有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007TBX
東亜建設工業株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループにおきましては、現在、環境・防災・リニューアル技術に重点をおいて研究開発を推進しております。当連結会計年度における研究開発費は872百万円であります。また、主な研究開発成果は次のとおりであります。
(国内土木事業・国内建築事業及び海外事業)
近年、港湾施設の維持や建設工事で発生する土砂や各種廃棄物を埋め立てる、土砂処分場の容量が逼迫しています。新規に土砂処分場を建設することは環境問題や利害関係者との調整が必要で非常に困難であるとともに、可能な場合でも長い期間を要します。それに対し、「かく乱・減容化工法(仮称)」を既存の処分場に適用することで、処分容量を拡大することが可能であり、適用性が高い工法です。
「粉じん見張り番」は、水圧により左右に高速振動するノズルから水を散布することで水滴のカーテンを形成し、そのカーテンを通過する粉じんを低減します。室内実験により確認した粉じん低減効果が最大となる散水時の水滴径と水滴の放出角度によって、既存の技術よりも少ない散水量で広範囲に散水が可能であり、粉じん低減率が高いことが特長です。
そこで当社では、早稲田大学、五洋建設株式会社、東洋建設株式会社と共同で、地産地消の考えに基づき、現地で調達可能な骨材や海水を用い、振動締固めが不要な自己充填型コンクリートとすることで、少ない労働者により耐久性に優れた構造物を築造できる「SALSEC」を開発し、現在実用化を目指した研究開発を進めています。離島開発事業などでは、現地材料を使用するため、コンクリート材料の運搬などに伴う二酸化炭素の排出を抑制でき、環境負荷の低減にも貢献できます。
「SALSEC」の開発にあたっては、塩分が含まれたコンクリートに自己充填性を付与させるのが難しかった従来の課題に対して、特殊な混和剤を開発・使用することでその問題を解決いたしました。また、耐食性に優れた鉄筋(ステンレス鉄筋など)の使用により、鉄筋コンクリート構造物への適用も可能なことを確認いたしました。さらに、実機プラントを利用した「SALSEC」製造実験を行い、期待した自己充填性を発揮できることを確認いたしました。
再生骨材コンクリートはコンクリート構造物の解体コンクリートからコンクリートに使用されていた砕石や砂利を取り出し、新たなコンクリートの骨材として利用するものです。
技術研究開発センター新築工事では、これまでに開発してきた再生骨材コンクリートの技術要素を取り入れ、基礎躯体に700㎥使用いたしました。採用にあたり国土交通大臣認定が必要であり、普通骨材よりも厳しい管理が義務付けられますが、適用場所に応じたコンクリートの耐久性を確保するために試験を繰り返し、安定した品質で施工を行った結果、打込み後の仕上がりは通常の骨材使用時と変わらず良好なコンクリートとなりました。
コンクリート塊に使用されていた骨材を再び身近なコンクリート構造物に使用することでCASBEE横浜(2011年度版)の環境負荷低減材料としても認められ、資源循環に寄与いたしました。また、天然骨材の運搬に伴うCO2の削減に加えて骨材使用量の削減により、自然環境保護にも寄与いたしました。
(その他)
研究開発活動は特段行っておりません。
(国内土木事業・国内建築事業及び海外事業)
(1)「かく乱・減容化工法(仮称)」の開発
一般的に、自然粘性土地盤に乱れを与えると、地盤が軟弱になり容易に圧縮・変形しやすくなります。そのためバーチカルドレーン等の地盤改良では、地盤を乱さないように施工することが望ましいとされています。この「地盤を乱す」という行為を逆手にとって積極的に活用したのが、「かく乱・減容化工法(仮称)」です。自然地盤を機械的に撹拌して骨格構造を破壊し、潜在的な沈下量を増加させることで、地盤の減容化を行う工法です。近年、港湾施設の維持や建設工事で発生する土砂や各種廃棄物を埋め立てる、土砂処分場の容量が逼迫しています。新規に土砂処分場を建設することは環境問題や利害関係者との調整が必要で非常に困難であるとともに、可能な場合でも長い期間を要します。それに対し、「かく乱・減容化工法(仮称)」を既存の処分場に適用することで、処分容量を拡大することが可能であり、適用性が高い工法です。
