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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ALJ6

有価証券報告書抜粋 株式会社中村超硬 事業の内容 (2017年3月期)


沿革メニュー関係会社の状況


当社グループは、電子材料スライス周辺関連、特殊精密機器関連、化学繊維用紡糸ノズル関連の開発・製造・販売を主な事業として取り組んでおります。2017年3月31日現在の子会社数は4社(連結子会社 日本ノズル株式会社、中超住江デバイス・テクノロジー株式会社、上海那科夢楽商貿有限公司、無錫力宏噴糸板貿易有限公司)であります。
当社グループの事業内容は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(1)電子材料スライス周辺事業
当事業は、太陽電池やLED、パワーデバイス(*1)など、今後のエネルギー関連業界で需要が伸びると予測される各種電子材料ウエハ(*2)の製造工程の中で重要な工程といえる、スライス加工で使用するダイヤモンドワイヤの開発・製造・販売を行っております。
当事業では、太陽電池用シリコンウエハの加工企業向けに当社製ダイヤモンドワイヤ「DINA-PRISM」を販売しており、ダイヤモンドワイヤとは、細いピアノ線にダイヤモンドの粒を強く固定した糸状の工具であり、太陽電池の業界ではシリコンウエハの低コスト化をもたらす新しいスライス加工手法として用いられております。ダイヤモンドワイヤは、主に単結晶シリコンのスライス加工に使用されておりますが、近年の技術開発により、多結晶シリコンのスライス加工においてもダイヤモンドワイヤが使用されており、今後、更なる使用の拡大が見込まれております。
従来のスライス加工は、遊離砥粒方式と呼ばれる砥粒のついていないワイヤにSiC(炭化ケイ素)砥粒を含む加工液(油)を供給しながらスライスする手法が主流となっておりました。加工液に含まれるSiC砥粒がワイヤの走行とともに回転しながらシリコンを削ることによりスライス加工することから砥粒がワイヤ自体も削ることになります。
一方、当事業で開発・製造・販売するダイヤモンドワイヤによるスライス加工は固定砥粒方式と呼ばれ、ダイヤモンド砥粒がワイヤに強固に固定されており、ワイヤの走行によりダイヤモンド砥粒が直接的にシリコンを削るため切れ味が鋭く、従来方式と比べて加工速度が向上する技術であります。付随する効果として、固定砥粒方式ではワイヤの使用量も少なくなることから産業廃棄物が減少し、また、加工液は従来方式の油に対し水を使用するため、コストと環境負荷の低減にもつながります。さらに大きなメリットとして、ダイヤモンド砥粒がワイヤ自体を削ることがないため、従来の遊離砥粒方式よりワイヤそのものを細くすることが可能であり、カーフロス(*3)を低減することにより切り出せるウエハの枚数を増やすことが可能です。このような「加工速度の向上」と「カーフロスの低減」により、従来の遊離砥粒方式と比較して生産性が向上するため、太陽電池市場ではダイヤモンドワイヤの需要が増大しております。
当社のダイヤモンドワイヤは、特許取得技術であるマルチ方式による高速製造プロセスにより低価格化を可能としております。また、子会社である中超住江デバイス・テクノロジー株式会社では、当社製品「DINA-PRISM」を用いてシリコンインゴットをスライス加工し、太陽電池用シリコンウエハを製造・販売しており、同社からの量産検証結果のフィードバックを受け、当社では迅速にダイヤモンドワイヤの高度化といった性能改善に取り組んでおります。こうした取り組みは当事業のダイヤモンドワイヤをつくる技術と、同社のダイヤモンドワイヤを使う技術を共有することによるシナジー効果によって可能になるものであり、この業界でも数少ない事業モデルが当事業の特長となっております。また、前述のとおりダイヤモンドワイヤの細線化により、さらなる生産性向上が可能な製品となっております。
当社では顧客に対し、当子会社とのシナジー効果で得られた知見を基にした技術支援を継続的に行うことで競合他社との差異化を図り、固定砥粒方式への転換を推進し、当該分野のものづくりが集積する中国での顧客拡大を目指しております。

