有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10083TR
日本電信電話株式会社 業績等の概要 (2016年3月期)
(1)業績
連結業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
当連結会計年度における情報通信市場では、固定・移動ブロードバンドを活用したスマートデバイスなど様々な機器の普及・浸透に加え、クラウドサービスやIoT、ビッグデータなどの技術の進歩を通して、人々の生活における利便性や各産業における生産性の向上など、幅広い変化が起きています。一方で、高度化・複雑化するサイバー攻撃に対するセキュリティ強化、災害対策への取り組み強化や安心・安全な社会システムの運営など、情報通信の役割はより重要となってきています。こうした動きは世界的な広がりを見せています。
このような事業環境のなか、NTTグループは、2015年5月に中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」を策定・公表し、「バリューパートナー」としての自己変革を加速し、グループ全体を利益成長軌道へ乗せていくための取り組みを推進しました。
《グローバルビジネスの拡大・利益創出に向けた取り組みの状況》
グローバル・クラウドサービスを事業の基軸として拡大させるとともに、利益創出スピードを加速させる取り組みを強化しました。
○フルスタック・フルライフサイクルでのサービス提供力をさらに強化するため、M&Aの推進およびデータセンターなどのクラウド基盤の拡充に取り組みました。
○グローバルネットワーク、クラウドマイグレーション、ITアウトソーシング案件を中心に、グループ会社間の連携によるクロスセルを推進し、製造業や金融業など、各産業のリーディングカンパニーから受注を獲得しました。
○グローバル・クラウド事業におけるサービスやオペレーションの効率化・最適化を図るとともに、調達コストについてもグループ一元的なスキームによる低減を推進するなど、徹底したコスト削減の強化に取り組みました。
《国内ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた取り組みの状況》
国内ネットワーク事業における、付加価値の高いサービスの創出や、設備投資の効率化およびコスト削減による利益成長に向けた取り組みを強化しました。
○様々な事業者とのコラボレーションを推進する「光コラボレーションモデル」や「+d」の取り組みを通じて、付加価値の高いサービスの創出に努めました。
○ネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、既存設備の利用率の向上や調達コストの削減など、設備投資の効率化を推進しました。
○「光コラボレーションモデル」の進展に伴うマーケティングコストのコントロールや業務効率化など、コスト削減に取り組みました。
加えて、これらを支える仕組みとして、海外子会社を含め、グループ経営情報の見える化、会計基準の統一、資金効率の向上などに向けた取り組みを開始しました。また、プロジェクトチームを立ち上げ、徹底したコスト削減や利益創出に向けた様々なテーマの取り組みを推進しました。
《B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組みの状況》
日本政府が「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(注)」と「地方創生」を軸に、各種政策を策定・遂行していることを捉え、B2B2Xモデルへの転換をさらに加速し、他分野の事業者や自治体とともに次世代に受け継がれるスタンダードとなるサービスの創出をめざした取り組みを強化しました。
○ICTの利活用を通じて、地域における様々な社会的課題の解決や街づくりの支援を行うことを目的として、福岡市や札幌市と包括連携協定を締結しました。
○2020年、またそれ以降を展望した「映像サービスの革新」や「ユーザーエクスペリエンスの進化」をめざし、パナソニック株式会社と業務提携を行うことで合意しました。
○「地方創生」への貢献のため、ビッグデータやIoTなど、ICTを利活用した安心・安全・快適で効率的な都市インフラの整備・構築の支援をめざし、株式会社日立製作所と業務提携を行うことで合意しました。
(注) NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ゴールドパートナー(通信サービス)です。
《CSR(企業の社会的責任)推進の状況》
社会への貢献と企業成長の両立を図るため、「NTTグループCSR憲章」および「NTTグループCSR重点活動項目」の見直しを進めました。また、グループ一丸となり社会の持続的発展に貢献するため、様々な活動に取り組むとともに、積極的な情報開示に努めました。
○人と社会のコミュニケーション
誰もが利用しやすいICT環境・サービスの提供に向けて、視覚障がい者のスマートフォン利用推進のため、文字入力アプリ「Move&Flick」の提供を開始しました。このアプリにより、文字入力の開始位置を気にすることなく、スマートフォンを利用することが可能となりました。
○人と地球のコミュニケーション
「TPR(トータルパワー改革)運動」による使用電力量の削減の推進など、自らの事業活動に伴うCO2排出量の低減に取り組みました。また、ICTを活用したサイクルシェアリングの提供エリア拡大や太陽光発電システムの構築など、社会全体の環境負荷低減に取り組みました。
○安心・安全なコミュニケーション
重要インフラとして高い安定性と信頼性の確保に向けて、グループ横断で防災訓練の実施などに取り組むとともに、災害発生時の協力や平時の情報共有などについて日本郵政グループや石油連盟と協定などを締結し、外部機関との防災に関する連携を強化しました。また、多様化・大規模化するサイバー攻撃に対応するため、演習を実施するとともに、標的型攻撃や脆弱性への対応などを通じたセキュリティ対策の高度化、各種教育システムを活用した人材育成の取り組みを推進しました。
○チームNTTのコミュニケーション
LGBTなどの性的マイノリティや障がい者に関する社員の理解を促進し、多様な人材が活躍できる環境づくりを推進するため、ダイバーシティに関するワークショップを開催しました。
