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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10082YY

有価証券報告書抜粋 富士フイルムホールディングス株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、写真感光材料やドキュメント等の事業で培った材料化学、光学、解析、画像等の幅広い基盤技術のもと、機能性材料、ファインケミカル、エレクトロニクス、メカトロニクス、生産プロセス等の技術領域で多様なコア技術を有しています。現在、さまざまな分野でビジネスを展開している当社グループでは、これらの基盤技術とコア技術を融合した商品設計によって、重点事業分野への研究開発を進める一方、将来を担う新規事業の創出も進めています。
加えて、富士フイルム㈱、富士ゼロックス㈱及び富山化学工業㈱等のグループシナジーを強化するとともに、他社とのアライアンス、M&A及び産官学との連携を強力に推進し、新たな成長軌道を確立していきます。また、これまで富士フイルムグループが開発してきた優れた材料・製品を支える基盤技術やコア技術、開発中の新しい技術・材料・製品を直接触れていただきながら、ビジネスパートナーにソリューションを提案する施設として日・米・欧3拠点に「Open Innovation Hub」を開設しました。ビジネスパートナーが持つ課題やアイデア、潜在的なニーズと自社の技術を結びつけ、画期的な新しい製品・技術・サービスを生み出し、イノベーションを起こしていきます。さらに、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった高度なICT化に対応した情報基盤技術の強化と応用拡大を図るために、新組織「インフォマティクス研究所」を設立しました。ビッグデータ解析等の情報科学の最先端技術やソフトウエアの基盤技術の研究開発を、新規材料や製品、IoT社会に適したソリューションサービスの創出に活用していきます。
当連結会計年度における研究開発費の総額は163,033百万円(前年度比1.2%増)、売上高比6.5%となりました。各セグメントに配賦していない汎用性の高い上記基盤技術の強化、新規事業創出のための基礎研究費は24,516百万円です。
当連結会計年度の主な研究開発の成果は次のとおりであります。
(1)イメージング ソリューション部門
フォトイメージング事業では、スマートフォンやデジタルカメラ等で撮影した画像を、スマートフォン感覚の快適なタッチ操作で簡単にプリント注文できる次世代店頭プリント受付機「Wonder Print Station(ワンダープリントステーション)」を開発し、発売しました。
光学・電子映像事業では、卓越した写真画質と多彩な絵作りを実現する「Xシリーズ」のラインアップとして、ミラーレスカメラの「FUJIFILM X-Pro2」「FUJIFILM X-T10」を開発し、発売しました。「FUJIFILM X-Pro2」は、新開発の2430万画素「X-Trans™ CMOS Ⅲ」センサーと超高速の新型画像処理エンジン「X-Processor Pro」を搭載し、「Xシリーズ」史上最高の画質と機動性を実現しています。「FUJIFILM X-T10」は、小型軽量ボディに、動いている被写体の決定的瞬間をとらえる「新AFシステム」と、0.62倍大型表示倍率、世界最短表示タイムラグ0.005秒(2015年4月現在 富士フイルム㈱調べ)を実現する「リアルタイム・ビューファインダー」を搭載しています。また、「Xシリーズ」の交換レンズラインアップとして、クラス最高となる5.0段分の手ブレ補正と小型・軽量設計により、超望遠領域でも手持ち撮影で「Xシリーズ」の高画質を楽しめる「フジノンレンズ XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」を開発し、発売しました。また、4K対応の放送用ズームレンズとして世界最高107倍ズーム(2016年4月14日現在 富士フイルム㈱調べ)を実現した「FUJINON UA107×8.4」を開発し、発売しました。さらに、製造ラインの製品検査や計測等で使用するマシンビジョンカメラ用レンズの最上位シリーズとして、多様な設置条件下で画像の中心部から周辺部まで均一な高い解像性能を実現する「FUJINON HF-12Mシリーズ」を開発し、発売しました。
本部門の研究開発費は、7,986百万円となりました。

(2)インフォメーション ソリューション部門