(*1)パワーデバイス :電力を効率よく制御し省エネに貢献し、産業用途、鉄道車両、ハイブリッド車、電気自動車、白物家電などのモーター制御用インバーターなどの幅広い分野に使用されている半導体素子。
(*2)ウエハ :電子材料の塊(インゴット)から目的に応じて薄くスライスされた板状の機能部品。シリコン、サファイア、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)など、様々な材質がある。
(*3)カーフロス :切断溝幅(切り代)のこと。カーフロスは材料のロスとなるため、太陽電池パネルの製造コスト低減のためできるだけ小さくする必要がある。



(2)特殊精密機器事業
当事業は、ダイヤモンドや超硬合金(*4)、セラミックスなど耐摩耗性(*5)の高い硬脆材料(*6)を用いた特殊精密部品(*7)、工具の開発・製造・販売を行っております。当事業における主要な製品は、自動車部品やベアリング(*8)製造用工作機械に用いられるダイヤモンド部品、液晶テレビやスマートフォン、タブレット等の電子機器の製造に欠かせない電子部品実装(*9)用の産業機械に用いられるダイヤモンドノズル(*10)といった部品であります。
当事業では、こうした特殊精密部品・工具に加えて、実装機(マウンター)用ノズル等を洗浄する装置などの開発・製造・販売も行っております。近年では、微細精密加工技術と装置開発技術の複合により、微細な空間で液体や気体を効率的かつ連続的に混合・合成する化学反応用マイクロリアクター(*11)システムの開発・製造・販売も開始しております。

(*4)超硬合金 :一般的に炭化タングステンと結合剤(バインダ)であるコバルト(Co)を混合して焼結したものを指す。主に切削加工や金型などの耐摩耗性を要求される分野で使用される。
(*5)耐摩耗性 :ダイヤモンドや超硬合金等の硬度が高く、各種工業用の使用用途において、摩耗に伴う形状変化が少ない特性。
(*6)硬脆材料 :ダイヤモンドやセラミックスなどのように、硬度が非常に高い反面、衝撃に弱く、カケ易く割れ易い材料の総称。
(*7)特殊精密部品 :研削盤等の工作機械や産業機械に使われる機能性を持った精密部品。一般的な市販部品ではなく、各ユーザーの「特殊」な仕様に基づいて製作される。
(*8)ベアリング :機械部品のひとつで、回転や往復運動する相手部品に接して荷重を受け、軸などを支持する部品。
(*9)実装 :エレクトロニクスの分野で、電子部品をプリント基板の上に取り付ける(はんだ付けする)工程。
(*10)ダイヤモンドノズル :電子部品(IC・コンデンサ・抵抗等)を電子基板に搭載する際に用いる吸着ノズル。
(*11)マイクロリアクター :一辺あたり1mm以下の大きさの空間で連続的に化学反応を行う装置(通常はバッチ反応器、いわゆる普通のフラスコなど)。より大きなスケールで反応を行う他の装置と比べ、エネルギー効率、反応速度、安全性、対応できる反応、条件の制御能力などに優れる。


(3)化学繊維用紡糸ノズル事業
当事業は、連結子会社の日本ノズル株式会社で行っており、主に、化学繊維用紡糸ノズル及び周辺部品、不織布(*12)用ノズル・同装置等の設計・製造・販売を行っております。
同社は、1930年に創業して以来、化学繊維用(レイヨン製造用)ノズルを国産化し、化学繊維の紡糸ノズル専業メーカーとして事業展開してまいりました。紡糸ノズルは、不織布の製造や炭素繊維(*13)の原料となるアクリル繊維などの製造において繊維の品質を決定づける基幹部品であります。その製造にあたっては微細加工(孔(あな)あけ加工、パンチング加工)及び工具・冶具の製造に関して繊細な技術が必要となります。同社では、長年にわたり当該事業に特化してきたことにより多くの技術的蓄積を有しております。
当事業は、わが国の化学繊維メーカーのみならず、中国、インドをはじめとするグローバルな繊維メーカー、紡糸設備メーカー等に対し、各種ノズル等を納入しております。

(*12)不織布 :繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもの。主な用途としては、紙おむつ、マスク、空気清浄機フィルターなどがある。
(*13)炭素繊維 :炭素(カーボン)からできている高強度・軽量の素材(繊維)をいう。主な用途としては、自動車、航空機の材料などがある。



事業の系統図は、次のとおりであります。


沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31542] S100ALJ6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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