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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007YD6

有価証券報告書抜粋 大同特殊鋼株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループは特殊鋼をベースにした高い技術力を背景に「21世紀社会に貢献する創造的、個性的な企業集団」を目指すことを基本理念としており、「新製品・新事業の拡大」および「既存事業の基盤強化」のため、積極的な研究活動を行っております。
現在、当社「技術開発研究所」内の「特殊鋼研究部」、「電磁材料研究部」、「プロセス研究部」を中心に、新製品、新材料、新技術の研究開発を推進しており、研究開発スタッフはグループ全体で275名であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は57億66百万円であり、各セグメント別の研究の目的、主要な研究成果および研究開発費は次のとおりであります。

(1)特殊鋼鋼材

主に当社が中心となり、自動車用構造材料、工具鋼などの素材開発および製鋼、精錬、凝固から製品品質保証までプロセス革新等の研究開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は14億59百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては次のものがあります。
・耐水素脆化軸受用鋼の開発
自動車用エンジンの電装補機やCVT無段変速機用の軸受で、潤滑油から侵入する水素が起因と考えられる早期転動疲労剥離が問題となっておりました。この水素脆性型転動疲労の長寿命化には浸炭窒化が有効であることは知られており、微細窒化物による水素トラップの効果と考えられ、クロム量やマンガン量の増加で長寿命化することは報告されておりましたが、その詳細な機構は明らかになっておりませんでした。
表層窒化物、水素放出曲線、水素脆性型転動疲労寿命に及ぼす表層窒素量の影響と、窒化物水素トラップによる水素放出曲線の分離抽出により、長寿命化の機構を明らかにいたしました。
今後はこれらの知見をもとに、耐水素脆化軸受用鋼の実用化を目指してまいります。

(2)機能材料・磁性材料

主に当社が中心となり、耐食・耐熱材料、高級帯鋼、接合材料、電磁材料等の素材開発および電子デバイスの研究開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は26億95百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては次のものがあります。
・省重希土類元素型高性能PLP磁石の量産技術の向上
2013年に重希土類元素の使用量を大幅に削減しつつ高い磁力と超高耐熱性を両立させるPLP(Pressless Process)磁石の量産技術を開発し、三菱商事㈱、米国モリコープ・インクと共同で設立したインターメタリックス ジャパン㈱で生産を開始いたしました。2015年3月からインターメタリックス ジャパン㈱は当社の100%子会社とし、新しい経営体制の下、量産技術をさらに向上させ高歩留りの製造を行い、適用アイテムを増やしております。

・メタルメッシュ用 銅合金ターゲット材「スターメッシュ」
タッチパネルの配線用材料として、優れた導電性と低反射率を併せ持つメタルメッシュ用 銅合金ターゲット材「スターメッシュ」を開発いたしました。タッチパネルの透明導電膜には一般的にITO(酸化インジウムスズ)が使用されておりますが、パネルの大型化に伴い、より導電性の高い材料が求められております。タッチパネルの入力検出に用いる導電線の材料をITOから網目状の金属に置き換えるメタルメッシュ技術がありますが、金属膜に見られる特有のギラツキを抑える必要がありました。
本製品はITOと同じプロセス(スパッタリング法)に適用可能であり、ガラス、PET樹脂など各種基板との密着性に優れる2桁以上導電性の高い配線を、プロセスを大幅に変更することなく反射率を10%まで抑えることが可能で、さらに銅主体の金属でありエッチングによる細線化も容易であります。
また、本製品はインジウム等の希少金属を使用していないため、ITOと比べて低コストでタッチパネルの生産が可能であります。

(3)自動車部品・産業機械部品

主に当社が中心となり、ターボチャージャーやエンジンバルブ等の自動車部品および各種産業機械部品の研究開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は14億53百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては次のものがあります。
・高温耐食性・高温硬度に優れるニッケル基合金DSA760船舶用排気弁の開発
当社では,高硬度高耐食ニッケル基合金としてDSA760を開発し、ディーゼルターボチャージャーの可変機構部材などで拡販しております。今回、大型製品でもDSA760の高い高温硬度と耐高温腐食特性が得られる製造技術および熱処理方法を確立いたしました。これらの開発により、船舶用排気弁として国内ディーゼルエンジンメーカーでの実船検証試験でも、従来使用されているニッケル基合金の排気弁よりも、高温腐食による損耗速度の低下が確認されております。このDSA760排気弁の適用により既存のニッケル基合金の排気弁対比で、寿命が約2.5倍延長できる見込みと評価され、舶用エンジン排気弁素材として実用化が決定いたしました。今後は、本年度、当社渋川工場で新大型真空誘導溶解炉(25tVIM)が稼働予定であり、生産能力拡大により、小型部材から大型部材まで幅広い需要量拡大に対応できる体制が整います。

(4)エンジニアリング

主に当社が中心となり、環境保全・リサイクル設備や省エネルギー型各種工業炉等の開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は1億57百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては次のものがあります。
・新型燃焼システム「DINCS」の完成、発売
温室効果ガスの排出量削減に対するニーズは年を追うごとに高まっており、機械事業部の製品である工業炉についてもその対策が求められています。機械事業部では2012年より新型省エネ燃焼システム「DINCS:Daido Innovative Neo Combustion System」の開発に取り組み、主力製品の一つであるSTC炉に対しリジェネレイティブバーナと同等のラジアントチューブ式燃焼システムとして省燃費性能を得るべく、その製造ノウハウの蓄積と基礎性能の確認に取り組んでまいりました。
DINCSは炭化珪素製3Dプリンティング技術を用いた熱交換器を搭載しており、それにより燃焼排ガス中の顕熱を燃焼予熱空気へ効率的に回収し、STC炉の省燃費性能の飛躍的な向上と温室効果ガスの排出量削減を果たすシステムです。2015年度はDINCSの発売とそれに向けた総仕上げの年と位置付け、実炉において燃費実績の採取を行うとともに、リジェネレイティブバーナ対比でのメンテナンスの大幅な軽減と炉内温度分布向上への寄与を確認でき、DINCSが市場のニーズに十分に応えられることが分かりました。
今後はDINCSの普及をより一層推し進め、地球環境の保護とお客様の永続的な発展に寄与してまいります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01239] S1007YD6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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