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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10076DH

有価証券報告書抜粋 楽天グループ株式会社 事業等のリスク (2015年12月期)


対処すべき課題メニュー研究開発活動


以下において、当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

1 事業環境に関するリスク

(1) インターネット業界の成長性について

当社グループは、主にインターネット業界において、国内外で多様なサービスを提供しております。
世界のインターネット利用者数の増加、EC(電子商取引)市場の拡大等を背景として、当社グループサイト内の流通総額、利用者数等は今後も拡大傾向にあるものと認識しておりますが、インターネットの利用を制約するような法規制、個人情報管理の安全性を中心とした情報セキュリティに対する問題意識の拡がり等の外部要因、景気動向、過度な競争等により、インターネット業界全体及びEC市場の成長が鈍化し、それに伴い当社グループサイト内での流通総額等が順調に拡大しない場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、インターネット広告等に係る売上高が一定の比率を占めておりますが、広告市場は特に景気動向の影響を受けやすいものと考えられることから、景気が後退した場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 競合について

インターネットの利用者数の増加に後押しされ、多くの企業がインターネット関連サービスに参入し、商品カテゴリーやサービス形態も多岐に亘っております。また、当社グループの運営するインターネット関連サービス以外のサービスについても多数の事業者が参入しており、激しい競合状況にあります。
当社グループは、引き続き、顧客ニーズ等への対応を図り、サービス拡大に結び付けていく方針でありますが、これらの取組みが予測通りの成果をあげられない可能性や、画期的なサービスを展開する競合他社の出現、価格競争の激化、その他の競合等の結果、当社グループの売上高が低下する可能性があるほか、設備投資や広告宣伝費等の費用の増加を余儀なくされる可能性もあり、係る場合には当社グループの事業及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 業界における技術変化等について

当社グループがサービスを展開するインターネット業界においては、特に技術分野における進歩及び変化が著しく、新しいサービス及び商品が頻繁に導入されており、当社グループのサービスにおいてもこれらの変化等に対応していく必要があります。しかしながら、何らかの要因により、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たな開発等による費用の増加等が発生する可能性があり、これらの動向及び対応によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ事業運営の障害となりうる技術が開発される可能性もあり、このような技術が広く一般に普及した場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

2 国際事業展開に関するリスク
当社グループは、収益機会の拡大に向けてグローバル展開を主要な経営戦略の一つとして掲げ、欧州、米州、アジア等の多くの地域でインターネットサービスを展開しております。今後とも、在外サービス拠点及び研究開発拠点を拡大していくとともに、各国サービス間の連携強化等に取り組みながら、海外でのサービスの充実を図っていく予定であります。また、国内外のユーザーが国境を越えて日本又は海外の商品及びサービスを購入するためのクロスボーダーサービス等も順次拡大していく予定であります。
他方、グローバルにサービスを展開していく上では、言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、経済的・政治的不安、通信環境や商慣習の違い等の様々な潜在的リスク及び特定の国や地域又はグローバルにおいて競争力を有する競合他社との競争が熾烈化するリスクが存在します。更には、外国政府により関係する諸規制が突然変更されるリスクも存在します。当社グループが、これらのリスクに対処できない場合、当社グループの国際事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、サービスの国際展開においては、サービスの立上げ時に、現地における法人設立、人材の採用、システム開発等に係る経費が新規に発生するほか、既存サービスにおいても、戦略的にビジネスモデルを変更する場合等においては、追加的な支出が見込まれることから、これらの費用が一時的に当社グループの収益を圧迫する可能性があります。また、新たな拠点において安定的な収益を生み出すためには、一定の期間が必要なことも予想されます。従って、係る投下資本の回収に一定の期間を要する又は出来ない場合には、当社グループにおける経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3 事業の拡大・展開に関するリスク

(1)『楽天』ブランドの推進等について

当社グループは、流通総額の更なる拡大を目的として、各サービスブランドの『楽天』ブランドへの変更や、会員データベースの一元化、ポイントプログラムの共通化を媒介とした会員IDの統合等を推進しております。ブランド名称や会員IDの変更に際しては既存会員のロイヤリティの低下や会員組織からの離脱を招く可能性もあり、これらの施策が期待通りの効果を得られない場合、当社グループサイト内の流通総額及び当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 買収(M&A)等について