メディカルシステム事業では、軽量・コンパクトで携帯性に優れ、かつ、診断しやすい7インチ画面を装備したタブレット型超音波画像診断装置「SonoSite iViz(ソノサイト アイビズ)」を開発し、発売しました。本製品は、独自の小型化技術で開発した画像処理回路により、小型ながら鮮明で高精細な画像が得られる画期的な超音波画像診断装置です。また、病院内の各診療科が扱う多様な診療情報を一元的に管理・保管できる統合アーカイブシステム「SYNAPSE VNA(シナプス ブイエヌエー)」を開発し、発売しました。当社は2015年5月にVNAの先駆者として市場をリードしてきた米国TeraMedica, Inc.を連結子会社化し、VNAの積極的なグローバル展開を推進しています。さらに、レーザー光源搭載の内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」用スコープの新ラインアップとして、高解像度CMOSセンサーを搭載し、低ノイズで高解像度な画像を実現した、下部消化管用拡大スコープ「EC-L600ZP」、上部消化管用拡大スコープ「EG-L600ZW」を、キセノン光源を用いた内視鏡システム「Advancia(アドバンシア)」シリーズ用スコープの新ラインアップとして下部消化管用拡大スコープ「EC-600ZW/M」を、それぞれ開発し、発売しました。
医薬品事業では、血液がん「再発・難治性の骨髄異形成症候群(MDS)及び急性骨髄性白血病(AML)」の患者に対する抗がん剤「FF-10501」の米国臨床第Ⅰ相試験において、高い忍容性が確認され、さらに一部の患者で部分寛解及び骨髄寛解が得られました。今後、富士フイルム㈱は、MDアンダーソンがんセンターでさらなる高用量での忍容性評価を継続していきます。また、この中でみられる有効性も評価して、前期第Ⅱ相の臨床試験へ移行する予定です。また、米国で2016年1月に抗がん剤「FF-21101」の肺がん等の固形がんを対象とする臨床第Ⅰ相試験を開始、抗がん剤「FF-10502」の膵臓がん等の固形がんを対象とした臨床第Ⅰ相試験を開始する等、着実にパイプラインの臨床開発を進めています。「FF-21101」は、富士フイルム㈱がグループ会社の技術を結集させ、開発したものです。抗体の創出には創薬系バイオベンチャーのペルセウスプロテオミクス㈱、抗体の製造にはバイオ医薬品受託製造会社のFujifilm Diosynth Biotechnologies、抗体にRIを標識するプロセスの開発には放射性医薬品メーカーの富士フイルムRIファーマ㈱の技術を活用しています。また「FF-10502」は、合成に多くのプロセスが必要な独特の化学構造を有するため、生産コストが高く、実用化が困難でしたが、当社が写真フィルムの開発で培ってきた高い化学合成力・設計力を活かして、合成プロセスを効率化することで、コスト低減を成功させたものです。
再生医療事業では、iPS細胞の開発・製造の世界的なリーディングカンパニーである米国Cellular Dynamics International, Inc.を2015年5月に連結子会社化するとともに、2015年10月に国内でiPS細胞ビジネスを展開するセルラー・ダイナミクス・インターナショナル・ジャパン㈱を設立し、再生医療分野への取り組みを強化しています。また、再生医療のための細胞培養に必要な細胞外マトリックス「cellnest(セルネスト) ヒトI型コラーゲン様リコンビナントペプチド」を、ラットの頭蓋骨欠損部に移植することで、骨の再生能力を大幅に高めることに成功しました。今後、骨再生の中でも、特に医療ニーズの高い歯槽骨の再生等への活用が期待できます。
ライフサイエンス事業では、「ヒト型アシルセラミド」を世界最小20nmサイズ(2015年6月末現在 富士フイルム㈱調べ)で安定分散した「ヒト型ナノアシルセラミド」を開発しました。「ヒト型ナノアシルセラミド」は、「ヒト型アシルセラミド」分散液に比べて、約6倍の角層浸透性を示すことを確認しました。この「ヒト型ナノアシルセラミド」を新たに配合し、肌をすみずみまで潤いで満たす保湿機能をさらに強化したジェリー状美容液「ASTALIFT JELLY AQUARYSTA(アスタリフト ジェリー アクアリスタ)」をリニューアル発売しました。また、美白有用成分「オリザノール」を世界最小クラス20nmサイズで安定にナノ分散した「ナノオリザノール」を開発しました。この「ナノオリザノール」を新たに配合し、美容効果をさらに強化した美白美容液「エッセンスインフィルト」をリニューアル発売しました。
