有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007PXV
株式会社ZOZO 業績等の概要 (2016年3月期)
(1) 業績
[表1]前年同期比 (単位:百万円)前連結会計年度 (実績) | 当連結会計年度 (実績) | 前年同期比 | |||
商品取扱高 | 129,059 | (100.0%) | 159,500 | (100.0%) | +23.6% |
売上高 | 41,182 | (31.9%) | 54,422 | (34.1%) | +32.1% |
差引売上総利益 | 38,777 | (30.0%) | 50,085 | (31.4%) | +29.2% |
営業利益 | 15,084 | (11.7%) | 17,756 | (11.1%) | +17.7% |
経常利益 | 15,139 | (11.7%) | 17,883 | (11.2%) | +18.1% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 8,999 | (7.0%) | 11,988 | (7.5%) | +33.2% |
( )内は商品取扱高に対する割合です。
当社グループは、「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念のもと、日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」及びファッションプラットフォーム「WEAR」の運営を中心に事業活動を行っております。当連結会計年度における日本国内の衣料品・アクセサリー市場は、中国経済の減速、消費税増税、マイナス金利といった不安材料を背景に節約志向が一段と強まっている感があります。しかしながら、当社グループが軸足を置くファッションEC市場においては、百貨店及びブランドによるオムニチャネル戦略の積極化、マイクロBtoC、CtoC、キュレーション系サービス等に参入する企業が増加することで、着実に裾野は拡大しております。
このような環境下、当連結会計年度における当社グループは、「ZOZOTOWN」のユニークユーザー数拡大及びコンバージョンレート(ユニークユーザーの購買率)向上のために、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに一層傾注してまいりました。具体的には、新規出店の加速、ポイントプロモーション等の積極化、リアルタイムでのコミュニケーションを重視したCRMへのリプレイス、コーディネートレビューの充実、各ユーザーインターフェイスのユーザビリティ改善等を実施いたしました。
また、ファッション市場全体の活性化を狙ったファッションプラットフォーム「WEAR」については、引続きマスメディア等を活用したプロモーションによらず、堅実な啓蒙活動に終始してまいりました。その結果、2016年3月にはアプリダウンロード数650万超、月間利用者数700万人超と、堅調に推移しております。
これらの結果、当連結会計年度の商品取扱高は159,500百万円(前年同期比23.6%増)、売上高は54,422百万円(同32.1%増)、差引売上総利益は50,085百万円(同29.2%増)となりました。セールスミックスの変化及びZOZOUSEDの伸長に加え、その他売上高も増加したことから、差引売上総利益率(対商品取扱高)が31.4%(前年同期比1.4ポイント増)となりました。
販売費及び一般管理費は32,328百万円(前年同期比36.4%増)となり、商品取扱高に対する販管費率は前年同期実績18.4%から20.3%へと上昇いたしました。前年同期は抑制していたプロモーションコストを幾分増やしたことに加え(商品取扱高に対する比率が前年同期実績1.3%から2.5%に上昇)、ZOZOUSEDの伸長に伴いフルフィルメントコストが増加したこと、即日配送エリア拡大に伴う利用率の上昇及び出荷単価の下落により荷造運搬費の負担割合が上昇したことなどが販管費率の上昇に繋がりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は17,756百万円(前年同期比17.7%増)、経常利益は17,883百万円(同18.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,988百万円(同33.2%増)となりました。
[表2]期初計画比 (単位:百万円)
当連結会計年度 (期初計画) | 当連結会計年度 (実績) | 計画比 | |||
商品取扱高 | 168,200 | (100.0%) | 159,500 | (100.0%) | -5.2% |
売上高 | 53,800 | (32.0%) | 54,422 | (34.1%) | +1.2% |
営業利益 | 19,140 | (11.4%) | 17,756 | (11.1%) | -7.2% |
経常利益 | 19,160 | (11.4%) | 17,883 | (11.2%) | -6.7% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,520 | (7.4%) | 11,988 | (7.5%) | -4.2% |
