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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1008NP6

有価証券報告書抜粋 株式会社エンビプロ・ホールディングス 事業等のリスク (2016年6月期)


対処すべき課題メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析



本書に記載した当社グループにおける事業概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でおりますが、記載内容及び将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在していること、並びに投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。

(1) 原材料、製・商品の相場変動リスク

当社グループにおける原材料、製・商品である鉄スクラップや非鉄金属の価格は、鉄鉱石や銅鉱石といった資源価格や金属製品価格等の影響を受けます。
当社グループの原材料、製・商品の仕入価格と販売価格は、基本的には相場に連動いたしますが、相場の急激な変化の影響を受けて、契約内容によっては利益の減少や損失が発生する場合があります。また、同様に製・商品在庫価値についても相場の影響を受ける可能性があります。
1トン当たりの鉄スクラップ価格(東京製鐵岡山海上特級価格の平均)の推移は、下表のとおりであります。

鉄スクラップ価格
単位:円/トン
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期
第5期 H25.7~H26.632,40837,11435,29432,70934,381
第6期 H26.7~H27.632,79328,51623,73324,14327,325
第7期 H27.7~H28.621,02714,92914,98921,56018,126

(注) 鉄スクラップ価格は、東京製鐵岡山海上特級の日々の価格を合計し各四半期会計期間の日数で除して算出しております。

(2) 原材料・商品の調達環境リスク

当社グループにおける原材料・商品は、主に工場の生産工程から発生する金属スクラップ及び産業廃棄物や市中発生の老廃屑(解体工事や工場ライン撤去に伴い発生する鉄スクラップや非鉄金属)となり、工場の生産動向、最終製品の消費動向等の影響により発生が減少する可能性があります。こうした原材料・商品の減少は、売買数量、生産設備の稼働率に影響を与え当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 業績の変動リスク

当社グループでは、原材料、製・商品の相場変動、為替変動、原材料・商品の増減等、各種要因により業績が大きく変動する可能性があります。
当社グループの業績は、下表のとおりであります。

第7期(自 2015年7月1日 至 2016年6月30日)

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期
金額
(百万円)
比率
(%)
金額
(百万円)
比率
(%)
金額
(百万円)
比率
(%)
金額
(百万円)
比率
(%)
金額
(百万円)
比率
(%)
売上高8,73130.06,63822.86,59422.67,16624.629,130100.0
経常利益28733.719522.9667.830335.6853100.0

(注) 比率は、通期に対する四半期の割合であります。


(4) 特定の販売先への集中リスク
当社グループの2016年6月期の売上高に占める上位三社であるHYUNDAI STEEL COMPANY(韓国)、POSCO(韓国)及びSeAH Besteel Corporation(韓国)を合わせた売上高比率は23.3%であります。各社とは円滑な取引関係を継続しておりますが、取引先の個別の事情や相手国の事情、法規制や関税率の変化といった理由により、取引条件の悪化や取引関係の解消又は契約内容の大幅な変更等が生じる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 適時に傭船が行えない場合の業績へのリスク

当社グループでは、鉄スクラップ等の輸出販売にあたり船舶会社から傭船し、一船あたり1,500トンから5,000トン単位で国内外に販売しております。一船あたりの売上高は、数千万円から1億円以上になり天候等の不測の事態により適時に傭船できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 法的規制等について

当社グループの事業活動の前提となる事項に係わる主要な法的規制は以下に記載のとおりであります。
・ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
・ 貨物自動車運送事業法
・ 使用済自動車の再資源化等に関する法律
・ 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律
・ 労働安全衛生法
・ 計量法
・ 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約(通称、バーゼル法)

当社グループの事業活動においては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく廃棄物中間処理業や廃棄物収集運搬業の許認可を要します。また、貿易取引においては、バーゼル法の規制を受けるほか海外の許認可を要する場合があります。これらの法的規制等のほかに事業を営む上で必要な法令許認可について、大きな制度変更があった場合や当社グループの子会社がこれらの規制に抵触することになった場合には、事業の停止命令や許認可の取り消し等の行政処分を受ける場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) カントリーリスク

当社グループは、海外売上高比率が高く、輸入や三国間貿易を実施しております。また、アラブ首長国連邦、チリ及びウガンダに現地子会社が存在することから、取引先の各国の経済情勢に加え、貿易・通商規制、税制、予期しない法律又は規制の変更並びにそれらの解釈の相違、あるいは政変や戦争等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 為替変動リスク

当社グループの貿易取引では、円建のほか外貨建も含めて取引を行っている在外子会社も存在することから、取引、在庫価値並びに外貨預金残高について為替変動の影響を受けております。
このため外貨取引については、為替予約規程により為替予約等を利用することを規定し運用することで、為替変動リスクの低減に努めております。また、連結財務諸表を作成するにあたって在外子会社の財務諸表を円換算しており、現地通貨における価値に変動がなくても、円換算後の価値が影響を受けます。しかしながら、事業活動において為替変動リスクを完全に排除することは困難でありますので、今後著しい為替変動があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。