このような取り組みもあり、世界的な社会的責任投資の指標である「DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)」において、アジア・パシフィック分野の構成銘柄に2年連続で選定されました。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度のNTTグループの営業収益は11兆5,410億円(前期比4.0%増)となりました。また、営業費用は10兆1,928億円(前期比1.8%増)となりました。この結果、営業利益は1兆3,481億円(前期比24.3%増)、また、税引前当期純利益は1兆3,293億円(前期比24.6%増)、当社に帰属する当期純利益は、7,377億円(前期比42.4%増)となりました。
(注)当社の連結決算は米国会計基準に準拠して作成しております。
なお、各セグメントの概要は次のとおりです。
NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメント、データ通信事業セグメント及びその他の事業セグメントに区分しております。
地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーション、その他が含まれております。
長距離・国際通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、システムインテグレーション、その他が含まれております。
移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売が含まれております。
データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションが含まれております。
また、その他の事業セグメントには、主に不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業等に係るその他のサービスが含まれております。
当連結会計年度における各事業の種類別セグメントの経営成績等は、次のとおりです。
■地域通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
地域通信事業では、光アクセスサービスを様々な事業者に卸提供する「光コラボレーションモデル」によるB2B2Xビジネスの展開などの取り組みを行いました。
○「光コラボレーションモデル」において、移動通信事業者やISP事業者に加え、エネルギー業界、不動産業界、警備業界など異業種の事業者とも協業を進め、卸サービスを提供している事業者数は当連結会計年度末時点で約350社となりました。また、ケーブルテレビ業界では、提供エリアの全域光化において、「光コラボレーションモデル」が採用されるなどの新たな活用事例も生まれました。こうした取り組みにより、同モデルにおける光アクセスサービスの契約数は469万契約となりました。
○「光コラボレーションモデル」の進展に伴い、マーケティングコストの大幅な削減を実現しました。また、ネットワークのシンプル化・スリム化や、既存設備の利用率の向上などに取り組み、設備投資の効率化を推進しました。
○企業や自治体が自らの情報サービスの有力なツールとして積極的に導入を進めているWi-Fiについて、増加する訪日外国人旅行者の利便性向上に向けて、様々な地域において面的拡大に取り組みました。その結果、Wi-Fiのエリアオーナー数は393となり、前事業年度末から比べ大幅に拡大しました。
《主なサービスの提供状況》
○「フレッツ光」 :1,926万契約(対前連結会計年度: +54万契約)
(再掲)「コラボ光」: 469万契約(対前連結会計年度: +442万契約)
○「ひかり電話」 :1,737万ch(対前連結会計年度: +27万ch)
○「フレッツ・テレビ」: 143万契約(対前連結会計年度: +9万契約)
(注)「フレッツ光」、「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ」は、「光コラボレーションモデル」を活用してNTT東日本およびNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスの契約数を含めて記載しております。
以上の取り組みの結果、地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は3兆4,079億円(前期比2.8%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は3兆1,429億円(前期比5.8%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は2,650億円(前期比56.9%増)となりました。
■長距離・国際通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
長距離・国際通信事業では、クラウド基盤の拡充や、ネットワーク・セキュリティなどを組み合わせたシームレスICTソリューションの提供力を強化したほか、クラウドサービスやITアウトソーシングといった成長分野でのサービス提供力の強化を図りました。
《主な取り組み内容》
○世界各地でのクラウドサービスやデータセンター需要への対応能力を強化するため、北米ではサクラメント、欧州ではウィーン、アジアでは香港・ムンバイ・バンコクにおいて、電力・通信設備の冗長化や充実したセキュリティにより高い信頼性を備えたデータセンターの提供を新たに開始しました。また、インドネシア最大級のデータセンター事業者であるPT. Cyber CSF(本社:ジャカルタ)を子会社化しました。なお、クラウド基盤の積極的な拡充に向けた取り組みにより、米国のTeleGeography社レポート(2015年10月発行)において、NTTグループのデータセンターは、総床面積およびサーバ設置可能面積ともに世界トップクラスに位置づけられています。
○クラウドサービスやITアウトソーシングなど、成長分野におけるビジネス拡大を図る目的で、世界各地で人材確保などによる営業体制の強化に取り組みました。
《主なサービスの提供状況》
○クラウドサービスお客様提供数: 8,300件(対前連結会計年度: +1,000件)
○「ひかりTV」 :305万契約(対前連結会計年度:+4万契約)
以上の取り組みの結果、長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は2兆2,509億円(前期比12.6%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は2兆1,542億円(前期比14.3%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は967億円(前期比14.9%減)となりました。
