有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AS2X
株式会社ゼネラル・オイスター 事業の内容 (2017年3月期)
当社グループ(当社及び当社の子会社)は、当社、100%出資子会社の株式会社ヒューマンウェブ、株式会社ジーオー・ストア、株式会社ゼネラル・オイスター・ヴィレッジ、株式会社海洋深層水かきセンター、株式会社日本かきセンター及び株式会社ジーオーシード、52.5%出資子会社の株式会社ジーオー・ファームの8社で構成され、「牡蠣の新たな価値を創造し、画期的な未来を提供します」という企業理念の下で、牡蠣を主体とするレストラン(オイスターバー)を経営する店舗事業と、安全性の高い牡蠣の生産研究、産地の開拓、牡蠣の安定供給を目的として、牡蠣の卸売事業を展開しております。
当社グループは、店舗事業を通じて安全安心な牡蠣を提供しております。卸売事業においては、牡蠣を安全に提供するため、厚生労働省の定める保菌基準をさらに下回る当社グループ独自の基準を定め、この基準をクリアするため、独自の浄化工程を実施しております。この安全への取り組みは、当社グループだけでなく、牡蠣生産者のご理解、ご協力もいただくことで、より盤石なものとなり、安全かつ安心な牡蠣を消費者に提供することを可能としております。このような取り組みを行う当社グループが提供する安全安心な牡蠣を召し上がっていただくことで、古来より伝わる日本の伝統食材である牡蠣がより多くの人々に親しまれることを目指しております。
また、身入りが充実して加熱しても身が縮まず、死骸ロスが少ない高品質な牡蠣の生産を目的として、連結子会社である株式会社ジーオーシードで牡蠣種苗生産を開始するなど、当社グループは、牡蠣の生産から販売まで一気通貫で手掛ける体制の構築を目指しております。
(1) 店舗事業
当事業では、国内最大級のオイスターバーチェーンとして、東京を中心とした首都圏の百貨店や商業施設を軸に「ガンボ&オイスターバー」をはじめとする複数の当社ブランドによる飲食店舗の運営を行っております。
オイスターバーは、牡蠣を生で食するスタイルが中心となっております。そのため、当社の店舗では、海域の特性により産地毎、季節毎で風味や味わいが違うという特性を生かし、複数産地の生牡蠣を盛り合わせた「オイスタープレート」をメインとして提供しております。また、外食の非日常性という点から、焼き・蒸し等の方法により普段家庭では経験し難い新しい牡蠣の食し方の提案を行っており、外食ならではの体験ができる場としてお客様にご利用頂けるよう、こだわりを持ったメニュー、空間演出を心掛けた店舗展開を行っております。
また、当事業では、顧客の再来店(リピート率の向上)を促す施策として、オイスター・ピース・クラブという会員制度を導入しております。同クラブは、2007年2月に制度を発足して以来、入会数を順調に伸ばし、2012年11月に会員数は20万人を突破し、2014年9月に30万人を突破いたしました。2016年4月からはアプリも導入し、会員数増加を加速化しております。
2014年8月からは、富山県下新川郡入善町において、その清浄性に着目して海洋深層水(注)1を利用した第2浄化センターを稼動しております。店舗では、海洋深層水で浄化された牡蠣を「ミネラルオイスター」(注)2として売り出し、ブランディングを強化しております。
上記の施策を実施する店舗として、2017年3月31日現在、東北地区(宮城)1店舗、北陸地区(富山)1店舗関東地区(東京、神奈川、千葉、茨城)18店舗、中部地区(名古屋)1店舗、関西地区(大阪、神戸)5店舗、九州地区(福岡)3店舗の計29店舗を立地、顧客特性に応じてブランドを分けて展開しております。
(注) 1.海洋深層水とは、深度200メートル以深の海水であります。生活排水が流入しないこと及び太陽光が届かず光合成が行われないため植物プランクトンが活動を休止すること等から、雑菌が表層水の1,000分の1以下という清浄性を有します。
2.「ミネラルオイスター」とは、当社が5つのこだわりをもって安全品質水準を保った生牡蠣を意味しております。5つのこだわりは、①海へのこだわり②創り手のこだわり③キレイにするこだわり④安全を守るこだわり⑤お客様を笑顔にするこだわり、です。安全安心な牡蠣と言えば、「ミネラルオイスター」と思い浮かぶよう顧客への浸透を企図しております。
ブランド毎の特徴は以下のとおりであります。
ブランド名 | 特 徴 | 店舗数 |
ガンボ&オイスターバー | ガンボと牡蠣の融合を提案するレストラン。 「ガンボ」とは、アメリカ南部のルイジアナ州ミシシッピ川周辺の郷土料理であるケイジャン料理を代表するもので、魚介類と香味野菜を数種類のスパイスで煮込んだ料理のことです。ルイジアナ州のニューオリンズでは、このケイジャン料理と牡蠣を楽しむ「オイスターバー」が有名であり、この食文化を日本に提案した当社基幹ブランドとなるブランドであります。 | 10店舗 |
