有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007T9T
デンカ株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、保有している固有のコア、基盤技術の深耕により既存事業を核とした環境、エネルギー、インフラ、健康市場など成長性のある周辺技術分野の高機能製品群の開発を進めるとともに、次世代新製品開発に取り組んでおります。
研究開発方針としてチャレンジ&オープンイノベーションを掲げ、2014年にオープンしたデンカイノベーションセンター本館を中核として、従来から進めてきたNIMS-DENKA次世代材料研究センターや、山形大学との包括共同研究をはじめ、多くの国内外産学官との連携、共同研究を進めており、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。
これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代のニーズを確実に吸い上げ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は117億87百万円、研究要員は755名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は137件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は172件となりました。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。
(1) エラストマー・機能樹脂
透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など特長あるスチレン系機能性樹脂分野では、生産技術の深耕、品質向上、新規用途展開並びに新高機能製品の開発を推し進め、シンガポール子会社の製造能力増強もそれらの拡販に寄与しております。またクロロプレンゴム、ERゴム、アセチレンブラック等の分野でも、海外市場を含めた事業拡大のために生産技術の強化を進めるとともに、特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく従来の用途展開に加え、米国デュポン社よりクロロプレン事業を譲り受けたデンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社のスタートを契機に北南米市場開拓強化を進めております。さらに、新用途開拓のために、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新グレード開発にチャレンジし、アセチレンブラックはリチウムイオン二次電池分野でのシェアアップの一環で、昨年8月商業運転を開始した千葉工場で超高純度かつ高機能品の拡充に取り組んでいます。
また本事業分野に関連して山形大学や上海交通大学、シンガポール国立研究機関など、国内外の研究機関と連携した多数の共同研究を進めており、新規事業創出を図っております。また当セグメントに係わる研究開発費は28億66百万円でした。
(2) インフラ・無機材料(インフラ・ソーシャルソリューション)
セメント・特殊混和材系分野では、長い歴史の中で培われた高温焼成反応などを駆使した粉体合成技術と構造解析、特性評価技術を基盤に、セメント・コンクリートの欠点を補い高い性能、機能を付与する製品開発に加えて、震災復興対応も含めた地盤改良用途や二酸化炭素排出量を削減する環境負荷低減技術などの環境対応製品の上市、さらなる技術開発も積極的に行っております。また昨今要求が高まっている社会資本などのメンテナンスに関する評価・対応技術など、単に材料だけでなく診断ソリューションの提供に踏み込んだ研究開発を進めております。
肥料・無機製品分野では、今後欧州の排ガス規制強化などによる需要増が期待されるアルミナ繊維の生産技術の高度化と自動車用途などの展開を目指した高機能、高性能製品開発に注力するとともに、大学・公的研究機関と連携した新肥料や新規農法の開発など、事業体質強化に向けた研究開発に注力しております。当セグメントに係わる研究開発費は15億92百万円でした。
(3)電子・先端プロダクツ
電子部材分野では、市場の伸びが期待されるパワーモジュール、LED向けなどの回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックス技術や有機・無機ハイブリッド放熱材料技術をさらに進化させ、市場に対しトータル・サーマル・ソリューションを提案すべく各種高機能材料、製品開発研究を産学官とも連携し、推し進めています。さらに、接着剤関係ではハードロックSGA(高機能構造用接着剤)は積極的な海外展開を含め、新グレード、新用途開発をはじめ紫外線硬化型接着剤技術を応用した特殊高機能性接着剤の新製品開発や市場開拓を推進しております。さらに各種電子部品、製品製造プロセスの著しい生産性向上を可能にする仮固定接着剤テンプロックやソーラーロックが急速な立ち上がりを見せつつある中、更なる拡販に向けた加工技術の開発、有機ELなど新規市場へ向けたソリューション提案にも注力しています。
電子包材分野では、当社が有する樹脂素材開発技術、無機・有機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの各種先端加工技術を活かし、電子部品搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープなど、市場における最先端ニーズに呼応した新規製品をタイムリーに市場に供給すべく開発を進めております。
機能性セラミックス分野では、半導体封止材用球状シリカで更なる高性能化を追求するとともに、LED向け蛍光体の特性向上や新規用途開発、放熱材料用途に加え化粧品用途への展開が進むBN粉、放熱材料や半導体封止用途向け球状アルミナをはじめとしたナノフィラーをはじめとする機能性粉体群の開発に取り組んでいます。当セグメントに係わる研究開発費は34億9百万円でした。
(4) 生活・環境プロダクツ
包装資材、建材、産業資材分野の樹脂加工製品では、太陽光発電や太陽電池向け耐候性フィルムや黒人女性の頭髪用の付け毛用合成繊維などの製品群開発を引き続き推進いたします。また、コーポレート研究所であるポリマー・加工技術研究所を中核としたシート・フィルムの製膜技術、ラミネーション技術、精密塗工技術など各種加工技術の高度化など、当社グループ全体のポリマー・加工技術の新たな研究開発を加速するとともに、自社素材の活用を含めて関連グループ会社との連携を強化することで、多岐に渡る当社グループの樹脂加工製品の新規用途展開並びにそれらに適合した特性改善、新製品開発を積極的に進め、更なる事業拡大を図っております。
医薬品関連分野では、デンカイノベーションセンターのライフイノベーション研究所を中心に、当社独自の培養精製技術により開発した高分子ヒアルロン酸の「膝関節機能改善剤」のシェア拡大、新用途開発、開拓や、新たな医薬品開発の為の基礎研究として植物遺伝子組み換え技術を用いて抗体やワクチン抗原を産出するアイコン社の技術を用い、新たなワクチン・検査試薬の開発にも注力するなど医薬品関連分野における新しい価値を創造し、新事業創出を進めてまいります。
デンカ生研㈱では、安全かつ有効な高品質ワクチンの開発および社会的損失が大きい感染症の検査に必要な細菌検査試薬やウィルス検査試薬、健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術、新製品開発を推進しています。また、がんのウィルス療法という新しい分野を開拓する画期的な治療薬として期待されているウィルス製剤G47Δの実用化へ向けた大量生産法の開発に着手しています。
デンカグループ全体の当セグメントに係わる研究開発費は38億89百万円でした。
(5) その他
産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱が、効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術室を中心に、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っています。その他事業に係わる研究開発費は29百万円でした。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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