■移動通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
移動通信事業では、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」や「ドコモ光」の販売を推進したほか、様々な事業者とのコラボレーションを推進し、新たな付加価値の提供を行うなど、スマートライフ領域の収益力強化を図りました。
《主な取り組み内容》
○お客様のライフステージに合わせながら、長期にわたりお得にお使いいただける「カケホーダイ&パケあえる」の販売を推進したほか、2015年9月に「カケホーダイライトプラン」を、2016年3月には「シェアパック5」の提供を新たに開始しました。その結果、「カケホーダイ&パケあえる」の契約数は2,970万契約となりました。
○地域通信事業の「光コラボレーションモデル」を活用し、光アクセスサービスとインターネット接続サービス、モバイルサービスを一括して提供する「ドコモ光パック」の販売を推進しました。その結果、「ドコモ光」の契約数は157万契約となりました。
○スマートライフ領域の収益力強化に向け、コンテンツサービスや金融・決済サービスなどに加え、様々な事業者とのコラボレーションを通じて新たな付加価値を協創する「+d」の取り組みを推進しました。具体例として、新潟市において革新的な稲作営農管理システムの実証実験を開始したほか、コンビニエンスストアやファーストフードの店舗などでご利用いただけるポイントサービス「dポイント」の提供を開始しました。
《主なサービスの提供状況》
○携帯電話契約数 :7,096万契約(対前連結会計年度: +437万契約)
(再掲)新料金プラン :2,970万契約(対前連結会計年度:+1,188万契約)
(再掲)LTE(「Xi」) :3,868万契約(対前連結会計年度: +793万契約)
(再掲)「FOMA」 :3,229万契約(対前連結会計年度: △357万契約)
(注)1.携帯電話サービス契約数、LTE(「Xi」)契約数および「FOMA」契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて記載しております。
2.2008年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、携帯電話サービス契約数および「FOMA」サービス契約数には、その場合の当該「FOMA」契約を含んでおります。
以上の取り組みの結果、移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は4兆5,271億円(前期比3.3%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は3兆7,388億円(前期比0.2%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は7,884億円(前期比24.0%増)となりました。
■データ通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
データ通信事業では、お客様のグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応したシステムインテグレーションなどの多様なITサービスの拡大と安定的な提供に取り組みました。
《主な取り組み内容》
○金融分野向けビジネスのグローバル強化をめざし、米国において金融ITコンサルティングやシステム導入サービスで高い評価を得ているCarlisle & Gallagher Consulting Group, Inc.(本社:米国)を子会社化しました。また、北米を中心とした事業基盤獲得によるプレゼンスの向上を図ると同時に、最先端の技術を活用したクラウドサービスやBPOサービスを強化するため、ヘルスケア業界向けの業界特化型デジタルソリューションサービスなどで高い評価を得ているDell Services 部門を譲り受けることをDell Inc.と合意しました。
○スペイン王室資産などの管理団体であるPatrimonio Nacionalが管轄する、スペイン王室図書館などの希少なコレクションの一元的な資産管理を目的としたデジタルアーカイブ事業に参画しました。
○センサーや機器、プラントなど、様々な「モノ」の情報を収集・配信するIoTプラットフォームの提供を開始し、上下水道事業者向け監視サービスへの適用など、IoTサービスの展開を推進しました。
以上の取り組みの結果、データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は1兆6,168億円(前期比7.0%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は1兆5,041億円(前期比5.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,127億円(前期比30.5%増)となりました。
■その他の事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
その他の事業では、主に不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業に係るサービスを提供しました。
《主な取り組み内容》
○不動産事業
オフィスビル・商業施設を中心とした不動産賃貸事業や、マンションブランド「Wellith(ウエリス)」を主体とした分譲事業を推進しました。また、これらの事業で培ったノウハウを活用し、グローバル事業、不動産ファンド事業などにも取り組みました。
○金融事業
情報関連機器分野を中心としたリース・割賦やファイナンスなどの金融サービス、通信サービス料金などの請求・回収、クレジットカードの決済サービスの提供を行いました。
○建築・電力事業
「ICT・エネルギー・建築」の技術を最大限に融合・活用し、大規模な太陽光発電システムやデータセンターの設計および構築などを行いました。
○システム開発事業
最適で高品質なICTサービスを提供するため、ネットワークのオペレーションシステムやアプリケーションサービスの開発などに取り組みました。