シュリンプ&オイスターバー | エビと牡蠣の融合を提案するレストラン。 牡蠣が少し苦手なお客様でもオイスターバーには行ってみたいというニーズに応え、ワインに合う代表的なシーフードであるエビ料理を提供することで客層の幅を拡げることを狙ったブランドであります。 | 1店舗 |
フィッシュ&オイスターバー | 魚料理と牡蠣の融合を提案するレストラン。 牡蠣が少し苦手なお客様でもオイスターバーには行ってみたいというニーズに応え、旬の新鮮な魚介類をテーマに料理を提供するブランドであります。 | 2店舗 |
オイスタールーム | 「ガンボ&オイスターバー」のアップグレード型レストラン。 ガンボ&オイスターバーよりも店舗規模は広くゆったりとした空間と時間を提供することで落ち着いた大人のお客様のニーズに応えられるブランドであります。 | 2店舗 |
シュリンプ&オイスターハウス | 「シュリンプ&オイスターバー」のアップグレード型レストラン。 魚介を中心とした食材にこだわった、ちょっと贅沢なシーフードブランドであります。 | 1店舗 |
オイスターテーブル | 幅広い年齢層をターゲットとした路面型のカジュアルレストラン。 牡蠣以外のシーフードは勿論、お酒に合うメニューの幅を広げたシーフードブランドであります。 | 3店舗 |
キンカウーカ グリル&オイスターバー | リゾートスタイルのテーマ型レストラン。 店名である「キンカウーカ」とは豪州の先住民であるアボリジニーの言葉で「綺麗な水」を意味しております。心地よいテラス席が特徴的であり、グリル料理やバーベキュー料理も提供し、夏季はビアガーデンスタイルにもなるシーフードブランドであります。 | 1店舗 |
ステーションオイスターバー | 主要ターミナル駅の駅ビル、駅隣接地に出店エリアを特化したレストラン。 「ガンボ&オイスターバー」のスタイルを踏襲して客層・価格帯も同じ展開の別ブランドであります。 | 3店舗 |
ザ・カーブ・ド・オイスター | 和テイストを取り入れたオイスターレストラン。 我が国に古来より根付いた牡蠣という食材を和テイストの創作料理でメニュー構成しております。また、ゆっくりと寛げる空間づくりから、気軽に利用できるワインサービングシステム(自動購入機)など幅広い客層を取り込めるブランドであります。 | 1店舗 |
キンカウーカ スペシャリティオイスター | 「ガンボ&オイスターバー」と基本メニューは揃え、牡蠣の浄化に用いている海洋深層水の清浄性を強くアピールするため、アボリジニーの言葉で「綺麗な水」を意味するキンカウーカを冠にしたブランドであります。 | 1店舗 |
ブランド名 | 特 徴 | 店舗数 |
ラ・テラス | 一年を通して四季ごとに、イタリアン、スパニッシュ、ビストロなどテーマが変わるテラスレストランであります。 | 1店舗 |
入善牡蠣ノ星 | レストランと加工浄化センターを併設した形のヴィレッジ業態。 海洋深層水で浄化したての「きときとの牡蠣」と地元の海の幸、畑の幸を素材のおいしさそのままにお召し上がりできる地元密着型のブランドであります。 | 1店舗 |
ウォーターグリルキッチン | 「海洋深層水・美と健康」をテーマとして開発した業態。 食材もより新鮮な状態で提供できる「地場のもの」を中心に提供いたします。 海洋深層水は、富山・入善町で取水した富山湾のものを使用いたします。 | 2店舗 |
(注)2017年3月31日現在の店舗数を記載しております。
(2) 卸売事業
2006年末から2007年初めにかけてノロウィルスによる食中毒報道が数多く取り沙汰され、また、その原因の多くが牡蠣であるかのような報道もあり、この風評被害の影響は甚大でありました。そこで、当社グループでは安全と安心は自社で確立するものと考え、自社で安全に対するトレーサビリティを確立するため、牡蠣の安全管理・集荷・出荷の施設である、株式会社日本かきセンター(現 株式会社海洋深層水かきセンター)を2007年9月広島県呉市に設立し、第1浄化センターを開設しました。なお、2014年8月には富山県下新川郡入善町に第2浄化センターを開設しましたが、2016年9月には、事業の集約化・効率化の観点から、広島の浄化センターを富山の浄化センターに統合しております。
当事業では、自社で安全性を確保するために確立した浄化・検査体制を整えるとともに、店舗事業における牡蠣消費量を背景とした集中購買を全国各地の牡蠣生産者から実施しております。これらの取り組みにより、安全、高品質かつ低価格の牡蠣を当社グループ店舗に提供するとともに、グループ外の飲食店舗に対して卸売しております。
(3)浄化・流通事業
