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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ALO3

有価証券報告書抜粋 オークマ株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として41億79百万円を支出いたしました。
研究開発活動の概要は、次のとおりであります。

(1) 新機種・新技術開発

グローバルに拡大を続ける航空機産業やIT・半導体産業、先進国・新興国ともに需要が広がる自動車産業、並びに広範囲に亘る国内製造業の設備投資意欲が旺盛な状況となりました。2016年の日本の業界受注額は1兆2,500億円と前年の1兆4,806億円には届かなかったものの、6年連続で1兆円超えとなり、円高傾向となった中では高水準となりました。
このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工が安定して実現でき、かつ、環境・エネルギーに配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、このような市場要求に対して業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追求と「省エネルギー」に貢献するオンリーワン技術・商品の開発を行っております。
当グループは、これまでにお客様の加工能率最大を支援する「加工ナビ」、安定した高精度加工が誰にでも実現できる「サーモフレンドリーコンセプト」、衝突を気にせず誰でも熟練の操作が実現できる「ぶつからない機械(アンチクラッシュシステム)」、5軸制御加工機の幾何誤差を自動計測・補正する「ファイブチューニング」等の知能化技術を開発いたしました。
拡大を続ける航空機産業に対しては、航空機業界向けの支援拠点Aerospace Center of Excellence – Japanを開設いたしました。すでに開設している、アメリカ(ノースカロライナ州)、フランス(パリ)の各拠点と航空機部品加工ノウハウを共有し、先進のマシンと加工技術、そして、トータルソリューションを提案する体制が整いました。
航空・宇宙、エネルギー、自動車、半導体、一般機械等幅広い業界で、部品の高精度化・軽量化を目的として複数部品の一体化が加速し、複雑形状化が進んでおります。そのため加工の工程集約のニーズが一層高まり、1回の段取りであらゆる加工ができる5軸制御マシニングセンタや複合加工機の需要がグローバルに増加しております。

こうした需要に対して当社は、これまでの複合加工機の機能であるミーリング、旋削、研削加工に加え、レーザ加工技術を融合した超複合加工機「MU-6300V LASER EX」「MULTUS U3000 LASER EX」を開発し、「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」に出品いたしました。従来にない高能率かつ高精細な三次元金属積層造形加工を世界最大級の加工範囲で実現いたしました。この金属積層技術は、異種金属への積層が可能となるため、複雑形状や難削材など切削による除去加工で時間がかかる部品加工の生産性を劇的に変革させることが可能となりました。さらにレーザ技術による焼入れ工程を実現し、熱処理炉での従来焼入れと比較し、短時間かつ歪みの少ない焼入れ処理を実現しスループットを向上させました。この「LASER EX」シリーズは、「2016年十大新製品賞 本賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。
また、工作機械の「運転電力の低減」と「待機電力の削減」を実現する新世代省エネルギー技術「ECO suite」が、「2016年度優秀省エネルギー機器表彰 経済産業大臣賞」を受賞いたしました。
5軸制御マシニングセンタでは、従来の概念を変える省スペースでコンパクトなスマートマシン「MU-S600V」を開発いたしました。単体での使い易さ・生産性と、2台以上連結ではテーブルがロボット機能を発揮する事で機台間の搬送装置レスでのライン構成の実現を可能としました。多品種少量生産から量産部品加工までを1種類の機械で自在にこなす全く新しいコンセプトで、生産量の変化に合わせて、1台から複数台の連結に自在に組替えを可能としました。
複合加工機では、中・大物部品の強力加工に対応する工程集約機で、これまでに開発した「MULTUS U3000」「MULTUS U4000」の上位機種となる「MULTUS U5000」を開発いたしました。
研削盤においては、自動車部品に代表される量産加工に対応する省スペースで操作性を高めた砥石台トラバース方式の円筒研削盤「GA26W」、「GP26W」を開発いたしました。先に発売された「GA15W」、「GP15W」と併せ、需要規模の大きい小型量産部品から中型部品まで、対象部品にあわせたラインナップを完成させました。
当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。
この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・商品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。

