株式会社ウイルコホールディングス 業績等の概要 (2016年10月期)

(1) 業績

当連結会計年度(2015年11月1日～2016年10月31日)における我が国経済は、2016年7-9月期のGDP成長率は、実質で年率換算1.3%増と3四半期連続でプラス成長となりました。しかし、7-9月期も4-6月期と同様、実質成長率が名目成長率を上回り需給ギャップの改善は見られませんでした。雇用環境は引き続き堅調に推移しているものの、個人消費は依然伸び悩んでおり、国内景気の回復を実感しにくい状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境は、広告媒体におけるインターネットの比重がますます増加し、紙媒体による広告は減少傾向が続いております。用紙の国内出荷も、累計で前年割れの状況にありますが、用紙価格は高止まりの傾向にあります。また、求人広告件数は増加傾向にありますが、無料情報誌(フリーペーパー)による求人件数は伸び悩んでおります。
このような環境の中、情報・印刷事業につきましては、価格競争の比較的少ない当社独自製品の販売に注力した結果、独自製品の売上高は増加しましたが、従来型のチラシ等は全体需要の減少に加え価格競争激化により当初の想定を超えて更に減少した結果、セグメント売上高は10,678,172千円(前期比7.2%減)と減収になりました。また、利益面では製品売上構成比の改善と生産コスト削減により利益率は改善しましたが、新製品関連設備の先行投資による減価償却費の増加等により、セグメント利益は449,378千円(前期比28.5%減)となりました。
メディア事業につきましては、その特徴である地域密着性を深化させるとともに、求人情報誌等の販路拡大と情報誌以外の求人サービス等の拡充に努め、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力してきましたが、2015年10月1日付で行った郵便物等発送代行事業譲渡による前年同期売上高1,800,272千円の減少の影響により、セグメント売上高は2,507,485千円(前期比41.0%減)、セグメント利益は29,690千円(前期比25.5%減)となりました。なお、個性豊かで魅力ある地域社会の実現に向けた活動を深化させることを目的に大阪府との間で2016年5月23日に包括連携協定を締結し、大阪府と多くの分野において連携・協働を促進し、地域の活性化と情報発信に努めております。
また、2016年8月26日付「株式会社ウィズコーポレーションの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」にてお知らせのとおり、音のでる絵本、教育玩具、雑誌等の付録・販促用品の企画及び販売等を行っている株式会社ウィズコーポレーション及びその傘下の東京書店株式会社等を8月31日に取得し、新たな「知育事業」の2か月間の売上高は476,284千円、セグメント利益は34,107千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は12,907,953千円(前期比12.9%減)、営業利益は109,640千円(前期比62.8%減)、㈱ウィズコーポレーション等の取得に伴うデューデリジェンス費用および為替差損の増加により経常損失は35,287千円(前期連結会計年度の経常利益321,465千円)、固定資産売却益103,497千円等の特別利益の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は76,357千円(前期比81.9%減)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ314,985千円(前年同期比12.6%)増加し2,817,501千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、405,139千円(前連結会計年度比265,574千円の減少)となりました。これは主として、減価償却費406,901千円、売上債権の減少369,428千円、仕入債務の減少492,232千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、97,079千円(前連結会計年度比22,228千円の増加)となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入503,599千円、有形固定資産の取得による支出349,492千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出241,890千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、57,431千円(前連結会計年度比257,202千円の減少)となりました。これは主として、長期借入れによる収入750,000千円、長期借入金の返済による支出640,644千円によるものです。