以上の取り組みの結果、その他の事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は1兆2,945億円(前期比1.7%増)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は1兆2,204億円(前期比1.3%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は740億円(前期比9.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、2兆7,118億円の収入となりました。前期比では、3,200億円(13.4%)増加しておりますが、これは、営業利益が増加したことなどによるものであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」については、1兆7,598億円の支出となりました。前期比では、1,088億円(5.8%)支出が減少しておりますが、これは、出資による支出が増加した一方で、設備投資等が減少したことなどによるものであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」については、7,076億円の支出となりました。前期比では、296億円(4.4%)支出が増加しておりますが、これは、自己株式の取得が減少した一方で、借入債務による収入が減少したことなどによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末におけるNTTグループの現預金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して2,391億円(28.2%)増加し、1兆883億円となりました。
なお、詳細につきましては、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(参考情報)指定電気通信役務損益状況等
事業会社における基礎的電気通信役務損益明細表及び指定電気通信役務損益明細表は次のとおりであります。
1.NTT東日本
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
(注)基礎的電気通信役務以外の電気通信役務に含まれる電報は、営業収益12,812百万円、営業費用12,211百万円、営業利益601百万円であります。
(2)指定電気通信役務損益明細表
2.NTT西日本
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
(注)基礎的電気通信役務以外の電気通信役務に含まれる電報は、営業収益14,088百万円、営業費用12,945百万円、営業利益1,143百万円であります。
(2)指定電気通信役務損益明細表
3.NTTコミュニケーションズ
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
(注)基礎的電気通信役務以外の電気通信役務に含まれる電報は、営業収益122百万円、営業費用46百万円、営業利益75百万円であります。
連結業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 2016年3月期 連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 110,953 | 115,410 | 4,457 | 4.0% |
営業費用 | 100,108 | 101,928 | 1,821 | 1.8% |
営業利益 | 10,846 | 13,481 | 2,636 | 24.3% |
税引前当期純利益 | 10,666 | 13,293 | 2,626 | 24.6% |
当社に帰属する 当期純利益 | 5,181 | 7,377 | 2,197 | 42.4% |
当連結会計年度における情報通信市場では、固定・移動ブロードバンドを活用したスマートデバイスなど様々な機器の普及・浸透に加え、クラウドサービスやIoT、ビッグデータなどの技術の進歩を通して、人々の生活における利便性や各産業における生産性の向上など、幅広い変化が起きています。一方で、高度化・複雑化するサイバー攻撃に対するセキュリティ強化、災害対策への取り組み強化や安心・安全な社会システムの運営など、情報通信の役割はより重要となってきています。こうした動きは世界的な広がりを見せています。
このような事業環境のなか、NTTグループは、2015年5月に中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」を策定・公表し、「バリューパートナー」としての自己変革を加速し、グループ全体を利益成長軌道へ乗せていくための取り組みを推進しました。
《グローバルビジネスの拡大・利益創出に向けた取り組みの状況》
グローバル・クラウドサービスを事業の基軸として拡大させるとともに、利益創出スピードを加速させる取り組みを強化しました。
○フルスタック・フルライフサイクルでのサービス提供力をさらに強化するため、M&Aの推進およびデータセンターなどのクラウド基盤の拡充に取り組みました。
○グローバルネットワーク、クラウドマイグレーション、ITアウトソーシング案件を中心に、グループ会社間の連携によるクロスセルを推進し、製造業や金融業など、各産業のリーディングカンパニーから受注を獲得しました。
○グローバル・クラウド事業におけるサービスやオペレーションの効率化・最適化を図るとともに、調達コストについてもグループ一元的なスキームによる低減を推進するなど、徹底したコスト削減の強化に取り組みました。
《国内ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた取り組みの状況》
国内ネットワーク事業における、付加価値の高いサービスの創出や、設備投資の効率化およびコスト削減による利益成長に向けた取り組みを強化しました。
○様々な事業者とのコラボレーションを推進する「光コラボレーションモデル」や「+d」の取り組みを通じて、付加価値の高いサービスの創出に努めました。
○ネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、既存設備の利用率の向上や調達コストの削減など、設備投資の効率化を推進しました。
○「光コラボレーションモデル」の進展に伴うマーケティングコストのコントロールや業務効率化など、コスト削減に取り組みました。
加えて、これらを支える仕組みとして、海外子会社を含め、グループ経営情報の見える化、会計基準の統一、資金効率の向上などに向けた取り組みを開始しました。また、プロジェクトチームを立ち上げ、徹底したコスト削減や利益創出に向けた様々なテーマの取り組みを推進しました。
