シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1008Q68

有価証券報告書抜粋 株式会社キャンバス 事業の内容 (2016年6月期)


沿革メニュー従業員の状況


当社は、細胞周期に関する基礎研究の成果をもとに、正常細胞に影響が少ない抗癌剤の研究および開発を単一事業として行っている、創薬企業であります。なお、当社は、医薬品事業の単一セグメントであります。

(1) 基本戦略
当社は、癌細胞の細胞周期(細胞分裂に至る過程)が正常細胞と異なることに着目する独特の創薬アプローチを活かした抗癌剤の基礎研究および臨床開発に取り組む、創薬ベンチャー企業です。
特定領域に絞り込んだ創薬を自社独自の創薬基盤技術(「創薬エンジン」とも呼ばれます)を基に実施することで技術とプロダクトの両方を自社で創出するのが「創薬企業」であり、創薬プラットフォームを持たず開発途上の化合物を外部から導入して一定の開発ののち製薬企業へ導出する企業とは大きく異なるビジネスモデルを志向しています。
この付加価値の高いビジネスモデルを完成させ、企業価値の最大化を図るための、当社の基本戦略は次のとおりです。
・当社独自の創薬アプローチを活かした研究開発に特化集中する。
・当社の細胞表現型薬剤スクリーニング法により創出・獲得した複数の医薬品候補化合物によって、開発パイプラインを構築する。
・抗癌剤の開発経験が豊富で当社の開発戦略に合致するCRO等の外部専門機関、科学顧問団を活用する。
・当社の権利を最大限確保するため、開発段階と当社の財務体力等に応じた適切な戦略提携を製薬企業等との間で行うことによって、価値連鎖(*)を補完・完結する。

当社は、上記の戦略を適切に実行することにより、医薬品候補化合物の開発を速やかに進め、いち早く上市して当社の企業価値を高めるとともに、当社の開発リスクを分散低減してまいりたいと考えております。

(2) 創薬事業
① 医薬品の一般的な研究開発プロセス
医薬品の研究開発プロセスは一般に、テーマに沿った化合物を探索し((a)探索研究)、獲得・創出された化合物をより最適なものに改良し((b)最適化)、動物での検証((c)前臨床試験(非臨床試験(*)))を実施した後、各国の医薬品許認可審査機関(日本の場合は厚生労働省、米国の場合はFDA(Food and Drug Administration:米国食品医薬品局)など。以下「許認可当局」といいます。)に臨床試験開始を申請((d)IND申請)し、その監督下でヒトでの検証を行い((e)臨床試験)、許認可当局に対する申請((f)新薬承認申請、NDA申請)を経て医薬品としての承認取得に至り、その後上市・販売するというものであります。
この過程のうち、(a)探索研究から(e)臨床試験の初期段階に至る領域の活動は、「製薬」全般と区別し「創薬」(Drug Discovery)と一般に呼ばれており、当社は、主にこの領域の活動を担う「創薬」企業であります。


0101010_001.png



(a) 探索研究
新薬のもとになる候補化合物を探し出す研究を探索研究といいます。
一般にこの段階では、大量の化合物の中から目的の作用を持つものを探し出すための薬剤スクリーニング法によって、一定以上の活性を持つ化合物(一般に「ヒット化合物」と呼ばれます)を選別します。

(b) 最適化
探索研究で得られたヒット化合物をもとに、構造の一部を改変して異なる物理的・化学的特性を持つ複数の化合物を新規に合成し、スクリーニングによる選別と病態モデル動物(*)による実験を繰り返して、期待どおりの作用を示すひとつまたは少数の開発候補化合物(一般に「リード化合物」と呼ばれます)を獲得します。

(c) 前臨床試験(非臨床試験)
最適化が終了しその後の開発続行を決定した医薬品候補化合物について、動物実験でデータを収集し、許認可当局に対するIND申請の準備を行う段階です。
非臨床試験のうち、許認可当局へのIND申請に必要なデータを収集するために実施される試験については、特に「前臨床試験」と呼ばれます。臨床試験における医薬品候補化合物の投与量や投与期間を選択するために十分な信頼性のある情報を得る必要があることから、許認可当局の定めた基準に則って実施されます。