当社グループは、国外市場への進出、新規ユーザーの獲得、新規サービスの展開、既存サービスの拡充、関連技術の獲得等を目的として、国内外を問わず積極的な買収(M&A)や合弁事業の展開を行っており、これらを経営の重要戦略として位置付けております。
買収を行う際には、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデュー・デリジェンスを行うことによって、極力諸リスクを回避するように努めておりますが、案件の性質上時間的な制約等から十分なデュー・デリジェンスが実施できない場合もあり、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性も否定できません。また、新規サービスの展開に当たってはその性質上、当該新規サービスによる当社グループの事業及び経営成績への影響を確実に予測することは困難であり、事業環境の変化等により計画通りにサービスが展開できず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に一定の期間を要する又は出来ない可能性があります。
被買収企業の情報システムや内部統制システム等との融合、被買収企業の役職員や顧客の維持・承継等が計画通りに進まない可能性や、今後の投融資額が現在の事業規模と比較して多額となる可能性もあることから、財政状態等に関して当社グループ全般にわたるリスクが拡大する可能性があります。
また、合弁事業や業務提携の展開においても、パートナーとなる事業者について、経営成績や財政状態等について詳細な調査を行うとともに、将来の事業契約やシナジー効果について事前に十分に議論することによって、極力リスクを回避するように努めておりますが、サービス開始後において経営方針に相違が生じ、期待通りのシナジー効果が得られないといった可能性も否定できません。そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に一定の期間を要する又は出来ない可能性があります。

(3) サービス領域の拡大について

当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早いインターネットを軸とした多岐に渡る産業をサービス領域としております。新しいサービスを創出し、また時代の流れに即したビジネスモデルを構築する目的で、新規のサービス領域に参入を行っております。従来行っていなかった新規サービスを開始するに当たっては、相応の先行投資を必要とする場合があるほか、そのサービス固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスク要因でも、当社グループのリスク要因となる可能性があります。
新規に参入した市場の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができない可能性があります。また、サービスの停止、撤退等においては、当該事業用資産の処分や償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。係る場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) のれんについて

当社グループは、2013年12月期第1四半期連結会計期間から、連結財務諸表について国際会計基準(IFRS)を適用しておりますが、IFRSにおいては、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と異なり、のれんの定額償却は不要となります。他方、のれんの対象会社における経営成績悪化等により減損の兆候が生じており、その効果である回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる可能性があり、係る場合には当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。


4 各サービスに関するリスク

(1) マーケットプレイス型のサービスについて

『楽天市場』、『楽天オークション』等のようなマーケットプレイス型のサービスや、『楽天トラベル』のような宿泊予約サービス、『Ebates』のようなオンライン・キャッシュバック・サービス等においては、取引の場を提供することをその基本的性格としており、マーケットの健全性確保のため偽造品その他の権利侵害品の排除に努めておりますが、当社グループは売買契約等の当事者とはならず、規約においても、販売者又は役務提供者と購入者又は役務の提供を受ける者との間で生じたトラブルについて、当社グループは責任を負わず、当事者間で解決すべきことを定めております。しかし、マーケットプレイス型のサービスにおいて、他人の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等を侵害する行為、詐欺その他の法令違反行為等が行われた場合に、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループも取引の場を提供する者として責任を問われ、更には、当社グループのブランドイメージが毀損される可能性があります。また、マーケットプレイス型のサービスにおいては、参加する販売者・役務提供者が、他のマーケットプレイス、自社サイト等に容易に移行できるため、利便性、信頼性の高いシステムに加え、集客力に優れた取引の場を継続的に提供しなければ、販売者・役務提供者が減少し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 直販型のサービスについて

当社グループが一般消費者に対して商品・役務を直接提供する『楽天ブックス』、『楽天kobo』、『楽天モバイル』等のサービスにおいては、当社グループは売買契約等の当事者となり、商品・役務の品質、内容に責任を負っております。商品の販売、役務の提供に際しては、関係法令を遵守し、品質管理に万全を期しておりますが、欠陥のある商品を販売し、又は欠陥のあるサービスを提供した場合、監督官庁による処分を受ける可能性があるとともに、商品回収や損害賠償責任等の費用の発生、信用低下による売上高の減少等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、商品については、予測された需要に従って、購入及び在庫水準の管理等を行っておりますが、想定した需要が得られない場合や、技術革新や他社商品との競争の結果、商品価格が大きく下落する場合は、棚卸資産として計上されている商品の評価損処理等を行う可能性があります。