富山県下新川郡入善町に海洋深層水で牡蠣を浄化するセンターを運営しております。全国の牡蠣生産者から集中購買を行い、入善の浄化センターに牡蠣を集め、60時間の海洋深層水かけ流しによる浄化を行った後、全国の当社グループ店舗に送っております。また、浄化センターの所在エリアで、地方創生を目的とした牡蠣に関わるようなイベントにも全国からの新鮮な牡蠣の提供も行っております。
(4)その他
下記の事業を「その他」としております。
① 種苗及び海面養殖事業は、安全な牡蠣を提供する原点である牡蠣の種を人工的に作っており、自然環境に影響
されず人工的環境下で品質コントロールされた種により、身入りが充実して加熱しても身が縮まず、死骸ロスも
少ない高品質の牡蠣を生産すること及び生産が自然環境に左右されやすい天然の岩牡蠣を安定的に提供すること
を目指して取り組んでおります。
② 陸上養殖事業は、沖縄県島尻郡久米島町でノロウィルスに代表されるウィルスに汚染されない牡蠣の大量生産
を目指し、研究開発を行っております。
③ 岩手大槌ヴィレッジ事業は、岩手県大槌町の加工拠点に併設する形の商業施設や物販拠点を開設するべく、開
設を準備を行っております。
(5)当社の牡蠣の安全性を担保する検査体制
当社で取り扱う牡蠣は、幾重ものチェック工程を経て、はじめて流通ルートに乗っております。具体的には、以
下の施策を実施しております。
① 産地段階での一次検査
生食用の牡蠣として厚生労働省が指定している保菌基準を下回る牡蠣のみを仕入れております。
② 当社グループ集荷施設(浄化センター)での浄化
富山の浄化センターで、海洋深層水で満たされた水槽内で牡蠣を蓄養し、牡蠣自体の生態活動の結果により、厚生労働省の指定する基準よりも厳しく規定している自社基準をクリアする生食用の牡蠣に仕上げております。
③ 当社グループ二次検査
出荷前に①の一次検査の基準である厚生労働省が指定している保菌基準を下回る基準として当社グループが 定めた基準により再検査を行っております。厚生労働省の指定する基準と当社グループの定める自社基準との差は以下のとおりとなっております。
(厚生労働省の指定する基準との比較)
検査項目 | 厚生労働省基準 | 自社基準 |
一般細菌数 | 50,000/g 以下 | 15,000/g 以下 |
大腸菌群(E.coli) | 230/100g 以下 | 130/100g 以下 |
腸炎ビブリオ | 100/g 以下 | 10/g 以下 |
ノロウィルス(注1) | 10コピー未満(陰性)(注2) | UD(Undetermined)検出されず |
(出所:食品、添加物等の規格基準 (1959年厚生省告示第370号))
(注) 1.ノロウィルスは、食品衛生法で定められていない自主検査です。厚生労働省のガイドラインでは、10コピー未満が陰性、10コピー以上が陽性です。
2.コピーとは、ノロウィルス量の単位であります。
当社グループの提供する牡蠣は、これらの浄化、検査工程における基準を全て通過したうえで出荷されておりま
す。また、海域の細菌やウィルス状況を監視するため、産地毎の降雨量、海水温度などを毎日収集して、当社グ
ループが長年培ったノウハウにより、これらを分析してリスク回避と事前のアラームで警告する体制を整えており
ます。
2016年4月1日より、会社分割の方式で持株会社体制に移行し、当社は株式会社ゼネラル・オイスターに商号変更を行っております。株式会社日本かきセンターは、株式会社海洋深層水かきセンターへ商号変更を行い、新設子会社に卸売事業を事業譲渡しております。また株式会社中尾水産テクノロジーは、株式会社ジーオーシードへ商号変更を行っております。2017年3月に岩手大槌の加工工場における「大槌町水産業共同利用施設復興整備事業」の補助金が確定いたしましたが、加工事業は補助金申請主体である株式会社ゼネラル・オイスターが運営を行うことになります。
連結子会社の概要及び事業系統図は、次のとおりであります。
事業の内容 | 会社名 |
店舗事業 卸売事業 浄化・物流事業 陸上養殖事業 種苗及び海面養殖事業 岩手大槌ヴィレッジ事業 持株会社及び加工事業 | 株式会社ヒューマンウェブ 株式会社日本かきセンター 株式会社海洋深層水かきセンター 株式会社ジーオー・ファーム 株式会社ジーオーシード 株式会社ゼネラル・オイスター・ヴィレッジ 株式会社ゼネラル・オイスター |
[事業系統図]
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- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31321] S100AS2X)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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