「音声対応SIMカード」の即日受渡カウンターの全国展開を開始するなど、営業体制の強化に取り組むことなどで契約者数を増加させました。
法人のお客様向けには、NTTコミュニケーションズが196カ国/地域で提供中の企業向けネットワークサービス「Arcstar Universal One」において、同社のクラウドサービスをはじめ、多様なクラウドサービスと接続することで、スピーディー、柔軟かつ安価にマルチクラウド環境を構築できるオプション「Multi-Cloud Connect」を提供開始するなど、先進的な機能提供などを通じて、契約数の増加に努めました。
長距離・国際通信事業セグメントにおけるIP系・パケット通信関連サービスの契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
サービスの種類 | 2015年3月31日 現在 | 2016年3月31日 現在 | 増減 | 増減率 |
ネットワークサービス(VPN)(注1) | 303 | 339 | 37 | 12.0% |
OCN(ISP) | 8,282 | 8,046 | △236 | △2.9% |
ぷらら(ISP)(注2) | 2,960 | 3,005 | 45 | 1.5% |
ひかりTV(注2) | 3,014 | 3,052 | 38 | 1.2% |
(注2)「ぷらら」及び「ひかりTV」に係る収入は、その他の営業収入に含まれております。
(システムインテグレーションサービス)
本セグメントにおけるシステムインテグレーションサービス収入は、前期比2,656億円(22.9%)増加の1兆4,253億円となりました。これは、グローバル・クラウドサービスをNTTグループ全体の事業の基軸として拡大させる取り組みを強化したことによるものです。具体的には、以下の取り組みを行いました。
フルスタック・フルライフサイクルでのサービス提供力をさらに強化するため、M&Aの推進およびデータセンターなどのクラウド基盤の拡充や、ネットワーク・セキュリティなどを組み合わせたシームレスICTソリューションの提供力の強化、クラウドサービスやITアウトソーシングといった成長分野でのサービス提供力の強化などを図りました。
具体的には、Lux e-shelter 1 S.a.r.l. 、RagingWire Data Centers, Inc.、Arkadin International SAS 、Oakton Limitedなど、連結子会社が拡大したことによりシステムインテグレーション収入が増加しました。また、世界各地でのクラウドサービスやデータセンター需要への対応能力を強化するため、北米ではサクラメント、欧州ではウィーン、アジアでは香港・ムンバイ・バンコクにおいて、電力・通信設備の冗長化や充実したセキュリティにより高い信頼性を備えたデータセンターの提供を新たに開始し、世界各地の顧客の獲得に努めました。
また、クラウドマイグレーション、ITアウトソーシング案件を中心に、本セグメントの主要企業であるNTTコミュニケーションズやDimension Dataやデータ通信事業セグメントの主要企業であるNTTデータなどのグループ会社間の連携によるクロスセルを推進し、各産業のリーディングカンパニーから受注を獲得しました。
③移動通信事業セグメント
移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、スマートライフ事業などが拡大したことに加え、料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の減収影響が対前年に比べ改善したことなどに伴い、4兆5,271億円(前期比3.3%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、スマートライフ事業の拡大による収益連動費用の増加などがあったものの、コスト効率化を推進したことなどにより、前年並の3兆7,388億円(前期比0.2%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は7,884億円(前期比24.0%増)となりました。
移動通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は次のとおりです。
(移動音声関連サービス/IP系・パケット通信サービス)
移動音声関連サービス収入は、前期比344億円(3.9%)減少の8,494億円となりました。これは、契約数の増加や解約率の維持・低下に努めたものの、「月々サポート」の割引影響などにより、音声ARPUが減少したことによるものです。本セグメントにおけるIP系・パケット通信サービス収入は、前期比1,018億円(5.5%)増加の1兆9,548億円となりました。これは、タブレット端末のラインアップ充実などによる2台目需要の増加や料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」における上位プランへの移行が進んだことなどによりパケットARPUが増加したことによるものです。
2016年3月31日現在、NTTドコモの携帯電話サービスの契約数は、7,096万契約と前期末時点の6,660万契約から1年間で437万契約増加いたしました。携帯電話サービスのうちLTE(「Xi」)サービス契約数は、前期末時点の3,074万契約から2016年3月31日現在で 3,868万契約と793万契約(25.8%)増加し、「FOMA」サービス契約数は、前期末時点の3,585万契約から2016年3月31日現在で3,229万契約と357万契約(9.9%)減少いたしました。また、解約率は前期とほぼ横ばいの、0.62%となりました。