(2) NC装置とIT製品の開発

当グループは、1963年(1963年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、グローバル競争が激化する中、ものづくり産業における生産革新、スマート化の流れが進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。
当連結会計年度における研究開発活動として、スマートマシン、そしてスマートマニュファクチャリングの中核であるものづくりコントローラ「OSP suite」の開発展開を加速してまいりました。さらには、自社工場DS1(Dream Site1)にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングの研究成果を活かして、お客様の工場のスマート化をサポートする製品・ソリューション開発を進めてまいりました。
1) ものづくりコントローラ「OSP suite」の進化
ものづくりの情報化・ネットワーク化に関して、日増しに高度化する要求に応えられるように、ものづくりコントローラ「OSP suite」の基本性能・機能を大きく進化させ、CNC装置のモデルを「OSP-P300A」として開発いたしました。「OSP-P300A」は2016年8月から複合加工機と5軸制御マシニングセンタに、 2016年11月からは全機種に搭載し販売を開始いたしました。
1-1) 新CNCモデル「OSP-P300A」
最新CPUを搭載して処理速度、描画性能の向上を実現し、また、加工現場に最適なマルチタッチパネルを採用いたしました。第4次産業革命の流れにおいては、IoT技術の活用、スマートな製造による生産革新が求められており、「OSP-P300A」は、ものづくり現場において高度なデジタル情報をスムースかつ双方向に扱うことのできる処理能力と操作性を提供いたします。

1-2) 新サーボシステム「MCS4」
工作機械では、高速で高精度かつ高品位な加工面が求められ、機械の送り軸や主軸には精密なサーボ制御が要求されます。「MCS4」は、送り軸と主軸制御における位置・速度・電流の制御周期を高速化し、新開発の検出器により送り軸の位置検出分解能を大幅に向上させることで、超ハイゲイン化(高感度化)を可能としました。「OSP-P300A」の演算性能アップと相まって、機械性能を最大限に引き出し、高速で高精度かつ高品位な加工で生産性向上に寄与いたします。
1-3) 工作機械保全支援ソリューション「メンテナンス suite」
機械の安定稼動に繋がる効率的な保全作業がこれまで以上に重要視され、保全の容易化、機械停止時間の最小化に向けての支援システムの構築が強く求められています。「メンテナンスsuite」は、機械停止を未然に防ぐ予防保全機能として「OSP-AI 故障診断機能」、定期保全の支援と見える化を実現する「メンテナンスモニター」、事後保全として機械停止をいち早く知らせる「メール通知機能」をひと揃え(suite)で提供いたします。特に「OSP-AI 故障診断機能」は、当社の強みである知能化技術を発展させ、AI(人工知能)診断技術を世界で初めて工作機械用CNC装置に内蔵し、ボールねじ、ボールねじ支持軸受の不具合の有無、異常部位をAIが診断し、機械保全に関する専門知識が無くても予防保全を可能とします。
2) オークマスマートファクトリーの開発
ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」など、国を挙げて次世代のものづくりを推進するなか、当社は、自社工場DS1にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングをお客様向けに商品化し、2016年11月に開催した「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」にて発表いたしました。「OSP suite」を中核に、工作機械とPC(パソコン)をつなぎ機械の稼働状況を見える化する「Connect Plan」と生産計画の見える化で工場生産性を向上する「Smart Plan」を発表し、お客様の工場のスマート化の支援を開始いたしました。
「Connect Plan」は、IoTをスモールスタートで始めたいお客様向けのプランで、機械の稼働状況、実績を見える化する事で、カイゼンサイクルを促して稼働率向上を支援いたします。「Smart Plan」は、さらに生産計画、生産進捗を見える化する事で、工場内での不慮のトラブルや頻繁な需要の変動、多品種少量・初品の短納期対応など市場・需要の変化に柔軟に対応できる生産の構築を支援いたします。
当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、オークマの強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品のさらなる進化を促進し、「総合一貫した“ものづくりサービス”」を通じて世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。


経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01481] S100ALO3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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