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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007UYT

有価証券報告書抜粋 東亜道路工業株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、社会に貢献する技術・社会のニーズに資する技術の研究開発に努めています。
道路舗装を中心とした新材料・新工法の開発に注力するほか、舗装の総合的な調査・評価システムを開発し、官公庁や民間会社などの顧客に対する技術提案を行っています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究を行い、その成果は新材料・新工法の開発や特許の取得などに反映するとともに内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。
これら研究開発にあたっては、本社技術部と技術研究所からなる技術本部が中心になり、他の事業部や施工現場と連携をとりながら、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト縮減、安全性の向上など社会の要請に応え、顧客に信頼を得ることを目標に取り組んでいます。
当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は295百万円でありますが、当社での研究開発は、建設事業と、建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難であります。
[主な研究開発]
(1)舗装材料の開発
①高耐久性・高安定性アスファルト混合物「HSアスコン」の開発
当社は、半たわみ性混合物やエポキシアスファルト混合物にも匹敵する高耐久性を有するアスファルト混合物「HSアスコン」を開発し、さらなる用途拡大に努めています。HS(High Stability)アスコンは、特殊熱可塑性樹脂とポリマーによるハイブリッド改質アスファルトをバインダーとする加熱アスファルト混合物で、通常の加熱アスファルト混合物と同様に舗設できます。荷重に対する抵抗性が極めて高いため、重交通路線や交差点付近に適用することで長寿命舗装となるほか、コンテナヤード舗装にも適しております。また耐油性にも優れるためオイル漏れによる舗装の破損を抑制できます。
使用している特殊添加剤(HS添加剤)は、植物油を主原料としており、舗装資材としては初めてのバイオマスマーク商品として(一般社団法人)日本有機資源協会(http://www.jora.jp/txt/katsudo/bm/)から認定を受けています。
②中温化改質アスファルト「ECOバインダー」の開発
当社は、わが国初めてとなるプレミックス中温化改質アスファルト「ECOバインダー」を開発しております。ECOバインダーは、アスファルト混合物の製造温度を30℃程度低減することで燃料消費量を十数%削減することを可能にし、低炭素社会の実現に貢献しております。
③ポリマー改質アスファルトの開発
アスファルトの耐久性を格段に向上させ、数多くの重交通道路に使用されているポリマー改質アスファルトのメーカーである当社は、ポーラスアスファルトの多様な選択を可能とするポリマー改質アスファルト「パーミバインダーシリーズ」の拡充に力を注いでいますが、今後も、新たな用途に適用可能なバインダーの開発を進めてまいります。
このほか、補修用材料の要求に対応して高耐久で低コストの材料の開発、予防的維持や補修工法に適用できる材料の開発を進めています。

④常温混合物の開発
創業当初より生産販売しているアスファルト乳剤の蓄積した技術を生かして常温混合物の研究開発に取り組んでいます。この常温混合物は、アスファルトの代わりにアスファルト乳剤を使用するため加熱を必要としないので、燃料消費によるCO2の排出量が少なく、環境にやさしい舗装材料です。離島など加熱混合物の使用が困難な箇所や長期保存性から震災時の緊急補修にも有用であり、普及が期待されます。
この他、VOC(揮発性有機物質)の少ない溶剤タイプの袋詰め常温混合物「コールド・パーミックス」も販売を開始しました。舗装に空いた小穴の補修や小規模復旧工事など、少量のアスファルト混合物が必要な箇所に使用されており、その性能の良さからホームセンター店頭での販売実績を伸ばしています。
さらに、2015年度には容易に施工可能で耐久性の高い常温硬化型の路面補修材「ファスト・アス」の販売を開始しました。ファスト・アスは特殊骨材とアスファルト乳剤が一つのビニール袋にパッケージされ、使用時には袋の中で揉むように骨材と乳剤を混合し、袋を開封して混合材料を流し込むだけで施工が可能です。ファスト・アスは小さな段差やくぼみの修正に適した補修材料であり、使用方法が非常に簡単であることから、道路材料に不慣れな方々にも容易に扱える製品です。
⑤高耐久性道路橋床版防水工法の開発
道路橋には、雨水の浸透による床版の劣化や腐食を防止する目的で、一般的に橋面と舗装の間に防水層が施されます。当社はアスファルト防水システム「タフシャット工法」を有しており、材料の製造から防水層の施工まで一括した実施体制を整えています。近年、従来のアスファルト防水に比べ飛躍的に耐久性に優れた高機能防水工法「タフシャットS型工法」を開発し、第二東名高速道路のコンクリート橋などに適用されています。
⑥景観・体育施設用舗装の開発
歩道や自転車道のカラー舗装材として、耐摩耗性・耐久性と施工性に優れた薄層舗装材料「ニューカラーコート」を開発したほか、路面温度低減機能を付加した材料を開発するなどシリーズの拡充を行っています。また、車道に設置される自転車通行帯に用いる新しい機能を有する舗装材「CSコート」を新たに開発し、販売を開始しました。「CSコート」を施工した路面では自動車のライトをドライバーに回帰反射するので、夜間でも自転車通行帯の視認性を確保でき、自転車の安全走行に寄与できます。
(2)舗装工法の開発
①遮水型排水性舗装(POSMAC:ポスマック)の開発
排水性舗装では、浸透した雨水の影響で下地となる基層面から舗装が早期に破壊することが指摘されています。その対応として、分解剤併用型のアスファルト乳剤散布装置付きアスファルトフィニッシャを用い、特別に自社開発した高濃度改質アスファルト乳剤を舗設と同時に分解し、厚みのあるゴムアスファルト層を排水性舗装の下部に形成することにより、排水機能を確保しつつ遮水機能を向上させた表層を低コストで構築する工法「POSMAC工法」を独自開発しました。本工法は、国道や高速道路をはじめ全国の道路の補修に採用され、2015年度末で200万㎡に達しております。
②情報化施工技術の開発
近年、情報化技術(IT)が進展し、舗装の施工管理にも生かされるようになってきました。
当社では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)や通信技術を利用したトータルステーションなどを利用した3次元マシンコントロール(3D-MC)を導入して管理精度の向上に努めるとともに、顧客への技術提案を行っています。IT施工技術で、オートステアリング技術を活用し、曲率半径40m程度の陸上競技場施設の舗設の仕上がり精度の確保が可能となっています。

