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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100N4GN (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 名南M&A株式会社 事業の内容 (2021年9月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社は、創業から現在に至るまで、一貫して中堅中小企業を対象としたM&A仲介業務に取り組んでおります。
当社は、M&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

(1) M&A仲介業務について
譲渡を希望する企業と買収を希望する企業の引き合わせから、提携条件の調整、契約書類の作成、取引の実行に至るまでの一連のM&Aプロセスにおいて、クライアントを支援しております。中立的な立場で提携条件を調整し、譲渡先と買収先の双方から報酬を受領する業務と、譲渡先(又は買収先)の立場に立って支援し、譲渡先(又は買収先)のみから報酬を受領する業務があります。その他、「企業評価」「契約書類の作成支援」「コンサルティング業務」等、一連のM&Aプロセスの中の一部の業務のみを実施することもあります。
上記のとおり、立場や業務範囲は案件ごとに異なりますが、いずれもM&Aに関する業務であることから、すべて「M&A仲介業務」としております。

(2) 当社の特徴について
当社は、中堅中小企業を対象としてM&A仲介業務に取り組んでおります。親族が経営を承継する企業が年々減る中で、事業承継手段としてM&A(譲渡)を希望する中堅中小企業が増えております。また、今後国内人口が減少し、多くの業界で国内マーケットの縮小が予想される中、業界内でのシェア拡大や事業の多角化、他地域進出の手段としてM&A(買収)を希望する中堅中小企業が増えております。譲渡と買収、双方のニーズが増加する中で、中堅中小企業のM&Aは増加傾向にあります。
中堅中小企業のM&Aニーズの増加に伴い、金融機関やM&A専門業者がM&A業務への取組みを強化しておりますが、当社の特徴は以下の3点です。

① 東海地方における強固な営業基盤
当社が属する名南コンサルティングネットワークは、東海地方において50年以上にわたり、中堅中小企業の経営を支援しており、東海地方における高い知名度と信用力を有しております。また、東海地方のすべての地方銀行と多くの信用金庫と業務提携しており、案件情報を開発するためのネットワークが構築されております。その他、国が運営するM&Aの公的な相談窓口である愛知県・岐阜県・三重県の「事業引継ぎ支援センター」にM&A専門業者として登録しており、「事業引継ぎ支援センター」からの紹介により譲渡案件を多数受託しております。
「東海地方に根ざしたM&A会社」として信頼度、認知度向上を図るため2019年12月2日に名古屋証券取引所セントレックス市場へ上場、2020年12月17日に名古屋証券取引所市場第二部へ市場変更しました。
また、関西地方におけるM&Aニーズの増加に対応するため、2019年4月に開設した大阪オフィスにおいても、提携先の増加等により堅調に成長しております。

② 名南コンサルティングネットワーク関係法人との営業連携
名南コンサルティングネットワークは、東海地方の中堅中小企業を中心に6,000社超のクライアントを有しております。
クライアントの事業承継問題や事業拡大戦略について、関係法人と協同でソリューション提案を実施することにより、M&Aニーズの発掘に繋げております。
また、名南コンサルティングネットワークは全国の約2,300の会計事務所に対し、情報共有及び各種経営ツールを提供するインターネットサービスを展開しております。当社は、当該サービスのユーザーである会計事務所と連携してM&A案件の発掘に取り組んでおります。

③ 人材育成方針
M&A仲介業務は、実行までのプロセスの中で、税務、法務、労務等の様々な専門知識や、クライアントが属する業界動向を分析し、相乗効果の高いM&A案件を創出するための構想力も求められます。当社は、名南コンサルティングネットワークに属する様々な専門家と定期的に勉強会や情報交換会を開催することにより、専門知識や業界知識の習得に努めております。継続的に研鑽の場を提供し、従業員のコンサルティング能力を磨くことによって、企業の潜在的なM&Aニーズを顕在化させ、税務、法務、労務等のあらゆる側面から最適なM&Aスキームを提案しております。


[名南コンサルティングネットワークにおける当社の位置付け]

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(注)PMI(アフターM&A)とは、「Post Merger Integration」の略であり、M&A(企業の合併・買収)成立後の統合プロセスのことです。新しい組織体制の下で当初企図した経営統合によるシナジーを具現化するために、企業価値の向上と長期的成長を支えるマネジメントの仕組みを構築、推進するプロセスの全体を指します。M&Aが企業活動にもたらす成果の度合いは、このPMIの巧拙によって決まると言われます。