(d) IND(Investigational New Drug)申請
米国における臨床試験申請で使われる用語で、医薬品候補化合物についての情報をまとめた臨床試験実施申請資料を「新薬臨床試験開始届」としてFDAに提出し、臨床試験実施の承認を得るものです。

(e) 臨床試験
前臨床試験の結果、有効性および安全性の観点から有用な医薬品になり得る可能性が認められた場合、十分な検討の上で、臨床試験が実施されます。
臨床試験においては、個々の医薬品候補化合物について特徴を科学的に検討し、論理的で段階的な手続によって開発が進められます。
一般に臨床試験は、3つの「相」に分かれていると理解されています。第1相では、少人数(一般に10名から50名程度)のヒトに投与して、許容投与量などを確認します。続いて第2相では、中規模(50名から200名程度)の被験者に投与し、安全性とともに、医薬品候補化合物の有効性が評価されます。第3相では、多数(200名から1,000名、場合によってはそれ以上の人数)の被験者に投与し、第1相・第2相で得られた安全性や有効性に関するデータを確認・実証します。

(ⅰ) 第1相
第1相は、医薬品候補化合物を初めてヒトに投与することから開始されます。
通常、この相の試験は、治療効果を見ることを目的とせず、比較的少数の健康な志願者で実施されます。強い毒性を持つ可能性のある候補薬剤(たとえば抗癌剤)では、対象疾患を持つ被験者を対象として試験が実施されます。
第1相で実施される試験は、通常、次のうちひとつまたはその組合せの観点から行われます。
(ア) 初期の安全性・許容投与量の推測
第2相以降の臨床試験のために必要と想定される用量範囲の許容投与量を決定し、予測される副作用の性質を判断します。
(イ) 薬物動態試験(*)
医薬品候補化合物の吸収、分布、代謝、排泄に関する特徴を検出します。薬物動態試験は開発計画全体を通して行われます。
(ウ) 薬力学的な評価
薬力学試験(*)および血中濃度と反応に関する試験を行うことによって、医薬品候補化合物の有効性について初期的な推測が可能になる場合もあり、また、用法・用量の設定の参考にします。
(エ) 初期の薬効評価
薬効または予想される治療上の利益の予備的検討が、副次的な目的として第1相試験で行われることがあります。

(ⅱ) 第2相
第2相は、通常、対象疾患を持つ被験者における治療効果の探索を主な目的とする試験を開始する段階です。
第1相試験よりも被験者数を増やし、その後に続けられる試験での用法・用量を決定し、設定される可能性のある評価項目や治療方法(他剤との併用を含む)等を検討・評価します。

(ⅲ) 第3相
第3相は、通常、治療上の利益を証明もしくは確認することを主目的とする試験を開始する段階です。
第2相試験よりも投与患者数をさらに増やし、治療効果の既存薬剤との比較データ、副作用のデータ等を収集することによって、意図した適応疾患および対象患者群において医薬品候補化合物が安全かつ有効であるという第2相試験で蓄積された予備的な証拠をさらに検証し、新薬として承認されるための適切な根拠となるデータを得ることを目的とします。

(f) 新薬承認申請(New Drug Application)
新薬承認申請書類を作成し、許認可当局に提出します。この申請が承認されれば、対象の国や地域における販売が可能になります。
なお、医薬品の承認後に、承認された適応に関連する追加的な試験が行われることがあり、これを第4相試験と呼ぶことがあります。

② 当社の創薬事業の特色
当社の有する創薬アプローチならびに創薬基盤技術、これらに基づき実施している研究開発業務(「創薬事業」と総称されます)の特色は以下のとおりです。

(a) 当社の創薬アプローチについて
世界中の製薬企業やベンチャー企業、大学等の研究者開発者たちは、
「癌を特異的(*)に殺す方法」
すなわち
「正常細胞や正常組織に影響を与えず癌だけを殺す方法」
の開発実用化を目指し、それぞれの強み・特色を活かした研究開発に日々しのぎを削っています。