移動通信事業の契約数および市場シェアは、次のとおりです。
(単位:千契約)
サービスの種類 | 2015年3月31日 現在 | 2016年3月31日 現在 | 増減 | 増減率 |
携帯電話サービス(注1) | 66,595 | 70,964 | 4,368 | 6.6% |
(再)新料金プラン | 17,827 | 29,704 | 11,877 | 66.6% |
LTE(「Xi」) | 30,744 | 38,679 | 7,934 | 25.8% |
FOMA(注1) | 35,851 | 32,285 | △3,566 | △9.9% |
携帯電話市場シェア(注1)(注2) | 43.6% | 45.3% | 1.7ポイント | - |
spモードサービス | 28,160 | 32,463 | 4,303 | 15.3% |
iモードサービス | 22,338 | 18,770 | △3,569 | △16.0% |
(注1) 通信モジュールサービス契約数を含めて算出しております。また、2008年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、その場合の当該「FOMA」契約を含んでおります。
(注2) 他社契約数については、一般社団法人電気通信事業者協会及び各社が発表した数値を基に算出しております。
2016年3月期における携帯電話総合ARPUは4,170円と、前期の4,100円に比べ70円(1.7%)増加しました。これは、「月々サポート」による減収影響が引き続きあったことにより音声ARPUが1,210円と前期の1,280円に比べて70円(5.5%)減少した一方で、データARPUが「カケホーダイ&パケあえる」による減収影響の縮小やドコモ光の開始などにより、2,960円と前期の2,820円に比べて140円(5.0%)増加したことによります。
携帯電話サービスにおけるMOUについては「(注)1.MOU(Minutes Of Use)」を、また、ARPUの算定式については「(注)3.ARPUの算定式(b)NTTドコモ」をご参照下さい。
下の表は、携帯電話サービスにおけるARPUおよびMOUに関するデータを示しております。
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 |
総合ARPU(円) | 4,100 | 4,170 | 70 | 1.7% |
音声ARPU(円) | 1,280 | 1,210 | △70 | △5.5% |
データARPU | 2,820 | 2,960 | 140 | 5.0% |
パケットARPU(円) | 2,820 | 2,910 | 90 | 3.2% |
ドコモ光ARPU(円) | 0 | 50 | 50 | - |
MOU(分) | 122 | 133 | 11 | 9.0% |
(その他サービス)
その他サービスの一部である通信端末機器販売においては、お客様の多様なニーズにお応えするため、Androidスマートフォン、iPhone 6s*のほか、ドコモケータイやドコモタブレット、ウェアラブル端末、Wi-Fiルーターなど端末ラインナップの充実に努めました。
* TM and © 2016 Apple Inc. All rights reserved. iPhoneはApple Inc.の商標です。iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
④データ通信事業セグメント
データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、海外連結子会社の増加や新規顧客開拓および既存顧客向けシステムにおける規模拡大などにより1兆6,168億円(前期比7.0%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、連結子会社の拡大などに伴う経費や人件費の増加などにより1兆5,041億円(前期比5.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,127億円(前期比30.5%増)となりました。
データ通信事業セグメントでは、お客様のグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応したシステムインテグレーションなどの多様なITサービスの拡大と安定的な提供に取り組みました。
行政、医療、通信、電力などの社会インフラや地域化を担う高付加価値なITサービスの提供を行う公共・社会基盤分野向け事業については、中央府省・テレコム業界などでの落ち込みが見込まれていましたが、国家全体のIT戦略推進を背景とした新規ビジネスや、ユーティリティ業界における制度変更(電力システム改革)に伴う市場変化への対応などによる事業拡大により、営業収益が増加しました。
海外おける各地域及び地域を跨いだグローバルでの高付加価値なITサービスの提供を行うグローバル事業については、世界最大のITサービス市場であり、かつ今後も高い成長が見込まれる北米での Carlisle & Gallagher Consulting Group, Inc.のM&Aによる連結拡大影響などにより、営業収益が増加しました。
⑤その他の事業セグメント