《B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組みの状況》
日本政府が「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(注)」と「地方創生」を軸に、各種政策を策定・遂行していることを捉え、B2B2Xモデルへの転換をさらに加速し、他分野の事業者や自治体とともに次世代に受け継がれるスタンダードとなるサービスの創出をめざした取り組みを強化しました。
○ICTの利活用を通じて、地域における様々な社会的課題の解決や街づくりの支援を行うことを目的として、福岡市や札幌市と包括連携協定を締結しました。
○2020年、またそれ以降を展望した「映像サービスの革新」や「ユーザーエクスペリエンスの進化」をめざし、パナソニック株式会社と業務提携を行うことで合意しました。
○「地方創生」への貢献のため、ビッグデータやIoTなど、ICTを利活用した安心・安全・快適で効率的な都市インフラの整備・構築の支援をめざし、株式会社日立製作所と業務提携を行うことで合意しました。
(注) NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ゴールドパートナー(通信サービス)です。
《CSR(企業の社会的責任)推進の状況》
社会への貢献と企業成長の両立を図るため、「NTTグループCSR憲章」および「NTTグループCSR重点活動項目」の見直しを進めました。また、グループ一丸となり社会の持続的発展に貢献するため、様々な活動に取り組むとともに、積極的な情報開示に努めました。
○人と社会のコミュニケーション
誰もが利用しやすいICT環境・サービスの提供に向けて、視覚障がい者のスマートフォン利用推進のため、文字入力アプリ「Move&Flick」の提供を開始しました。このアプリにより、文字入力の開始位置を気にすることなく、スマートフォンを利用することが可能となりました。
○人と地球のコミュニケーション
「TPR(トータルパワー改革)運動」による使用電力量の削減の推進など、自らの事業活動に伴うCO2排出量の低減に取り組みました。また、ICTを活用したサイクルシェアリングの提供エリア拡大や太陽光発電システムの構築など、社会全体の環境負荷低減に取り組みました。
○安心・安全なコミュニケーション
重要インフラとして高い安定性と信頼性の確保に向けて、グループ横断で防災訓練の実施などに取り組むとともに、災害発生時の協力や平時の情報共有などについて日本郵政グループや石油連盟と協定などを締結し、外部機関との防災に関する連携を強化しました。また、多様化・大規模化するサイバー攻撃に対応するため、演習を実施するとともに、標的型攻撃や脆弱性への対応などを通じたセキュリティ対策の高度化、各種教育システムを活用した人材育成の取り組みを推進しました。
○チームNTTのコミュニケーション
LGBTなどの性的マイノリティや障がい者に関する社員の理解を促進し、多様な人材が活躍できる環境づくりを推進するため、ダイバーシティに関するワークショップを開催しました。
このような取り組みもあり、世界的な社会的責任投資の指標である「DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)」において、アジア・パシフィック分野の構成銘柄に2年連続で選定されました。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度のNTTグループの営業収益は11兆5,410億円(前期比4.0%増)となりました。また、営業費用は10兆1,928億円(前期比1.8%増)となりました。この結果、営業利益は1兆3,481億円(前期比24.3%増)、また、税引前当期純利益は1兆3,293億円(前期比24.6%増)、当社に帰属する当期純利益は、7,377億円(前期比42.4%増)となりました。
(注)当社の連結決算は米国会計基準に準拠して作成しております。
なお、各セグメントの概要は次のとおりです。
NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメント、データ通信事業セグメント及びその他の事業セグメントに区分しております。
地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーション、その他が含まれております。
長距離・国際通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、システムインテグレーション、その他が含まれております。
移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売が含まれております。
データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションが含まれております。
また、その他の事業セグメントには、主に不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業等に係るその他のサービスが含まれております。
当連結会計年度における各事業の種類別セグメントの経営成績等は、次のとおりです。
■地域通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 2016年3月期 連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 35,055 | 34,079 | △977 | △2.8% |
営業費用 | 33,367 | 31,429 | △1,938 | △5.8% |
営業利益 | 1,689 | 2,650 | 961 | 56.9% |
地域通信事業では、光アクセスサービスを様々な事業者に卸提供する「光コラボレーションモデル」によるB2B2Xビジネスの展開などの取り組みを行いました。
○「光コラボレーションモデル」において、移動通信事業者やISP事業者に加え、エネルギー業界、不動産業界、警備業界など異業種の事業者とも協業を進め、卸サービスを提供している事業者数は当連結会計年度末時点で約350社となりました。また、ケーブルテレビ業界では、提供エリアの全域光化において、「光コラボレーションモデル」が採用されるなどの新たな活用事例も生まれました。こうした取り組みにより、同モデルにおける光アクセスサービスの契約数は469万契約となりました。
