有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007XPB
大成建設株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、「建設事業本業の深耕」の基本的方針のもと、品質と安全の確保によって高い顧客満足を得るとともに、安定的かつ持続的な成長を目的として、リニューアル・リプレイス分野、原子力分野、環境分野、エンジニアリング分野並びに都市開発分野に重点を置き、技術開発を推進している。実施に際しては、技術ニーズの高度化・多様化に対応し、また技術開発への投資効率を高めるべく、大学をはじめとした研究開発、異業種企業、同業他社等との社外アライアンスを積極的に推進している。
当連結会計年度における研究開発費は109億円である。このうち、主な研究開発事例とその成果は次のとおりである。
(土木事業)
当連結会計年度における研究開発費は109億円である。このうち、主な研究開発事例とその成果は次のとおりである。
(土木事業)
(1) 液状化対策のための解析技術の開発
液状化による建物の沈下を簡易に予測する解析手法を開発した。本解析手法は、地層などの地図情報や建物の形状・配置のデータを3次元でモデル化することで、構造物の不同沈下や建物同士の干渉による変状を精度よく短期間で解析でき、より安全で効果的な液状化対策を選定することができる。東日本大震災での戸建住宅の被災事例解析では、住宅の傾斜角や沈下量など実際の被災状況を再現しており、本解析手法の有効性を確認できた。今後は、プラント工場等の液状化対策検討などへの適用を図る。(2) 山岳トンネル工事における前方探査・湧水対策技術の開発
山岳トンネル工事において安全な掘削を行うために、トンネルの地山状況や湧水対策効果を事前に定量把握する技術を開発した。トンネル切羽前方探査「T-SPD」は、トンネル穿孔振動を用いて地山を探査するもので、前方500m区間において、崩落の恐れがある不良地山を高精度に把握することが可能となる。「T-WELL_FLO」は、山岳地帯のトンネル工事において高圧・大量湧水が発生すると予測される場合の排水対策として行う水抜きボーリングの圧力損失を考慮した排水効果を解析する手法で、水抜きボーリング孔の数や配置、径・長さなどを最適に計画・設計することができるため、より効果的で安全な排水対策が可能となる。今後は、大土被りの山岳トンネルプロジェクトを対象に適用を図る。(3) 微生物を用いた地下水汚染浄化技術の開発
製品評価技術基盤機構(NITE)と共同で、汚染された地下水を微生物を用いて従来方法の半分以下の期間で浄化する技術を開発した。この技術では、有害な塩素化エチレン類を無害化する特殊な細菌を、増殖促進菌と共に培養することにより、増殖速度を従来の倍以上に速めることで脱塩素化を速やかに進行させることが可能となる。今後は、実汚染サイトで浄化効果を確認するとともに1~2年後の実用化を目指す。(4) 既設柱の耐震補強技術の開発
グループ会社の成和リニューアルワークス㈱と共同で、柱部材の耐震補強技術「CFパネル工法」を開発した。本工法は、炭素繊維シートをフレキシブルボード(繊維強化セメント板)で挟んだ複合パネルにより既設柱を囲うもので、炭素繊維を柱部材に巻き立てる従来の耐震補強工法と同等の性能を有しており、重機を使用せず少ない現場作業で施工可能で、工期短縮と施工費削減を図ることができる。今後は、工事スペースや作業時間に制約がある地下街や地下鉄、大型重機が使えない場所への適用を図る。(5) 次世代無人化施工システムの開発
将来的な人手不足対策や生産性向上を目的として、建設機械を自動制御するシステムを開発した。当システムは、建設機械の操作者が作業目標を設定し、スタートボタンを押すだけで、建設機械に搭載されたセンサー類により周辺状況を建設機械自体が判断しながら作業をするため、遠隔操作も熟練したオペレーターも必要としない、誰でも安全・簡単に操作可能な「次世代の無人化施工システム」である。今後は、技術の更なる高機能化を図るとともに、人の立ち入ることのできない危険区域や災害現場での適用のみならず、ダム、大規模造成工事等への用途拡大を図る。(6)連結子会社における研究開発の主なもの
