有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007YQQ
株式会社駒井ハルテック 研究開発活動 (2016年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、橋梁・鉄骨の製作及び架設段階での最先端の技術並びに風力発電に関する研究開発活動を行っております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は5千7百万円であります。
当連結会計年度の研究開発の部門別内容については以下のとおりであります。
―橋梁事業―
当連結会計年度に実施した研究開発項目とその概略の内容を以下に示します。
1.鋼橋上部工の更新技術に関する共同研究
2.補修・補強工事に必要な要素技術の開発
3.合成床版、鋼板接着床版の底面鋼板部におけるコンクリート充填及び劣化状況の接触・非接触調査方法の開発
4.鋼橋の製作・施工時における情報化施工技術の応用
1.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。首都高速道路株式会社他2社と当社の合計4社で、都市内高架橋の更新技術に関する共同研究を実施しており、新しい施工技術を創出しております。これらは今後予定されている首都高速道路での大規模修繕・大規模更新への活用が期待される技術であります。
2.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。耐震補強工事や補修工事等においては、既設コンクリート構造物に部材を追加するためにアンカーボルトを設置する場合があります。そこで、従来の工法と比較して施工性に優れ、5℃以下の低温下でも硬化して、所要の性能を発揮するアンカーボルトの固定方法を開発し、実工事への適用を始めております。
3.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。鋼コンクリート合成床版や、鋼板で底面を補強したRC床版等は、床版下面が鋼板に覆われており、施工時のコンクリートや樹脂の未充填箇所やコンクリートの剥離、水の浸入等の調査が簡便に行えないのが現状であります。そこで底鋼板に直接接触し、かつ非破壊で調査を行う方法を技術的に確立し、NETIS登録を行いました。また、足場を設置せずに非接触で調査する工法の研究開発も大学や他の研究機関と共同で進めております。
4.につきましては、国土交通省が提唱している”i-construction”(土木工事における生産性向上・安全性向上)を鋼橋の製作・施工過程において実現するための技術の研究を進めております。
当連結会計年度における橋梁事業の研究開発費は2千9百万円であります。
―鉄骨事業―
当連結会計年度に実施した研究開発項目と概略の内容を以下に示します。
1.高能率溶接施工法、及び溶接部の品質保証に関する研究
(1)ビルドH、サブマージアーク溶接部の狭開先化への取り組み
(2)板厚80mm角溶接1パスサブマージアーク溶接に関する研究
(3)偏心した梁がBOX柱に付く場合のコーナー部の溶接継手性能に関する研究
2.KHコラムジョイントの適用範囲拡大への取り組み
1.(1)につきましては、ビルドH製作専門会社の協会であるBH工業会は、ビルドHのサブマージ溶接部の開先角度を従来の60度から50度への狭開先化により、生産性の向上、及び溶接材料使用量の削減を図るべく取組み、AW検定協議会の監修する施工試験に合格しております。当社もビルドHオープン外注先と自社施工との矛盾解消を図るべく、同試験の受験を当社富津工場及び子会社である東北鉄骨橋梁株式会社岩沼工場の両工場にて本年3月に受験済みであります。本年6月には合否結果が発表される予定であります。
(2)につきましては、前連結会計年度に従来の板厚60mmから70mmにまで適用拡大の実現を図り、実工事で適用し、生産性の向上に大きく寄与しております。今後の超高層建築案件を睨み、更に板厚80mmの角溶接1パスサブマージアーク溶接施工の基礎的研究を実施し、報告書を本年1月に作成いたしました。翌連結会計年度試験、検証を継続し、実用化を図るべく取り組んでまいります。
なお、本件は国立大学法人千葉大学森田名誉教授、株式会社日建設計及び株式会社神戸製鋼所との共同研究として取り組んでおります。
(3)につきましては、BOX柱幅と梁幅が構造的にやむを得ず接近する場合に、BOX柱のダイヤフラム部エレクトロスラグ溶接とBOX柱角溶接部の3線交差部に、梁のフランジが取り付くこととなり、この部分は大入熱溶接を繰り返し行った部位であることから、溶接後の品質とその健全性の確認を行うことを目的として、検証実験を実施いたしました。結果は良好であり、翌連結会計年度の中で論文を作成し、外部関係業界誌などへの投稿等を予定しております。
