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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007YTZ

有価証券報告書抜粋 王子ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発活動は、全体の研究開発を統括するイノベーション推進本部と各事業会社の研究開発部門、各工場の研究技術部等が機動的に連携しながら取り組んでいます。イノベーション推進本部は、ユーザーのニーズを迅速に取り入れた新製品開発から、明日の王子グループを支える新事業・新製品創出の担い手として、革新的価値の創造を目指した研究開発を行っています。当連結会計年度末における当社の保有特許権・実用新案権・意匠権の総数は国内1,516件、海外312件です。また保有商標権の総数は国内946件、海外583件です。
当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりです。

グループ全体の既存事業の競争力強化として、パルプ、抄紙、塗工、紙物性の各分野で、蓄積・体系化された技術を基に、新製品開発及び品質改善に取組んでいます。国内工場では、品質向上・操業の安定化、コストダウンの推進を図り、海外事業への水平展開も進めています。

(1)生活産業資材
産業資材事業では、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、異物欠陥削減等の品質・操業性改善を推進しました。この国内工場で培った基盤技術については、カンパニーの枠を越え、アジア・オセアニア・北米・南米・ヨーロッパの各海外拠点へ水平展開を進めています。
生活消費財事業では、ティシュ原紙やトイレットロール原紙のパルプ処方変更、薬品や抄紙条件の最適化により、肌触り感などの品質の向上を推進しています。
当事業に係る研究開発費は743百万円です。

(2)機能材
機能材事業では、研究開発型ビジネスの形成を目指し、王子グループのコア技術であるシートの製造・加工技術を活用した機能性シート・フィルム分野での新製品開発を進めています。
特殊紙事業では、「高性能フィルター用基材」、水と接触することで様々な機能を発揮する乾式不織布「ぬらすと!シリーズ」、各種工程紙・剥離紙などの機能性新製品の開発や、環境にやさしく耐油性に優れる「フッ素フリー耐油紙」の製品ラインアップ拡充を進めました。さらに、医療用途や電子機器・モバイル用途など、成長分野への様々な製品展開も進めています。
イメージングメディア事業では、新規2色感熱メディアなどの高付加価値品の開発を行ってきました。さらに、感熱紙の新しい用途展開に向けた技術開発を行うとともに、海外拠点も含め、新製品開発、コストダウンに繋がる技術支援を進めています。
粘着事業では、機能進化するタッチパネルに用いられる各種粘着シートや高機能フィルムの開発を進めており、機能付与した粘着シートやタッチセンサー用ベースフィルムなどでスマートフォンや最新ノートPC等に採用が進んでいます。新たな市場開拓として自動車部品用の粘着剤付き加飾フィルムの開発も進めています。
フィルム事業では、2軸延伸ポリプロピレンフィルムのノウハウを生かした新たな高機能フィルムの開発や、塗工設備を活用したノンシリコーン軽剥離フィルム等の開発を進めています。また、ハイブリッド車向け等のコンデンサー用極薄ポリプロピレンフィルムでは、次世代に向けたさらなる薄物化や高耐電圧化を進めています。新規フィルム製品の異方性拡散シート「ナノバックリング」は、LED光源の拡散シートで実績を積み上げながら、新たな機能の追加で用途展開を広げつつあります。
当事業に係る研究開発費は2,262百万円です。

(3)資源環境ビジネス
王子製紙株式会社米子工場に設置したバイオリファイナリー連続工業プロセスでは、溶解パルプの実機生産と並行して、フルフラール連続製造の実証試験を行っています。溶解パルプは、レーヨン、医薬品や食品の添加剤、セルロース誘導体等の原料として使用され、今後世界的な人口増加により需要拡大が期待されています。既にレーヨン用途向けには生産販売を行っていますが、医薬品添加剤やセルロース誘導体用途等、高付加価値品の開発に注力しています。フルフラールは、石油精製時の溶剤等の用途で使用されていますが、将来は石油に替わる各種化成品原料や次世代プラスチック原料としても期待されています。2016年4月からサンプル提供を開始し、実用化に向けた検討を進めています。
当事業に係る研究開発費は316百万円です。
(4)印刷情報メディア
印刷情報メディア事業では、DIP品質と歩留を両立する技術開発や、使用薬品の最適化によるコストダウン、欠点・断紙削減等の操業性改善を推進し、収益向上に繋げています。また、インクジェットフォーム用紙の開発で培った技術を応用し、新聞用紙に近い色の新聞用インクジェット紙「プラスニューズIJ」を開発しました。
当事業に係る研究開発費は1,230百万円です。

(5)その他
セルロースナノファイバー(CNF)では、ナノ化効率の高い王子独自のリン酸エステル化法を開発しました。スラリー、ウェットパウダー、シートという3形態のCNFで、要素技術開発、用途開発を行っており、2016年下期にはスラリー製造実証プラントを王子製紙株式会社富岡工場に導入し、製造プロセスの確立を進めます。
ドット型周期微細構造を表面に賦形するナノドットアレイ技術では、LEDや有機ELの光取り出し効率向上用途への適用について、加工基板の試験販売を開始しました。
バイオリソース関連では、未利用森林資源などの木質バイオマスを用い、パルプ化技術、酵素と微生物によるバイオ技術を組み合わせる当社独自のバイオエタノール生産方法を開発しました。現在は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構からの委託を受け、実証試験及び事業性評価の検討を進めています。
北海道下川町に設置した医療植物研究室では、下川町や栗山町に実験圃場を構え、ユーカリやアカシアで培った植栽技術を取り入れ、薬用植物の薬効成分量を短期間で高めることができる栽培方法の開発を進めています。薬用植物は、漢方薬、食品、化粧品、雑貨等で使用されていますが、中国からの輸入に依存していることから、国産化の期待が高まっています。
水環境の維持・再生のため、国内外における水処理事業の展開に向けて2014年7月に設立した水環境研究所は、研究成果をベースとした事業化加速のため、発展的に解消し、2016年2月、王子エンジニアリング株式会社水環境技術部へ活動を移管しました。王子グループがこれまで蓄積してきた節水や生物処理などの水処理の実績、ノウハウをもとに、要求に応じた水処理システムの提案ができるよう、今後も継続して開発を進めていきます。
その他に係る研究開発費は5,197百万円です。
なお、(1)~(4)の各セグメントに関わる研究開発活動のうち、事業化段階に無い、探索段階及び開発段階の研究開発活動の研究開発費はここに含まれます。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00642] S1007YTZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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