有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QHR6 (EDINETへの外部リンク)
スパイダープラス株式会社 事業の内容 (2022年12月期)
(1) ミッション
当社は、「私たちは、“働く”にもっと「楽しい」を創造する。」をミッションとし、お客様の課題を解決していく喜びや楽しさを通じて仕事にもっと夢中になれる世の中を作り続けていくことを目標にしています。私たちは、“働く”を心底楽しいと思えることが最も生産性を向上させると信じています。
(2) 事業概要
当社は、熱絶縁工事事業にて創業し、自社の生産性改善に真摯に向き合った結果、ITを活用する必要性を感じ、自社のみならず建設業界全体の生産性改善に貢献すべく2010年にICT事業(ICT:Information and Communicationの略称で、情報通信技術を表します。)を開始いたしました。ICT事業では、建設現場の現場業務をDX(デジタルトランスフォーメーション)によって生産性向上に寄与する建設DXサービス「SPIDERPLUS」を開発・販売しております。
「SPIDERPLUS」は、タブレットやスマートフォンで施工図面のペーパーレス化や、検査業務のデジタライゼーションにより業務効率化を実現するサービスです。ビルやマンションなど大規模な建設現場で施工管理を行う、総合建設業及び電気・空調設備業の現場監督が主な利用者です。
建設業界は、一般財団法人建設経済研究所「建設投資の中長期予測(2035年度までの見通し)」によると、都市部の再開発や老朽インフラの修繕等により、建設投資額が2021年の62.7兆円から2035年には71.3兆円まで拡大すると考えられる一方で、高齢化などによる人手不足により働き手は減少の一途を辿っています。
また、2024年4月には、建設業界への適用開始が5年間猶予されていた「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下、「働き方改革関連法案」といいます。)」が適用開始となり、建設業界においても残業時間の罰則付き上限規制が設けられます。
これらを背景として、建設業界各社のDXニーズは高まっており、その中で、当社の「SPIDERPLUS」は、建設現場の生産性向上に資するサービスとして、2022年12月末時点では大手企業を中心として1,500社超、約58,000人のユーザーに利用されております。
なお、創業事業である熱絶縁工事事業は、ICT事業への選択と集中の考え方により、2022年1月に事業譲渡を行い、当社は現在、ICT事業の単一セグメントとなっております。
ICT事業の各指標は、上記のような建設業界の環境下で、以下のとおり順調に推移しております。
項目 | 2018年12月 | 2019年12月 | 2020年12月 | 2021年12月 | 2022年12月 |
ID数(ID) | 18,069 | 29,041 | 38,560 | 48,787 | 58,690 |
契約社数(社) | 258 | 473 | 793 | 1,204 | 1,524 |
MRR(千円)(注)1 | 57,253 | 96,855 | 139,434 | 181,688 | 229,331 |
ARR(千円)(注)2 | 687,038 | 1,162,265 | 1,673,212 | 2,180,264 | 2,751,975 |
「SPIDERPLUS」は、1ID毎に月額利用料をお支払いいただくサブスクリプションモデルとなっており、利用開始後は継続的な売上高となります。
当社は、建設業界でのDXサービス浸透にはフォローアップ体制の充実が特に重要であると考えております。そのため、営業が直接建設現場に赴いて現場説明会を実施、更に建設現場のニーズをヒアリングし、開発チームと連携して「SPIDERPLUS」の機能に反映するとともに、カスタマーサポートが顧客の困りごとをメール並びに電話で対応するなど、フォローアップ体制を強化しております。その結果として、導入初期及び日々の問合せ対応について顧客満足度が高く、契約社数に対する2022年12月期の月次平均解約率(注3)は0.5%と低い水準となっております。
(注) 1.MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。月末時点における顧客との契約において定められたID単位で毎月課金される月額利用料の合計額(一時収益は含まない)。
2.ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各年12月のMRRを12倍して算出。
3.月次平均解約率:「(n月の解約社数)÷(n-1月末時点の契約社数)」により算出した月次解約率の年平均。
(3) 「SPIDERPLUS」の特徴
当社が提供する建設DXサービス「SPIDERPLUS」は、建設現場で「SPIDERPLUS」があれば完結できるオールインワンソリューションを目指したサービスを提供しており、下記の特徴がユーザーに支持されています。
① 図面管理機能
これまで、紙ベースで行っていた図面を用いた施工管理並びに検査は、「SPIDERPLUS」の図面管理機能を使うことで、便利に、かつ効率的に行うことができるようになります。タブレットに図面を取り込み、「SPIDERPLUS」を用いて閲覧することで、今まで紙で持ち運んだり、ファイルで管理していた大量のデータがタブレット1つで持ち運びできるという最大のメリットがあります。更に、図面管理機能自体の特徴として図面の拡大、縮小が簡単に行え、図面自体に直接書き込みや、検査が必要な箇所にアイコンを設置し、設置したアイコンにメモや写真を貼り付けることで検査内容の記録ができます。② 写真管理機能