(3) デジタルコンテンツサービスについて

デジタルコンテンツの提供を行う電子書籍サービス、ビデオストリーミングサービスにおいては、コンテンツ素材を調達する際に、当社グループの提供するサービスフォーマットへの変換を要する場合があるほか、映像配給会社等の許諾に加え、ライセンサー等に対する事前の最小保証料等支払いを求められる場合があり、係る先行的な費用の支出が一時的に当社グループの経営成績及び財政状態に影響する場合があります。また、コンテンツ収入が当該調達費用を下回る場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 物流サービスについて

当社グループは、ユーザー及び出店企業の利用満足度を一層高めるべく、出店企業の物流業務の受託サービスの拡大等を通じた配送品質の向上にも注力しております。
物流拠点の拡大については賃貸等を活用しており、倉庫内設備投資等に際しては、将来見込まれる受注量を予測して実施しておりますが、当該設備の構築、稼動開始までには一定の時間を要するため、係る支出は先行的な投資になる場合があるほか、実際の受託業務での収益が予測を下回る場合には先行費用を補えず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、設備の移転、廃止等が決定された場合においては、当該資産の処分や償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。

(5)金融サービスについて

① 法的規制等について
楽天カード(株)、楽天銀行(株)、楽天証券(株)及び楽天生命保険(株)等の金融サービスを営む子会社においては、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」、「銀行法」、「利息制限法」、「貸金業法」、「割賦販売法」、「金融商品取引法」、「金融商品販売法」、「商品先物取引法」、「信託業法」、「保険業法」、「資金決済法」、「犯罪収益移転防止法」その他の法令、金融関連諸法規、監督官庁の指針、各証券取引所や業界団体等の自主規制機関による諸規則等の適用を受けております。これらの各子会社がサービスを行うために必要な許認可につき、将来、何らかの事由により業務の停止、免許等の取消等があった場合、また、法令諸規則、監督官庁の政策、規制、監督指針が新設され、又はこれらにつき当該サービスにとって不利益な変更が行われた場合には、当社グループの事業及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
楽天カード(株)は、2010年6月の改正貸金業法の完全施行により、消費者の年収情報及び信用情報機関を利用し貸金に関する信用供与額を年収の1/3以下に制限すること(いわゆる総量規制)が義務付けられ、新規貸付の制限等を行う必要があり、また、2010年12月の改正割賦販売法の完全施行においても過剰与信禁止に関する措置等が義務付けられたため、それらの事項が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、楽天カード(株)の2007年12月31日以前の貸付契約のごく一部には、利息制限法上の上限利息を超過する利息の定めがあるため、何らかの要因により、楽天カード(株)の引当金算出の前提となる平均請求額等が増加する場合には、当該事業の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 事業環境について
楽天カード(株)においては、主に個人顧客を対象とし、また、運転資金の調達を債権流動化と金融機関の借入金等により賄っていることから、経済環境が悪化し、消費低迷による借入需要の減退、失業率の上昇による自己破産又は多重債務者の増加等が生じた場合、金融市場の情勢変化による金融機関の与信方針の変更があった場合、当社グループの信用状態が悪化した場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、貸倒リスクを軽減するための与信管理システムの維持・運営や、債権回収のノウハウを持つ人材の確保に重大な問題が生じた場合、サービス及び経営成績に支障が生じる可能性があります。
楽天銀行(株)においては、有価証券が当該事業の運用資産の一部を占めており、運用収益に一定程度影響を及ぼす可能性があります。運用資産としては、貸出債権の他に、債券、証券化・流動化商品等の多様な金融商品での運用を行っております。金融商品の運用による収益は、金利、外国為替、市場変動、債務者の信用リスク等により大きく影響を受けることがあり、これらの運用により当該事業が損失を計上した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、貸出債権については、経済動向の悪化、会計基準の変化、保証会社の信用状況の変化、保証履行状況の変化により貸倒引当金及び保証料等与信関連費用が増加する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天証券(株)においては、個人顧客を対象に、株式信用取引、外国為替証拠金取引、投資信託販売、債券取引、先物・オプション取引、海外先物取引、商品先物取引等のサービスを提供しており、委託手数料をその主要な収入源としているため、証券市場等の金融市況の影響を受けております。金融市況は、経済情勢、世界各国の市場動向、政治動向及び規制動向、並びに投資家心理等の影響を受けており、市場低迷が生じた場合や、株式相場の急激な変動等に伴う信用取引高の減少及び顧客への信用取引貸付金等の未回収等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天生命保険(株)においては、個人向け保障性生命保険商品を販売しており、保険契約者からの保険料収入を主な収入源としております。当該サービスは、保険料設定時の予測を超えた死亡率・入院率等保険事故発生率の増加、資産運用環境等の変化による運用資産価値の減少、新規契約の減少や解約契約の増加等による保有契約の著しい減少が生じた場合、また法令上求められる将来の保険金・給付金の支払いに備えた責任準備金がその前提となる状況の変化によって積立不足を生じ、繰入額の増加が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 資金流動性について
楽天銀行(株)では、インターネット・バンキングサービスを行っております。当該サービスにおいては、普通預金の引出し、定期預金の解約、他の金融機関への送金又は振込がインターネット上で行えるため、当該子会社及び当社グループのレピュテーションに影響を及ぼす風評が流布される等、不測の事態が発生した場合には、預金の流出が通常の銀行と比較して速いペースで進展する可能性があり、予想を超えた著しい資金流出が起こった場合には事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ リスク管理の有効性について
近年、金融市場においては、米国大手金融機関の経営破たんに端を発した『リーマン・ショック』、ギリシャをはじめとした各国の財政問題に端を発した欧州経済危機等において、市場の急激かつ大規模な変動や混乱がたびたび生じております。楽天銀行(株)、楽天証券(株)及び楽天生命保険(株)においては、リスク管理方針及び手続を整備し運用しておりますが、これら会社におけるリスク管理方針及び手続の一部は、金融市場において将来発生する種々のリスクを必ずしも正確に予測することができず、有効に機能しない可能性があり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)第三者との業務委託・提携等について

