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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007YEY

有価証券報告書抜粋 出光興産株式会社 業績等の概要 (2016年3月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1) 一般経済情勢及び当社グループを取り巻く環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の良好な収益環境から株価も含め堅調に推移しましたが、年末以降、中国経済の不透明感が増し、新興国経済が減速する中で足踏み感が強くなってきています。
国内石油製品需要は、揮発油等輸送用燃料は前年度並みとなりましたが、歴史的な暖冬の影響による灯油などの中間留分、電力向け重油の需要減少により、石油製品全体では前年度を下回りました。
ドバイ原油価格は、春頃は上昇傾向にありましたが、人民元切り下げを契機とする中国の景気先行き懸念とOPEC生産量の減少が見られないことなどにより夏以降は下落に転じました。12月上旬のOPEC総会で減産による需給調整が見送られると下落ペースが加速し、一時30ドル/バレルを下回る水準となりました。この結果、年度平均価格は前年度対比で37.9ドル/バレル下落の45.5ドル/バレルとなりました。
石油化学製品需要は、ほぼ前年度並みに推移しましたが、円安を背景とした輸入数量の減少に伴い国内生産は堅調に推移しました。石油化学原料であるナフサ価格は、前年度対比では332ドル/トン下落の486ドル/トンとなりました。
円の対ドルレートは、日銀による金融緩和の継続や米国の利上げ観測などを背景に円安が進行し、年度平均レートは前年度対比10.2円/ドル下落して121.1円/ドルとなりました。

(2) 業績
このような環境下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、原油価格が下落したことなどにより3兆5,702億円(前年同期比△22.9%)となりました。
営業損益は、原油価格の下落による在庫評価影響や石油製品マージンの縮小などで△196億円となりましたが、原油価格下落に伴うコスト減などの影響により前年同期比では+852億円となりました。
営業外損益は、持分法による投資利益の増加などにより前年同期比6億円損失減の23億円の損失となり、経常損益は△219億円(前年同期比+857億円)となりました。
特別損益は、資源事業での減損損失の減少などにより前年同期比364億円損失減の331億円の損失となりました。
また、法人税等は△186億円、非支配株主に帰属する当期純損益は△4億円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損益は△360億円(前年同期比+1,020億円)となりました。

(3) 事業の経過及び成果
セグメント別の事業の経過及び成果は以下のとおりです。

①石油製品セグメント
石油製品セグメントにおいては、国内の供給・販売体制の競争力強化及び海外市場への事業拡大を基本戦略として、次のような取り組みを行いました。
(燃料油事業)
供給においては、需給環境や販売状況を踏まえた原油処理を行い、供給コスト削減と安定供給に努めました。国内需要の漸減傾向を踏まえ、2015年4月に千葉製油所の常圧蒸留装置の処理能力を20千バレル/日削減するとともに、北海道の製品輸入能力の増強により、国内需給バランス変化に対する機動力を向上させました。
販売においては、SSの新設・改造及び既存店の活性化を通して、SSネットワークの強化を図るとともに、楽天ポイントカードへのSS店頭でのポイント付与、利用を開始しました。また、新たにKDDI㈱が提供する「au WALLET」のポイントアップ店として加盟するなど、全国ネットワークの強みを活かした顧客利便性の向上に努めました。
海外においては、ベトナムのニソン製油所・石油化学コンプレックスについて2017年度の商業生産開始を目指し建設工事を推進しました。

また、シンガポール現地法人 出光アジア(IDEMITSU INTERNATIONAL(ASIA) PTE. LTD.)の体制拡充を進め、需要が拡大しているアジア圏での事業拡大に取り組みました。
(潤滑油事業)
2015年度は国内・海外合計で110万KLを超える販売数量となり、過去最高を更新しました。また、更なるグローバル展開を進めるために、6拠点を有する中国において天津の潤滑油工場の生産能力を増強し、中国国内での高性能潤滑油の販売増への対応を実施しました。

以上の結果、石油製品セグメントの売上高は、原油価格の下落などにより2兆7,527億円(前年同期比△25.5%)となりました。営業損益は、在庫評価影響などにより△674億円となりましたが、製品マージン縮小などの減益要因を原油価格下落に伴うコスト減などの増益要因が上回り、前年同期比では+443億円となりました。なお、営業損益に含まれる在庫評価損益は△1,186億円です。

