有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AIV7
高砂熱学工業株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の研究開発活動は、エネルギーミニマムでの最適環境の実現、生産効率向上のための環境制御技術の提供、高品質・省力化に貢献する施工技術の開発を基本方針に掲げ、脱CO2、省エネルギー、地球環境保全、事業継続、その他多様な顧客ニーズに応える技術と商品の創出に注力してまいりました。
具体的には、エネルギー最適利用のための要素技術とそれらの複合化、IoTやAIを駆使した高度な設備運用や監視技術、地球環境負荷の低減や製造環境の最適化技術の研究開発に取り組んでおります。
特に、脱CO2を推進する次世代型のエネルギーマネジメントシステム、研究施設等における作業者の安全確保に寄与する給排気制御・監視システム、低温廃熱を有効利用できる蓄熱システム、施工の信頼性を向上させる冷媒配管施工技術などの開発を推進いたしました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、902百万円でありました。
セグメントごとの主な成果は、次のとおりであります。
(設備工事事業)
(1) 次世代エネルギーマネジメントシステム
顧客建物や施設の設備運用を、ライフサイクルにわたって「見える化」、「運転支援」、「運用最適化」するクラウド型エネルギーマネジメントシステム(GDoc)の開発を行い、顧客施設での実証導入をさらに進めております。引き続き、熱源システム間の熱融通などの機能の高度化を行うなど展開範囲を拡大してまいります。今後は、施設運用データの一括管理により、複数の建物のエネルギー消費量や熱源の運用評価、異常や劣化診断機能を強化するとともに、全体最適運用のためのシステム開発を重点化してまいります。
(2) 高速VAV装置および給排気制御・監視システム
医薬・化学系メーカーや大学研究施設などで利用されるヒュームフード向けの高速VAV装置に大風量対応の角型モデルを追加するとともに、中小規模施設向けの簡易型高速VAV給排気制御・監視システム「i-Fume mini(アイ・ヒューム・ミニ)」を開発し、商品ラインナップの強化を図りました。引き続き、多様なニーズに対応するための商品群の充実を図ってまいります。(3) 特殊吸着材を用いた低温排熱蓄熱システム
NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)、石原産業株式会社、大塚セラミックス株式会社、森松工業株式会社と共同で特殊吸着材を用いた蓄熱システムを開発しました。本開発では、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の技術を基に、吸着材の更なる高性能化と量産技術の確立を行うことで、今まで利用が難しかった100℃以下の低温廃熱を高密度に蓄熱し利用することが可能となりました。定置での廃熱利用に加え、日野自動車株式会社と共同開発した可搬コンパクト型蓄熱システムの利用により、オフラインでの熱輸送も可能となりました。今後、実証導入を経て商品化を行ってまいります。(4) 冷媒配管施工技術
局所窒素置換型銅管溶接工法として開発済みのNフリーブ工法の改良型として、エルブレイズ工法の開発を行いました。本工法は、溶接前配管内の窒素注入位置の変更により、施工の信頼性を高めた工法です。今後、全国の施工現場において導入を行ってまいります。なお、当連結会計年度における研究開発費は、800百万円でありました。
(設備機器の製造・販売事業)
既設の2管式ファンコイルユニットにおいて、冷房/暖房の自動運転を可能とした冷温水変換機の開発、および工場作業員用のドレンレススポットエアコンを開発し展開を行いました。なお、当連結会計年度における研究開発費は、102百万円でありました。
(その他)
該当事項はありません。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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