その他の事業においては、不動産事業における賃貸事業の新規物件や既存物件の空室率改善による増収や、物件売却による増収などにより、当連結会計年度の営業収益は1兆2,945億円(前期比1.7%増)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は、収益連動経費の増加などにより、1兆2,204億円(前期比1.3%増)となりました。この結果、営業利益は740億円(前期比9.7%増)となりました。
(参考)国内売上高及び海外売上高に関する情報
(単位:億円)
前連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 当連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 110,953 | 115,410 | 4,457 | 4.0% |
国内 | 95,099 | 96,462 | 1,363 | 1.4% |
海外 | 15,854 | 18,948 | 3,094 | 19.5% |
国内における当連結会計年度の営業収益は、IP系・パケット通信収入や国内におけるシステムインテグレーション収入の増加などにより9兆6,462億円(前期比1.4%増)となりました。海外における当連結会計年度の営業収益は、連結子会社の増加などによる増収により1兆8,948億円(前期比19.5%増)となりました。
(注)
1.MOU(Minutes Of Use):1利用者当たり月間平均通話時間
2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit):1契約者(利用者)当たり月間平均収入
1契約者(利用者)当たりの月間平均収入(ARPU)は、契約者(利用者)1人当たりの各サービスにおける平均的な月間営業収益を計るために使われます。固定通信事業の場合、ARPUは、地域通信事業セグメントの営業収益のうち、「加入電話」、「INSネット」、および「フレッツ光」の提供により毎月発生する収入を、当該サービスの稼動契約数で除して計算されます。移動通信事業の場合、ARPUは、移動通信事業セグメントの営業収益のうち、携帯電話(LTE(「Xi」))と携帯電話(「FOMA」)のサービス提供により毎月発生する収入(基本使用料、通信料/通話料)を、当該サービスの稼動利用者数で除して計算されます。これら数字の計算からは、各月の平均的な利用状況を表さない端末機器販売、契約事務手数料、ユニバーサルサービス料などは除いております。こうして得られたARPUは各月のお客様の平均的な利用状況を把握する上で有用な情報を提供するものであると考えております。なお、ARPUの分子に含まれる収入は米国会計基準による連結決算値を構成する財務数値により算定しております。
3.ARPUの算定式
(a) NTT東日本、NTT西日本
NTT東日本およびNTT西日本のARPUは、以下の2種類に分けて計算をしております。
・音声伝送収入(IP系除く)に含まれる加入電話とINSネットの基本料、通信・通話料、およびIP系収入に含まれる「フレッツ・ADSL」、「フレッツ・ISDN」からの収入に基づいて計算される固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)。
・IP系収入に含まれる「フレッツ光」、「フレッツ光」のオプションサービスからの収入、「ひかり電話」における基本料・通信料・機器利用料、および附帯事業営業収益に含まれる「フレッツ光」のオプションサービス収入に基づいて計算されるフレッツ光ARPU。
※1 「フレッツ光」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ光ライトプラス」および「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しております。「フレッツ光」のオプションサービスは、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。
※2 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)およびフレッツ光ARPUには相互接続通話料が含まれておりません。
※3 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)算定上の契約数は、各サービスの契約数です。
※4 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上、「INSネット1500」の契約数は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)いずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しております。
※5 フレッツ光ARPU算定上の契約数は、「フレッツ光」の契約数(「フレッツ光」はNTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含む)であります。
※6 NTT東日本およびNTT西日本におけるARPU算出時の稼動契約数の計算式は以下のとおりです。
通期実績:4月~3月までの各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計
(b) NTTドコモ
NTTドコモのARPU算出時の計算式は、以下のとおりであります。
・携帯電話総合ARPU= 音声ARPU+パケットARPU+ドコモ光ARPU