大成ロテック㈱において、舗装の耐久性向上・維持修繕に関わる技術として「ひび割れとわだち掘れの発生しにくいアスファルト混合物の開発」や環境にやさしい「耐久性の高いひび割れ補修材の開発」、循環型社会の構築へ向けた舗装技術からのアプローチとして「繰り返し再生されたアスファルト混合物の望ましい再生方法の検討」や「CO2排出量の削減を目的とした中温化技術の高度化」、寒冷地の冬季路面対策として車道用凍結抑制舗装技術の開発」や「歩道用の除雪補助機能を有する舗装の開発」、歩行空間の暑熱環境改善技術として「給水型保水性ブロック舗装システムの改良」及びデング熱などの感染症のリスク軽減に関する技術として「虫除け機能を有する舗装の開発」等の研究を行っている。(建築事業)
(1) 「ZEB実証棟」年間エネルギー収支ゼロを達成
2014年に技術センター内に建設されたZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)実証棟において、都市型の建物としては国内で初めて年間エネルギー収支ゼロを達成した。当社のZEB技術は、エネルギー消費を一般のオフィスビルに比べ75%削減するとともに残り25%を太陽光発電で創出するものであり、2020年の市場投入に向け技術開発を進めている。また、一般ビルのZEB計画を目的として「T-ZEBシミュレーター」を開発し、短期間でエネルギー収支予測及びZEB評価、コスト算出を可能とした。(2) エアカーテンによる清浄空気環境技術の開発
空気のカーテンで外部を遮り、屋内の特定の空間のみ空気清浄度を高めるクリーンブース技術「T-Clean Air Wall」を開発した。一定の作業エリアに対し天井外周部から1m/s程度の微風を下方に送るものであり、クリンブース内部はビニルカーテンやガラスで区画する従来のクリーンブースと同等の清浄度を確保できる。また、壁等を設けないため、人や搬送装置の移動動線の妨げといった問題を解消し、高い作業性を確保できる。今後は、電子デバイス製造施設の新築や改修等において、省エネや低コストが求められるような局所クリーン化が必要とされるクリーンルームに対して提案を行うとともに、食品工場、医療施設等さまざまな施設への展開を図る。(3) 土壌細菌による汚染水浄化技術の開発
大阪大学・北里大学と共同で、工業廃水に含まれる規制物質「1,4-ジオキサン」を効果的に除去する技術を開発した。従来技術は、エネルギー消費が大きく高コストであったが、大阪大学グループが発見した微生物(D17株)を応用することで、イニシャルコストを8割、ランニングコストを5割低減できる。今後は、多くの化学物質を含む難易度の高い工場廃水の処理実験を進め、化学品工場への導入を目指す。同技術で日本経済新聞社「第25回 日経地球環境技術賞」優秀賞を受賞した。(4) 鉄筋の挿入・定着による既存建物の耐震補強技術の開発
既存の鉄筋コンクリート建築物の増改築時において、既設・新設の躯体を一体化させるための鉄筋挿入・定着工法「Post-Head-Anchor(ポスト・ヘッド・アンカー)」を開発した。地震時に発生する引張力を躯体間で確実に伝達することで建築物の耐震性能を大幅に向上させるだけでなく、既存躯体への影響を最小限に抑え、短工期で施工できる。今後は、発電所等の重要施設の地震・津波時対策として、建屋の安定性確保など既設建築物の補強・増設工事への適用を目指すとともに、一般的な建築物の増改築や耐震補強技術として適用を図る。(5) ウェアラブル端末を利用した施工支援技術の開発
ICT技術を活用した施工の省力化・省人化技術として、ウェアラブル端末を活用した墨出し測量システム「T-Mark.Navi」を開発した。本システムは、眼鏡型のウェアラブル端末と専用測量機器を連携させウェアラブル端末の画面表示により作業員を目標とする測点まで誘導し、作業員の音声操作により測点の位置を決定するシステムである。これまで2人1組で行っていた測量作業を単独で行うことができ、作業時間も約3割短縮できる。現在、数ヵ所の建設現場で運用を開始している。経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00052] S1007XPB)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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