(2)建設工事で発生する粉じんを自動的に低減する「粉じん見張り番」の開発
建設工事の現場では、土砂の掘削や建築物の解体、工事車両の走行等により粉じんが発生して周辺の環境や作業環境に悪影響を及ぼすことがあります。とくに屋外で発生する粉じんは、風向きの変化によって多様な方向へ拡散するため、既存の粉じん対策装置では対象範囲が狭く、効果が限られていました。そこで、散水範囲を広くして多様な方向に拡散する粉じんに対応し、現地の粉じん拡散状況を常時監視して必要に応じて自動散水する「粉じん見張り番」を株式会社テクノコアと共同で開発いたしました。「粉じん見張り番」は、水圧により左右に高速振動するノズルから水を散布することで水滴のカーテンを形成し、そのカーテンを通過する粉じんを低減します。室内実験により確認した粉じん低減効果が最大となる散水時の水滴径と水滴の放出角度によって、既存の技術よりも少ない散水量で広範囲に散水が可能であり、粉じん低減率が高いことが特長です。
(3)現地材料で製造可能な自己充填型コンクリート「SALSEC」の開発
コンクリート構造物は人々の経済活動や生活を守る重要な社会基盤です。しかし、近年は、良質な骨材の入手や労働者の確保が難しくなっていること、さらには離島開発事業での工事など、従来とは異なる様々な条件・環境に対応できるコンクリートの製造・施工技術が求められてきています。そこで当社では、早稲田大学、五洋建設株式会社、東洋建設株式会社と共同で、地産地消の考えに基づき、現地で調達可能な骨材や海水を用い、振動締固めが不要な自己充填型コンクリートとすることで、少ない労働者により耐久性に優れた構造物を築造できる「SALSEC」を開発し、現在実用化を目指した研究開発を進めています。離島開発事業などでは、現地材料を使用するため、コンクリート材料の運搬などに伴う二酸化炭素の排出を抑制でき、環境負荷の低減にも貢献できます。
「SALSEC」の開発にあたっては、塩分が含まれたコンクリートに自己充填性を付与させるのが難しかった従来の課題に対して、特殊な混和剤を開発・使用することでその問題を解決いたしました。また、耐食性に優れた鉄筋(ステンレス鉄筋など)の使用により、鉄筋コンクリート構造物への適用も可能なことを確認いたしました。さらに、実機プラントを利用した「SALSEC」製造実験を行い、期待した自己充填性を発揮できることを確認いたしました。
(4)再生骨材コンクリートの実用化
コンクリート構造物の解体に伴い発生するコンクリート塊は、都心部で多く発生し、行き場を失っています。天然骨材の枯渇により普通骨材のコストが上昇する中、このコンクリート塊を新たにコンクリート用の骨材として再利用する取り組みが期待されています。再生骨材コンクリートはコンクリート構造物の解体コンクリートからコンクリートに使用されていた砕石や砂利を取り出し、新たなコンクリートの骨材として利用するものです。
技術研究開発センター新築工事では、これまでに開発してきた再生骨材コンクリートの技術要素を取り入れ、基礎躯体に700㎥使用いたしました。採用にあたり国土交通大臣認定が必要であり、普通骨材よりも厳しい管理が義務付けられますが、適用場所に応じたコンクリートの耐久性を確保するために試験を繰り返し、安定した品質で施工を行った結果、打込み後の仕上がりは通常の骨材使用時と変わらず良好なコンクリートとなりました。
コンクリート塊に使用されていた骨材を再び身近なコンクリート構造物に使用することでCASBEE横浜(2011年度版)の環境負荷低減材料としても認められ、資源循環に寄与いたしました。また、天然骨材の運搬に伴うCO2の削減に加えて骨材使用量の削減により、自然環境保護にも寄与いたしました。
(その他)
研究開発活動は特段行っておりません。
経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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