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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AMK9

有価証券報告書抜粋 富士電機株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

富士電機の研究開発では、最先端のエネルギー技術の追求により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献する製品群を創出しています。また、研究開発の実行において全社のシナジーを発揮するとともにグローバル化と、大学や研究機関、他の企業とのオープンイノベーションを推進しています。
当連結会計年度における富士電機全体の研究開発費は349億10百万円であり、各部門別の研究成果および研究開発費は次のとおりです。
また、当連結会計年度末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は11,480件です。

■発電・社会インフラ部門
太陽光発電システム向けの屋外自立型パワーコンディショナ(PCS)の系列にDC600V(555kVA)を加えました。当社のPCSの変換効率は98%と業界最高レベルにあり、空調レス構造により電力損失と設置工事費用を低減します。経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「バーチャルパワープラント構築実証事業」に対して関西電力株式会社を含む14社による申請が採択されました。当社は産業用蓄電池システムグループのリーダとして参画し、大型蓄電池を対象とした大型蓄電池サーバを構築すると共にサーバと蓄電池システムとの接続を行うゲートウェイ装置(GW)を開発しました。組合せ試験および総合試験において基本機能の確認と性能検証を行い良好な結果が得られました。この開発によりエネルギー利用の最適化や再生可能エネルギー電源のさらなる導入拡大に貢献します。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は48億85百万円です。

■産業インフラ部門
変電システム分野では、アジア・中近東向けに、IEC規格 M2クラスに準拠した145kVガス絶縁開閉装置(GIS)「SDH714」を開発し発売しました。当社の従来製品と比較して据付面積を30%、質量を35%それぞれ減らし、業界最小で最軽量となっています。
駆動制御システム分野では、産業プラント用ドライブ装置向けに新しい制御プラットフォームを開発し、中大容量ドライブ装置「FRENIC4800」や「FRENIC4400」に適用を開始しました。さまざまなプラントで実績を積み重ねてきた各種制御機能を搭載しています。さらに、新しいユーザインタフェースとしてタッチパネルやPCローダなどを採用し、操作性や保守性が向上しました。
産業計測機器分野では、液体用スプール形超音波流量計「FST」を開発し発売しました。本製品は配管内に3測線のセンサを配置するマルチパス方式のスプール(配管挟み込み)形を採用し、独自のデジタル信号処理や演算処理アルゴリズムを駆使することで、流速を±0.2%の高精度で計測します。また、電磁流量計では測定が困難な油類や純水等の導電性が低い液体も高精度に測定します。
中国におけるプラスチック成型機器向けにデジタル温度調節計 マイクロコントローラX「PXE5」を開発し発売しました。本製品は中国で生産と販売を行う“地産地消”型事業により、中国市場でのシェア拡大を目指します。
監視・制御システム分野では、中小規模監視制御システム「MICREX-VieW XX」において多言語対応、オンライン障害解析機能、リモート監視機能、FA分野の通信規格に対応したOPC-UAサーバ機能を開発し、適用可能な分野を拡大しました。設備監視システム「MICREX-VieW PARTNER」を開発し発売しました。本製品は、MICREX-VieW XXが持つ操作性、堅牢性、継続性、柔軟性を継承したシステムで、フィールドにある設備・機器の小規模な監視から、エネルギー管理システムのサブシステムまで幅広く対応できます。
情報・プロセス制御システム「MICREX-NX/V8.2」を開発し発売しました。本製品は従来機能に加え、IoTに対応するため、プラントシミュレーション機能およびモバイル監視機能を強化しました。これにより、エンジニアリング効率、オペレータトレーニング機能および保守・メンテナンス性が大幅に改善します。
設備保全分野では、無線式回転機振動センサの防爆対応品を開発し発売しました。国内のTIISとEUのATEX指令の防爆認証を受けているので、国内外の化学系プラントの防爆エリアに設置できます。また、ウェアラブル型遠隔作業支援パッケージのバージョン1.1を開発し発売しました。ウェアラブル端末1台と本部にある3台までのPCとの同時通話、多言語対応、セキュリティなどの機能を強化・拡充しました。
独自のアルゴリズムにより冷凍機の稼働を最適化する冷凍冷蔵倉庫向け省エネルギーシステムを開発し発売しました。このシステムにより、年間の電力消費量を12%以上削減できます。
また、データセンター向け超高効率・外気利用空調「F-COOL NEO」56kW機を開発し発売しました。従来機とほぼ同じ設置面積のままで冷房能力を40%向上し、省エネルギーと敷地の有効利用が可能です。またスマートメータにおいて、電力会社ごとに異なるデータ収集方式や遠隔操作方式に対応する遠隔検針システムを開発しました。商業施設・オフィス・マンションなどが一体となった複合開発施設や高圧一括受電事業者が管理するビル・マンションにおいて電気やガスの検針データの収集やクラウド管理をすることで業務の効率化や異常時の迅速な対応に貢献します。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は55億29百万円です。