この実現のために、さまざまなコンセプトが生まれ、さまざまなアプローチで開発が進められてきました。
たとえば、癌にまつわる特徴的なシグナル伝達経路(*)上の分子をターゲットとするアプローチ(一般には「分子標的薬」と呼ばれます)や、癌細胞が提示する特徴的な抗原に反応する抗体によるアプローチは、「特定の癌細胞でだけ作用する(正常細胞には影響しない)薬剤」を創ろうとするコンセプトです。また他の例では、DDS(薬剤運搬システム)を用いるアプローチは、正常細胞に抗癌剤を触れさせないコンセプトです。
その中でキャンバスは、「大部分の癌細胞の細胞周期(細胞分裂に至る過程)が正常細胞と異なること」に着目する独特の創薬アプローチで、この研究開発競争に挑んでいます。

(b) 当社独自の細胞表現型薬剤スクリーニング法について

(ⅰ) 生細胞の挙動に着目したスクリーニング
生きた細胞で起きる現象の多くは、さまざまな分子群が複雑に絡み合ったシグナル伝達経路を介して現れ、また、そのシグナル伝達経路の多くは未解明です。
薬剤のスクリーニングでは多くの場合、最初のステップとして「ハイスループットスクリーニング(*)」(単一もしくは少数の特定標的分子(*)に対する化合物の活性を高速に分析する技術)を実施し、大量の候補化合物の中から「外れ」を早期にふるい落とす作業を実施します。これは一般に、分子標的型のアプローチと呼ばれます。
このアプローチは、標的とした分子の働きへの依存が大きい(バイパス経路の少ない)ケースでは、「癌を特異的に殺す」ための有効な手段です。しかしながら、標的分子が判明していないケースやシグナル伝達経路が複雑で標的分子を特定できないケースでは、分子標的型のアプローチは対応できません。
これに対し、当社のスクリーニング法は、特定の標的分子に対する活性ではなく、生きた細胞の挙動に着目したものです。
細胞内で働いている分子を取り出してスクリーニングする「ハイスループットスクリーニング」は採用せず、細胞の中で起きることはブラックボックスであると考え、生きている細胞の挙動(表現型)に答を訊く「細胞の表現型によるスクリーニング」を行っています。
0101010_002.jpg



細胞の挙動という最終アウトプットを基準とした当社独自の薬剤スクリーニング法は、標的分子があらかじめ特定されている必要がなく、シグナル伝達経路が複雑・未知でも対応が可能という特色を有しています。
当社は、未解明の部分の多い癌領域においてはこの薬剤スクリーニング法が効果的であると考えており、現在までに当社が保有している医薬品候補化合物パイプラインはいずれも、この薬剤スクリーニング法によって探索・創出されたものであります。
このスクリーニング法には、生細胞を用いるので自動化が難しく、そのためスループットを向上し難いという欠点があります。しかし、そのことが逆に、一般に高いスループットを追求する傾向にある他の製薬企業や創薬企業による模倣や追従に対する障壁となっています。

(ⅱ) 当社のスクリーニング法で獲得される化合物
当社のスクリーニングにおいては、未知のものも含むさまざまな作用メカニズムの、薬剤候補化合物がまず見出されます。
それらの共通点は、「正常細胞に影響が少なく癌細胞に作用する」化合物であることです。
当社は、この化合物(当社ではこれを「ヒット化合物」と呼んでいます)の最適化と作用メカニズム解析を行います。
(ア) 最適化
ヒット化合物の分子構造を少しずつ変化させ、初期スクリーニングで獲得した化合物をより最適なもの(抗癌活性の強いもの、癌特異的な作用の強いものなど)に改良する作業です。
(イ) 作用メカニズム解析
非臨床試験や臨床試験から得られたデータをもとに、その化合物が作用するしくみ(作用メカニズム)を解析する作業です。
作用メカニズムがわかっていることは必ずしも医薬品として開発するための必要条件ではありません。
しかしながら、作用メカニズムの解析は、
・最適化作業へのフィードバックができる
・前臨床試験や臨床試験の設計へのフィードバックができ、成功確率を上げることができる
・提携獲得活動での説得力が増す
などのメリットがあります。
当社では、自社動物実験施設を含む基礎研究チームが時宜に応じた機動的で柔軟な体制で、ヒット化合物や臨床試験ステージの化合物の作用メカニズム解析に臨んでいます。
また、この解析業務を通じて得られた知見は、その中の特定のメカニズムを強化した改良化合物の創出に繋がる場合があります。