※1 音声ARPUは、音声サービスの基本使用料と通話料の収入に基づいており、また、パケットARPUは、LTE(「Xi」)及び「FOMA」サービスによるパケットサービス月額定額料と通信料の収入に基づいており、ドコモ光ARPUは、「ドコモ光」、「ドコモ光」のオプションサービスの基本使用料と通話料のの収入に基いております。
※2 2016年3月期よりNTTドコモのARPU及びMOUの算定方法を見直しております。これに伴い過年度である2015年3月期の実績の数値についても変更しております。
※3 NTTドコモにおけるARPU算出時の稼動利用者数の計算式は以下のとおりです。
通期実績:4月~3月までの各月稼動利用者数{(前月末利用者数+当月末利用者数)/2}の合計
※4 利用者数は、以下のとおり、契約数を基本としつつ、一定の契約数を除外して算定しています。
利用者数 = 契約数
-通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びに仮想移動体通信事業者(MVNO)へ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る契約数
-LTE(「Xi」)契約及びFOMA契約と同一名義のデータプラン契約数
なお、通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びに仮想移動体通信事業者(MVNO)へ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る収入は、ARPUの算定上、収入に含まれておりません。
(3)流動性及び資金の源泉
資金調達及び資金の源泉と使途
当連結会計年度の営業活動によって得たキャッシュ・フローは、2兆7,118億円となり前連結会計年度の2兆3,918億円から3,200億円増加しております。これは、当連結会計年度の営業利益が前連結会計年度に比べて増加したこと等によるものであります。
NTTグループは、営業活動によって得たキャッシュ・フローを主に設備の取得、有利子負債の返済、配当金の支払い等に充てました。
当連結会計年度の投資活動に充てたキャッシュ・フローは、1兆7,598億円となり、前連結会計年度の1兆8,686億円から1,088億円減少しております。これは、有形固定資産、無形固定資産に対する投資が現金支出ベースで1,656億円減少した一方で、新規連結子会社の取得による支出が784億円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の有形固定資産、無形固定資産に対する投資の減少は、地域通信事業において光関連投資が減少したことに加え、移動通信事業においてLTE基地局構築の効率化により投資が減少したこと等によります。なお、当連結会計年度の発生主義に基づく設備投資額1兆6,872億円の主な内訳は地域通信事業が6,221億円、移動通信事業が5,952億円でした。
当連結会計年度に財務活動に充てたキャッシュ・フローは、7,076億円となり、前連結会計年度の6,780億円から支出が296億円増加しております。これは、短期借入債務及び長期借入債務の返済による支出が純額で4,113億円増加した一方で、自己株式の取得による支出が純額で2,445億円減少したことや非支配持分からの子会社株式の取得による支出が1,594億円減少したこと等によります。なお、当連結会計年度の長期借入による資金調達額の内訳は、社債による調達61億円、金融機関借入による調達3,922億円となっております。
また、2016年3月31日現在のNTTグループの有利子負債残高は4兆1,633億円であり、2015年3月31日現在の4兆4,067億円から2,434億円減少しました。2016年3月31日現在の有利子負債の株主資本に対する比率は47.1%(2015年3月31日現在は50.8%)となりました。なお、2016年3月31日現在の有利子負債は、連結財務諸表の注記11に記載されている短期借入債務及び長期借入債務に加え、金銭消費寄託契約に基づく預り金107億円を含んでおります。
NTTグループは、営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、銀行やその他の金融機関からの借入金、あるいは、資本市場における株式や債券の発行により、将来にわたって現在予測される設備投資とその他の支出や負債の支払に必要な財源が確保できると確信しております。
翌連結会計年度は、地域通信事業において光関連投資が減少することや、移動通信事業においてLTE基地局構築の効率化により投資が減少する一方で、長距離・国際通信事業においてデータセンター関連投資やクラウド関連投資が増加することや、データ通信事業において大型案件の規模拡大により投資が増加すること等により、発生主義に基づく設備投資額は当連結会計年度から328億円増加の1兆7,200億円と見込んでおります。その内訳は、地域通信事業が5,890億円、移動通信事業5,850億円等となっております。設備投資は確実な予測が困難な需要動向、競争環境及びその他の要因に影響を受けるため、予想とは異なることもありえます。なお、NTTグループの実際の資金調達額は、将来の事業運営、市場状況、その他の要因によって変化するため、正確に予測することは困難であります。
流動性
2016年3月31日現在のNTTグループの現預金及び現金同等物(期間3ヶ月以内の短期投資を含む)残高は1兆883億円であり、2015年3月31日現在の8,492億円から2,391億円増加しました。現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。
契約上の債務