なお、本件は株式会社日本設計及びJFEスチール株式会社との共同研究として取り組んでおります。
2.につきましては、中小ビル鉄骨向けの新しい梁接合部製品(KHコラムジョイント)として開発し、既に販売も開始し、2件の施工実績があります。当連結会計年度の取り組み内容は、従来本製品の適用範囲が冷間成形角形鋼管柱(コラム)断面成550mmまでとしておりましたが、断面成600mmに対する適用可否の問い合わせが多くなり、本製品の適用範囲拡大を図るべく、断面成600mmKHコラムジョイントの追加評定の実施に向け取り組みました。本年6月頃には認定取得を予定しております。
当連結会計年度における鉄骨事業の研究開発費は1千6百万円であります。
―その他―
環境部門における当連結会計年度に実施いたしました項目と概略の内容を以下に示します。
1.寒冷地仕様風力発電機の実証
2.風力発電導入可能性に関する調査
3. ケーブル式太陽光発電システムの実証
1. につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と三井物産株式会社、富士電機株式会社及び当社とで、独立電力系統地域における寒冷地気候に対応した風力発電システム実証事業に係わる基本契約を締結し、寒冷地仕様風力発電機をロシア極東地域に3基建設し、実証データの収集と分析を実施しております。
2. につきましては、株式会社国際協力銀行と「フィリピン共和国における風力発電事業の案件発掘・形成調査にかかわる業務」について委託契約を締結し、フィリピンの離島における電力供給の効率化・安定化を実現するため、風力発電事業の導入可能性について調査を行いました。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と「モルディブ共和国における離島型風力発電プロジェクトの案件調査」について委託契約を締結し、実証事業の実現に向けた詳細な調査を実施しております。
3.につきましては、池の上や傾斜地等への太陽光パネルの設置を可能とするケーブル式太陽光発電システムを開発し、当社富津工場に設置して実証を行いました。振動計測及び風況観測を行い、耐風安定性や安全性について確認しております。
当連結会計年度におけるその他事業の研究開発費は1千2百万円であります。
当連結会計年度の研究開発の部門別内容については以下のとおりであります。
―橋梁事業―
当連結会計年度に実施した研究開発項目とその概略の内容を以下に示します。
1.鋼橋上部工の更新技術に関する共同研究
2.補修・補強工事に必要な要素技術の開発
3.合成床版、鋼板接着床版の底面鋼板部におけるコンクリート充填及び劣化状況の接触・非接触調査方法の開発
4.鋼橋の製作・施工時における情報化施工技術の応用
1.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。首都高速道路株式会社他2社と当社の合計4社で、都市内高架橋の更新技術に関する共同研究を実施しており、新しい施工技術を創出しております。これらは今後予定されている首都高速道路での大規模修繕・大規模更新への活用が期待される技術であります。
2.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。耐震補強工事や補修工事等においては、既設コンクリート構造物に部材を追加するためにアンカーボルトを設置する場合があります。そこで、従来の工法と比較して施工性に優れ、5℃以下の低温下でも硬化して、所要の性能を発揮するアンカーボルトの固定方法を開発し、実工事への適用を始めております。
3.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。鋼コンクリート合成床版や、鋼板で底面を補強したRC床版等は、床版下面が鋼板に覆われており、施工時のコンクリートや樹脂の未充填箇所やコンクリートの剥離、水の浸入等の調査が簡便に行えないのが現状であります。そこで底鋼板に直接接触し、かつ非破壊で調査を行う方法を技術的に確立し、NETIS登録を行いました。また、足場を設置せずに非接触で調査する工法の研究開発も大学や他の研究機関と共同で進めております。
4.につきましては、国土交通省が提唱している”i-construction”(土木工事における生産性向上・安全性向上)を鋼橋の製作・施工過程において実現するための技術の研究を進めております。
