有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007V0O
SWCC株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、電線線材事業、電力システム事業、巻線事業、コミュニケーションシステム事業、デバイス事業、その他新しい分野における新技術・新製品の研究開発を各事業子会社の技術開発部門が中心となって積極的に推進している。
当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額10億45百万円であり、その成果は次のとおりである。
(電線線材事業)
当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。
医療分野では、レントゲン機器に使用される直流用ゴムケーブルの高電圧化対応DC 300kVケーブルを開発し、販売を開始した。鉄道車両用電線では、日本鉄道車輌工業会規格に対応した600V、1,500V用の環境配慮型耐燃架橋ポリエチレン絶縁電線(EM-TNC)について、耐熱温度120℃の登録を行った。
当事業に係る研究開発費は22百万円である。
(電力システム事業)
当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。
当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮したコンパクトな電力用機器製品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開している。国内市場向けは、耐震性・環境面に優れた点が評価され、ダイレクトモールド機器用ブッシングの適用機会が大幅に増加した。より研究開発に注力すべく電力機器事業開発プロジェクトを発足した。
66kV級、154kV級SICONEX®製品の標準仕様化を国内電力向けに推進し、今後の採用に向けた検討を多くの電力会社で推進して頂いた。
また、老朽化した275kV OFケーブルからCVケーブルへの引替え需要に対応すべく同電圧レベルを含む、超高圧ケーブル用ジョイントのラインナップ充実を図っている。
当事業に係る研究開発費は1億94百万円である。
(巻線事業)
当事業における研究開発活動は、㈱ユニマックを中心に進められている。
マグネットワイヤ(巻線)に関しては、最近ではその需要動向から自動車関連分野の製品開発および通信機器に使用される電子部品向けが中心となっている。エコカーの戦略車種に当社の新規開発平角エナメル線が採用されて以降、適用車種拡大のために様々な設計要求に対応し、適用車種増加を図っている。電子部品分野では、当社のポリイミド樹脂に関する技術を生かし、性能を大幅に向上させた極細平角線が部品メーカーに採用され、スマートフォンに使用されている。
当事業に係る研究開発費は8百万円である。
(コミュニケーションシステム事業)
当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。
光通信ケーブルでは、増加が見込まれる次世代携帯基地局(4G:LTE-Advanced)に使用される光ケーブルを開発し、販売を開始した。通信用同軸ケーブルでは、東京オリンピック・パラリンピック等を契機に普及が見込まれる4K、8K対応TVのデータ伝送用として広帯域・細径同軸ケーブルの開発を進めている。また道路のトンネル内で使用されるLCX(漏えい同軸)ケーブルでは、FMラジオ放送の帯域拡大に対応したケーブルの開発を進めている。
電子ワイヤ関係では、FAイーサネットケーブルのロボット配線用ケーブルの開発や今後IoT(Internet of Things)が発展するのに伴い需要の増加が見込まれるセンサー用ケーブルの開発・改良も行っている。
当事業に係る研究開発費は48百万円である。
(デバイス事業)
当事業における研究開発活動は、昭和電線デバイステクノロジー㈱を中心に進められている。
免震事業では、長周期長時間地震動を想定した従来よりも過酷な試験を免震部材に実施し、優れた耐久性を証明した。また、複数の大学・設計事務所・建設会社と免震部材に関する共同研究に着手し、その成果の一部は特許化のために共同出願をしている。さらに市場からの一層の品質要求に対しても各種研究を継続し、その成果を設計、材料、製法、検証方法の改善につなげている。
制振・制音事業における振動制御製品では、船舶分野の船内騒音規制強化に伴い、制振材(ショウダンプNH-5)の騒音低減効果について、船内を模擬したモックアップ実験により実用性のあるデ-タを取得した。電力機器では、災害対策として建物の中間階に変圧器が設置されるケ-スが増えたことにより、変圧器設置階下の騒音対策として、トップランナ-変圧器のラインナップに合わせた防振架台シリ-ズを設計、提案を開始した。鉄道車両分野では、安全面から要求される品質に対応した防振ゴム開発を行い、市場参入を果たした。
情報機器では、複写機・プリンター・軽印刷機に使用されるカラーおよびモノクロ用定着ローラ、加圧ローラ、ベルト、パッド、コイル等の開発を継続し、省エネ・環境対応・超高画質化など年々高まる顧客要求に応える製品の市場投入を行っている。顧客との緊密な協力関係を維持しパ-トナ-として、開発から製造プロセスに至るまで、高品質かつ低コスト製品を開発し、市場投入すると同時に将来技術の研究開発を継続実施している。さらに自動車用ハンドルヒーターについても採用車種拡大を目指し開発や量産に注力している。