(3) 業務フロー
当社では、譲渡を希望する企業と買収を希望する企業の引き合わせから、提携条件の調整、契約書類の作成、取引実行に至るまでの一連のM&Aプロセスにおいて、クライアントを支援しております。中立的な立場で提携条件を調整し、譲渡先と買収先の双方から報酬を受領する業務と、譲渡先(又は買収先)の立場に立って支援し、譲渡先(又は買収先)のみから報酬を受領する業務があります。その他、「企業評価」「契約書類の作成支援」「コンサルティング業務」等、一連のM&Aプロセスの中の一部の業務のみを実施することもあります。
上記のとおり、案件によって立場や業務範囲が異なりますが、当社において支援実績が最も多い「中立的な立場で、個別相談からM&A取引実行まで支援する」案件の業務フローは下記のとおりであります。

①M&Aニーズの発掘
・業務提携先の新規開拓、既存提携先のフォロー営業
・セミナー開催、ダイレクトメール送付、広告宣伝活動
譲渡先②個別譲渡相談⑤個別買収相談買収先
・事業内容、経営資料の確認
・簡易企業評価、実現可能性の検証
・買収ニーズのヒアリング
・匿名譲渡案件情報の提供
③アドバイザリー契約⑥譲渡案件情報提供
・アドバイザリー契約の締結、着手金受領
・企業概要書、匿名譲渡案件資料の作成
・秘密保持契約の締結
・企業概要書の開示、質疑応答、追加資料開示
④買収候補先の探索⑦アドバイザリー契約
・買収候補先の選定
・提案方法の確認(提案先、希望譲渡条件)
・アドバイザリー契約の締結、情報提供料受領
⑧トップ面談・条件調整
・トップ面談、会社見学のアレンジ
・譲渡条件の調整
⑨基本合意契約・買収監査
・基本合意書のドラフト作成
・買収監査の実行支援
⑩譲渡契約・取引実行
・譲渡契約書のドラフト作成、M&A取引の実行支援
・成功報酬の受領、紹介料の支払

① M&Aニーズの発掘(譲渡先・買収先)
当社では、以下の2つの方法によりM&Aニーズを発掘しております。
a)間接的アプローチ
中堅中小企業を支援している金融機関や会計事務所と業務提携し、M&Aニーズを有する企業を紹介いただきます。提携先の職員を対象とする研修や提携先の取引先を対象とする共催セミナーを実施する等、提携先と協同でM&Aニーズを発掘しております。提携先からの紹介案件はM&A取引実行まで、提携先と連携して仲介業務を実施し、当社が受領した報酬の一部を紹介料として提携先にお支払いしております。
b)直接的アプローチ
セミナー開催やダイレクトメールの送付により直接企業のM&Aニーズを発掘しております。また、ホームページやメールマガジン、書籍の出版等による情報発信活動や新聞等による広告宣伝活動により、当社の知名度を向上し、企業からの直接相談に繋げております。

② 個別譲渡相談(譲渡先)
譲渡先との個別相談では、当社のM&Aアドバイザーが事業内容や譲渡理由、希望譲渡条件等のヒアリングを行うとともに当社の業務内容について説明します。合わせて、M&Aのメリットとデメリットや具体的な事例、M&A以外の手段との比較等について説明し、相談者にM&Aと当社について正しく理解いただくように努めております。個別相談後、ヒアリング内容と経営資料に基づき、M&Aの実現可能性を検証し、譲渡金額の目安となる企業価値を簡易評価します。

③ アドバイザリー契約(譲渡先)
簡易企業評価結果と実現可能性について、譲渡先に報告します。実現可能性が十分認められ、譲渡先が当社による支援を希望する場合は、アドバイザリー契約を締結、企業概要書及び匿名譲渡案件資料を作成し、着手金を受領します。

④ 買収候補先の探索(譲渡先)
当社のM&Aアドバイザーは、譲渡先の事業内容や規模、商圏等を踏まえて、買収候補先をリストアップします。また、必要に応じて、提携先に譲渡案件を紹介し、買収候補先の紹介を依頼します。当社がリストアップした買収候補先と、提携先から紹介を受けた買収候補先を一覧にまとめて譲渡先に提示し、提案の可否や順番について打ち合わせを実施します。合わせて、買収候補先に提示する希望譲渡条件について確認を行います。

⑤ 個別買収相談(買収先)
買収先との個別相談では、当社のM&Aアドバイザーが買収対象とする事業、規模、地域等に関する希望をヒアリングします。合わせて、当社の業務内容や、買収先の事業、買収ニーズに関連する事例、業界動向等について説明します。その後、買収先のニーズに合致しそうな譲渡案件があれば、匿名譲渡案件情報を開示し、関心の有無を確認します。

⑥ 譲渡案件情報提供(買収先)
買収先と当社間で秘密保持契約を締結した上で、企業概要書等の譲渡案件情報を買収先に開示します。その後、開示資料に基づく質疑応答や追加資料の提供を通して、まずは書面ベースで買収先に譲渡案件に対する理解を深めてもらいます。