(3)その他の研究開発
①鉄道軌道材料の開発
セメント・アスファルトモルタル(CAモルタル)は鉄道スラブ軌道の緩衝材料として新幹線の建設にも使用されており、現在建設中の北陸及び北海道新幹線の新設軌道工事においても採用されています。この技術は、台湾新幹線や一部の中国新幹線で適用されたほかアメリカ、ブラジル、インド、ベトナムなどでの高速鉄道での採用が期待されています。
②舗装管理システムの開発
公共工事の予算が減少するなかで、舗装を適切に維持管理することが重要な課題となっており、ライフサイクルコスト縮減など、経済的な管理手法が求められています。そのため、当社では路面の機能的破損状態を走行しながら自動測定できる路面性状測定車「CHASPA:キャスパ」と舗装の構造的耐久力を非破壊で測定する舗装たわみ測定装置(FWD)などで測定した舗装のデータをデータベースやマッピングシステムと組合わせることにより総合的な舗装の維持管理システム(TOA-PMMS:トーア-ピーエムエムエス)の開発を行っています。
2011年度には、自治体道路の状況や工事履歴、苦情情報などをパソコンに登録し、舗装の効率的な維持管理に活用できるソフトウェア「TOA-PMMS-Basic」をリリースしました。また、2012年度には、インターネットからクラウドによってTOA-PMMSの機能を利用できる「TOA-PMMS.web」をリリースしました。2013年度には、ライフサイクルの算定システムを組み込み、長期の維持管理計画算定が可能なシステムとしました。2014年度には、スマートフォンを活用した簡易な路面調査システムを開発し、「TOA-PMMS.web」との連動も確立しました。これらのソフトウエアは、舗装資産の効率的な維持管理に貢献するものと期待されます。
③走行中非接触給電舗装の開発
CO2ガスの発生がなく、環境に優しい電気自動車は、車両に搭載したバッテリーの容量の関係で、1回の充電で最大100km程度の走行しか出来ません。このため、電気自動車を普及促進するには充電スタンドの充実の他に、非接触で走行中に給電可能なインフラ整備が大きな鍵となります。
そこで、当社は日産自動車と共同開発の中で、電磁波を効率的に車載コイルに給電する舗装構造及び材料を開発し、試験舗装を構築して非接触給電走行の実験を実施しました。今後、実道に敷設するための技術の向上を進めてまいります。
④3次元地中探査レーダー(GeoScope)の開発
地下埋設管の老朽化を要因とする空洞陥没事故が社会問題化しています。地中探査レーダーは道路下にある地中の情報を非破壊で効率的に調査する技術です。電磁波の透過、反射、屈折現象を利用して、材質(誘電率)の異なる境界面を可視画像化します。GNSSによる位置情報と組み合わせることで、路面下の空洞、埋設管・ケーブルの位置、舗装構成などを画的に捉えることができます。また、当社の保有するFWDやボーリングマシンと併用することで、最適な舗装補修断面・補修工法を提案いたします。
さらに、橋梁においては異常箇所を非破壊で発見することも可能です。さらに、当社の所有するFWDによる調査を併用することで評価の精度を向上します。わが国では大規模更新・補修の必要な橋梁が激増すると予測されており、本技術の広範な普及が期待されます。
橋梁やトンネル、道路などの社会資本の老朽化が顕在化してきている中、日本におけるFWD調査技術のパイオニアとして当社は、今後も、舗装材料・工法・調査における技術開発を推進し、効率的な社会資本の維持管理に貢献できる技術を、迅速に提供してまいります。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00066] S1007UYT)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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