下記の表は、2016年3月31日現在におけるNTTグループの契約上の債務をまとめたものであります。
(単位:百万円) |
負債・債務の内訳 | 支払い期限ごとの債務額 | ||||
総 額 | 1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 | |
契約上の債務 | |||||
長期借入債務 (注)1 | |||||
社債 | 1,694,080 | 251,124 | 650,514 | 462,414 | 330,028 |
銀行からの借入金 | 2,328,900 | 225,653 | 644,816 | 359,891 | 1,098,540 |
長期借入債務に係る支払利息 | 211,154 | 41,516 | 62,418 | 39,239 | 67,981 |
キャピタル・リース債務 (注)2 | 54,959 | 18,885 | 22,451 | 8,304 | 5,319 |
オペレーティング・リース債務 | 138,177 | 40,196 | 49,301 | 26,140 | 22,540 |
購入債務 (注)3 | 405,012 | 296,394 | 99,263 | 9,125 | 230 |
その他の固定負債 (注)4 | - | - | - | - | - |
合 計 | 4,832,282 | 873,768 | 1,528,763 | 905,113 | 1,524,638 |
2.キャピタル・リース債務には利息相当額を含んでおります。
3.購入債務は主に有形固定資産その他の資産の購入に関する契約債務であります。なお、残余期間が1年内の購入債務を含んでおりますが、解約可能な購入債務を除いております。
4.その他の固定負債は重要性がない、あるいは支払時期が不確実であるため、上表に金額を記載しておりません。なお、連結財務諸表の注記12に記載のとおり、NTTグループの年金制度に対して、翌連結会計年度に合計17,193百万円の拠出を見込んでおります。
2016年3月31日現在、NTTグループの有形固定資産及びその他資産の購入等に係る契約債務残高は約4,050億円となっており、営業活動によって得たキャッシュ・フローによりこれらの売買契約代金の支払をする予定であります。
(4)オフバランスシートアレンジメント(簿外取引)
2016年3月31日現在、保証債務等に関する偶発債務は793億円であります。
(5)最重要の会計方針
NTTグループの連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準(米国会計基準)に準拠して作成しております。連結財務諸表の注記3には、財務諸表作成に用いられた重要な会計方針の要約が記載されております。当社は、重要な会計方針のうち以下に記載した事項は、より高度な判断もしくは複雑さを伴うものと考えております。
・収益の認識
固定音声関連収入、移動音声関連収入、IP系・パケット通信収入及びその他の通信サービスに係る収益は、顧客にサービスが提供された時点で認識しております。契約事務手数料等の初期一括収入は繰り延べ、サービス毎に最終顧客(契約者)の見積平均契約期間にわたって収益として認識しております。また、関連する直接費用も、初期一括収入の金額を限度として繰り延べ、同期間で償却しております。当該処理方法は、当期純利益には重要な影響を与えないものの、収益及び原価の計上額は、初期一括収入及び関連する直接費用、ならびに収益・費用の繰り延べの基礎となる顧客の見積平均契約期間によって影響を受けます。顧客の平均契約期間の見積りに影響を与える要因としては、解約率、新規のまたは予想されうる競合商品・サービス・技術等があげられます。現在の償却期間は、過去のトレンドの分析と経験に基づき算定されております。通信端末機器販売収入は、顧客(販売代理店等)への引渡時に代理店手数料及びお客様に対するインセンティブの一部を控除した額を収益として認識しております。当該引渡日とは、製品の所有権が販売代理店に移転し、所有によるリスクと便益が実質的に移転したとみなされる日であります。システムインテグレーション収入に関しては、損失の発生が予測される場合の損失引当は、損失の発生が最初に予測され、損失の額が合理的に見積り可能となった日の属する連結会計年度において行っております。NTTグループは、給付完了時に見込まれる全ての収益及び費用の見積りに基づいて損失を認識しております。これにより、給付が完了するまでの様々な段階で収益及び費用の合理的見積りが可能となります。認識された損失は、契約の進捗にしたがって見直すことがあり、その原因となる事実が判明した連結会計年度において計上されます。
・有形固定資産、ソフトウェアその他の償却可能無形資産の見積耐用年数及び減損
NTTグループは、連結会計年度に計上すべき減価償却費を決定するために、有形固定資産、ソフトウェアその他の償却可能無形資産の耐用年数及び残存価額を見積っております。耐用年数及び残存価額は、資産が取得された時点で、類似資産における過去の経験に基づくほか、予想される技術その他の変化を考慮に入れて見積っております。技術上の変化が予想より急速に、あるいは予想とは異なった様相で発生した場合には、当該資産に適用された耐用年数を短縮する必要が生じる可能性があります。その場合、結果として、将来において減価償却費を増加修正する必要が生じる可能性があります。また、こうした技術上の変化は、資産価値の下落を反映するため、減損の認識をもたらす可能性もあります。NTTグループは、2014年7月1日より、一部の電気通信設備に関わるソフトウェア及び自社利用のソフトウェアの見積り耐用年数について使用実態を踏まえた見直しを行い、耐用年数を最長7年に延長しております。