(c) 開発パイプラインについて
当社は現在、CBP501およびCBS9106によって開発パイプラインを構築し、事業化を意識した優先順位づけと管理に基づき研究開発を進めています。

◆開発パイプライン
0101010_003.jpg


(ⅰ) CBP501 「カルモジュリン・モジュレーター」
CBP501は、当社独自のスクリーニングから獲得された抗癌剤候補化合物です。
米国FDAの規制下において、CBP501・シスプラチン・ペメトレキセドの3剤併用による悪性胸膜中皮腫を対象とする臨床第2相試験、同じ3剤併用による非小細胞肺癌(扁平上皮癌を除く)を対象とする臨床第2相試験の、2つの臨床第2相試験を終了しました。
このうち、非小細胞肺癌に対する臨床第2相試験の結果は、主要評価項目「無増悪生存期間」(PFS)は達成しなかったものの、被験者のうち投与前の白血球数の少ない群(n=96、投与群・対照群ほぼ同数)を抽出したサブグループ解析の結果、重要な副次的評価項目である「全生存期間」(OS)において、CBP501の顕著な効果が示唆されるものでした。
当初当社は、CBP501の抗癌活性を主に「G2チェックポイント阻害」によるものであると考えてきました。
その後、CBP501はG2チェックポイント阻害活性を示すよりも低い濃度で、併用するシスプラチンなどプラチナ系抗癌剤の細胞流入を癌細胞でのみ高めていることがわかり、それら両方の作用を示す理由を追求する中で、多様な細胞機能に関わる蛋白質カルモジュリンに作用していることがわかっていました。
臨床第2相試験データの獲得後、さらに詳細な解析と追加的研究を進めたその結果、上記のようなサブグループ解析結果が生じる原因を科学的に矛盾なく説明し得る仮説の樹立と、それを支持するデータの獲得に成功しました。すなわち、CBP501は、既に発見されていたカルモジュリンへの作用(カルモジュリンの制御機能を調整)を経由して、癌細胞に直接作用するのみならず、「癌微小環境」「癌免疫」「癌幹細胞」などに関わる広範な作用により抗癌活性を示す、独特の抗癌剤(カルモジュリンモジュレーター)であることが判明しています。
現在当社は、これらの知見を踏まえ、CBP501について次の臨床試験を開始するための準備を進めつつ、今後の臨床試験の遂行に必要な提携パートナーの獲得を目指しています。

(ⅱ) CBS9106 「可逆的XPO1阻害剤」
CBS9106は、当社独自のスクリーニングから得られたXPO1阻害剤です。
臨床試験開始に必要な前臨床試験を終え、2014年12月、Stemline社と全世界(日本および中国・台湾・韓国を除く)における独占的権利を供与するライセンス契約を締結しました。
現在Stemline社は、米国FDAの規制下において、CBS9106(同社における開発コード:SL-801)について固形癌を対象とする臨床第1相試験を実施しています。
この低分子化合物は、核外輸送因子XPO1(CRM1)を可逆的に阻害し、細胞周期停止およびアポトーシスを誘導します。動物実験までの段階では、多発性骨髄腫など幅広い癌細胞株に対して抗癌活性を有することが確認されています。
XPO1は、核外輸送シグナル(NES)を持つ輸送基質(蛋白質、mRNA-蛋白質複合体)を核から細胞質へ輸送する役割を担う蛋白質です。XPO1によって制御される輸送基質には癌関連因子(IκB、p53、FOXOs)が含まれており、XPO1阻害剤はこれらが核外へ輸送されるのを抑制し、抗癌活性を示すと考えられています。

一般的なXPO1阻害剤と比較したCBS9106の強みは、標的であるXPO1という蛋白質を分解に導く点です。
XPO1は大変安定的な蛋白質であり、通常の阻害剤の場合、それが作用したまま分解されず細胞内に存在し続けてしまいます。その場合、XPO1の作用が(本来あるべき作用も)失われたままになり、副作用の原因のひとつになるおそれがあります。
CBS9106は、この蛋白質を分解するので、細胞は新たに(阻害されていない)XPO1を作ることができます。(このことを「可逆的阻害」と呼んでいます)これによって、正常組織が回復できる投与方法の樹立を可能にし、XPO1阻害剤の作用と副作用の間の幅(セラピューティックインデックス)を拡げられる、すなわち、副作用の少ない抗癌剤となる可能性があると考えています。