これまでは、現場管理者がデジタルカメラで各種検査箇所を撮影、保存し、作業完了後オフィスに戻り、写真の突き合わせや、検査場所への貼り付けなどを行い、作業時間としても非常に負担がかかり残業時間も増加しておりました。「SPIDERPLUS」を使うことで、タブレットに付属しているカメラから撮影した画像を直接図面に貼り付けることができます。更に、「SPIDERPLUS」は写真撮影時に黒板を添付する電子小黒板機能にも対応しており、国土交通省が推奨している電子納品の指定フォーマットにも対応しています。また、「SPIDERPLUS」は撮影した方向を矢印で表示できる点にも特徴があります。本機能により、どこから、どういう視点で撮られたのかが一目瞭然となります。写真管理機能は外部のカメラとも機能連携しており、高所での撮影や360度の写真を撮ることもできます。
③ オプション機能
「SPIDERPLUS」は、総合建設業及び電気・空調設備業の現場で検査を行う際のオプション機能が充実しています。標準機能で最低限必要な機能は網羅しておりますが、以下のオプション機能を追加することにより、更に現場の効率化、省力化が図られます。現時点では14種類のオプション機能があり、それぞれ個別での提供と各業種向けに機能をまとめたパッケージでの提供もしております。数あるオプション機能の中で、特徴的である総合建設業向けの「杭施工記録機能」「工事進捗管理機能」「指摘管理機能」を下記で紹介いたします。
a.杭施工記録機能
杭施工は、新しく建物を建築する際に、杭を地中に打ち込むことで、安定をさせる重要な工事です。「SPIDERPLUS」では杭施工の記録が残せるだけでなく、施工前、進行中、未完了などで検査項目の進捗によって色分けされて表示されます。更に各検査項目も未完了の項目が表示されることで、紙で行っていた際に頻繁にあった検査種目漏れ、検査漏れが未然に防げるようになりました。また、本機能もエクセルで簡単に出力できるため、労働時間の削減、業務効率化に貢献できます。b.工事進捗管理機能
工事進捗管理機能は、現状の工事進捗状況を記録することができ、工事進捗の見える化及びリアルタイムな情報共有が可能になり、現場管理者は、工種間の調整や次工程の計画、取引先への連絡や翌日の材料手配タイミング等のマネジメントをスムーズに行うことができ、管理業務の効率化による働き方改革に貢献できます。現場で記録した進捗情報は、情報共有だけでなく簡単に帳票出力ができるので、事務所に戻ってからの事務作業の時間削減につながります。また、現場で記録した指摘コメントや写真も出力ができるので、的確に指摘事項の共有、記録が行えます。
c.指摘管理機能
指摘管理機能は、図面上の是正工事が必要な指摘箇所をタップ、指摘内容や業者を選択するだけで、指摘事項別や業者別に指摘事項一覧の書類出力が可能です。
是正前・是正後の現場写真を複数登録できるので、是正進捗の確認や再指摘、再是正工事などの写真を指摘箇所毎に記録できます。また、是正後の現場写真撮影時に「是正前に撮影した写真」を「参考写真」として「是正後の工事写真」内に表示させて、是正前同様のアングルで写真が撮影できるので、指摘箇所の是正工事前・是正工事後の比較が容易にできます。
その他、風量測定器、絶縁抵抗器など各種検査機器との連携した検査機能や、建設現場で現場監督と協力会社との情報共有が「SPIDERPLUS」で完結するパートナー機能など、豊富な機能群を備えております。
なお「SPIDERPLUS」は、利用者数の増加に伴い、顧客内や現場内での情報共有が促進されるなど、より利用価値が高まっていく特徴もあります。
また、当社は現在「SPIDERPLUS」のリニューアル開発を行っております。
現行版「SPIDERPLUS」は、紙図面のペーパーレス化から始まり建設業界のIT化の進展に応じて、様々な機能を実装してまいりました。
その結果、2022年12月末時点では1,500社を超える企業、約58,000人の現場監督をはじめとするユーザー様にご利用いただいており、その顧客基盤は拡大中です。
また、2024年4月に迫る建設業界への「働き方改革関連法案」の施行を控えた建設業界の生産性向上に対するニーズは高まっており、建設業界のDXニーズは多様化・高度化しながら急速に拡大しております。
一方で、現行版「SPIDERPLUS」は10年以上改修を続けてきたことからそのシステムが複雑化し、機能開発や機能改善に多くの開発工数を要しておりました。建設業界の多岐にわたる開発要望の早期実現と、今後も拡大するDXニーズに対応可能なプロダクトへと進化すべく、リニューアル開発に着手し、開発を進めてきました。
「リニューアル版SPIDERPLUS」は、現行版「SPIDERPLUS」に寄せられている約600件の開発要望に対して1,500超の機能実装を予定しております。
「SPIDERPLUS」は、リニューアル版のリリースにより、現行版「SPIDERPLUS」をご利用中のお客様には更なる利便性の向上を、未導入のお客様には導入に値する価値を提供できるものと考えております。
そして「SPIDERPLUS」は、今後も高度化・多様化するDXニーズに対応可能なプロダクトとして、建設現場のあらゆる課題を解決する「プロダクト・プラットフォーム」に進化してまいります。
(4) 事業系統図
当社事業を、事業系統図によって示すと次のとおりであります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E36410] S100QHR6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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