この見直しにより、前連結会計年度の減価償却費は513億円減少しております。NTTグループは、その帳簿価額が回復不能であることを示唆する事象や環境の変化がある場合、常に減損の検討を行っております。仮に、割引前将来キャッシュ・フロー見積額が資産の帳簿価額を下回る場合には、当該資産の帳簿価額と割引キャッシュ・フロー、市場価額及び独立した第三者による評価額等により測定した公正価値との差額を減損損失として計上することとしております。前連結会計年度において、NTTグループは、携帯端末向けマルチメディア放送事業に係る長期性資産の減損損失として302億円を計上しております。なお、上記を含む前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された減損損失は、それぞれ387億円及び198億円であります。
・営業権及び耐用年数を特定できない無形資産
営業権については、少なくとも年に一度、減損の兆候があればそれ以上の頻度で、事業セグメントまたはそれより一段低いレベルの報告単位毎に、当該報告単位の公正価値の見積りから始まる二段階の減損テストを行っております。減損テストの第一段階では、報告単位の公正価値と営業権を含む帳簿価額を比較し、報告単位の公正価値については、割引キャッシュ・フロー等に基づき算定しております。第二段階では、報告単位の営業権の帳簿価額とこの時点で改めて算定された営業権の公正価値を比較し、帳簿価額が公正価値を上回っている金額を減損損失として計上することとしております。二段階の減損テストの前に、報告単位の公正価値が帳簿価額を下回る可能性が50%以下であると結論づける場合、当該報告単位の二段階の手続きによる減損テストは要求されません。
前連結会計年度において、NTTドコモは経営管理方法の変更を反映させるため、事業セグメントの区分を変更しました。当該変更により、NTTグループは、移動通信事業セグメントの報告単位の構成を通信事業、スマートライフ事業及びその他の事業に変更しています。この変更に伴い、変更前の報告単位に帰属していた営業権を、変更後の報告単位に帰属する変更前各事業の構成要素の公正価値の比率に基づき、通信事業、スマートライフ事業及びその他の事業それぞれに再配分しております。
営業権の公正価値の測定にあたっては、当該報告単位の将来の事業利益及びキャッシュ・フローの創出能力に対する経営陣の見通し、ならびに当社の事業目標における報告単位の戦略的重要性等がその決定要素となっております。また、耐用年数を特定できない無形資産は償却をせず、年1回以上、減損テストを実施することとしております。NTTグループは、現時点で合理的であると判断される一定の前提に基づき公正価値の測定を行っておりますが、将来の予測不能な事業上の環境の変化により見通しと異なることがあります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「営業権及びその他の無形資産の一時償却」は、それぞれ35億円及び129億円であります。2016年3月31日現在、重要な報告単位のうち、長距離・国際通信事業セグメントにおけるDimension Data及びNTT Americaに帰属する営業権はそれぞれ2,957億円及び703億円、データ通信事業セグメントにおけるグローバルに帰属する営業権は2,382億円であります。当連結会計年度の年次減損テストの結果、Dimension Data、NTT America及びグローバルに帰属する報告単位の公正価値は帳簿価額をそれぞれ14.8%、4.0%及び27.0%上回っております。
・投資
NTTグループは、他企業に対して投資を行っており、原価法、持分法及び公正価値に基づいて会計処理しております。また、NTTグループは、投資価値が帳簿価額を下回り、その下落が一時的でない場合は減損損失を認識し、新たな取得原価を計上しております。一時的な下落か否かを判断するにあたっては、投資価値が帳簿価額を下回る程度及び期間、出資先企業及び事業分野の財務状況、ならびに投資を維持する能力及び意図を考慮しております。NTTグループは、投資の簿価が回復できない可能性を示唆する事象や環境の変化が発生したときは、常に減損の要否について検討を行っております。さらに、NTTグループは、評価を行うにあたり、キャッシュ・フロー予測、外部の第三者による評価、ならびに適用可能である場合は株価分析を含む様々な情報を活用しております。
当該予測及び評価には、統計(人口、普及率及び普及速度、解約率等)、技術革新、設備投資、市場の成長及びシェア、ARPU及び残存価値に係る推定が必要になります。前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「市場性のある投資有価証券及びその他の投資」の減損損失は、それぞれ約20億円及び約60億円であります。また、関連会社の市場を取り巻く最近の経済、財政状況により、投資先の価値が一時的ではない下落が生じていないか判断するため、投資先の事業の見通しを検討しております。
過去において、NTTグループはいくつかの「関連会社投資」について多額の減損処理を実施し、その減損額はそれぞれの会計期間における「持分法による投資損益」に計上されました。今後においても「市場性のある有価証券及びその他の投資」及び「関連会社投資」について同様の減損が発生する可能性があります。また、今後、投資持分の売却に際して多額の売却損益を計上する可能性もあります。
・退職給付会計
