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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007V4Z

有価証券報告書抜粋 株式会社ADEKA 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社の研究開発体制は、現事業に密着した開発研究所(樹脂添加剤開発研究所、機能化学品開発研究所、情報化学品開発研究所、電子材料開発研究所及び食品開発研究所)に加え、将来の柱とすべき事業の探索部門であるライフサイエンス材料研究所、環境・エネルギー材料研究所及びこれらを支援する研究企画部により構成されています。
また、連結子会社である㈱ADEKAクリーンエイド、ADEKAケミカルサプライ㈱及びADEKA総合設備㈱では、独自の研究開発を行っています。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、85億88百万円です。
(1)化学品事業
当社の基盤技術を活用し、市場環境の変化に対応した研究開発を行っています。また、成長が期待される新規分野や先端素材の研究開発では、外部機関からの技術導入を積極的に推進しています。
化学品事業の主な研究成果は以下の通りです。
①情報・電子化学品分野
半導体デバイス向けケミカル素材や、光学フィルムや半導体レジスト向け高機能感光性材料など、先端技術の急速な変化に対応し、世界に通用する新製品の開発を進めています。また、顧客とのパートナーシップの構築、装置メーカーや材料メーカーとの協業により、サプライチェーンマネジメントの強化も進めています。
微細化が進む半導体メモリ向け高誘電材料は、20 nm世代向けのプロセスに対応した製品の採用が拡大しました。更に研究開発を進め、10 nm世代に対応できる技術も確立しました。NAND型フラッシュメモリ及びロジック半導体向け材料でも、採用が拡大するなど進展しました。光学フィルム向け感光性材料では、ユーザーでの評価が進展し、大手ユーザーへの採用が拡大しています。高感度光重合開始剤は、ディスプレイの高機能化に伴い、様々な用途で採用されました。
②機能化学品分野
環境配慮型製品などの世界で通用する独創性・新規性のある樹脂添加剤の創出、界面化学技術を利用した高機能化粧品材料の開発、また機能性樹脂材料の電子・環境・エネルギー・自動車用途への応用等を推進しています。
樹脂添加剤では、自動車内装用途や農業用フィルム用途のヒンダードアミン系光安定剤において、ユーザーの評価が進展し、採用が拡大しました。透明化剤・核剤、酸化防止剤においては、社外連携を強化し、独自性の高い高機能製品の開発を推進しています。有機モリブデン系潤滑油添加剤「アデカサクラルーブ」では、評価試験設備を充実させ、欧米、中国、東南アジアでの市場開拓を強化しました。2013年11月から2016年2月まで参画しましたNEDOプロジェクト「風車部品高度実用化開発」において、曲げ強度が従来品の1.5倍向上する繊維強化プラスチック向け樹脂を開発しました。

子会社であるADEKAクリーンエイド㈱の業務用洗浄剤分野では、台湾市場でのニーズに基づき、既存の食器洗浄機用乾燥仕上剤(リンス剤)の泡立ちを抑えた改良品を開発しました。この改良品は、既に現場テストで泡立ちが大幅に低減されていることが確認され、上市も完了しています。
食品工業用分野では、新技術で高濃度の苛性ソーダ溶液中に、難溶性の抑包剤と強キレート剤を安定配合した製造設備用液体洗浄剤を開発しました。これにより、従来実施していた酢洗浄の工程の削減あるいは低減が可能となり、ユーザーは時間・水・エネルギー及びそのコストの削減に繋がります。現在は、5月下旬より現場テストが実施できるよう準備を進めています。
子会社であるADEKAケミカルサプライ㈱の湿式伸線剤では、AL-805の使用液色調改良品を開発し、中国市場において評価実施中です。中国のスチールコードメーカーでは、1ヶ月の伸線試験で問題無い結果となり、集中槽による拡大試験へ移行する予定となっています。
一方、日本のスチールコードメーカーでは、高硬度・難加工線用に開発したAL-642の試験を開始、スチールコードでのゴム接着評価後、ソーワイヤーでの評価も行う予定です。
粉末冶金用ワックス系潤滑剤では、MEL-05が磁性部品において、磁性特性が現行品よりも良好との結果を得て、新製品での量産試験に入る予定です。