① 金融機関等との委託・提携について
楽天銀行(株)は、独自のATM網を有していないため、ATMの利用に係る契約を締結している(株)三菱東京UFJ銀行、(株)みずほ銀行、(株)セブン銀行、(株)ゆうちょ銀行及び(株)イオン銀行等との関係が悪化した場合又はこれらの業務もしくはシステムに支障が生じた場合、当社グループの事業や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 旅行関連事業者との連携について
トラベルサービスにおいては、航空会社、鉄道会社との連携、グローバル化の推進等、国内外の旅行関連事業者との連携により、総合的な旅行関連サービスの強化を図り、サービスを展開していく方針でありますが、提携先との関係が悪化した場合や新たな提携先との協議が順調に進まない場合には、当該事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 電気通信事業者の相互接続協定について
楽天コミュニケーションズ(株)は、電気通信役務の円滑な提供のために他の電気通信事業者の通信設備と同社の通信設備を相互接続するための相互接続協定を結んでおります。現状において、電気通信設備を有する者は他事業者に対して原則として接続義務を有しておりますが、電気通信事業法等の改正等により、接続義務の撤廃や緩和等の措置が取られ、同社の負担すべき使用料及び相互接続料等が増加する、又は同社にとって不利な形で条件変更がなされた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ MVNO(仮想移動体通信事業者)サービスの通信キャリア回線利用について
当社が提供する『楽天モバイル』サービスは、通信キャリアの回線を借り受け、そのサービスを提供しておりますが、何らかの理由により、提携する通信キャリアが回線の利用料を引き上げた場合や当該通信キャリアとの提携が終了するに至った場合等においては、当社が提供するサービスに支障をきたす可能性があるほか、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 商品、コンテンツ及び技術等の供給について
当社グループは、直販型のサービスにおける販売商品、運営するウェブサイトにおける検索エンジンやニュース等の一部のコンテンツ、サービスに利用する技術等について、外部の事業者から供給又はライセンスを受けております。今後、当該事業者との関係の悪化、倒産、需要の増大、経済環境の変化、契約変更その他の要因により、供給が中断された場合、有力コンテンツを円滑に導入できなかった場合、供給価格が高騰した場合、ライセンスが停止された場合等には、サービス提供に支障をきたす可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 商品の配送について
『楽天市場』等のマーケットプレイス型及び『楽天ブックス』等の直販型サービスでは、販売者から購入者への商品配送は、主に外部の配送事業者に依存しております。今後、配送料金の値上げ、配送条件の悪化等、配送に関するユーザー及び出店企業の満足度が悪化した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