②石油化学製品セグメント
石油化学製品セグメントにおいては、基礎化学品事業の供給体制再構築による競争力強化と、機能材料事業の構造改革による収益力向上を基本戦略として、次のような取り組みを行いました。
(基礎化学品事業)
基礎化学品事業においては、原料ナフサの輸入ロット大型化、オープンスペックナフサの受入開始等により競争力強化に努めるとともに、エチレン装置、芳香族装置等の主要装置の安定稼動を維持することにより、コンビナート各社、自社誘導品へのオレフィン・芳香族の安定供給を実施しました。
(機能材料事業)
エンジニアリングプラスチック事業においては、ポリカーボネート樹脂(商品名:タフロン®)の生産について2013年以降段階的に当社ライセンス先である台湾FCFC社(Formosa Chemicals & Fibre Corporation)への集約を進めてきましたが、当年度に特殊グレードの集約を完了させ、2015年12月に千葉工場の製造装置の運転を停止しました。これにより、競争力を更に高めた安定供給体制が整いました。また、自動車電装部品、モバイル機器などで優れた耐熱性などの特性を発揮するシンジオタクチックポリスチレン樹脂(商品名:ザレック®)については、新たな用途開発が進んでおり、千葉工場の生産能力を従来の7,000トン/年から9,000トン/年へ増強することを決定しました。
粘接着基材事業においては、ホットメルト接着材の粘着付与剤として需要が伸びている水添石油樹脂(商品名:アイマーブ®)について、顧客の更なる供給ニーズに応えるべく、台湾FCFC社と共同で新プラント建設の検討を進めています。また、従来の結晶性ポリプロピレン樹脂と比べて大幅に融点が低く軟質特性を有する機能性軟質ポリプロピレン(商品名:エルモーデュ®)については、従来からの衛生材の接着剤や不織布の改質材などに加え新たな用途開拓を行いながら国内外で市場開拓に取り組みました。

以上の結果、石油化学製品セグメントの売上高は、ナフサ価格が下落したことなどにより5,208億円(前年同期比△18.5%)となりました。営業損益は、原油・ナフサ価格下落によるコスト減に加え、堅調な海外市況にも支えられ423億円(前年同期比+494億円)となりました。なお、営業損益に含まれる在庫評価損益は△35億円です。

③資源セグメント
資源セグメントにおいては、コスト削減・投資の厳選を行いながら探鉱活動を通じた原油・ガスの埋蔵量確保と安定生産の継続、コスト削減等による既存鉱山の競争力強化と保有資産の入替えによる石炭事業の再構築を基本戦略として、次のような取り組みを行いました。
(石油開発事業)
新規油田開発においては、ノルウェー領北海において2015年3月にクナル(Knarr)油田で商業生産を開始しました。

探鉱活動においては、ノルウェー領バレンツ海及びベトナム沖において、2014年に発見した油・ガスの集積の広がりの確認等を行い、将来の開発に向けた検討を進めました。また、ベトナム南西海上の2鉱区の権益を取得し、将来の埋蔵量確保の礎としました。
新規生産開始となった油田も含め、ノルウェー領北海、英領北海、ベトナムにおいて原油換算で日量3.6万バレル(前年同期比+0.7万バレル)の原油・ガスを生産しました。
石油開発事業の売上高は、原油価格が大幅に下落したことなどにより743億円(前年同期比△27.2%)となりました。営業損益は、資源国通貨安による増益要因がありましたが、原油価格下落による減益要因が上回り△29億円(前年同期比△163億円)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業においては、石炭価格が低迷する中、豪州鉱山の競争力強化に努めました。中核となるボガブライ鉱山での選炭設備の設置及び生産規模の拡大工事が完了し、市場ニーズに合致した高品位炭を安定的に生産できる体制が整いました。また、豪州・インドネシアの全鉱山で生産性向上とコスト削減に取り組みました。
ウラン事業においては、カナダ シガーレイク鉱山において生産したウラン精鉱の販売を開始しました。
地熱事業においては、大分県滝上地区で順調な操業を継続するとともに、バイナリー発電所の建設を開始しました。また、事業拡大に向けて調査を進めている北海道阿女鱒岳地域では調査井の掘削と仮噴気試験を実施し、秋田県小安地域で調査井の掘削を進めています。福島県磐梯地域においても地表調査を進めています。
石炭事業・その他事業の売上高は、石炭価格の下落はありましたが、国内販売における数量増などにより1,523億円(前年同期比+9.5%)となりました。営業損益は、資源国通貨安やコスト削減などの増益要因が石炭販売価格下落などの減益要因を上回り23億円(前年同期比+26億円)となりました。