○「光コラボレーションモデル」の進展に伴い、マーケティングコストの大幅な削減を実現しました。また、ネットワークのシンプル化・スリム化や、既存設備の利用率の向上などに取り組み、設備投資の効率化を推進しました。
○企業や自治体が自らの情報サービスの有力なツールとして積極的に導入を進めているWi-Fiについて、増加する訪日外国人旅行者の利便性向上に向けて、様々な地域において面的拡大に取り組みました。その結果、Wi-Fiのエリアオーナー数は393となり、前事業年度末から比べ大幅に拡大しました。
《主なサービスの提供状況》
○「フレッツ光」 :1,926万契約(対前連結会計年度: +54万契約)
(再掲)「コラボ光」: 469万契約(対前連結会計年度: +442万契約)
○「ひかり電話」 :1,737万ch(対前連結会計年度: +27万ch)
○「フレッツ・テレビ」: 143万契約(対前連結会計年度: +9万契約)
(注)「フレッツ光」、「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ」は、「光コラボレーションモデル」を活用してNTT東日本およびNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスの契約数を含めて記載しております。
以上の取り組みの結果、地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は3兆4,079億円(前期比2.8%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は3兆1,429億円(前期比5.8%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は2,650億円(前期比56.9%増)となりました。
■長距離・国際通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 2016年3月期 連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 19,986 | 22,509 | 2,523 | 12.6% |
営業費用 | 18,851 | 21,542 | 2,692 | 14.3% |
営業利益 | 1,136 | 967 | △169 | △14.9% |
長距離・国際通信事業では、クラウド基盤の拡充や、ネットワーク・セキュリティなどを組み合わせたシームレスICTソリューションの提供力を強化したほか、クラウドサービスやITアウトソーシングといった成長分野でのサービス提供力の強化を図りました。
《主な取り組み内容》
○世界各地でのクラウドサービスやデータセンター需要への対応能力を強化するため、北米ではサクラメント、欧州ではウィーン、アジアでは香港・ムンバイ・バンコクにおいて、電力・通信設備の冗長化や充実したセキュリティにより高い信頼性を備えたデータセンターの提供を新たに開始しました。また、インドネシア最大級のデータセンター事業者であるPT. Cyber CSF(本社:ジャカルタ)を子会社化しました。なお、クラウド基盤の積極的な拡充に向けた取り組みにより、米国のTeleGeography社レポート(2015年10月発行)において、NTTグループのデータセンターは、総床面積およびサーバ設置可能面積ともに世界トップクラスに位置づけられています。
○クラウドサービスやITアウトソーシングなど、成長分野におけるビジネス拡大を図る目的で、世界各地で人材確保などによる営業体制の強化に取り組みました。
《主なサービスの提供状況》
○クラウドサービスお客様提供数: 8,300件(対前連結会計年度: +1,000件)
○「ひかりTV」 :305万契約(対前連結会計年度:+4万契約)
以上の取り組みの結果、長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は2兆2,509億円(前期比12.6%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は2兆1,542億円(前期比14.3%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は967億円(前期比14.9%減)となりました。
■移動通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 2016年3月期 連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 43,834 | 45,271 | 1,437 | 3.3% |
営業費用 | 37,476 | 37,388 | △89 | △0.2% |
営業利益 | 6,358 | 7,884 | 1,526 | 24.0% |
移動通信事業では、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」や「ドコモ光」の販売を推進したほか、様々な事業者とのコラボレーションを推進し、新たな付加価値の提供を行うなど、スマートライフ領域の収益力強化を図りました。
《主な取り組み内容》
○お客様のライフステージに合わせながら、長期にわたりお得にお使いいただける「カケホーダイ&パケあえる」の販売を推進したほか、2015年9月に「カケホーダイライトプラン」を、2016年3月には「シェアパック5」の提供を新たに開始しました。その結果、「カケホーダイ&パケあえる」の契約数は2,970万契約となりました。
○地域通信事業の「光コラボレーションモデル」を活用し、光アクセスサービスとインターネット接続サービス、モバイルサービスを一括して提供する「ドコモ光パック」の販売を推進しました。その結果、「ドコモ光」の契約数は157万契約となりました。
○スマートライフ領域の収益力強化に向け、コンテンツサービスや金融・決済サービスなどに加え、様々な事業者とのコラボレーションを通じて新たな付加価値を協創する「+d」の取り組みを推進しました。具体例として、新潟市において革新的な稲作営農管理システムの実証実験を開始したほか、コンビニエンスストアやファーストフードの店舗などでご利用いただけるポイントサービス「dポイント」の提供を開始しました。
《主なサービスの提供状況》
○携帯電話契約数 :7,096万契約(対前連結会計年度: +437万契約)
(再掲)新料金プラン :2,970万契約(対前連結会計年度:+1,188万契約)
(再掲)LTE(「Xi」) :3,868万契約(対前連結会計年度: +793万契約)
