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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007ZDM

有価証券報告書抜粋 株式会社大林組 研究開発活動 (2016年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(建設事業)
当社グループは、社会及び顧客の多様なニーズに応えるため、環境保全、エネルギー対策等の社会に貢献する技術や、生産性向上、品質確保、コストダウン等に資する工法や技術の開発を行うなど、主に建設事業に関して多岐にわたる研究開発活動を実施している。
また、研究開発活動の幅を広げ、効率化を図るため、国内外の大学、公的研究機関、異業種企業との技術交流、共同開発も積極的に推進している。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は約100億円であり、主な研究開発成果は次のとおりである。
なお、当社は研究開発活動を国内建築、海外建築、国内土木及び海外土木の各セグメントには区分していない。

(1) 当社
① 建設現場で複数点のWBGT(暑さ指数)を連続測定・一括管理できる「暑さ指数ウォッチャー」を開発
建設現場で働く作業員や従業員の安全な作業環境を整備するため、現場内の複数箇所で暑さ指数(人体に影響する湿度、日射・輻射、気温などを取り入れた指標)を分単位で連続測定し、その情報を工事事務所で一元管理できるシステム「暑さ指数ウォッチャー」を開発した。
測定値のグラフ表示や帳票出力、危険度通知のメール配信などの機能があり、作業員の作業強度や着衣量、暑さへの慣れなどを考慮した基準値を自動設定できる機能も有する。既存の計測機に比べコンパクト化と低コスト化を実現した。

② 自動搬送システムの機能向上に向けて新たに「低床式AGV(無人搬送車)」を開発
建設現場の生産性向上を図るため、資機材を自動で運搬する「低床式AGV(無人搬送車)」を開発した。
当社が2013年に開発した無人搬送車による自動搬送システムの機能を向上させ、磁気テープ上での自動走行だけでなく、無線コントローラーを使った自在な走行や段差やスロープを乗り越える走行を可能にした。さらに、運搬する資機材の下に車体全体が収まるコンパクトな形状になったことに加えて、資機材を積載したまま工事用の仮設エレベーターに乗り込むことが可能となった。これにより、資機材を上層階へ搬送する際に搬送車への積み込み、積み降ろし作業がなくなり、生産性が大幅に向上する。

③ 生コンクリートの鮮度を保ちコールドジョイントを防止する「フレッシュキープ工法」を開発
生コンクリートの流動性を最大3時間延長し、コールドジョイント(打継ぎ部の不連続面)や充填不良を防止する「フレッシュキープ工法」を開発した。
コンクリートの許容打重ね時間の間隔は、コンクリート標準示方書では2.5時間以内とされているが、竹本油脂㈱と共同開発した特殊混和剤を製造後のコンクリートに混入するだけで、最大3時間延長できる。流動化剤を使用するより長時間流動性を保持でき、強度発現時期は従来のコンクリートと変わらない工法である。

④ 2液混合型注入止水工法「ミクストグラウト™」を開発
コンクリートのひび割れ部からの漏水を確実に遮断する工法「ミクストグラウト™」を㈱MASUDAと共同開発した。ポリウレタン樹脂と特殊水性エマルションを混合させる2液混合型注入止水工法である。
ポリウレタン樹脂は特殊水性エマルションと混合させることで速やかに硬化し、止水性能を発揮する。本工法の止水材は乾燥した際の収縮が小さいことも特長である。コンクリートのひび割れ部の漏水量や乾湿状態を問わず施工できる。

⑤ 鉄道ラーメン高架橋の新プレキャスト工法を開発・実用化
モルタルスリーブ継手を用いて柱と梁の接合部も含めてフルプレキャスト化する鉄道ラーメン高架橋工法を公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同で開発した。
当社が多くの高層ビル建築に適用してきたプレキャスト工法を鉄道ラーメン高架橋の施工に応用し、シース管とモルタルスリーブ継手を用いることで、仕口部を含めてフルプレキャスト化したものである。これまで鉄道ラーメン高架橋に適用してきたハーフプレキャスト工法に比べて省力化でき、工期を最大30%短縮できる。また、部材を工場製作することで、安定した品質を確保できる。

⑥ メタル調の仕上がりを実現したプレキャストコンクリート用塗装技術「エココート工法®」を開発・適用
建物の外壁カーテンウォールなどに使用されるプレキャストコンクリート板をメタル調に仕上げる、意匠性の高い塗装技術「エココート工法®」を開発した。
新たに開発した水系塗装材料を適用することで、塗装仕上げが難しい軽量コンクリート製のプレキャストコンクリート板も、メタル調の美しい鏡面仕上げができるようになった。「エココート工法®」は、既に複合ビルの外壁などに適用している。
⑦ 洋上風車の基礎及びアンカーに適用する「スカートサクション」を開発
洋上風車を海底地盤に固定する海洋構造物「スカートサクション」を開発した。
スカートサクションは頂版及び頂版から下方に伸びた円筒形の鉛直壁(スカート)で構成され、スカートを海底地盤に貫入させることで、従来の基礎やアンカーに比べ強固に洋上風車を海底地盤に固定する。引き抜き抵抗は通常の着床式の基礎に比べ約3倍、浮体式のアンカーに比べ約5~8倍である。また、海底地盤へ設置する際に大型の機械などを使用しないため、従来に比べ大幅なコスト低減と工期短縮を可能にする。

⑧ スマートシティエネルギーシステムの設計支援ツール「エコナビ®(シティ版)」を開発
スマートシティにおけるエネルギーシステムの設計支援ツール「エコナビ®(シティ版)」を開発した。
近年、各地で計画されているスマートシティでは、個々の建物の省エネ・低炭素化に加え、エリア内の複数の建物群をネットワーク化し、分散型電源システムの導入、建物間で電気・熱を融通するエネルギーの共同利用等により、さらに大きな省エネルギー効果が期待されている。今回開発した「エコナビ®(シティ版)」は、複数の建物や施設からなるエリアの省エネ・低炭素化を図るとともに、エリア内のエネルギー消費量や電力自給率等を簡単に評価できる最適なシステム設計ツールである。

(2) 大林道路㈱
アスファルト合材温度の遠隔測定装置「温度はかり隊」を東海電気工業㈱と共同で開発し、実用化した。
ダンプトラックに測定装置を取り付け、アスファルト合材の中に温度センサーを挿入することで、工場出荷時と現場到着時の温度だけではなく、ダンプでの輸送中や、アスファルトフィニッシャーへの投入時の温度の自動測定・記録が可能となり、安定した品質管理に役立てることができる。
また、長大橋や都市部の高速道路などで今後需要が見込まれる舗装の全層打ち換えに対応して、鋼床版の防水層と舗装の基層を兼ねて施されるグース舗装の耐久性と汎用性を改善し、環境負荷を低減した「改質グース」を開発した。

(3) ㈱内外テクノス
不燃木材の薬剤溶出を抑制できる塗料を当社、大谷塗料㈱と共同開発し、実用化した。
不燃木材に塗布する薬剤は、高湿度の環境下で溶けやすいため、溶け出した薬剤が乾いて固着し白くなる白華現象が発生しやすい。今回共同開発した塗料は、主成分に標準的なウレタン樹脂を用いながら添加剤を加えることで、既存の不燃認定の仕様を変えることなく薬剤が溶け出すことを防ぎ、白華現象を抑制することが可能となった。

(不動産事業及びその他)
研究開発活動は特段行っていない。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00055] S1007ZDM)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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