ワイヤハーネス関係では、自動車用ハンドルヒーターやシートヒーターの端末加工方法を改良し、販売を伸ばしている。
当事業に係る研究開発費は2億12百万円である。
(その他)
当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。
超電導ケーブルシステムに関しては、国際規格に基づき35kV単芯ケーブルシステムの型式試験を第三者認証機関の立会のもとで実施し、全試験項目合格の評価を得た。富通集団有限公司とは天津市濱海新区濱海科技園において、ケーブルの設置工事を行っているところである。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において、2年間の実用化研究フェーズへ移行した「低コスト型超電導低電圧大電流母線の開発」について、初年度としてケーブル部、終端部の基礎検討を終了した。2015年10月にNEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/省エネルギー技術開発事業の重要技術に係る周辺技術・関連課題の検討」に先導研究として「プラント内利用超電導ケーブルのための冷却システムの検討」が採用され、冷却についての調査を実施した。また、医療用の超電導機器に使うための特性向上を目的とした基礎研究を国立研究開発法人日本医療研究開発機構より受託し、産業用超電導線材・機器技術研究組合とともにその成果を報告した。
工場や自動車から発生する排熱から電気エネルギーを取り出す熱電変換素子の開発では、NEDOが委託するクリーンデバイス社会実装推進事業に「熱発電デバイスによる中温度域独立給電型センシングモジュールの用途開拓」が2015年6月に新たな課題として採択された。本プロジェクトでは当社の熱電変換モジュールを電源として用いたセンシングデバイスの実装検証を自動車およびボイラー用途で実施する予定である。今年度は本用途に向けた新設計のシリサイド系熱電変換モジュールの試作評価を実施し、目標とする性能を得ることができた。また、三重事業所内で実施している熱電発電の実証試験では、発電デバイスの改善により安定した出力が継続して得られており、実証デモサイトとして運用中である。
環境負荷低減のため自動車の軽量化が進められており、当社グループでは、アルミ合金線技術を生かした細径・高強度ワイヤの開発を進めてきた。細径電線に特に要求される高い機械的強度を確保する目途が立ち、製品化に向けたフェーズに入っている。
リッツ線とそのコイル化技術を用いて、非接触給電システムの開発を行っている。用途は、主に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向けの非接触給電用である。本技術は、自動車分野以外の産業機器等にも応用が期待されている。
これらの事業に係る研究開発費は5億59百万円である。
当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額10億45百万円であり、その成果は次のとおりである。
(電線線材事業)
当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。
医療分野では、レントゲン機器に使用される直流用ゴムケーブルの高電圧化対応DC 300kVケーブルを開発し、販売を開始した。鉄道車両用電線では、日本鉄道車輌工業会規格に対応した600V、1,500V用の環境配慮型耐燃架橋ポリエチレン絶縁電線(EM-TNC)について、耐熱温度120℃の登録を行った。
当事業に係る研究開発費は22百万円である。
(電力システム事業)
当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。
当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮したコンパクトな電力用機器製品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開している。国内市場向けは、耐震性・環境面に優れた点が評価され、ダイレクトモールド機器用ブッシングの適用機会が大幅に増加した。より研究開発に注力すべく電力機器事業開発プロジェクトを発足した。
66kV級、154kV級SICONEX®製品の標準仕様化を国内電力向けに推進し、今後の採用に向けた検討を多くの電力会社で推進して頂いた。
また、老朽化した275kV OFケーブルからCVケーブルへの引替え需要に対応すべく同電圧レベルを含む、超高圧ケーブル用ジョイントのラインナップ充実を図っている。
当事業に係る研究開発費は1億94百万円である。
(巻線事業)
当事業における研究開発活動は、㈱ユニマックを中心に進められている。
マグネットワイヤ(巻線)に関しては、最近ではその需要動向から自動車関連分野の製品開発および通信機器に使用される電子部品向けが中心となっている。エコカーの戦略車種に当社の新規開発平角エナメル線が採用されて以降、適用車種拡大のために様々な設計要求に対応し、適用車種増加を図っている。電子部品分野では、当社のポリイミド樹脂に関する技術を生かし、性能を大幅に向上させた極細平角線が部品メーカーに採用され、スマートフォンに使用されている。
当事業に係る研究開発費は8百万円である。
(コミュニケーションシステム事業)
当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。
