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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10079GA

有価証券報告書抜粋 横浜ゴム株式会社 研究開発活動 (2015年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ事業、MB事業及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、142億21百万円であります。

当社研究本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。
研究開発費の金額は、12億50百万円であります。
・バイオマスを原料とした合成ゴム(ブタジエンゴム及びポリイソプレンゴム)の新技術開発
当社研究本部と馬場教授(東京工業大学大学院総合理工学研究科)との共同研究により、バイオマス(生物資源)であるセルロース(植物繊維の主成分である糖)から直接ブタジエンを合成する触媒の開発に成功しました。ブタジエンは、自動車タイヤなどの原料となる合成ゴム(ブタジエンゴム)の原料として使用され、現在は石油精製の副産物として工業的に生産されております。
また、国立研究開発法人理化学研究所と日本ゼオン株式会社の共同研究により、バイオマス(生物資源)からイソプレンを合成することに成功しました。イソプレンは自動車タイヤなどの原料として使われる合成ゴム(ポリイソプレンゴム)の原料として使用され、現在はナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されております。
これらの新技術の開発によって、今後は石油への依存度が低減でき、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素削減に貢献することができます。

・タイヤのエアロダイナミクス技術をさらに進化
当社研究本部は、走行時のタイヤ周辺の空気の流れをコントロールするタイヤのエアロダイナミクス技術を進化させ、車の空気抵抗低減に加え、走行時に発生する車両のリフト(浮き上がり)抑制に貢献する技術を開発しました。同技術を実用化することで、車の低燃費性能を高めるとともに車体の安定性を向上するタイヤの開発を期待することができます。
なお、本技術を搭載した新形状のエアロダイナミクスタイヤについては、2015年10月に開催された「第44回東京モーターショー2015」に参考出品しました。

・革新的なゴム材料設計を可能とする多目的設計探査シミュレーション技術を開発
当社研究本部とフランスの高等教育機関に属する研究所(MINES ParisTech/Centre de Morphologie Mathematique(CMM))のDominique Jeulin(ドミニク・ジュラン)教授らとの共同研究により、ゴム材料の多目的設計探査シミュレーション技術を開発しました。本技術は、ゴム材料設計において従来にない革新的な発想を得るために開発したもので、例えば、低燃費性能と安全性能、超軽量と高剛性など背反性能を高次元で両立した高性能タイヤを今までにないアプローチの仕方で開発することを目指しております。
本技術の確立にあたっては、仮想的な微細構造を有したゴム材料に関する新しいモデリング技術と、大規模粘弾性シミュレーションのための新しい計算手法を開発し、従来の有限要素法では計算できなかった約10億要素からなる超大規模計算をわずか75分で終了可能(東京工業大学のスーパーコンピュータ「TSUBAME2.5」による性能評価)にしました。


セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1)タイヤ事業
当社は、2015年1月から中期経営計画「GD100」のPhase(フェーズ)Ⅳに取り組んでいます。
タイヤ事業においては、グローバル市場における独自の存在感の確立及び高付加価値商品のグローバル展開を目標とし、以下のような新商品を発売しました。
研究開発費の金額は、99億96百万円であります。

1)「BluEarth E51」が新型「アルファード」及び新型「ヴェルファイア」に新車装着
2015年1月からトヨタ自動車株式会社の新型「アルファード」及び新型「ヴェルファイア」の新車装着用(OE)として、「BluEarth E51(ブルーアース・イー・ゴーイチ)」の納入を開始しました。「BluEarth E51」は、「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を投入し、低燃費性能を高めながら高級ミニバンに相応しい走行性能や安全性能、快適性能の確保を実現させています。

2)「BluEarth AE-01」がダイハツ「ミラ イース」と「タント」、スズキ「ソリオ」と「ソリオ バンディット」に新車装着
2015年4月からダイハツ工業株式会社が一部改良して発売した軽自動車「ミラ イース」及び「タント」への新車装着(OE)用タイヤとして、また2015年8月からスズキ株式会社が全面改良して発売した新型「ソリオ」及び「ソリオバンディット」への新車装着(OE)用タイヤとして「BluEarth AE-01(ブルーアース・エーイーゼロワン)」の納入を開始しました。
「BluEarth AE-01」は、優れた低燃費性能を発揮するとともに、静粛性や快適性、乗り心地、ロングライフなどの基本性能を高次元で実現させています。
当社は、YOKOHAMAの先進タイヤ技術「BluEarth」テクノロジーを投入したタイヤ開発を積極的に進めており、最新のエコカーやハイブリッドカーを中心に新車装着されています。

