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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100810X

有価証券報告書抜粋 日本製紙株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループでは、木質資源を豊富に保有する強みを活かし、原材料から製品まで一貫した研究を行い、洋紙・板紙事業の収益力強化を図ると同時に、パッケージング・紙加工事業、木材・ケミカル事業、エネルギー事業などの成長分野にも注力し、「総合バイオマス企業」としての研究開発活動を行っています。研究開発体制についても、各事業部門や工場との密接な連携、及び国内外の外部研究機関との連携により総合的な開発力の向上と競争力の強化に努めています。また、新たに「パッケージング研究所」を開設し、同時に企画本部内に設置したマーケティング・提案機能を備えた「パッケージング・コミュニケーションセンター」と連携して、将来も含めた市場ニーズに応じた、木質バイオマスをベースとするパッケージの素材、技術開発を推進します。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、5,555百万円(人件費含む)であり、各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

(1)紙・パルプ事業

国内市場の成熟化と海外市場の成長、原材料の需給逼迫と価格高騰、深刻化する地球環境問題などの様々な課題に対峙するため、アグリ・バイオ研究所、総合研究所及びCNF事業推進室が中心となり、以下のような取り組みを行っています。当事業に係る研究開発費は3,520百万円です。
① 植林事業についての技術開発
事業活動の基幹となる原材料確保のため、自社植林木の生産性向上を目指し、技術開発を積極的に進めています。特にブラジルなどにおいては、精英樹の開発として優良クローン選抜技術の開発、成長性と土壌要因の関連調査、迅速なバイオマス量測定技術の開発による林業技術の改良などの取り組みを推進しています。
②品質とコストの更なる改善
洋紙及び板紙の競争力強化のため、新製品開発や需要家のニーズに応えた品質改善を継続し、また製造工程の操業性改善に努めています。印刷会社では、小ロット・短納期の仕事が増加しており、またユーザーからの印刷再現性に関する要求も年々高くなっており、これらに対応するため、インキを素早く乾燥させる紙が求められています。
当社のコート紙の代表銘柄である「ユーライト®」をベースに、紙の表面に塗工する最適な材料の選定と配合割合を見直して当社独自技術を活かすことにより、インキ乾燥性の向上と印刷再現性の向上、この相反する2つの目標を同時にクリアし、従来品を上回る印刷再現性も実現した優れた新製品「ユーライトDRY®」を開発し、販売を開始しました。
また収益改善に資する技術開発として、難利用古紙の利用技術の開発、自製填料の高度利用技術の開発など独自技術開発も推進しています。
③ 将来に資する技術開発など
アグリ事業に係る技術開発として、植林技術を応用した茶苗「サンルージュ®」の生産と健康食品としての機能性解析(血糖値上昇抑制効果、認知症抑制効果等)を進めています。また挿し木増殖が難しいとされている薬用植物に、当社独自の発根技術を応用した増殖技術を開発し、薬用植物の国内自給と新たな販路拡大を狙っています。
「総合バイオマス企業」としての新規事業創出については、木材をベースとした素材、パッケージなどのプラスティック代替新規紙材料の開発や、セルロースナノファイバー・バイオリファイナリー・エネルギーに関する研究開発に取り組んでいます。
セルロースナノファイバー(以下、「CNF」)については、CNF事業推進室が中心となって実証生産設備を用いて、量産化技術やサンプル供給による用途開発を推進しています。具体的には、化学処理により得られたCNFを用いて、触媒、消臭、抗菌などさまざまな性能を有する機能性シートの実用化に成功しました。製品化第1弾として、当社グループの日本製紙クレシア株式会社において、CNFを配合した高い消臭機能を持つシートを大人用紙おむつの新ブランド「肌ケア アクティ®」シリーズに採用し、機能性CNFの世界初の実用化商品として全国で販売を開始しました。
また、ナノセルロースの導入促進を目的として、バイオマス分野では初の産官学連携コンソーシアムである「ナノセルロースフォーラム」においても、当社は主体的に関与し、早期の事業化を推進しています。
バイオリファイナリー関連では、木材の高度利用技術の開発として、木材から化学品原料の一貫製造プロセスに関する研究開発を行っています。
さらに、エネルギー事業に係る技術開発として、木質バイオマスを半炭化(トレファクション)して得られる新規固形燃料の実用化開発を進めています。

(2)紙関連事業

液体用紙容器については当社が、各種化成品については当社及び株式会社フローリックが中心となって研究開発を行っています。当事業に係る研究開発費は2,034百万円です。
液体用紙容器の分野につきましては、環境と衛生性、ユニバーサルデザインに配慮した製品及びそのシステム(充填機等)の開発を主要課題にしてきました。フジパック(レンガ型容器)用原紙は主に海外から輸入していましたが、原紙国産化の開発に取り組み、切替えを開始しました。NPパックでは、更なる環境負荷低減を目標に、原紙の軽量化を進めています。また、新コンセプト紙容器の開発として、新たに機械メーカーとの秘密保持契約を結び、パーソナルユースをターゲットにした口栓付アセプティック容器の開発を開始しました。
化成品の分野につきましては、自動車プラスティック部材用水系及び溶剤系プライマー、インキ添加剤、リグニン製品及びポリカルボン酸系コンクリート分散剤の収益力強化等を行いました。また、セルロース製品及び発酵製品の基盤強化を図ると同時に、新製品を上市しました。
その他、スマートフォンやタブレット端末等の中小型ディスプレー用途のハードコートフィルムの品質安定化や、薄型フラットディスプレーに対応した、各種新規ハードコートフィルムの開発に努めました。さらに、精密塗工、ハードコート技術を発底とした新製品開発を行いました。

(3)木材・建材・土木建設関連事業

該当事項はありません。

(4)その他

該当事項はありません。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E11873] S100810X)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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