以上の結果、資源セグメント合計の売上高は2,265億円(前年同期比△6.0%)、営業損益は△6億円(前年同期比△137億円)となりました。

④その他セグメント
その他セグメントのうち、電子材料事業、アグリバイオ事業、ガス事業、再生可能エネルギー事業においては、次のような取り組みを行いました。
(電子材料事業)
有機EL材料分野においては、有機ELの製造コスト低減と競争力の向上とともに、新しい有機EL材料の創出を目指して韓国Doosan Corporationと有機EL材料関連分野における両社の特許の相互活用と製造についての協力に関する覚書を締結しました。
また、有機ELディスプレイの製造地域として今後の成長が期待される中国上海に事務所を開設し、需要家密着型の取り組み強化による顧客サービスの向上と有機ELのグローバルメーカーとしての事業強化により、拡大するディスプレイ向け需要の積極的な捕捉に努めました。
(アグリバイオ事業)
農業緑化資材においては、土壌に水分を素早く均一に浸透させ芝草の根に適度な水分を供給することができる「イデサーフ®」の全国販売を開始しました。
飼料添加物においては、これまで牛用の商品としてラインナップしてきた「ルミナップ®」シリーズの技術を鶏用に応用し、腸内環境を正常に保つ「クロストップ®(鶏用)」を開発し販売を開始しました。
(ガス事業)
兵庫製油所跡地(兵庫県姫路市)において、天然ガス発電事業の検討及び準備を進めるために、大阪ガス㈱との共同出資により姫路天然ガス発電㈱を2016年4月に設立することを決定しました。
カナダのアルタガス社(AltaGas Ltd.)と共同出資で設立したAltaGas Idemitsu Joint Venture Limited Partnershipによる北米のLNG(液化天然ガス)のアジア向け輸出の事業化については当面実施を見合わせることとなりました。一方、同Partnershipを通じて株式を保有するペトロガスエナジー社(Petrogas Energy Corp.)では、米国西海岸にあるファンデール基地(ワシントン州)から日本向けのLPG(液化石油ガス)の輸出強化・増量に取り組みました。
(再生可能エネルギー事業)
遊休地を活用した再生可能エネルギーへの取り組みとして、福岡県北九州市、兵庫県姫路市、福島県いわき市において太陽光発電所(メガソーラー)を運転しています。2015年8月には門司(福岡県北九州市)の発電設備増設を行いました。
バイオマス発電においては、土佐グリーンパワー㈱土佐発電所(とさでん交通㈱・高知県森林組合連合会・当社の3社が出資、当社出資比率50%、発電出力6,250kW)を建設し2015年4月に運転を開始しました。また、出資先である㈱福井グリーンパワーが2016年4月より運転を開始します。

以上の結果、その他セグメントの売上高は702億円(前年同期比+25.9%)、営業損益は88億円(前年同期比+167.8%)となりました。

(4) キャッシュ・フローの状況
当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,188億円となり、前期末に比べ、76億円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、2,164億円の収入となりました。税金等調整前当期純損益は大幅な損失となったものの、減価償却費や原油価格下落に伴う在庫影響、減損損失等の現金支出を伴わない費用・損失が大半であったこと、及び売上債権の減少などの資金増加要因によります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、981億円の支出となりました。これは、主として製油所設備の維持更新投資や石油開発・石炭事業への投資、関係会社への増資・貸付などによります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、1,056億円の支出となりました。これは、長期借入金の返済額が借入額を上回ったことなどによります。


従業員の状況生産、受注及び販売の状況


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