有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007TQL
コタ株式会社 事業の内容 (2016年3月期)
当社は、美容室向け頭髪用化粧品、医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメントに関連付けた記載はしておりません。
(1) 事業領域
当社は、美容室向けの頭髪用化粧品、医薬部外品の製造、販売を主な事業としております。そして、美容室内で美容師が使用することを前提とした製品(美容室専売品)であることから、小売店舗(スーパーマーケット、ドラッグストア等)が取り扱う製品(一般市場品)と比べ、付加価値の高いものとなっております。当社が製造、販売する主要品目は以下のとおりであります。
区分 | 主要品目 |
トイレタリー | シャンプー・トリートメント等 |
整髪料 | ローション・スプレー・フォーム・ワックス等 |
カラー剤 | ヘアカラー・ヘアマニキュア |
育毛剤 | 薬用育毛促進剤等 |
パーマ剤 | ウェーブ剤・ストレート剤・カーリング料等 |
その他 | 販売促進用品等 |
また、当社の事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりであります。
(2) 販売ルート
製品の販売につきましては、当社から全国各地の代理店に販売する「代理店ルート」と、当社が直接美容室に販売する「直販ルート」の2つの方法を採用しており、代理店へは営業第一部が、美容室へは営業第二部(全国各地にある11の支店・営業所)がそれぞれ販売を担当しております。(3) 営業活動
① 旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス
「旬報店システム」とは、「コンサルティング・セールス」の根幹となる美容室の経営改善システムであり、旬報店とは、お取引先美容室のうち「旬報店システム」を導入していただいている美容室であります。そして当社では、旬報店からの営業データ(売上高、来店客数等)を分析し、その結果をフィードバックするだけではなく、具体的な改善策を提案する等の経営アドバイスを行っております。また、1ヶ月の営業データを10日ごと、つまり上旬、中旬、下旬に分けて送っていただいていたことから、「旬報店」と呼んでおりますが、現在では、ほとんどの旬報店において当社が分析した結果を、インターネットを通じてリアルタイムに提供できるようになっております。
なお、このようなデータ分析と経営アドバイスにつきましては、当社の製品をすべてご使用いただくという前提で行っておりますので、美容室からコンサルティング料のようなフィーは一切いただいておらず、無償で提供しております。このような、営業データをいただきながらコンサルティングをしていくという営業スタイルは、業界の中でも当社独自のビジネスモデルとなっております。
競合他社では、カット等の美容技術の指導を主とした講習会等を行っておりますが、当社ではそのような技術志向の営業活動ではなく、美容室の経営全般に関する指導を主とした経営志向の企画提案型の営業活動を行っており、当社独自の営業スタイルとなっております。
② トイレタリーの販売を中心とした店販戦略
「店販」とは、美容室におきまして、来店されたお客様に対する毛髪のカウンセリングを通じて、ヘアケアやヘアスタイルのアドバイスを行うことで必要かつ最適な製品をお勧めして販売することであります。来店されたお客様がご自宅で使用できるシャンプーやトリートメント(トイレタリー)等の製品が、店販の対象となります。美容室に来店されたお客様には、カットやパーマ、ヘアカラー等の技術サービスを受けていただくだけではなく、美容師からヘアケアやヘアスタイリングのアドバイスを受けていただきます。そして、美容室と同じ製品を使っていただくことにより、美容師がつくり上げたヘアスタイルをご自宅でも再現することができ、満足していただいた結果、美容室への再来店にもつながるという相乗効果が期待できますので、当社では創業以来、この「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を継続しております。
なお、業界におきましても店販の効果が少しずつ認識され始め、一部メーカーにも店販に取り組む動きが見られますが、店販を推進するためにはメーカー、美容室ともに「技術志向」の認識を変える「意識改革」が必要であり、その意味では、店販が業界に浸透するまでにはまだ時間がかかると思われます。
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