5 コンプライアンスに関するリスク

(1) 法的規制等の適用の可能性について

当社グループが展開する各サービスにおいては、「4(5)①法的規制等について」の各項目に記載の他、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「消費者契約法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「古物営業法」、「旅行業法」、「電気通信事業法」、「職業安定法」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「米国海外腐敗行為防止法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。こうした法令の制定や改正、監督官庁による許認可の取消又は処分、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又は改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの提供するサービス規模が大きい場合、販売者、役務提供者その他の取引先に対して健全な取引環境を維持するために当社グループが行う施策の実施、又はその根拠となる規約の内容等が、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」に照らして問題とされる可能性があり、その場合には当社グループのサービスが新たな制約を受け、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 訴訟等の可能性について

当社グループがサービスの展開を図る上で、販売者、購入者及び参加者その他の利用者による違法行為やトラブルに巻き込まれた場合、利用者による違法又は有害な情報の発信等により第三者の権利侵害があった場合、もしくはシステム障害等によって販売者、購入者及び参加者その他の利用者や消費者に損害を与えた場合等、当社グループに対して訴訟その他の請求を提起される可能性があります。電子書籍端末については、その製造について提携企業への委託を行っているものの、製造物の欠陥等に伴う、損害賠償等の製造物責任等が当社グループに発生する可能性があります。また、インターネットビジネス自体の歴史が浅く、新たに発生した又は今まで顕在化しなかったビジネスリスクによって、現在想定されない訴訟等が提起される可能性もあります。
一方、当社グループが第三者に何らかの権利を侵害され、又は損害を被った場合に、第三者の権利侵害から当社が保護されない可能性や、訴訟等による当社グループの権利保護のために多大な費用を要する可能性もあります。係る場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。


6 無形資産に関するリスク

(1) 当社グループのブランドについて

当社グループは、当社設立以来多額の経営資源を投入し、多様なサービス展開、広告宣伝活動等を通じて『楽天』ブランドの確立を図っており、消費者等に対して一定の認知が得られているものと認識しておりますが、今後実施する施策等が想定通りの成果をあげられない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、サービス展開におけるトラブル、役職員による不正等が発覚した場合、当社グループのブランドの信頼性を毀損し、結果として当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 知的財産権等について

当社グループは、特許権、商標権、著作権、ドメインネームその他の知的財産権の取得、又は知的財産権のライセンスを受けることで、当社グループが使用する技術・コンテンツ等についての保護を、国内はもとより国際展開を進める各国においても図っておりますが、当社グループの知的財産権等が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権等の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが使用する技術・コンテンツ等について、知的財産権等の侵害を主張され、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生する可能性があり、また、将来当社グループによる特定のコンテンツもしくはサービスの提供又は特定の技術の利用に制限が課せられ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

7 マーケットに関するリスク

(1) 金利等変動リスク

当社グループは、連結子会社においてクレジットカード、証券及び生命保険等の金融サービスを展開しており、当該事業資金等については、主として金融機関からの借入金により調達しております。2015年12月期末における外部金融機関からの連結有利子負債(短期及び長期借入金、社債、コマーシャル・ペーパー、証券事業における信用取引借入金及びリース債務の合計)残高は660,897百万円であります。また、同じく連結子会社が展開する銀行事業においては、預金調達を行い、当該資金を有価証券、貸出金等で運用しております。このため、金利市場等の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 有価証券等の価格変動リスク

当社グループは、有価証券、金銭信託等の金融商品を多く保有しております。これらの有価証券等は、金融商品市場の動向等による価格変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 為替変動リスク