3)「ADVAN」が新型「ホンダ S660」、新型「マツダ ロードスター」、「三菱自動車 ランサーエボリューション ファイナルエディション」及び「ダイハツ キャストスポーツ」に新車装着
本田技研工業株式会社の新型2シーター・オープンスポーツモデル「S660」の新車装着用(OE)として、ストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD08R(アドバン・ネオバ・エイディー・ゼロハチ・アール)」の納入を開始しました。
今回、「ホンダ S660」向けに納入されたサイズは、同車のパフォーマンスを最大限に引き出せるよう本田技研工業株式会社と共同で専用設計したものです。
ベースとなった「ADVAN NEOVA AD08R」は限りなくモータースポーツタイヤに近い「ADVAN」最強のストリートタイヤであり、長年のモータースポーツタイヤ開発やFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)などへのタイヤ供給で培った最新技術を惜しみなく搭載し、ドライ・ウェットグリップ、コントロール性能、耐摩耗性能など“走り”に求められる全ての性能の確保を高次元で実現させています。

マツダ株式会社の2シーターのライトウェイトオープンスポーツカーである新型「マツダ ロードスター」の新車装着用(OE)として、「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」の納入を開始しました。
当社のタイヤは、初代ロードスターより純正装着用として継続的に採用されていますが、「ADVAN Sport V105」は、ハイパフォーマンス性を象徴するグローバル・フラッグシップタイヤで、高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに、優れた快適性や安全性を高次元で実現させています。


三菱自動車工業株式会社が2015年8月に発売した高性能4WDセダン「ランサーエボリューションⅩ」の特別仕様車「ランサーエボリューション ファイナルエディション」への新車装着(OE)用タイヤとして「ADVAN A13(アドバン・エイイチサン)」の納入を開始しました。
「ADVAN A13」は、優れたドライ・ウェット性能や耐摩耗性能に加え、初期グリップ力やコントロール性を高めたスポーツタイヤで「ランサーエボリューション ファイナルエディション」の高いドライビングパフォーマンスを十分に引き出す性能を有しています。「ADVAN」と「ランサーエボリューション」の組み合わせは様々なモータースポーツにおいて活躍しており、2015シーズンは、全日本ダートトライアル選手権と全日本ジムカーナ選手権でチャンピオンを獲得しています。

ダイハツ工業株式会社が2015年10月に発売した新型軽乗用車「キャスト スポーツ」への新車装着用(OE)として「ADVAN A10(アドバン・エイ・テン)」の納入を開始しました。
「ADVAN A10」は「ADVAN」ブランドに相応しいハイレベルな走行性能を発揮するとともに、優れた快適性能や安全性能を両立しています。

4)4×4/SUV用ハイウェイテレーンタイヤ「GEOLANDAR H/T G056」を発売
2015年7月からSUV用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」のハイウェイテレーンタイヤ「GEOLANDAR H/T G056(ジオランダー・エイチティ・ジーゼロゴーロク)」を発売しました。
「GEOLANDAR H/T G056」は、中・大型4×4/SUVユーザーが求める耐摩耗性・耐久性、静粛性・快適性、ハンドリング性能などを追求して開発しました。
従来品(GEOLANDAR H/T-S)に比べ、耐摩耗性を21%向上、パターンノイズを13%低減(騒音エネルギー低減率での比較)するとともに、車線変更時の操縦安定性も改善しています。

5)「YOKOHAMA dB E70」が新型「トヨタ シエンタ」に新車装着
トヨタ自動車株式会社が2015年7月に発売した新型ミニバン「シエンタ」への新車装着(OE)用タイヤとして「YOKOHAMA dB E70(ヨコハマ・デシベル・イーナナマル)」の納入を開始しました。
「YOKOHAMA dB E70」は、高い静粛性に加え、優れた走行安定性や高い剛性、快適な乗心地、低燃費性能を実現しています。

