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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10078QB

有価証券報告書抜粋 DIC株式会社 研究開発活動 (2015年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、経営ビジョン「Color & Comfort by Chemistry」の実現を目指し、光学・色彩、有機分子設計、高分子設計、分散などの基盤技術の深耕とそれらの複合化により、持続的成長につながる次世代製品・新技術の開発に積極的に取り組んでいる。
当社の研究開発組織は、事業に直結した研究開発を担う技術統括本部と、次世代事業の創出と基盤技術の強化・拡大を担うR&D本部、さらに技術統括本部とR&D本部の中間領域において、技術複合型新製品やR&D本部開発品の早期事業化にプロジェクト形式で取り組む製品化推進センターからなる。また、DICグラフィックス株式会社などの国内グループ会社、サンケミカルグループの研究所(米国、英国及びドイツ)、コーポレート研究部門である青島迪愛生精細化学有限公司(中国)とも相互に連携し、グローバルな経営資源の活用による研究開発の効率化、スピードアップを図っている。さらに、2014年からは中国とアジア・パシフィック地域に印刷インキとポリマの技術センターを、中国とドイツにPPSの技術サービスセンターを設立し、地域の顧客ニーズに対応した製品改良や技術サービスを迅速に行う体制の整備を進めている。加えて米国には、当社グループが健康食品などに展開する藻類スピルリナの知見を活かし、培養から応用利用までを総合的に研究する藻類研究センターを開設した。
一方、次世代技術領域の探索・基礎研究については、産官学連携などオープンイノベーションも積極的に活用している。
当連結会計年度における研究開発費は、12,163百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、14,681百万円である。主な研究開発の進捗状況は以下のとおりである。

(1) プリンティングインキ
印刷インキでは、印刷時の乾燥に関わるエネルギーコストを削減する低温乾燥オフ輪インキや、新規樹脂を用いた高感度UV硬化型インキ、裏移り防止のために印刷時に撒かれるパウダーをなくしたノンパウダー枚葉インキなどの新製品を開発した。新しい色指定手段である「DIC COLORCLOUD」は初期リリース版の開発を終え、製版工程におけるデジタル校正システムなどソリューションの提案を行っている。軟包装材用接着剤では、アルミ蒸着フィルムとの組み合わせでバリア性能を向上させる蒸着補強型接着剤や、低塗膜量でも優れたラミネート外観が得られる新規エーテル系接着剤、高い耐内容物性を有する新規ハイソリッド接着剤を開発した。
海外ではサンケミカルグループが、人体への影響が懸念されるビスフェノールAフリーの水性フレキソインキを市場に投入した。また、エネルギー硬化型フレキソインキでは、食品包装用途向けの低マイグレーションインキにも対応する、新しいベースインキシステムを開発した。
DICとサンケミカルは、各々の強みを活かした各種の連携プロジェクトを設け、アジア市場向け平版インキや、優れたガスバリア機能を有するコーティング原料などの開発に取り組んでおり、製品化の実績も上がっている。

(2) ファインケミカル
液晶ディスプレイ関連では、カラーフィルタ用顔料で広色域対応の新規グリーン顔料を開発し、本格生産を開始した。また、スマートフォンなどモバイル機器向けに光透過率の高い、次世代液晶として注目されるn型FFS(Fringe Field Switching)液晶を開発し、市場に投入した。
サンケミカルでは、新規の超微細顔料を開発、高機能塗料向けに採用された。また、化粧品用顔料は豊富なカラーラインナップで、トップメーカーとして欧米を中心に実績を上げているが、グループの総合力を活かし日本市場への本格展開を推進している。

(3) ポリマ
電子材料用途では、通信インフラ基板用として低誘電正接と高ガラス転移温度を特徴とする新規活性エステル型エポキシ樹脂硬化剤を、最先端実装配線レジスト材料用として高耐熱型ノボラック樹脂を、レジストのレベリング剤では薄膜塗工時のレベリング性と重ね塗り性を両立したフッ素系界面活性剤を開発した。また、ハロゲンフリー環境調和型エポキシ樹脂は、半導体封止材用に新粘度グレードの拡充を図るとともに、低誘電正接を要求される基板用途にも実績化が進んだ。コーティング用途では、水性塗料用としてエポキシ系、アクリル系、ウレタン系樹脂の開発に注力し、各種新製品を実績化したほか、触感性、自己治癒性に優れる自動車内装用アクリル樹脂なども開発した。

(4) アプリケーションマテリアルズ
工業用粘着テープでは、低VOCや低臭気性が要求される自動車内装用として、高性能水性型粘着剤を用いた両面テープの実績化が進んだ。多層フィルムでは、和紙のような意匠性を有する食品包装用フィルムを開発し、食パンなどの包装に採用された。PPS樹脂は、段階的に生産能力の増強を進めており、第一段のプロセス開発を完了した。さらに、低コスト生産を実現する独自の革新的プロセスの開発にも注力している。液体中の溶存酸素の除去に使用されている中空糸膜モジュールは、インクジェットインキの脱気用などの中小型モジュールで実績を挙げているが、電気電子分野での超純水製造装置の需要の高まりに対応し、大型モジュールを開発、市場に本格参入した。
海外ではサンケミカルが、低マイグレーション型のUV硬化型ジェットインキを発表した。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00901] S10078QB)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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