⑦ アドバイザリー契約(買収先)
企業概要書等の譲渡案件情報の検証後、買収先が成約に向けた条件調整やトップ面談を希望する場合は、買収先と当社間でアドバイザリー契約を締結し、情報提供料を受領します。

⑧ トップ面談・条件調整(譲渡先・買収先)
譲渡側と買収側の相互理解を促進するため、トップ面談や会社見学・工場見学をアレンジします。当社のM&Aアドバイザーは、トップ面談や会社見学・工場見学が双方にとって有意義な機会となるように、また従業員等への情報漏洩リスク等に配慮したうえで、日程や場所、当日のスケジュール、面談テーマ等を調整します。
そして、同時並行で、譲渡先と買収先の希望条件を踏まえて、スキームの提案や譲渡条件の調整を進めます。

⑨ 基本合意契約・買収監査(譲渡先・買収先)
譲渡条件の調整が概ね完了した段階で、当社のM&Aアドバイザーは基本合意書のドラフトを作成し、基本合意契約の締結を支援します。
その後、買収先が実施する買収監査の実行を支援します。トップ面談同様、従業員等への情報漏洩リスク等にも配慮しながら、買収監査が円滑に完了するように日程や場所、当日のスケジュールを事前に調整し、譲渡先と協力して必要な書類を整えておきます。

⑩ 譲渡契約・取引実行(譲渡先・買収先)
当社のM&Aアドバイザーは、買収監査の結果に基づき、最終的な条件調整を行い、譲渡契約書のドラフトを作成し、譲渡契約の締結を支援します。そして、資金決済や重要物品の授受等、M&A取引の円滑な実行をサポートします。また、M&A実行後の引継方法や関係者へのディスクローズ方法、必要な名義書換え手続き等、円滑な事業承継を実現するためのアドバイスを行います。M&A取引実行後、当社は譲渡先と買収先から成功報酬を受領します。
提携金融機関などからの紹介案件の場合、取引実行後に紹介料を支払います。
[事業系統図]
以上の事項を事業系統図に示すと次のとおりであります。

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(用語の解説)
本書記載内容に対する理解を容易にするため、また、正しく理解していただくために、本書で使用する用語の解説を以下に記載しております。
用語解説
M&Aアドバイザー顧客の相談に乗って適切なM&Aの相手を探したり、提携条件等に関する必要なアドバイスや契約書類の起案を行うことを通して、顧客のM&Aを支援するアドバイザー。
事業引継ぎ支援センター後継者不在で事業の引継ぎを検討する中小企業・小規模事業者と経営資源を引き継ぐ意欲のある中小企業・小規模事業者に対して、47都道府県に設置されたM&Aの公的相談窓口。
企業評価評価対象企業の決算書類等に基づき、M&A取引における企業の価値を客観的に算定する業務。
アドバイザリー契約M&A仲介会社と譲渡先企業(買収先企業)との間でM&Aに関するアドバイスや手続きの支援を実施することを目的として締結する契約。一般的には専任契約であり、アドバイザリー契約書において、業務範囲、秘密保持、報酬、免責等に関する事項が記載される。
着手金企業評価業務や企業概要書等買収先企業に対する提案資料の作成業務等の対価として譲渡先企業から受領する報酬。
金額はM&A仲介会社により異なるが、一般的には案件の成約に至らなくても返金されない。
情報提供料譲渡案件の提供業務の対価として、買収先企業から受領する報酬。
金額はM&A仲介会社により異なるが、一般的には案件の成約に至らなくても返金されない。
秘密保持契約契約の当事者間で締結する秘密情報を守秘することを約する契約。
M&Aにおいては、譲渡先企業の経営情報や買収先企業の経営戦略等の秘密情報を第三者に漏洩することを防ぐために秘密保持契約を締結する。
トップ面談譲渡先企業と買収先企業双方の経営者(トップ)が面談を実施すること。経営者の価値観や経営理念等、書類では確認できない部分に関して、相互理解を深める目的で実施される。
基本合意書買収監査前のタイミングで提携条件の大枠を譲渡先企業と買収先企業が相互に確認するために締結する契約書。一般的には取引金額、役員の処遇等の基本的な条件、M&A実行までのスケジュール、独占交渉権、守秘義務などの条項が盛り込まれる。
買収監査買収先企業が公認会計士や弁護士に依頼し、譲渡先企業の財務情報の正確性や法的なリスクを確認することを目的とした調査。
成功報酬M&Aが実現した際に、アドバイザリー契約に基づきM&A仲介会社へ支払う報酬。

沿革関係会社の状況


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