6)「GEOLANDAR」が新型「三菱自動車 アウトランダーPHEV」に新車装着
三菱自動車工業株式会社が2015年7月に発売した新型「アウトランダーPHEV」への新車装着(OE)用タイヤとして「GEOLANDAR G033(ジオランダー・ジー・ゼロサンサン)」の納入を開始しました。
今般装着された「GEOLANDAR G033」には「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした低燃費タイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を投入し、低燃費性能を高めながら、SUV に相応しい走行性や安全性に加え快適性も実現しています。

7)「AVID S34」が新型「マツダ CX-3 北米向けモデル」に新車装着
マツダ株式会社の新型コンパクトクロスオーバーSUV「CX-3」の北米向けモデルへの新車装着用(OE)タイヤとして「AVID S34(エイビッド・エスサンヨン)」の納入を開始しました。
「AVID S34」は、北米市場で販売している乗用車用オールシーズンタイヤである「AVID」に「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を投入し、優れた走行性能と安全性能を実現しながら低燃費性能も高めています。


8)小型トラック・バス用リトレッドタイヤのリブタイヤ「LT151R」及びスタッドレスタイヤ「iceGUARD iG91」を新発売
2015年10月から小型トラック・バス用リトレッドタイヤとして耐摩耗性重視型リブタイヤ「LT151R(エルティー・イチゴーイチアール)」と氷雪上性能重視型スタッドレスタイヤ「iceGUARD iG91(アイスガード・アイジーキュウイチ)」を発売開始しました。
「LT151R」及び「iceGUARD iG91」のトレッドパターンは、昨年の新商品発売以来好評を博している新品タイヤのオリジナルパターンが採用されています。
リトレッドタイヤは、使用済みタイヤのトレッド部分を新しいトレッドに張り替えて再利用するタイヤであり、3R(Reduce:省資源、Reuse:資源循環、Recycle:資源再生)の観点から、高い環境保全効果を期待することができます。
また、運輸・輸送業界においては、燃料費などコストの削減と地球温暖化防止など環境経営の向上が大きな課題となっている中で、リトレッドタイヤの需要が高まってきています。
トラック・バス用タイヤ事業では、環境負荷低減活動の一環として、リトレッドタイヤに最適な開発を進めるとともに、トータルパッケージプラン「eco method(エコ・メソッド)」を展開しており、新品タイヤとリトレッドタイヤの組み合わせによるコスト削減提案に加え、タイヤ空気圧モニタリングシステム「HiTES(ハイテス)」とタイヤの定期点検で最適なタイヤ運用を実現する「TMS(タイヤ・マネージメント・システム)」、緊急なタイヤトラブルに対応する「YNS(ヨコハマタイヤ・ネット・サービス)」をパッケージすることで、運輸・輸送業界の環境対応や安全運行、タイヤ管理の省力化を強力にサポートしています。

9)チェルシーFCロゴ入りのパートナーシップ記念タイヤを発売
2015年7月から開始したバークレイズ・プレミアリーグ「チェルシーFC」とのパートナーシップ契約を記念し、タイヤサイドに「チェルシーFC」のロゴを刻印した「BluEarth-A(ブルーアース・エース) CHELSEA FC EDITION」を同年10月より、日本のほか欧州、アジア及び南米などで限定販売を開始しました。
パートナーシップ記念タイヤ「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION」は、ハイパフォーマンス低燃費タイヤ「BluEarth-A」をベースに開発しており、優れた低燃費性能と運動性能を両立しており、国内タイヤラベリング制度では転がり抵抗は「A」、ウェットグリップ性能は最高グレードの「a」を獲得しています。


(2)MB事業
MB事業においては、お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行っており、以下のような活動をしました。
研究開発費の金額は、26億66百万円であります。