高機能材料では、「環境負荷低減と高耐久性を実現する太陽電池用保護フィルム」で、新化学技術推進協会の「第14回(2014年度)グリーン・サスティナブル ケミストリー賞(GSC賞) 環境大臣賞」を受賞しました。また、「写真技術を応用した、タッチパネル用薄型両面センサーフィルムの開発」で、日本化学工業協会の「第48回(2015年度)日化協技術賞 技術特別賞」を受賞しました。
電子材料事業では、半導体製造用ネガ型有機溶剤現像リソグラフィープロセス(NTIプロセス)の開発で、日本化学工業協会の第47回(2014年度)日化協技術賞の最高賞である「総合賞」を受賞しました。
記録メディア事業では、大容量データのバックアップやアーカイブに使用される磁気テープメディア「LTO Ultrium規格」の第7世代に対応した「FUJIFILM LTO Ultrium7 データカートリッジ」(以下、「LTO7」と記述します。)を開発し、発売しました。LTO7は独自の「BaFe(バリウムフェライト)磁性体技術」と「NANOCUBIC技術」をさらに進化させ、前世代のLTO6に比べ記録容量を約2.4倍の15.0TBに拡大し、データ転送速度を約1.9倍の750MB/秒に高速化しました。また、企業や大学で生成されたデータを簡単かつ効率的に磁気テープに記録し、利用者の元で長期保管できるデータアーカイブストレージシステム「d:ternity(ディターニティ) オンサイト アーカイブ」を開発し、発売しました。
グラフィックシステム事業では、完全無処理サーマルCTPプレート「SUPERIA ZP」「SUPERIA ZN」を開発し、発売しました。「SUPERIA ZN」は、新聞印刷輪転機に適応した環境配慮型の新型刷版として初めて実用化に成功し、国内の新聞社に導入されたこと等から、今後の新聞界の主流となりうる技術として期待されています。また、枚葉インクジェット印刷機としてB1用紙サイズに対応した次世代インクジェットデジタル印刷機を、Heidelberger Druckmaschinen AGと共同で開発しました。
本部門の研究開発費は、67,301百万円となりました。

当社グループにおける新薬開発状況は以下のとおりです。(2016年5月現在)
開発番号薬効・適応症剤形地域状況
T-705抗インフルエンザウィルス薬経口米国PhⅢ実施中
T-3811キノロン系合成抗菌薬経口中国承認申請中
T-2307抗真菌薬注射米国PhⅠ終了
T-817MAアルツハイマー型認知症治療薬経口米国
日本
PhⅡ実施中
PhⅡ実施中
T-4288マクロライド系抗菌薬経口日本PhⅡ実施中
ITK-1去勢抵抗性前立腺がん治療薬注射日本PhⅢ実施中
FF-10501再発・難治性骨髄異形性症候群治療薬経口日本
米国
PhⅠ終了
PhⅠ実施中
FF-10502進行・再発膵がん/卵巣がん治療薬注射米国
欧/日
PhⅠ実施中
PhⅠ準備中
FF-21101進行・再発非小細胞肺がん/膵がん治療薬(Armed抗体)注射米国
欧/日
PhⅠ実施中
PhⅠ準備中
F-1311前立腺がん診断薬(放射性医薬品)注射日本PhⅡ実施中
FF-10101再発・難治性急性骨髄性白血病治療薬経口米国非臨床試験実施中

(3)ドキュメント ソリューション部門
オフィス市場向けには、モバイル端末への対応とクラウドサービスとの連携を強化したフルカラーデジタル複合機「ApeosPort-V C」シリーズ及び「DocuCentre-V C」シリーズ18機種を発売しました。中小規模事業所市場向けには、エントリーモデルの「DocuCentre-V」シリーズを、中国を含むアジア・オセアニア地域市場と日本で発売しました。ライトプロダクションカラー市場向けには、100V電源で稼働するプリンターとしては世界最高速(2015年10月8日現在 富士ゼロックス㈱調べ)の「DocuColor 7171 P」を開発し、発売しました。また、印刷会社やサービスビューロー、データセンターなどのプリントサービス提供企業向けに、色の再現性を高めたカラー・オンデマンド・パブリッシング・システム「Xerox iGen 5 150 Press」を発売しました。
ソリューション・サービス関連では、クラウドを活用して事業所、企業間等、移動先でのプリント業務を簡単に行えるプリントサービス「Cloud On-Demand Print」の提供を開始しました。
本部門の研究開発費は、63,230百万円となりました。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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