(再掲)「FOMA」 :3,229万契約(対前連結会計年度: △357万契約)
(注)1.携帯電話サービス契約数、LTE(「Xi」)契約数および「FOMA」契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて記載しております。
2.2008年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、携帯電話サービス契約数および「FOMA」サービス契約数には、その場合の当該「FOMA」契約を含んでおります。
以上の取り組みの結果、移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は4兆5,271億円(前期比3.3%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は3兆7,388億円(前期比0.2%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は7,884億円(前期比24.0%増)となりました。
■データ通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 2016年3月期 連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 15,110 | 16,168 | 1,058 | 7.0% |
営業費用 | 14,247 | 15,041 | 794 | 5.6% |
営業利益 | 864 | 1,127 | 264 | 30.5% |
データ通信事業では、お客様のグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応したシステムインテグレーションなどの多様なITサービスの拡大と安定的な提供に取り組みました。
《主な取り組み内容》
○金融分野向けビジネスのグローバル強化をめざし、米国において金融ITコンサルティングやシステム導入サービスで高い評価を得ているCarlisle & Gallagher Consulting Group, Inc.(本社:米国)を子会社化しました。また、北米を中心とした事業基盤獲得によるプレゼンスの向上を図ると同時に、最先端の技術を活用したクラウドサービスやBPOサービスを強化するため、ヘルスケア業界向けの業界特化型デジタルソリューションサービスなどで高い評価を得ているDell Services 部門を譲り受けることをDell Inc.と合意しました。
○スペイン王室資産などの管理団体であるPatrimonio Nacionalが管轄する、スペイン王室図書館などの希少なコレクションの一元的な資産管理を目的としたデジタルアーカイブ事業に参画しました。
○センサーや機器、プラントなど、様々な「モノ」の情報を収集・配信するIoTプラットフォームの提供を開始し、上下水道事業者向け監視サービスへの適用など、IoTサービスの展開を推進しました。
以上の取り組みの結果、データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は1兆6,168億円(前期比7.0%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は1兆5,041億円(前期比5.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,127億円(前期比30.5%増)となりました。
■その他の事業セグメント
セグメント業績の概要(2015年4月1日~2016年3月31日) (単位:億円)
2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 2016年3月期 連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 12,722 | 12,945 | 222 | 1.7% |
営業費用 | 12,048 | 12,204 | 157 | 1.3% |
営業利益 | 675 | 740 | 66 | 9.7% |
その他の事業では、主に不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業に係るサービスを提供しました。
《主な取り組み内容》
○不動産事業
オフィスビル・商業施設を中心とした不動産賃貸事業や、マンションブランド「Wellith(ウエリス)」を主体とした分譲事業を推進しました。また、これらの事業で培ったノウハウを活用し、グローバル事業、不動産ファンド事業などにも取り組みました。
○金融事業
情報関連機器分野を中心としたリース・割賦やファイナンスなどの金融サービス、通信サービス料金などの請求・回収、クレジットカードの決済サービスの提供を行いました。
○建築・電力事業
「ICT・エネルギー・建築」の技術を最大限に融合・活用し、大規模な太陽光発電システムやデータセンターの設計および構築などを行いました。
○システム開発事業
最適で高品質なICTサービスを提供するため、ネットワークのオペレーションシステムやアプリケーションサービスの開発などに取り組みました。
以上の取り組みの結果、その他の事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は1兆2,945億円(前期比1.7%増)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は1兆2,204億円(前期比1.3%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は740億円(前期比9.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、2兆7,118億円の収入となりました。前期比では、3,200億円(13.4%)増加しておりますが、これは、営業利益が増加したことなどによるものであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」については、1兆7,598億円の支出となりました。前期比では、1,088億円(5.8%)支出が減少しておりますが、これは、出資による支出が増加した一方で、設備投資等が減少したことなどによるものであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」については、7,076億円の支出となりました。前期比では、296億円(4.4%)支出が増加しておりますが、これは、自己株式の取得が減少した一方で、借入債務による収入が減少したことなどによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末におけるNTTグループの現預金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して2,391億円(28.2%)増加し、1兆883億円となりました。