1)ホース配管事業
環境貢献商品の開発における取り組みとして、将来の燃料電池車の普及に備えた70MPa水素ステーション機器用の水素用樹脂ホースを水素ステーションに継続的に納入しており、市場実績の積み上げと共に水素社会の普及に貢献していきます。
実用化に向けた昇圧仕様の82MPa用についても、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託業務を継続しており、70MPa実証試験により判明した課題を克服する仕様への開発を進めております。
新興国市場をターゲットにしたトヨタ自動車株式会社の世界戦略車プロジェクト「IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)」では、ディーゼルエンジン用ターボオイル供給用配管として、当社のテフロンホース配管が採用されました。
海外販売向け補修交換用高圧ホース(海外販売専用ブランド「Exceed(エクシード)」)として、使用圧力42MPaのホースを追加し、使用圧力別(7MPa,21MPa,28MPa,35MPa,42MPa)に全5シリーズを量産開始しました。
補修交換用高圧ホースの世界需要は、今後さらなる拡大が見込まれることから、現地ユーザーのニーズを取り込みながらラインアップの拡充に取り組むなど、より積極的に「Exceed」の開発及び販売活動を促進していきます。
カーエアコンの次世代冷媒として欧州で普及が進んでいるHFO-1234yfに対応するカーエアコン用ホース「AC6B 11」を開発しました。HFO-1234yfは、従来の冷媒に比べ地球温暖化への影響度合い(GWP=地球温暖化係数)が低く、欧州の自動車産業界ではGWP150以上の冷媒使用規制を段階的に進めています。すでにカーエアコンシステムメーカーにこの新ホースを納入しており、主に欧州向け車輌に同ホースを採用したエアコンが搭載されています。
また、株式会社デンソーエアシステムズ(カーエアコンシステムメーカー)向けにカーエアコン用低圧ホース「ACV17」を開発し、トヨタ自動車株式会社の新型「プリウス」に採用されました。

2)工業資材事業
・マリンホースが米国石油協会規格API Spec Q1 の認証を取得
工業資材事業の主力商品の一つであるマリンホース「Seaflex(シーフレックス)」は、その品質と信頼性が市場から高く評価され、55 年以上にわたり原油荷役で主要な役割を担っています。当社では市場でより確固たる地位を確立するため、2014年12 月、アメリカ石油協会(API)が発行する規格「API Specification Q1 9th Edition」(=API Spec Q1)の認証を取得しました。同規格は歴史が古く、石油業界にける世界的権威となっており、石油、石油化学、天然ガスに関わる産業で事業を行う組織の品質マネジメントシステム(生産現場におけるリスクアセスメントや変更管理など)に関し、厳しく定められているものです。
当社は、今般の認証取得を契機に積極的な営業活動を展開し、マリンホースのトップメーカーとしてのブランド力強化及びシェア向上を図ります。

・道路ジョイント「YHT」シリーズのラインアップを強化
道路橋用伸縮装置(道路ジョイント)「YHT(ワイ・エッチ・ティー)」シリーズをリニューアルし、2015年1月から「YHT-50-N(ワイ・エッチ・ティー・50・エヌ)」「YHT-70-N(ワイ・エッチ・ティー・70・エヌ)」として販売開始しました。リニューアル品の特徴は、道路ジョイントに求められる止水性と耐久性をさらに向上させたことです。併せて、新商品としてより大きい伸縮量に対応可能な「YHT-90-N(ワイ・エッチ・ティー・90・エヌ)」も発売しました。伸縮の許容量を90mm とする表面鋼製の道路ジョイントの発売は当社初となります。
道路ジョイントは、橋桁間または橋桁端部の繋ぎ目に止水の目的で設置され、同時に温度変化による橋桁の伸縮や地震発生時などの動きを吸収します。また、道路ジョイント部からの水漏れは橋梁下部にある各種付属物が腐食する一因となることから、道路ジョイント本体の止水構造が必要となります。
当社の道路ジョイントは、全てのタイプにおいて内部の伸縮止水ゴムと側板を一体化させる加硫接着構造を採用しているため、長期にわたり信頼性の高い止水性能を維持する事ができるのが特徴です。

新発売の「YHT-N(ワイ・エッチ・ティー・エヌ)」タイプは、伸縮止水用ゴム部分の厚みをさらに増すことで機械的損傷への耐性を強化するとともに、道路ジョイント装置内部を全てゴムで覆う被覆構造とし、鋼材部の露出を極力なくすことで本体内部の腐食を防ぎ、より長期にわたって性能確保する事が可能となりました(特許出願済)。
近年では橋梁の長寿命化対策などから、主に補修用として表面が鋼製の道路ジョイントの需要が拡大していることから、従来の表面がゴム製の道路ジョイントを主としたラインアップに加え、鋼製の「YHT」シリーズを拡充し、販売の強化を図ります。