( )内は商品取扱高に対する割合です。
2015年4月30日に開示いたしました期初計画に対しては、商品取扱高が5.2%の未達、売上高が1.2%の過達、営業利益が7.2%の未達、経常利益が6.7%の未達、親会社株主に帰属する当期純利益が4.2%の未達となりました。商品取扱高についてはZOZOUSED及びBtoB事業が期初計画を上回って推移したものの、ZOZOUSEDを除くZOZOTOWN事業及びフリマ事業がそれぞれ未達となりました。セールスミックスの変化及びその他売上高の増加により、売上段階では期初計画を過達となったものの、プロモーションコストを期初想定よりも増やしたことから、営業利益段階では再び期初計画に対し未達に転じました。
第4四半期連結会計期間(2016年1月〜3月)における商品取扱高は前年同期比28.7%増となりました。第1四半期連結会計期間22.2%増(消費税増税等の特殊要因調整後17.2%増)、第2四半期連結会計期間18.4%増(同20.5%増)、第3四半期連結会計期間23.5%増という成長モメンタムを第4四半期連結会計期間についても堅持することができました。ビジネスモデル変更の端境期にあるBtoB事業は前年同期比45.9%減となりましたが、ZOZOTOWN事業が40.0%増で推移いたしました。
収益面においては、第3四半期連結会計期間に積極的に行ったマスメディアを活用したプロモーションを第4四半期連結会計期間に抑制したこともあり、販管費率(対商品取扱高)が19.4%(第1四半期連結会計期間19.4%、第2四半期連結会計期間21.8%、第3四半期連結会計期間20.6%)となりました。その結果、第4四半期連結会計期間の営業利益率(対商品取扱高)は12.6%となりました。
なお、当社グループはEC事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、単一セグメント内の各事業区分の業績を示しております。
各事業別の業績は、以下のとおりです。
[表3]事業別前年同期比
事業別 | 前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) | 取扱高 前年同期比 (%) | 売上高 前年同期比 (%) | ||||
取扱高 (百万円) | 構成比 (%) | 売上高 (百万円) | 取扱高 (百万円) | 構成比 (%) | 売上高 (百万円) | |||
ZOZOTOWN事業 | ||||||||
(受託ショップ) | 106,145 | 82.3 | 29,725 | 137,452 | 86.2 | 39,313 | +29.5 | +32.3 |
(買取ショップ) | 766 | 0.6 | 766 | 693 | 0.4 | 693 | -9.5 | -9.5 |
(ZOZOUSED) | 4,446 | 3.4 | 4,446 | 7,958 | 5.0 | 7,958 | +79.0 | +79.0 |
小計 | 111,358 | 86.3 | 34,938 | 146,105 | 91.6 | 47,966 | +31.2 | +37.3 |
BtoB事業 | 17,701 | 13.7 | 4,477 | 13,280 | 8.3 | 3,256 | -25.0 | -27.3 |
フリマ事業 | - | - | - | 114 | 0.1 | 6 | - | - |
その他 | - | - | 1,766 | - | - | 3,192 | - | +80.7 |
合計 | 129,059 | 100.0 | 41,182 | 159,500 | 100.0 | 54,422 | +23.6 | +32.1 |
① ZOZOTOWN事業
ZOZOTOWN事業は、「受託ショップ」「買取ショップ」「ZOZOUSED」の3つの事業形態で構成されております。「受託ショップ」は各ブランドの商品を受託在庫として預かり、受託販売を行っております。「買取ショップ」は各ブランドからファッション商材を仕入れ、自社在庫を持ちながら販売を行っております。「ZOZOUSED」は個人ユーザー等から中古ファッション商材を買取り、販売を行っております。
当社では、ファッションECサイトの運営においては「購入者数の拡大」及び「ファッション消費におけるZOZOTOWN利用率上昇」が重要なファクターであると考え、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに取り組んでおります。当連結会計年度に取り組んだ主なものとしては、ターゲット顧客や中心価格帯の異なる様々なカテゴリーに属するショップの新規出店加速が挙げられます。具体的には当連結会計年度において「NATURAL BEAUTY BASIC」「POLO RALPH LAUREN」「Right-on」「ABC-MART」「Samantha Thavasa」等280ショップを新規に出店させることができました。