キャッシュ・フローの状況 | (単位:億円) |
区 分 | 2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 2016年3月期 連結会計年度 (2015年4月1日から 2016年3月31日まで) | 増 減 | 増減率 |
営業活動による キャッシュ・フロー | 23,918 | 27,118 | 3,200 | 13.4% |
投資活動による キャッシュ・フロー | △18,686 | △17,598 | 1,088 | 5.8% |
財務活動による キャッシュ・フロー | △6,780 | △7,076 | △296 | △4.4% |
現預金及び現金同等物 の期末残高 | 8,492 | 10,883 | 2,391 | 28.2% |
なお、詳細につきましては、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(参考情報)指定電気通信役務損益状況等
事業会社における基礎的電気通信役務損益明細表及び指定電気通信役務損益明細表は次のとおりであります。
1.NTT東日本
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
第17期(2015年4月1日から2016年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) |
基礎的電気通信役務 | 221,650 | 257,175 | △35,524 |
基礎的電気通信役務以外の電気通信役務 | 1,363,929 | 1,187,600 | 176,329 |
合計 | 1,585,580 | 1,444,775 | 140,804 |
(2)指定電気通信役務損益明細表
第17期(2015年4月1日から2016年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) | |||
指 定 電 気 通 信 役 務 | 特定電気通信役務 | 音 声 伝 送 役 務 | 基本料 | 280,587 | 296,995 | △16,407 |
市内・市外通信 | 25,914 | 20,857 | 5,057 | |||
公衆電話 | 2,861 | 4,798 | △1,937 | |||
その他 | 5,300 | 3,770 | 1,530 | |||
小計 | 314,664 | 326,422 | △11,757 | |||
特定電気通信役務以外の指定電気通信役務 | FTTHアクセスサービス | 467,996 | 353,208 | 114,787 | ||
専用役務 | 22,659 | 21,228 | 1,431 | |||
その他 | 131,005 | 90,870 | 40,135 | |||
小計 | 621,661 | 465,306 | 156,354 | |||
小計 | 936,326 | 791,728 | 144,597 | |||
指定電気通信役務以外の電気通信役務 | 649,254 | 653,047 | △3,793 | |||
合計 | 1,585,580 | 1,444,775 | 140,804 |
2.NTT西日本
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
第17期(2015年4月1日から2016年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) |
基礎的電気通信役務 | 223,964 | 263,861 | △39,897 |
基礎的電気通信役務以外の電気通信役務 | 1,148,607 | 1,049,079 | 99,527 |
合計 | 1,372,571 | 1,312,941 | 59,630 |
(2)指定電気通信役務損益明細表
第17期(2015年4月1日から2016年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) | |||
指 定 電 気 通 信 役 務 | 特定電気通信役務 | 音 声 伝 送 役 務 | 基本料 | 280,679 | 307,348 | △26,668 |
市内・市外通信 | 23,865 | 19,619 | 4,245 | |||
公衆電話 | 2,651 | 4,627 | △1,975 | |||
その他 | 5,576 | 4,631 | 945 | |||
小計 | 312,773 | 336,227 | △23,454 | |||
特定電気通信役務以外の指定電気通信役務 | FTTHアクセスサービス | 373,704 | 326,152 | 47,552 | ||
専用役務 | 20,601 | 22,391 | △1,789 | |||
その他 | 121,071 | 84,521 | 36,550 | |||
小計 | 515,378 | 433,064 | 82,313 | |||
小計 | 828,151 | 769,292 | 58,859 | |||
指定電気通信役務以外の電気通信役務 | 544,419 | 543,648 | 771 | |||
合計 | 1,372,571 | 1,312,941 | 59,630 |
3.NTTコミュニケーションズ
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
第17期(2015年4月1日から2016年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) |
基礎的電気通信役務 | 12 | 35 | △23 |
基礎的電気通信役務以外の電気通信役務 | 691,278 | 613,058 | 78,220 |
合計 | 691,290 | 613,093 | 78,196 |
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