・耐寒耐衝撃性コンベヤベルトを本格的に販売開始
世界的な資源開発市場への供給拡大を狙い、極寒冷地仕様のコンベヤベルト「ICEGUARD AR(アイスガード・エーアール)」の販売を本格化します。資源開発は、採掘が難しい北極圏などの寒冷地へ対象が広げられており、厳しい環境でも使用可能なコンベヤベルトのニーズが高まっている状況の中、当社では、カナダのオイルサンド(鉱物油分を含んだ砂岩)採掘現場向けなどを対象に寒冷地仕様のコンベヤベルトの開発を進めてきました。オイルサンドは、加工すると石油が採取できるため石油代替燃料資源として注目を集めています。当社のコンベヤベルトが運用されているカナダ・アルバータ州の採掘現場では、冬の気温がマイナス40℃から50℃まで下がるためゴムの弾性が低下する傾向にあります。このため、運搬物がコンベヤベルト上に落下した際の衝撃で亀裂が生じるなど、製品寿命やメンテナンス周期が短くなることが課題となっていました。こうした課題に対応するため、当社では独自のポリマーブレンド技術を応用して耐寒性、耐衝撃性を高次元で実現したコンベヤベルトの開発に成功し、高く評価されたため、今後は本格的に全世界向けに販売を開始していきます。

・JIS難燃耐カット耐摩耗性コンベヤベルトを開発
JIS難燃耐カット耐摩耗性コンベヤベルト「Flame GUARD ROCK(フレイムガード・ロック)」は、主に製鉄所で焼結鉱、鉄鉱石コークス等を高炉へ装入する際に使用することを想定し、従来のJIS難燃性コンベヤベルトに比べて、強い衝撃に対する耐カット性を向上させ、また、ゴム配合の最適化により耐摩耗性も大幅に向上させました。
合成ゴム製であることから燃え易いコンベヤベルトに自己消火性を持たせる技術により、種火となる高温の運搬物が離れると再燃しないゴム配合設計とし、耐衝撃性性能を高めるために、エネルギー吸収性能も向上させました。
なお、耐久性を向上させることによりコンベヤベルトの長寿命化を期待することができます。

・高温耐熱性コンベヤベルトを開発
「高温耐熱性MJ(メタル・ジョイント)帆布ベルト」は、金具接合に対応した高温耐熱性コンベヤベルトで、接合作業における時間の短縮、少人数化及びコストの削減を期待することができます。これまでも熱加硫接合に対応した高温耐熱性コンベヤベルトを製鉄所やセメント工場などに販売してきましたが、北米を中心とした金具接合のニーズなど、海外のニーズに対応した新商品を開発し、全世界に向けて展開していきます。

当社は、石炭や鉱石などの資源開発用コンベヤベルトを北米、中南米、豪州、中国等の山岳や砂漠地帯などの過酷な環境下にある採掘現場向けに販売してきました。これらの採掘現場において長年使用されてきたことにより、世界有数のコンベヤベルトメーカーとしての高い信頼性を確立しており、現在は日本と中国にコンベヤベルト専門の工場を保有しています。

3)ハマタイト・電材事業
・ウレタン塗膜防水材「アーバンルーフNX」
ビルやマンションなどの防水用途に使われるウレタン塗膜防水「アーバンルーフ」シリーズの主力商品である2成分形ウレタン塗膜防水材の「アーバンルーフNX」を開発し、2015年1月に販売開始しました。
従来の防水性能に加え、当社独自の樹脂中空体の配合技術を採用し、新たに断熱性能を付与したことが特徴で、外気温や直射日光による建物の温度上昇の抑制に貢献します。
このような断熱効果を持つウレタン塗膜防水材の商品化は業界初であり、当社内の試験では、「アーバンルーフNX」と遮熱効果のあるトップコート「アーバントップHシャネツ」を併用することで、最大約8℃の温度上昇が抑制されることを確認しています。

上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が3億8百万円あります。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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