当連結会計年度における橋梁事業の研究開発費は2千9百万円であります。
―鉄骨事業―
当連結会計年度に実施した研究開発項目と概略の内容を以下に示します。
1.高能率溶接施工法、及び溶接部の品質保証に関する研究
(1)ビルドH、サブマージアーク溶接部の狭開先化への取り組み
(2)板厚80mm角溶接1パスサブマージアーク溶接に関する研究
(3)偏心した梁がBOX柱に付く場合のコーナー部の溶接継手性能に関する研究
2.KHコラムジョイントの適用範囲拡大への取り組み
1.(1)につきましては、ビルドH製作専門会社の協会であるBH工業会は、ビルドHのサブマージ溶接部の開先角度を従来の60度から50度への狭開先化により、生産性の向上、及び溶接材料使用量の削減を図るべく取組み、AW検定協議会の監修する施工試験に合格しております。当社もビルドHオープン外注先と自社施工との矛盾解消を図るべく、同試験の受験を当社富津工場及び子会社である東北鉄骨橋梁株式会社岩沼工場の両工場にて本年3月に受験済みであります。本年6月には合否結果が発表される予定であります。
(2)につきましては、前連結会計年度に従来の板厚60mmから70mmにまで適用拡大の実現を図り、実工事で適用し、生産性の向上に大きく寄与しております。今後の超高層建築案件を睨み、更に板厚80mmの角溶接1パスサブマージアーク溶接施工の基礎的研究を実施し、報告書を本年1月に作成いたしました。翌連結会計年度試験、検証を継続し、実用化を図るべく取り組んでまいります。
なお、本件は国立大学法人千葉大学森田名誉教授、株式会社日建設計及び株式会社神戸製鋼所との共同研究として取り組んでおります。
(3)につきましては、BOX柱幅と梁幅が構造的にやむを得ず接近する場合に、BOX柱のダイヤフラム部エレクトロスラグ溶接とBOX柱角溶接部の3線交差部に、梁のフランジが取り付くこととなり、この部分は大入熱溶接を繰り返し行った部位であることから、溶接後の品質とその健全性の確認を行うことを目的として、検証実験を実施いたしました。結果は良好であり、翌連結会計年度の中で論文を作成し、外部関係業界誌などへの投稿等を予定しております。
なお、本件は株式会社日本設計及びJFEスチール株式会社との共同研究として取り組んでおります。
2.につきましては、中小ビル鉄骨向けの新しい梁接合部製品(KHコラムジョイント)として開発し、既に販売も開始し、2件の施工実績があります。当連結会計年度の取り組み内容は、従来本製品の適用範囲が冷間成形角形鋼管柱(コラム)断面成550mmまでとしておりましたが、断面成600mmに対する適用可否の問い合わせが多くなり、本製品の適用範囲拡大を図るべく、断面成600mmKHコラムジョイントの追加評定の実施に向け取り組みました。本年6月頃には認定取得を予定しております。
当連結会計年度における鉄骨事業の研究開発費は1千6百万円であります。
―その他―
環境部門における当連結会計年度に実施いたしました項目と概略の内容を以下に示します。
1.寒冷地仕様風力発電機の実証
2.風力発電導入可能性に関する調査
3. ケーブル式太陽光発電システムの実証
1. につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と三井物産株式会社、富士電機株式会社及び当社とで、独立電力系統地域における寒冷地気候に対応した風力発電システム実証事業に係わる基本契約を締結し、寒冷地仕様風力発電機をロシア極東地域に3基建設し、実証データの収集と分析を実施しております。
2. につきましては、株式会社国際協力銀行と「フィリピン共和国における風力発電事業の案件発掘・形成調査にかかわる業務」について委託契約を締結し、フィリピンの離島における電力供給の効率化・安定化を実現するため、風力発電事業の導入可能性について調査を行いました。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と「モルディブ共和国における離島型風力発電プロジェクトの案件調査」について委託契約を締結し、実証事業の実現に向けた詳細な調査を実施しております。
3.につきましては、池の上や傾斜地等への太陽光パネルの設置を可能とするケーブル式太陽光発電システムを開発し、当社富津工場に設置して実証を行いました。振動計測及び風況観測を行い、耐風安定性や安全性について確認しております。
当連結会計年度におけるその他事業の研究開発費は1千2百万円であります。
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