2016年3月末現在の総ショップ数は867ショップ(2015年3月末686ショップ)となっております。また、ポイントプロモーションの積極化などを通じ既存ブランドとの関係を一層強化することで預り在庫量の拡充にも努めました。さらに、リアルタイムでのコミュニケーションを重視したCRMへのリプレイス、コーディネートレビューの充実、各ユーザーインターフェイスのユーザビリティ改善等が奏功し、2016年3月末時点の年間購入者数(2015年4月〜2016年3月)は4,477,350人(前年同期比920,106人増)、出荷件数は15,111,458件(前年同期比41.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度のZOZOTOWN事業の商品取扱高は146,105百万円(前年同期比31.2%増)、売上高は47,966百万円(同37.3%増)となりました。
なお、ZOZOTOWN事業に係る主なKPIの推移は以下のとおりです。
[表4]KPI推移
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
ZOZOTOWN出店ショップ数(注)1 | 645 | 659 | 685 | 686 | 685 | 720 | 839 | 867 |
内)買取ショップ | 18 | 17 | 23 | 30 | 27 | 26 | 28 | 24 |
受託ショップ | 627 | 642 | 662 | 656 | 658 | 694 | 811 | 843 |
年間購入者数(注)2 | 3,406,119 | 3,522,575 | 3,571,252 | 3,557,244 | 3,603,196 | 3,698,254 | 4,034,742 | 4,477,350 |
内)アクティブ会員数 | 2,127,592 | 2,217,050 | 2,287,233 | 2,331,739 | 2,401,421 | 2,401,317 | 2,522,500 | 2,686,926 |
ゲスト購入者数 | 1,278,527 | 1,305,525 | 1,284,019 | 1,225,505 | 1,201,775 | 1,296,937 | 1,512,242 | 1,790,424 |
年間購入金額(注)2、4、5 | 43,405 | 42,972 | 43,214 | 43,529 | 44,279 | 46,135 | 47,140 | 47,937 |
年間購入点数(注)2、4 | 7.4 | 7.5 | 7.6 | 7.7 | 8.0 | 8.6 | 8.9 | 9.4 |
出荷件数(注)3 | 2,372,373 | 2,782,854 | 2,557,804 | 2,994,432 | 3,007,626 | 3,330,674 | 3,901,739 | 4,871,419 |
平均商品単価(注)3、5 | 5,444 | 4,742 | 6,790 | 5,538 | 5,041 | 4,522 | 5,939 | 4,922 |
平均出荷単価(注)3、5 | 9,791 | 9,031 | 12,126 | 10,680 | 9,605 | 9,277 | 10,651 | 9,189 |
デバイス別出荷比率(注)3 | ||||||||
PC | 43.5% | 42.8% | 40.8% | 39.7% | 38.7% | 36.9% | 33.4% | 31.3% |
スマートフォン | 54.6% | 55.5% | 57.9% | 59.1% | 60.4% | 62.3% | 66.0% | 68.2% |
モバイル | 1.9% | 1.7% | 1.4% | 1.1% | 0.9% | 0.7% | 0.6% | 0.5% |
(注) 1 四半期会計期間末日時点の数値を使用しております。
2 集計期間は会計期間末日以前の直近1年間としております。
3 四半期会計期間の数値を使用しております。
4 アクティブ会員1人あたりの指標となっております。
5 円単位となっております。
2015年4月~2016年3月におけるアクティブ会員1人当たり年間購入金額は47,937円(前年同期比10.1%増)、年間購入点数は9.4点(同22.1%増)となりました。2015年3月期第2四半期連結会計期間をボトムにプラス基調が続いており、当連結会計年度は一段と上昇速度が高まりました。背景には、ブランドとの協業による積極的なクーポン施策を打ち出したこと、ライフスタイルや利用シーンの多様化に合わせたCRMシステムにリプレイスしたことなどによりユーザーの利用頻度が高まったことが挙げられます。
当連結会計年度の平均商品単価は5,099円(前年同期比8.8%減)、平均出荷単価は9,669円(同7.0%減)となりました。二次流通商材を扱うZOZOUSEDの構成割合が上昇したこと、プロパー価格の低下、セール販売比率の上昇などが商品単価の下落に繋がりました。
受託ショップ、買取ショップ及びZOZOUSEDの実績は以下のとおりです。
a.受託ショップ