光通信ケーブルでは、増加が見込まれる次世代携帯基地局(4G:LTE-Advanced)に使用される光ケーブルを開発し、販売を開始した。通信用同軸ケーブルでは、東京オリンピック・パラリンピック等を契機に普及が見込まれる4K、8K対応TVのデータ伝送用として広帯域・細径同軸ケーブルの開発を進めている。また道路のトンネル内で使用されるLCX(漏えい同軸)ケーブルでは、FMラジオ放送の帯域拡大に対応したケーブルの開発を進めている。
電子ワイヤ関係では、FAイーサネットケーブルのロボット配線用ケーブルの開発や今後IoT(Internet of Things)が発展するのに伴い需要の増加が見込まれるセンサー用ケーブルの開発・改良も行っている。
当事業に係る研究開発費は48百万円である。
(デバイス事業)
当事業における研究開発活動は、昭和電線デバイステクノロジー㈱を中心に進められている。
免震事業では、長周期長時間地震動を想定した従来よりも過酷な試験を免震部材に実施し、優れた耐久性を証明した。また、複数の大学・設計事務所・建設会社と免震部材に関する共同研究に着手し、その成果の一部は特許化のために共同出願をしている。さらに市場からの一層の品質要求に対しても各種研究を継続し、その成果を設計、材料、製法、検証方法の改善につなげている。
制振・制音事業における振動制御製品では、船舶分野の船内騒音規制強化に伴い、制振材(ショウダンプNH-5)の騒音低減効果について、船内を模擬したモックアップ実験により実用性のあるデ-タを取得した。電力機器では、災害対策として建物の中間階に変圧器が設置されるケ-スが増えたことにより、変圧器設置階下の騒音対策として、トップランナ-変圧器のラインナップに合わせた防振架台シリ-ズを設計、提案を開始した。鉄道車両分野では、安全面から要求される品質に対応した防振ゴム開発を行い、市場参入を果たした。
情報機器では、複写機・プリンター・軽印刷機に使用されるカラーおよびモノクロ用定着ローラ、加圧ローラ、ベルト、パッド、コイル等の開発を継続し、省エネ・環境対応・超高画質化など年々高まる顧客要求に応える製品の市場投入を行っている。顧客との緊密な協力関係を維持しパ-トナ-として、開発から製造プロセスに至るまで、高品質かつ低コスト製品を開発し、市場投入すると同時に将来技術の研究開発を継続実施している。さらに自動車用ハンドルヒーターについても採用車種拡大を目指し開発や量産に注力している。
ワイヤハーネス関係では、自動車用ハンドルヒーターやシートヒーターの端末加工方法を改良し、販売を伸ばしている。
当事業に係る研究開発費は2億12百万円である。
(その他)
当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。
超電導ケーブルシステムに関しては、国際規格に基づき35kV単芯ケーブルシステムの型式試験を第三者認証機関の立会のもとで実施し、全試験項目合格の評価を得た。富通集団有限公司とは天津市濱海新区濱海科技園において、ケーブルの設置工事を行っているところである。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において、2年間の実用化研究フェーズへ移行した「低コスト型超電導低電圧大電流母線の開発」について、初年度としてケーブル部、終端部の基礎検討を終了した。2015年10月にNEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/省エネルギー技術開発事業の重要技術に係る周辺技術・関連課題の検討」に先導研究として「プラント内利用超電導ケーブルのための冷却システムの検討」が採用され、冷却についての調査を実施した。また、医療用の超電導機器に使うための特性向上を目的とした基礎研究を国立研究開発法人日本医療研究開発機構より受託し、産業用超電導線材・機器技術研究組合とともにその成果を報告した。
工場や自動車から発生する排熱から電気エネルギーを取り出す熱電変換素子の開発では、NEDOが委託するクリーンデバイス社会実装推進事業に「熱発電デバイスによる中温度域独立給電型センシングモジュールの用途開拓」が2015年6月に新たな課題として採択された。本プロジェクトでは当社の熱電変換モジュールを電源として用いたセンシングデバイスの実装検証を自動車およびボイラー用途で実施する予定である。今年度は本用途に向けた新設計のシリサイド系熱電変換モジュールの試作評価を実施し、目標とする性能を得ることができた。また、三重事業所内で実施している熱電発電の実証試験では、発電デバイスの改善により安定した出力が継続して得られており、実証デモサイトとして運用中である。
環境負荷低減のため自動車の軽量化が進められており、当社グループでは、アルミ合金線技術を生かした細径・高強度ワイヤの開発を進めてきた。細径電線に特に要求される高い機械的強度を確保する目途が立ち、製品化に向けたフェーズに入っている。
リッツ線とそのコイル化技術を用いて、非接触給電システムの開発を行っている。用途は、主に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向けの非接触給電用である。本技術は、自動車分野以外の産業機器等にも応用が期待されている。
これらの事業に係る研究開発費は5億59百万円である。
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