有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007YRI
三菱製紙株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
研究開発方針について:
当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。事業分野と研究開発体制について:
当社グループの事業分野は、紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業に分類されます。紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、大きく分けてインクジェット用紙部門、写真感材部門から構成され、写真感材部門では写真用印画紙、印画紙の原紙及び印刷製版材料のほか、イメージング技術を活かした電気・電子関連材料などの開発に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の作成とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。
研究活動は、つくばR&Dセンター、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター制で運営しております。
白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費は9億5千8百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,607件であります。
次に、各セグメント別の研究開発活動の状況は以下のとおりであります。
(1)紙・パルプ事業
紙・パルプ部門では、絵本、ぬり絵、図録、表紙等の用途向けに、嵩高非塗工紙「ダイヤバルキー」を開発・上市いたしました。電子化や本離れ等から不況が長引く出版業界において、絵本、ぬり絵などの分野は好調に推移しており、これら用途向けに色鉛筆や絵の具で適度な筆記特性を有し、かつ嵩高でラフな肌合いと印刷での均一なインキ着肉性を両立したファンシーライクな嵩高非塗工紙を八戸工場(青森県八戸市)で開発いたしました。また、引き続き産業用インクジェット用紙の開発にも注力しております。各ハードメーカーから商業印刷分野をターゲットに、より高品質な印刷機が続々と投入されており、これらハードに対応しつつ商業印刷分野のボリュームゾーンに対応した薄物コート紙の開発に取り組んでおります。今後も進化するハードと市場の要望に対応した製品展開を進めてまいります。
当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は2億7百万円であります。
(2)イメージング事業
イメージング事業では、インクジェット用紙、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルム等成長分野での商品開発を進めております。インクジェット用紙部門では、紙ベースプルーフ用紙を1グレード追加するとともに、ドライミニラボ専用紙を2種類開発し、上市いたしました。
写真感材部門では、プロセスレスタイプのCTP印刷版システム「サーマルディジプレート(TDP)」において、製版機械で共用できる感熱タイプの製版フィルムに加え、大サイズ対応の製版機械を投入してラインナップを拡充し、新分野の開拓を進めております。
京都R&Dセンターで進められている次世代の商品として、プリント配線板等の電子材料のファインパターニングに用いられる感光性レジスト類やタッチパネル用途の機能性フィルムを開発しており、既に製品化して市場拡大に努めております。
当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は4億6千2百万円であります。
(3)機能材事業
機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種フィルターの開発を進めております。エアフィルターでは、大気汚染により新興国で高まる空気浄化の需要に応えるべく、素材メーカーと連携して高性能の脱臭、集塵フィルターの開発を進めており、東南アジア向けに脱臭フィルターなどを商品化いたしました。
二次電池用、各種コンデンサー用のセパレータについては、セルロース素材を使ったセパレータ、塗工タイプのセパレータの採用が進んでおります。現在、更に薄手で安全性の高いセパレータの開発検討を行っております。
つくばR&Dセンターでは微細化セルロースに関して、効率的生産方法の検討と、共同研究を通じた用途開拓を進めております。
また子会社のKJ特殊紙では、独自の技術を持つカーボンナノチューブ分散液・塗工液の量産設備を完成させ、それらを使用した加工品も含め、電気分野、化学分野など市場開拓に努めております。
当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は2億8千8百万円であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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