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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007A73

有価証券報告書抜粋 日本電気硝子株式会社 研究開発活動 (2015年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループ(当社及び連結子会社)は、「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」という企業理念を実現することを目的に研究開発活動に取り組んでいます。また、研究開発活動においては、製造プロセスと製品開発の統合的な進化を目指し、その成果を当社の中長期の成長のための経営戦略に反映させることを目標としています。

当社の研究開発活動は、「基礎的研究開発」と「事業部門開発」から成っています。
「基礎的研究開発」は、基盤技術開発と戦略的開発で構成されます。基盤技術開発は、主としてスタッフ機能部門(技術統括部、製造技術統括本部)が担当しています。科学的なアプローチに基づき、新材料・新技術、製品化技術、分析評価技術、製造プロセス技術の研究開発をライン部門(各事業部)と密接に連携をとりながら行っています。また、戦略的開発については、スタッフ機能部門とライン部門が、事業戦略に基づいて中期的開発課題について密接に連携して取り組んでいます。そのための情報解析や企画立案については、事業戦略部が支援しています。一方、「事業部門開発」は、主としてライン部門が担当し、各事業領域の発展につながる製品及び製造プロセス技術の研究開発を、スタッフ機能部門と密接に連携をとりながら行っています。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費は61億83百万円となりました。

なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。

「基礎的研究開発」
基盤技術開発では、材料設計、製造プロセス技術、評価技術といったコア技術の開発・改良、コア技術をベースにガラスの特徴を最大限に活かしより高い機能を引き出す製品設計、中長期に亘り社会や産業界のニーズに応える次世代のガラスの創出を主たる目的とし、以下のような取り組みを行っています。

○コア技術の開発・改良:ガラスの基礎物性や新プロセスの研究に基づく材料設計、シミュレーション研究や溶融清澄研究による製造プロセス技術、高度な分析・測定・解析技術を用いた評価技術の研究開発。

○コア技術を活かした製品設計:求められる製品の特性や用途に合わせ、材料設計や製造プロセス技術、評価技術を駆使し、ディスプレイ用ガラスやモバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)、光関連ガラスや電子デバイス用ガラス、医薬用管ガラスなどの研究開発。

○次世代のガラスの創出:二次電池などのエネルギー分野に用いられる材料や次世代照明用材料として車載用などハイパワー化するLEDやLD光源の発展に貢献できる蛍光体ガラス、有機EL照明の輝度向上に貢献するガラス、先端医療に対応する医療用ガラスなどの研究開発。

上記に加え、新技術の導入やコア技術の更なる進化など基盤技術開発の活性化を目的に、国内外の大学や研究機関との共同研究やネットワーク構築に積極的に取り組んでいます。

戦略的開発では、現事業領域を超える次世代の技術・製品の開発や、ガラス溶融における消費エネルギーの削減・環境負荷低減に寄与する製造プロセス技術の開発などに取り組んでいます。

これらの結果、基礎的研究開発費は20億14百万円となりました。
「事業部門開発」
事業部門開発では、製造プロセス技術の研究開発、その技術を活かしたガラスの高機能化、更なる機能性の向上を主たる目的に、以下のような取り組みを行っています。

○製造プロセス技術の研究開発:超高精細ディスプレイ用ガラスや高強度なモバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)、極限まで薄いガラス、高機能化する電子デバイスに使用される精密ガラスの製造を可能にする溶融・成形・加工・検査技術などの高度化。

○ガラスの高機能化:「見えないガラス」に応用された超低反射機能のほか、防眩や反射防止、汚れ防止など様々な機能を持たせた膜をガラスに付与する成膜技術や各種高性能ミラーなどの研究開発。ガラスを金属、セラミックス、樹脂などの有機材料と組み合わせる複合化技術の研究開発。

○機能性の向上(他社との共同開発):超薄板ガラスを使用したフレキシブル有機EL照明製造プロセス開発や、高機能樹脂の強化及び形状安定に寄与できるガラス製フィラーの開発。

これらの結果、事業部門開発における研究開発費は41億68百万円となりました。
具体的な状況は次のとおりです。

(電子・情報用ガラス)
ディスプレイ用ガラスについては、超高精細ディスプレイの需要に対応するため、得意先の製造工程での寸法変化を極力小さくする材料及び技術開発に取り組んでいます。モバイル端末用や車載ディスプレイ用など新用途のカバーガラス(化学強化専用ガラス:「Dinorex」)についても、高い耐傷性を持つ高強度なガラスを短時間で均一に化学強化する技術の開発に取り組んでいます。
また、ガラスの機能そのままに極限まで薄いフィルムのような柔軟性を持つ超薄板ガラス「G-Leaf」のロール巻き量産技術や、その切断・成膜といった応用的な研究開発に取り組み、フレキシブルディスプレイやフレキシブル照明などの次世代製品の創出に注力しています。Fraunhofer FEP(ドイツ)との共同開発においては基板側とカバー側の両面に「G-Leaf」を使用した有機EL照明デバイスの試作に成功しました。
さらに、超薄板ガラスと樹脂を組み合わせる“超薄板ガラス-樹脂 積層体”「Lamion」は、ガラスと樹脂双方の優れた特徴を有する材料として様々な分野への応用が期待され、デジタルサイネージ保護パネルやフレキシブル電子デバイスへの適用を目指した技術開発に取り組んでいます。
光関連ガラス・電子デバイス用ガラスについては、高度な溶融・成形・加工・検査技術を用いて、蛍光体ガラス「ルミファス」や有機EL照明用基板などの照明や家電、情報通信分野における新製品の研究開発に取り組んでいます。例えば、高効率な吸収特性を持たせた世界最薄の赤外線吸収フィルター、次世代半導体パッケージ技術として期待されるFOWLP(Fan Out Wafer Level Package)に求められる様々な熱膨張係数に対応した半導体用サポートガラス、高い抗菌性能を有する粉末状の抗菌ガラスなどの様々な新製品の研究開発を進めています。

(その他用ガラス)
ガラスファイバについては、複合化技術を用いて、自動車の省エネ化やハイブリッド車等の市場拡大に対応した自動車部品向け高機能樹脂用や、建築・土木分野でのセメント強化用として最適な機能性ガラスの研究開発に取り組んでいます。加えて、自動車や電気・情報関連機器に使用される高機能樹脂の強度向上、形状安定化に寄与するガラス製フィラーについては、日本板硝子㈱と共同開発を進めていきます。
建築用及び耐熱ガラスについては、透明で耐衝撃安全性にも優れた防火設備用ガラスや、熱膨張係数が極めて小さく熱衝撃に強い超耐熱結晶化ガラスを用いて、洗練されたデザインや形状の調理器用トッププレートやストーブ窓の研究開発に取り組んでいます。
医療分野においては、医療の高度化に伴って反応性の高い新薬が開発され、医薬容器内面でのアルカリ成分の溶出や、内壁が薄片状に剥離するデラミネーションと呼ばれる事象による薬液の汚染が懸念されており、これらを抑制、低減できる2種類の医薬用管ガラスの新材料を開発しました。また、医療従事者を放射線から保護しメンテナンス性にも配慮した放射線遮へい用ガラス「LXプレミアム」や放射線だけでなく電磁波も遮へいする「MR-LITE」、PET検査室に最適なガンマ線遮へい用ガラス「Pro-GR」など先端医療に対応する医療用各種ガラスの研究開発に取り組んでいます。

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01190] S1007A73)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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