当社グループが行う外貨建投資及び外貨建取引について外貨建で実行するものは、為替変動リスクをヘッジすることを目指しております。また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成しておりますが、完全に当該リスクを回避することは難しく、外国為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

8 資金調達に関するリスク
当社グループの締結しているローン契約、コミットメントライン契約等借入に係る契約には財務制限条項が規定されている場合もあり、当社グループの経営成績、財政状態又は信用力が悪化した場合には、これらの条項に基づき既存借入金の一括返済を求められ、又は金利及び手数料率の引上げ、もしくは新たな担保権の設定を迫られる可能性があります。今後の資金調達については、金融市場が不安定な場合、また、当社グループの信用力が悪化する等、格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で、適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループのサービス展開の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

9 繰延税金資産に関するリスク
当社及び一部の連結子会社においては、国際会計基準(IFRS)に基づき、将来における税金負担額の軽減効果を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の計算は、事業の見通しに基づく将来の課税所得に関する見積りを含めた様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果が係る予測・仮定とは異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づいて、当社及び当該子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合や税制及び会計基準の変更が行われた場合、当該繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。


10 財務報告に関するリスク
当社グループは、「金融商品取引法」が定める内部統制報告制度に従い、財務報告に係る内部統制を強化しております。しかしながら、当社の内部統制に重要な欠陥が発見された場合、当社グループの社会的信用が低下し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

11 人材に関するリスク
当社グループのサービスにおいては、インターネットや金融をはじめとした各サービス分野において専門性を有する人材が必要であり、今後とも業容拡大及び国際展開に応じて継続した人材の確保を行うことが欠かせません。今後、各サービス分野及び地域における人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の創業者で、代表取締役会長兼社長である三木谷浩史が離職又は業務執行が困難となるような事態が生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

12 情報セキュリティ、システム及び通信ネットワークに関するリスク
当社グループは、運営する各種サービスにおいて、住所、氏名、電話番号、クレジットカード番号等の利用者個人を特定できる情報を取得しております。当社グループは、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っておりますが、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらが発生した場合に法的紛争に巻き込まれる可能性があるほか、内外監督当局からの処分を受ける可能性があり、係る場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されておりますが、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウィルス・マルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員の過誤等により、正常なサービスの提供に支障を生じる可能性があるほか、当社サービスの不正な利用、重要なデータの消去又は不正取得等が発生する可能性もあります。
これら事由によるサービスの停止や機能低下が生じた場合、収益機会の喪失、当社グループのシステム自体への信頼性低下又は損害賠償請求等が生じる可能性のほか、監督官庁からの処分等を受ける場合があります。
さらに、当社サービスの不正な利用については、適切な求償先を求めることができない場合、当社グループの損害となります。係る場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

13 災害紛争事故に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループのサービス運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な拠点である日本の首都圏、米国東海岸及び西海岸等において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供等が停止する可能性もあり、係る場合当社の信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等有事の際の対応策について検討及び準備を推進しておりますが、各種災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、各種災害等による物的、人的損害が甚大である場合にはサービスの継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。

14 事務リスク
当社グループは、業務の遂行において各種情報システムの活用や担当者以外の第三者が業務内容を二重に確認する再鑑制度の実施等、業務の正確性、効率性を高めるための様々な取組みを実施しております。しかしながら一部においては専用の情報システムが導入されておらず人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続きのミスが発生する可能性があります。業務の性質によっては、事務手続きのミスが安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失、個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また当社グループは、社内規範や事務手続きの標準化及び文書化に取り組んでおりますが、当社グループの急速なサービス拡大に伴う組織の改編、社員の増加等により、業務遂行に必要な知識の共有、継承が不十分になる可能性があり、その結果生じ得る事務手続きのミスの増加や生産性の低下が、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

15 風評リスク
当社グループを対象に、当社グループに関する様々な内容の報道や情報の流布が行われることがあります。これら報道や情報の流布については、必ずしも正確な情報に基づいていないものや、憶測に基づいたものも含まれておりますが、それらの内容の正確性や当社グループの該当有無に関わらず、当社サービスの利用者や投資者等の認識又は行動に影響を及ぼす可能性が考えられます。これらの報道や情報の流布の内容、規模等によっては、当社グループの事業及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

対処すべき課題研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05080] S10076DH)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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