当連結会計年度の商品取扱高は137,452百万円(前年同期比29.5%増)、商品取扱高に占める割合は86.2%(前年同期実績82.3%)となりました。売上高(受託販売手数料)は39,313百万円(前年同期比32.3%増)となりました。2016年3月末現在、受託ショップ事業では843ショップ(2015年3月末656ショップ)を運営しております。
b. 買取ショップ
当連結会計年度の商品取扱高は693百万円(前年同期比9.5%減)、商品取扱高に占める割合は0.4%(前年同期実績0.6%)となりました。売上高は商品取扱高と同額の693百万円(前年同期比9.5%減)となりました。2016年3月末現在、買取ショップ事業では24ショップ(2015年3月末30ショップ)を運営しております。
c. ZOZOUSED
当連結会計年度の商品取扱高は7,958百万円(前年同期比79.0%増)、商品取扱高に占める割合は5.0%(前年同期実績3.4%)となりました。売上高は商品取扱高と同額の7,958百万円(前年同期比79.0%増)となりました。買取サイトのリニューアル、リユースバッグの活用、雑誌とのタイアップ広告の積極化などが奏功し、二次流通商材の買取量を順調に増やすことができました。
②BtoB事業
BtoB事業では、ブランドの自社ECサイトの構築及び運営を受託しております。当連結会計年度の商品取扱高は13,280百万円(前年同期比25.0%減)、商品取扱高に占める割合は8.3%(前年同期実績13.7%)となりました。売上高(受託販売手数料)は3,256百万円(前年同期比27.3%減)となりました。ブランドが自社ECサイトに集客力や購買率向上を求めるだけでなく、実店舗との連携等にも目を向けるようになってきたことに対応し、従来の事業形態からの脱却を進めております。2016年3月末現在、BtoB事業では35サイト(STORES.jp PRO事業による運営サイトを含む)の構築及び運営を受託しております(2015年3月末33サイト)。
③フリマ事業
フリマ事業では、スマートフォンアプリ内においてファッションアイテムを個人間売買する「ZOZOフリマ」を運営しております。当連結会計年度の商品取扱高は114百万円、売上高は6百万円となりました。フリマ事業は2015年12月にスマートフォンアプリをローンチしたばかりで、本格的な事業展開は翌連結会計年度以降となります。既に多くのプレーヤーが同市場には参入している中、当社グループは規模の拡大を狙うのではなく、「ZOZOTOWN」及び「WEAR」で培ったファッションECの運営ノウハウと豊富な商品データベースを活用することで差別化を明確にし、ファッションEC全体のエコシステム確立を目指してまいります。
④その他
その他には、ZOZOTOWN事業及びBtoB事業に付随した事業の売上(会費収入、送料収入、代引手数料収入など)や、連結子会社のその他売上高が計上されております。当連結会計年度のその他売上高は3,192百万円(前年同期比80.7%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から13,217百万円減少し、11,495百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 10,487 | 12,027 | 14.7% |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △501 | △2,175 | 333.8% |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △3,109 | △23,222 | 646.8% |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は12,027百万円となりました。主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益18,044百万円の計上に加え、受託販売預り金の増加額1,181百万円、非資金項目の減価償却費768百万円及びのれん償却額744百万円の計上による増加要因があったことによるものであります。一方、主な減少要因としては、売上債権の増加額1,876百万円及び法人税等の支払額6,049百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は2,175百万円となりました。これは、投資有価証券の取得による支出1,542百万円、有形固定資産の取得による支出833百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は23,222百万円となりました。これは、自己株式取得による支出19,002百万円、配当金の支払額4,212百万円があったこと等によるものであります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05725] S1007PXV)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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