NTTグループにおける前連結会計年度及び当連結会計年度の退職給付費用は、それぞれ営業費用合計の概ね1.0%及び0.9%となっております。従業員に対する退職給付制度に係る費用及び債務の連結財務諸表計上額は、多くの仮定を用いた数理計算により決定されております。退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる仮定には、長期期待運用収益率、割引率、予定昇給率、平均残存勤務期間等があり、そのなかでも長期期待運用収益率と割引率は重要な仮定といえます。これらの仮定は、少なくとも年1回は見直され、また重要な仮定に大きな影響を与えることが想定される出来事が起こるか、あるいは環境が変化した場合にも見直しが行われます。仮定と実績との差異は、米国会計基準に従い、数理計算上の差異として将来にわたって繰延償却処理されます。2016年3月31日現在、NTTグループの退職給付制度に関連する数理計算上の差異の合計額は5,638億円であり、このうち退職給付債務又は年金資産の公正価値の10%を超える金額は、予測平均残存勤務期間にわたって償却するため、将来の年金費用に対し増加影響が生じることとなります。
NTTグループは、年金資産の長期期待運用収益率として、前連結会計年度及び当連結会計年度において2.0-2.5%を採用しております。NTTグループは、年金資産の長期期待運用収益率の決定に際し、現在及び将来の年金資産のポートフォリオや、各種長期投資の過去の実績利回り分析を基にした期待収益とリスクを考慮しております。NTTグループ及びエヌ・ティ・ティ企業年金基金(以下、「NTT企業年金基金」)は、年金資産のポートフォリオについて、年金資産の種類別の期待収益を考慮するとともに、年金資産から生ずる収益を安定化させリスクを軽減するため、制度毎に資産構成割合を定めております。退職一時金及び規約型企業年金においては、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、生保一般勘定に、それぞれ55.0%、5.0%、10.0%、10.0%、20.0%の年金資産の配分を、NTT企業年金基金においては、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、生保一般勘定に、それぞれ48.6%、14.9%、10.0%、14.4%、12.1%(加重平均)の年金資産の配分を行うこととしており、2016年3月31日現在の年金資産残高は、概ね目標配分比率に整合するものとなっております。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における年金資産の実際運用収益率は、それぞれ約11%、約0%となっており、将来においても、その時々の市場環境により、大きく増減する可能性があります。年金資産の市場価格は測定日現在の公正価値を用いて測定しております。
もう一つの重要な仮定は、退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる割引率であります。NTTグループは、退職給付費用の決定に際して、前連結会計年度においては1.4%の割引率を使用し、当連結会計年度においては1.0%の割引率を使用しております。また、退職給付債務の決定に際して、2015年3月31日現在においては1.0%の割引率を使用し、2016年3月31日現在においては0.5%の割引率を使用しております。NTTグループは、割引率の決定に際して、年金給付満期までの見積り期間と同じ期間の優良確定利付債券の利率に関し利用可能な情報を考慮しております。
2016年3月31日現在のNTTグループの年金制度において、その他全ての仮定を一定としたままで、割引率及び長期期待運用収益率を変更した場合の状況を示すと次のとおりであります。
(単位:億円) |
仮定の変更 | 退職給付債務 | 退職給付費用 (税効果考慮前) | その他の包括利益 (損失)累積額 (税効果考慮後) |
割引率が0.5%増加/低下 | △/+2,400 | +/△50 | +/△1,700 |
長期期待運用収益率が0.5%増加/低下 | - | △/+110 | - |
・法人税等
NTTグループは、資産・負債の帳簿価額と税務申告上の価額との間の一時差異及び繰越欠損金に対する税効果について、繰延税金資産及び負債を認識しております。繰延税金資産及び負債の金額は、一時差異が解消する期間及び繰越欠損金が利用可能な期間において適用が見込まれる法定実効税率を用いて計算しております。法定実効税率が変更された場合には、税率変更のあった日が属する連結会計年度において、税金費用の計上を通じて繰延税金資産及び負債を調整しております。
2015年3月31日、「所得税法等の一部を改正する法律」等が成立し、2015年4月1日以降開始する連結会計年度より法人税率等が変更されることとなりました。この税率変更による繰延税金資産(純額)の減少額は544億円であり、前連結会計年度の連結損益計算書「法人税等:繰延税額」に計上しております。また、前連結会計年度の当社に帰属する当期純利益は478億円減少しております。
2016年3月29日、「所得税法等の一部を改正する法律」等が成立し、2016年4月1日以降開始する連結会計年度より法人税率等が変更されることとなりました。この税率変更による繰延税金資産(純額)の減少額は327億円であり、当連結会計年度の連結損益計算書「法人税等:繰延税額」に計上しております。また、当連結会計年度の当社に帰属する当期純利益は237億円減少しております。