(2)食品事業
食を取り巻く環境は、原料価格の変動や国産乳製品の需給逼迫、美味しさや食品安全への関心の高まりなど事業環境の変化にめまぐるしいものがあります。このような状況の中、食品産業全般では、品質向上や新製品開発への積極的な取り組み、消費者ニーズに対応した付加価値の高い商品を提供する動きが活発になっています。また、従来のフードセーフティ(食品安全)に加え、フードディフェンス(食品防御)への取り組みも強く求められている状況にあります。
このような事業環境下に対し、当社食品部門では、「安心・安全」を基本コンセプトに位置づけ、お客様の特色ある商品作りに役立つ新製品開発を行うと共に、お客様のご要望に応える製品創出への対応も迅速に進めています。
中国も含めアジア諸国の市場展開に関しましては、海外関係会社との連携により各国の嗜好に合った製品開発を進めています。

①加工油脂分野
練込油脂では、「スーパーバーナード」を上市しました。本製品はパンのソフト性に加え歯切れと口溶け、風味を向上させることが特徴です。折込油脂ではデニッシュペストリーの食感と歯切れを向上させる「オリンピアフレーキーシート」を上市しました。これら製品は、パン類の総合的な品質を高める加工油脂製品として好評を頂いています。
フィリング類では、良好な風味の付与とその風味発現性を高めた各種製品を上市しました。フィリング・スプレッド用マーガリンの「コクメルソフト」は、乳のコク味や風味立ちに優れていることが特徴です。すっきりとした甘さのなかに濃厚な乳風味をきわだたせたファットスプレッドの「コンプリート練乳」と共にお客様の商品開発に貢献しています。
②加工食品分野
甘くないロールインシートフィリング「セイボリーシート」は、2014年度上市した「ピザ風味」に加え、「チェダーチーズ風味」や「コンソメ風味」等いろいろな風味を品揃えし、拡販を促しました。
また、国産乳原料が逼迫する中、少量添加でクリーム等の乳風味を強化できる風味素材「ディアリキッド」を上市、洋菓子・製菓市場を中心に展開を進め、お客様から好評を得ています。

食品事業では、今後も、お客様の商品の美味しさ向上に役立つ製品創出に注力するともに、その品質を高めるための新しい技術開発にも積極的に取り組んでまいります。

(3)新規事業の推進
注力分野として、「ライフサイエンス」「環境・エネルギー」を掲げ、体制を強化し早期実需化を目指しています。
ライフサイエンス分野では、経鼻投与型ワクチン向けアジュバント(ワクチンの効果を高める補強剤)を開発しています。このアジュバントとインフルエンザワクチンを混合して鼻から吸入することにより、粘膜に抗体が産生し、インフルエンザウィルスへの感染を防御できることを、マウスを用いた実験で確認しました。
環境・エネルギー分野では、東京大学から独占ライセンスを取得し、ナノカーボンの一種であるグラフェンの高濃度かつ高品質な分散液を開発、サンプル提供を開始しました。

(4)その他
子会社であるADEKA総合設備㈱では、ジオメイトBIO-213の開発にあたり、大手ゼネコンとの連携による実績づくりを2011年度から行ってきました。
微生物栄養剤のニーズとして、浄化期間の短縮、高濃度VOCへのさらなる対応などが存在することが判り、これらの条件を満たすサイトを有するゼネコンと共同でジオメイトの機能向上を図るジオメイト補助剤(添加剤)を開発しました。未だサイトでのモニタリング中ではありますが、ジオメイトのみを対象に比較して補助剤を添加したエリアは高濃度VOCの低減保身効果が確認されています。2015年度はモニタリング業務を契約、受注しました。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00878] S1007V4Z)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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