(9) M&A戦略及びM&Aシナジーが十分に発揮されないリスク

当社グループでは、事業の拡大を図る手段としてM&Aを実施してまいりました。対象企業については、当該企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するよう努めております。しかしながら、M&Aを行った後に偶発債務や未認識債務が判明する場合等が考えられます。
また、M&Aの対象会社が外部環境の変化等各種の要因により、当初の期待どおりの成果をあげられない可能性もあります。これらの場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 競合リスク

当社グループの事業分野には大きなシェアを持つ全国的な企業が存在せず、地域別に中小企業が多数存在し、それぞれの得意分野・地域を持ち、価格、サービスを競っております。
今後は、法的規制を背景にした環境対応や廃棄物リサイクルへの社会的ニーズの高まりにより、より高度な廃棄物処理と再資源化が求められることから、全国一括受託のためのサービス提供地域の拡大や大規模な設備等を設置できる財務的な体力、ノウハウ、あるいは廃棄物の排出事業者から廃棄物由来のリサイクル品やリユース品を利用する企業までをも巻き込んだ総合的な廃棄物の循環処理サービス体制を構築することが重要になってくると予想しております。
当社グループではこれらの社会的ニーズを取り込んだ事業展開をめざしておりますが、異業種からの新規参入や業界再編成といった事業環境の変化によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 有利子負債リスク

2016年6月期末において、当社グループの有利子負債は4,120百万円、総資産に対する割合は27.4%であり、財務体質の改善に努力しておりますが、今後の金利動向が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 潜在株式による株価変動リスク

当社は、役員の退職慰労金の目的並びに役員と従業員等へのインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。2016年6月末現在における潜在株式数は437,670株であり、2016年6月末の発行済株式総数の6.8%に相当いたします。この新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、株式市場で同時期に大量に売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 人材確保・育成に係るリスク

当社グループは、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。そのため、研修制度等を導入しておりますが、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社グループの事業拡大が制約を受ける可能性があり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(14) 労働災害に係るリスク

当社グループでは、多くの生産設備、重機等を使用して業務を行っており充実した安全管理が不可欠であると認識しております。そのため、内部統制委員会の下部組織として環境安全委員会を設置し、従業員への安全教育、危険予知活動といった啓発活動並びにチーム活動等による点検パトロールの継続的な実施を通じ、事故を防止するための安全管理を徹底しております。しかしながら、万一、重大な事故・労働災害等が発生した場合、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。


(15) 自然災害・火災・事故等のリスク

当社並びに当社グループの中核企業である株式会社エコネコルの資源リサイクル工場は、静岡県富士宮市の富士山の麓に位置しており、富士山が噴火した場合、火山弾などによる社屋や設備の損壊、周辺道路の寸断による孤立化及び電気や水道等の供給停止による操業停止の可能性があります。また、静岡県や愛知県においては東海大地震の発生も懸念されております。当社グループの貿易部門並びに株式会社クロダリサイクルにおいては、船積みヤード(在庫保管基地)を有しておりますので地震による津波により製・商品在庫においても大きな被害が出る可能性があります。
また、当社グループの主要生産設備であるシュレッダー(大型破砕機)は、火災のリスクが比較的高い設備であります。自動消火装置や24時間自動監視システム等のセキュリティ対策を施しておりますが、同主要設備の稼動が火災や重大な事故損傷により長期間停止した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこのような自然災害や火災、重大事故、損傷といった非常事態に備え、グループ各社において災害・事故発生時の緊急体制・手順を整備し被害を最小限にとどめる対応を準備しております。しかしながら有事の際の被害状況は想定を超える場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(16) 環境汚染等に係るリスク

当社グループでは、産業廃棄物等を扱っており、中間処理過程で騒音、振動、粉塵、排水が発生いたしますが吸音、防振、集塵、水質浄化設備等の環境対策設備を設置し環境汚染を防止しております。しかしながら、不測の事態により流出漏洩等の事態が生じた場合、汚染防止、汚染除去等の環境汚染防止のための改修費及び損害賠償や設備の修復等に多額の支出が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(17) ITシステムにおけるリスク

当社グループでは、主要ITシステムであるスケールシステム(計量システム)については、函館市の株式会社クロダリサイクルに、会計、人事、給与、就業、通関書類作成の各システム並びにサブシステムについては、長野県松本市の株式会社しんえこにバックアップシステムを構築しております。また、クラウドサーバを静岡県富士宮市で集中管理し総合的な対策を講じている状況にあります。しかしながら前項の自然災害により静岡県富士宮市の拠点が壊滅的な被害を受けた場合や、事務所の火災等によりバックアップデータまでもが損失し復旧が不可能な場合は、当社グループの事業が停止することとなりますので、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対処すべき課題財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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