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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007TTB

有価証券報告書抜粋 株式会社アイロムグループ 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の研究開発活動は、新規事業の先端医療分野において、センダイウイルスベクターの基盤技術・基本特許ならびにiPS細胞作製技術と特許を活用して、遺伝子創薬、再生医療の研究開発を行っております。
遺伝子創薬領域においては、主要パイプラインとして虚血肢治療製剤、網膜色素変性症治療製剤、エイズ治療ワクチンの開発を進めています。虚血肢治療製剤については、企業治験を積極的に推進しており、オーストラリアでは、ヒト研究倫理委員会(Human Research Ethics Committees)および遺伝子技術規制局(Office of the Gene Technology Regulator:OGTR)の承認を取得し、2016年4月に第I/IIa相試験を開始しました。また、中国では同国の循環器系疾患およびバイオ医薬品のトップメーカーである深圳信立泰薬業股份有限公司(英語名:Shenzhen Salubris Pharmaceuticals Co., Ltd.)のもとで臨床試験を進めることを決定し、2016年度中に第I相試験を開始する予定です。網膜色素変性症治療製剤については、九州大学病院で行った第Ⅰ/Ⅱa相に相当する臨床研究において5名の患者様に投与され、現在まで投与した製剤由来の安全性について特段の問題は確認されていません。センダイウイルスベクターを用いたエイズ治療ワクチンについては、国立感染症研究所と臨床応用を目指した効果的なワクチンの構築と免疫方法の確立のための共同研究を進めています。本共同研究では、当社グループのウイルスベクターのノウハウと国立感染症研究所がもつ感染症及びワクチンの関する知見を活かし、臨床応用を想定した抗原の選択・エプトープ解析・免疫誘導実験などの基礎研究を実施するとともに、ワクチンプロトコールを確立することを通じて効果的なワクチンの創出に貢献してまいります。
再生医療領域への取り組みとして、センダイウイルスベクターにiPS細胞作製に関わる4つの山中因子(Oct遺伝子、Sox遺伝子、Klf遺伝子、Myc遺伝子)を搭載したiPS細胞作製キット「CytoTune®-iPS」を開発しましたが、この技術をもとにして臨床用iPS細胞の作製に供するCytoTune®-iPSの開発・製造を行い、大手製薬企業等への提供を開始しました。またiPS細胞作製技術開発に加えて、iPS細胞由来の治療用分化細胞の作製についても有力な研究機関との共同研究を通じて取り組んでいます。iPS細胞から分化誘導に必要な転写因子を搭載したセンダイウイルスベクターを作製し改良を行うことで、センダイウイルスベクターを用いた疾患標的細胞への分化誘導法の確立を目指しています。
さらに、当社グループは医薬品製造受託機関としての事業展開をすべく、GMP基準の臨床用ベクター、遺伝子治療製剤、ならびに再生医療製品等の製造を行うGMPベクター製造施設の建設を進めており、2016年4月に着工しました。当該施設は2016年9月に竣工し、2017年の年初より稼働を予定しています。
当連結会計年度においては、米国屈指のインキュベーションセンターであるStanford Medicine Xとの提携を行いましたが、このような国内外の再生医療を進める有力機関・研究者とのネットワークの構築を継続することで、新規開発候補品等の確保に努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は124百万円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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