(ⅲ) 開発パイプラインの拡充
当社のような創薬企業にとって、新規の候補化合物を継続的に創出・獲得し、開発パイプラインを拡充するしくみ(以下ではこれを「創薬エンジン」と呼びます)の確保は、将来の継続的な成長のために必須のものであります。
当社では、
(ア) 「正常細胞と癌細胞の細胞分裂過程の違いに着目した独自のスクリーニング
(イ) CBP501の新知見に基づく「次世代CBPプロジェクト」
の2つの創薬エンジンにより、将来の開発候補品となり得る新規化合物の探索研究を継続的に行っています。
これらを効果的に推進するため当社は、2016年2月に東京大学医学部附属病院と、また、2016年4月にファルマバレープロジェクト(静岡県産業振興財団)と、それぞれ共同研究を開始しました。

(d) 製薬企業との戦略提携について
医薬品の開発プロセスは、通常、長い期間と莫大な費用を必要とします。当社のような創薬企業が、基礎研究・臨床開発・製造・上市・販売および上市後のフォローアップなどを単独で行うことは困難であることから、製薬企業等との間で適切な提携関係を構築し、固定費の増加を回避しつつ将来の継続的な開発・承認・上市に至る体制の確保を図るのが一般的な戦略です。
創薬企業と製薬企業等とがこのような役割分担を行うようになった背景として、分子生物学を主体とした生命科学の発達により、従来とは異なり、個々の研究テーマに対する専門性の高い研究力が求められるようになったことが挙げられます。実際に米国などでは、有力な新薬の多くが創薬企業によって開発され、または創薬企業からのライセンス供与などの形で創薬企業と戦略提携した製薬企業等によって開発されており、この役割分担の形は世界的な標準となっていると言えます。
また、創薬企業と製薬企業等との戦略提携は、両者のリスク分担や利益配分などの考え方を反映し、特許等の排他的な実施権を供与する対価としてロイヤルティを得る形態(いわゆるライセンスアウト)のみならず、さまざまなバリエーションが存在します。
CBP501に関しては、当社は、2007年3月に武田薬品工業株式会社との間でCBP501に関する共同事業化契約を締結し共同開発を進めておりましたが、2010年6月に本契約を解消しております。その後、当社は、悪性胸膜中皮腫および非小細胞肺癌を対象とする海外での臨床第2相試験を当社単独で進めてきましたが、今後実施する計画の臨床第3相試験に向けて、現在、新規提携パートナーの早期獲得を目指した活動を行っています。
CBS9106については、2014年12月、Stemline社と全世界(日本および中国・台湾・韓国を除く)における独占的権利を供与するライセンス契約を締結しました。現在同社は、CBS9106(同社における開発コード:SL-801)のIND申請を終え、2016年5月には臨床第1相試験を開始しています。

(e) 研究開発における外部機関との連携について
当社は、癌領域に絞り込んだ創薬を自社独自の創薬エンジンを基に実施する創薬企業として、基礎研究から臨床開発・上市に至る各ステップにおいて、外部との提携関係(委受託関係を含みます)を活用しています。
基礎研究および最適化の段階においては、最適化の過程で必要となる新規候補化合物の合成業務を、この領域において経験豊富な企業に委託しています。また前述のとおり、東京大学医学部附属病院およびファルマバレープロジェクト(静岡県産業振興財団)との共同研究を進めております。
臨床開発においては、抗癌剤の臨床開発に専門性を持つ大手CROとの緊密な提携関係を構築しています。
また、当社は、抗癌剤の臨床開発にかかる経験を豊富に持つなど当社の研究開発への貢献が期待できる科学者による科学顧問会議(以下「SAB」といいます)を組成しています。SABのチェアマンであるダニエル・D・ヴァンホフ教授は、全米癌学会会長・米国癌治療学会会長を歴任した著名な癌臨床研究者で、これまで20年以上にわたり多数の抗癌剤の臨床試験に携わっています。同氏を議長とするSABミーティングは、2002年3月の発足以来、概ね年2回定期的に開催され、当社の研究開発全般に関する情報交換や議論を行っています。

沿革従業員の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E23487] S1008Q68)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。