有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ALKU
トーカロ株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社は、「No.1 & Only 1 技術・サービスの創出で世界をリード」を研究開発の理念として、表面改質技術を軸足とするOnly 1 コア技術の継続的な自主創造と、コア技術やその周辺技術を含め、独創的なNo.1 商品・サービスの開発を進めております。これにより表面改質技術をコアとする顧客満足度の高い総合ソリューションの徹底追及とその実現に努めております。
当社の研究開発は、将来を見通した先行研究と顧客ニーズに即応する商品開発の2本柱で推進しております。また、以下の3点を重点研究開発領域としております。このうち、成膜プロセス開発におきましては、従来の薄膜プロセス開発にレーザ応用技術を加え、新たに成膜プロセス開発としております。
① 溶射技術開発(一般産業機械・装置全般の部材開発、溶射プロセス開発)
② 半導体部品化技術(溶射技術等による半導体・FPD製造装置部品等の開発)
③ 成膜プロセス開発(レーザ応用、PVD、CVD、DLC、TD、ZAC)、有機コーティング
当社グループの研究開発活動は溶射技術開発研究所が中心となって推進し、産学連携推進によるオープンイノベーションと人的交流によるグローバル化を推進することで、研究開発の加速と共に早期の事業化をめざしております。一方、即応性が求められる商品開発や生産技術的な課題につきましては、各工場の生産技術部門と溶射技術開発研究所とが相互に連携することで、顧客ニーズへの迅速な対応を行っています。なお、PVDやDLCなどの薄膜プロセスに関しましては、連結子会社の日本コーティングセンター株式会社とも協調して研究開発を進めております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は8億34百万円であり、セグメントごとの主な内容は次のとおりであります。なお、当社グループの研究開発費につきましては、事業セグメントへの配分が困難なものも多いため、セグメントごとの研究開発費の金額は記載しておりません。
(1) 溶射加工(単体)
当社は先端技術のインフラ的要素をもつ素材やエネルギー分野において、従来から高機能部材に対する表面改質技術の適用開発を推し進めております。また近年では交通分野を新たなインフラ技術として注力しております。このうち、素材分野におきましては、鉄鋼・非鉄・石油化学製品のメーカに対し、新しい溶射技術を適用することによって、より高品質な製品、より高い生産効率に寄与できるような皮膜開発を推進しています。具体的には、鉄鋼メーカには熱処理炉内ロールや溶融亜鉛めっき浴中で使用される部材がこれにあたり、高機能鋼板の安定生産に寄与する皮膜開発を行っております。また、これらの技術は積極的なグローバル展開も期待されます。非鉄金属分野では、Al製品などの生産時に設備部品への金属凝着が生じない皮膜開発を進め、顧客とともに適用皮膜の最適化を進めております。石油化学業界におきましては、エチレン等の製造を行う塔槽類設備に対し、長期に渡り耐食・耐摩耗特性を維持する皮膜の開発を行っています。また、エネルギー分野におきましては、原子力発電所の運転休止に伴う火力発電所の稼働率向上を背景に、特に石炭焚きボイラ設備におきまして発電効率の向上、メンテナンス期間の延長要求に対し、新規皮膜開発や設備改善提案を行い、実機性能評価を継続実施しています。一方、ガスタービン発電機部材に関しましては、部材の高温酸化を防止するNi基超合金皮膜、部材を超高温から保護する遮熱セラミックス皮膜を中心に皮膜開発を継続しており、大学等との共同研究を通じて皮膜の機械的特性評価を進めています。一方、水力発電設備におきましても、現状の耐土砂摩耗コーティングの性能を凌駕する皮膜の開発を継続しています。その他、地熱発電や2次電池製造装置部材等々の部品、またその製造設備につきましても、顧客の要求に応じた皮膜開発を行っています。一方、当社は半導体製造装置部品向けに耐プラズマ・コーティング技術の開発や静電チャックの開発を進めております。半導体製造装置であるプラズマエッチング装置部品の内面には耐プラズマ性に優れたアルミナ(Al2O3)やイットリア(Y2O3)などの酸化物セラミックコーティングが採用されていますが、年々細線化するナノレベルの配線幅に即したより高性能なコーティング技術が求められており、客先とも連携しながら、新たな材料開発または製造プロセスの開発、これに伴う評価技術開発を行っています。また、半導体部品化技術の一つとして、次世代静電チャック部材についても開発を行っており、客先の多様化する要求機能に応えるべく、コーティング材料や構造設計等の開発に取り組みながら、部品化試作を進めております。
(2) 国内子会社
国内子会社の日本コーティングセンター株式会社では、主にPVD(物理蒸着)処理被膜の開発を行っております。昨年度は、切削工具用PVD膜として「アクセル」、冷間鍛造用PVD膜として「フォージス」、非鉄金属加工用被膜として水素フリーDLC膜である「Tetra-スリック」を新たに開発しました。「アクセル」は高い放熱特性を特徴とする被膜であり、特にドライ加工分野で高い評価を得ています。「フォージス」は特に耐かじり特性に優れており、難加工材料であるステンレス鋼やインコネル材による冷間鍛造パンチ加工などで優れた効果を発揮します。また、「Tetra-スリック」はかじりつきが発生しやすいアルミ加工用切削工具向け被膜として展開を図っています。(3) その他
当社では溶射加工以外に、TD処理加工やZACコーティング加工、PTA処理加工等、機能皮膜の継続的な商品開発を行っております。このうち、有機系・無機系薄膜技術開発では、医療系分野をターゲットとして、血液や生体材料が固着しないコーティング、親水性や撥水性または耐食性に優れた機能性薄膜の医療器具への適用開発を進めました。また昨年度は、新規成膜プロセスとしてレーザ技術を応用したコーティング開発に注力してまいりました。本技術は、すでに数年前から基礎研究を進めており、一部顧客にサンプル提供を行ってきましたが、これまでのコーティング性能を凌駕する良好な特性が得られたため、生産設備を増強するとともに、コーティングの適用拡大を進めました。具体的には、レーザクラッディング技術による高機能厚膜の作製や評価と実機製品への展開、または溶射皮膜をレーザ溶融することで皮膜組織を緻密化し、密着性や耐磨耗性を大幅に改善した新皮膜の提供を開始しました。今後も引き続き、レーザ技術を応用したコーティング開発を積極的に進めてまいります。(4) 特許出願状況等
当社グループは積極的な特許出願によって、開発技術および皮膜商品の権利化に努めております。当連結会計年度の実績は、特許出願27件、特許登録21件であります。事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 関係会社の状況
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 事業等のリスク
- 研究開発活動
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01443] S100ALKU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。