有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007VII
株式会社DNAチップ研究所 研究開発活動 (2016年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社の研究開発の目標は、診断に有用なコンテンツの開発及びそれらを搭載したチップの開発並びに応用技術の利用に必要な要素技術を開発することであります。このために、関連技術を有する大学・研究機関及び企業等と手を組み共同研究や研究の受託を積極的に推進しております。
当事業年度に実施した研究開発活動は以下のとおりです。
1.診断メニュー拡充のための取組み
①関節リウマチに関する研究
ⅰ.関節リウマチの多剤効果予測に関する研究
・DNAチップを使用したサービスに関する研究
・qPCRを使用したサービスに関する研究
ⅱ.関節リウマチ活性化マーカー(FAM20A)関する研究
②うつ病診断に関する研究
③アルツハイマー病診断に関する研究
2.国プロジェクト等における研究開発活動
再生医療関連
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)から委託を受け「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発」に参加し、多能性細胞由来の再生医療製品製造システムの開発(心筋・神経・網膜色素上皮・肝細胞)、ヒト間葉系幹細胞由来の再生医療製品製造システムの開発を実施いたしました。
同じく国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)から委託を受け、「再生医療等の産業化に向けた評価手法等の開発」に受託者として、自己軟骨細胞シート(最終製品)の品質管理項目を設定し、細胞シート作製時の細胞形態、細胞シートの物性や移植後の機能との関連解析を行い、その品質評価系の確立目指し研究開発活動を実施しました。
また、国立研究開発法人 科学技術研究機構から委託を受け、戦略的創造研究推進事業(チーム型研究CREST)の「生命動態の理解と制御のための基盤技術の創出」に参加し、動的遺伝子ネットワークの多次元構造解析による高精度な細胞分化制御技術の開発を実施しました。
3.当事業年度に発表した論文及び記事
①バーコード配列の利用による血中遊離DNAの高精度な配列決定と絶対定量
当社は、大阪府立成人病センター、大阪大学大学院医学系研究科と共同で、血中遊離DNAの高精度な配列決定と絶対定量を可能にする「NOIRシーケンス・システム(Non-overlapping integrated reads sequencing system)」の確立に成功しました。
本研究成果は国際科学論文誌「DNA Research」に掲載されました。
②哺乳類の卵母細胞におけるX染色体と常染色体の遺伝子発現の不均衡性
当社は、国立研究開発法人国立成育医療研究センターと共同で、卵母細胞のX染色体と常染色体間の遺伝子発現量の不均衡性が哺乳類における転写物の特徴であるとの報告を行いました。
本研究成果は国際誌「Scientific Reports」に掲載されました。
③軟骨細胞シートによる再生医療に適した品質評価法
当社は、東海大学医学部外科学系整形外科学と共同で、長期間継代培養した軟骨細胞の品質評価に適した品質評価としてアレイCGH解析を実施しました。
本評価法が、培養軟骨細胞シートを用いた変形性関節症の治療に貢献し、さらには他の継代培養細胞の品質評価に応用されることが期待されます。
本研究成果は国際誌「Tissue Engineering」に掲載されました。
④個人ゲノムを用いた、肺がん免疫療法のターゲットとなる新抗原の新たな選択方法を開発
国立大学法人東京大学医学部附属病院、公益財団法人かずさDNA研究所及び株式会社メディネットとの共同研究において、個人ゲノムを用いた、肺がん免疫療法のターゲットとなる新抗原 (neoantigen) 候補の新たな選択方法を開発いたしました。
本研究成果は、国際誌「Journal of Thoracic Oncology」に掲載されました。
4.当事業年度に取得・申請した特許
「Tヘルパー17細胞分化の抑制剤」に関する特許出願を、公益財団法人かずさDNA研究所及び国立大学法人千葉大学と共同で行いました。
なお、2016年3月期の研究開発費は31,121千円であります。
5.現在進めている、共同研究開発内容は次のとおりであります。
共同研究提携先 | 研究内容 | 開発する診断チップ/コンテンツ | |
1 | ・国立大学法人金沢大学大学院医学系研究科 | 血液を用いた糖尿病と遺伝子の関係を判断する方法に関する研究 | 糖尿病診断チップ/コンテンツ |
2 | ・学校法人慶應義塾大学医学部 | 未病社会の実現のための健康モニタリングシステムの開発 | 次世代健康情報システムの構築 |
上記の他に 国立大学法人大阪大学大学院とヒト消化器癌に関する共同研究開発、公立大学法人和歌山県立医科大学、学校法人埼玉医科大学及び学校法人慶應義塾大学と関節リウマチに関する共同研究開発、また、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとストレス性神経疾患に関する共同研究開発を行っております。
詳細な内容は、第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 (4)共同研究契約の2~5をご参照ください。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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