NTTグループは、将来の実現可能性を考慮し、繰延税金資産に対して評価性引当金を計上しております。評価性引当金を適切に決定するため、予想される将来の課税所得水準及び利用可能なタックスプランニングを考慮に入れております。将来の課税所得が予想を下回った場合、またはタックスプランニングが期待通りに利用可能とならなかった場合には、その判断がなされた連結会計年度において、税金費用の計上を通じて評価性引当金を追加計上する可能性があります。2015年3月31日及び2016年3月31日現在、NTTグループは、それぞれ1兆4,911億円及び1兆5,802億円の繰延税金資産を有しており、その資産に対して、それぞれ2,660億円及び1,717億円の評価性引当金を計上しております。当該評価性引当金は、主に将来の実現が見込めない税務上の欠損金を有する当社及び特定の子会社の繰延税金資産に関するものであります。評価性引当金の変動額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ60億円の増加及び942億円の減少となっております。当連結会計年度における評価性引当金の減少額には、NTT西日本において、将来課税所得の発生見通しが改善したことに伴う地方税に係る評価性引当金の減少額437億円と、NTTドコモにおいて、慎重かつ実行可能なタックスプランニング戦略を考慮したことに伴う評価性引当金の減少額327億円が含まれております。なお、繰越可能期間を経過した繰越欠損金に係る繰延税金資産の減少は財務諸表に反映されております。
・ポイントプログラム引当金
NTTグループは、携帯電話やフレッツ光等の利用に応じて付与するポイントと引き換えに、商品購入時の割引等の特典等を提供しており、顧客が獲得したポイントについてポイントプログラム引当金を計上しております。2015年3月31日現在及び2016年3月31日時点におけるポイントプログラム引当金は短期、長期合わせてそれぞれ1,106億円及び941億円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において計上されたポイントプログラム経費は、それぞれ778億円及び603億円であります。
ポイントプログラム引当金の算定においては、将来の解約等による失効部分の見積りが可能である場合には、その失効部分を反映したポイント利用率等の見積りが必要となります。実際のポイント利用率が当初見積りよりも多い場合等において、将来において追加的な費用の計上や引当金の計上を実施する必要が生じる可能性があります。
2016年3月31日現在の携帯電話の利用に応じて付与するポイントに対する引当金において、その他全ての仮定を一定としたままで、ポイント利用率が1%上昇した場合、約10億円の引当金の追加計上が必要となります。
(6)最近公表された会計基準
・顧客との契約から生じる収益
2014年5月28日、FASBはASU2014-09「顧客との契約から生じる収益」を公表しました。当該基準は、企業が、約束した財又はサービスの顧客への移転の対価として権利を得ると見込んでいる金額を認識することを要求しております。当該基準が適用になると、現在の米国会計基準の収益認識に係るガイダンスの大部分が当該基準の内容に置き換わります。また、2016年3月にASU2016-08「本人か代理人かの検討(収益の総額表示か純額表示)」、2016年4月にASU2016-10「履行義務の識別及びライセンス付与」、2016年5月にASU2016-12「限定的な改善及び実務上の処理」が公表となり、当該基準の一部が修正されております。
2015年8月12日、FASBはASU2015-14「顧客との契約から生じる収益―適用日の延期」を公表し、当該基準の適用を1年延期しました。このため、当該基準は、NTTグループにおいて2018年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。なお、2017年4月1日に開始する連結会計年度からの早期適用も認められています。当社は、当該基準適用時の移行方法の選択は実施しておらず、NTTグループの連結財務諸表及び関連する注記に与える影響について、現在検討しております。
・金融資産及び金融負債の認識並びに測定
2016年1月5日、FASBはASU2016-01「金融資産及び金融負債の認識並びに測定」を公表しました。当該基準は、企業が保有する持分投資が損益計算書に与える影響及び公正価値オプションを選択した金融負債の公正価値の変動の認識を、大幅に変更するものであります。当該基準は、NTTグループにおいて2018年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。当社は、当該基準の適用による影響について、現在検討しております。
・リース
2016年2月25日、FASBはASU2016-02「リース」を公表しました。当該基準は原則として、すべてのリースの借手に対し、使用権資産とリース負債の計上を要求しております。当該基準は、NTTグループにおいて2019年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。当社は当該基準の適用による影響について、現在検討しております。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04430] S10083TR)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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