■パワエレ機器部門
ドライブ分野では、高性能ベクトル制御型インバータの「FRENIC-VGスタックタイプシリーズ(690V)」のオプション品として、高力率電源回生PWMコンバータ「RHC-Dシリーズ(690V)」9機種、および専用のフィルタスタック「RHF-Dシリーズ(690V)」5機種を系列に加え発売しました。355~450kWの容量帯においてSiCハイブリッドモジュールを採用したことで、発生損失が34%低減し、Si素子のスタックに比べ容量が43%拡大しました。
従来機種に比べ低コストでコンパクトな電源回生コンバータ「FRENIC-eRHRシリーズ」18機種を開発し発売しました。このコンバータをインバータに組み合わせると電源回生が可能になり、省エネルギーと制動能力が大幅に向上します。また、制動抵抗器や制動ユニットからこの製品に置き換えると約50%の省スペース化と約90%の発生損失の低減となります。連続的な回生制動が求められるエレベータや立体駐車場などにおいて、さらなる省エネルギーに貢献します。
パワーサプライ分野では、北米向けにモジュール型バックアップ電源「F-DC POWER」を開発し発売しました。SiCデバイスと新回路方式を採用することで、総合効率は従来に比べ8ポイント向上し92%となります。ピークアシスト機能により配電系統を強化することなくサーバを追加することができ、データセンターの停電対策と省エネルギーに貢献します。また、北米市場向けにSiC半導体を用いた無停電電源装置「UPS7300WXT3Uシリーズ」を開発し発売しました。従来機より装置効率を0.5ポイント向上させ、重要設備の省エネルギーに貢献します。また、重量部である変換ユニットの質量を約50%低減するとともに装置の下部に配置したため保守性が向上しています。
中国・アジア市場向けにUPS「UPS7000HX-T4シリーズ」を開発し発売しました。低負荷時(30%)の効率を従来機より約0.5ポイント改善しました。データセンターのUPSは多重化システムで運用するため、1台当りの負荷率が低く、低負荷時の効率向上は省エネルギーにつながります。
FA部門では、高機能モデルのモニタッチV9シリーズと同等のヒューマンインターフェイスを持ちコストパフォーマンスに優れたプログラマブル表示器「TS2060」を開発し発売しました。
モーション分野では、サーボ「FALDIC Smartシリーズ」の系列に5軸一体型アンプを追加し中国市場向けに発売しました。損失を従来に比べ12%低減するとともに、最大5つのアンプの電源を共通化することで入力配線作業が省力化できます。また、200W、400W、750Wの容量を自由に組み合わせることで複数軸を使用するロボットや半導体製造装置などの用途が広がります。
業界最高レベルの高速・高精度な制御を実現する新サーボシステム「ALPHA7シリーズ」を開発し発売しました。速度周波数応答を従来の1.5kHzから3.2kHz、エンコーダ分解能も従来の20bitから24bitに高めました。さらに、機能安全規格に対応した安全トルク遮断機能を標準搭載し、他の安全機能もオプションで選べます。このサーボシステムを搭載することで、精密加工機などの位置決めが高速、高精度になるとともに、安全性が向上します。
200kHz、4軸のパルス出力機能を持つ小規模な機械の制御に適した小型コントローラ「MICREX―SX SPF」を開発し発売しました。当社のサーボシステム「SMART PLUS」と組み合わせると位置決めシステムが経済的に構築できます。大中規模向けコントローラ「MICREX―SX SPH」と共通のプログラミング環境を持ち従来機種と互換性のあるラダー言語とIEC(国際電気標準化会議)規格に準拠したプログラミング言語の2種類が利用できます。
コントローラ「MICREX-SXシリーズ」に従来のSPH3000よりも約2倍の速度(多軸制御性能:32軸/2ms)で実行できる「SPH3000D」を開発し発売しました。本製品はモーション命令群を内蔵することで処理を高速化しています。また、モーション制御とシーケンス制御を1台で実行でき、モーションシステムを最小の構成で構築できます。
回転機分野では、中国の効率規制に対応したGB2級(効率クラスIE3)の高効率モータとアメリカの効率規制EISA(IE3)の認証を取得した高効率モータを開発し発売しました。一部対象機種は中国の安全規格CCCと米国のULも同時に取得しています。また、定常運転時などの低回転速度でも効率が高いインバータ一体型の空調用ファンモータを開発し発売しました。
電機盤分野では、IEC規格に準拠した7.2kVスイッチギアに続き、24kVスイッチギアを開発し発売しました。なお、国内向け変電設備として、環境に配慮した標準高圧盤(RFC2.1)のJEM1425―2011年に準拠しています。
開閉時の動作音を大幅に低減した静音形電磁接触器「SLシリーズ」をアジア・中国市場向けに開発し発売しました。エレベータや病院設備等に最適です。制御機器のコマンドスイッチでは、「AY22・DY22シリーズ」をアジア・中国市場向けに開発し発売しました。
鉄道車両分野では、先期に東海道新幹線次期N700S系試験車両向けに東海旅客鉄道株式会社と共同開発した弊社SiCパワーモジュールを採用した主変換装置を車両に搭載し、量産に向けた耐久走行試験を継続しています。

器具分野の低圧受配電機器では、施工の省力化と省配線化を実現する母線プラグインブレーカ「BV、EVシリーズ70mmピッチ」を開発し発売しました。ブランクカバーの取り付けにはドライバーなどの工具が不要なプッシュクリップ構造を採用し、安全性と作業性を向上させています。高圧受配電機器では、RoHS指令へ対応した「マルチVCB引出形」を開発し発売しました。パネルカットは簡素化するとともに取り付け後のメンテが容易な形状としています。さらに、絶縁性能の向上とグリスアップ期間の延長などによってライフサイクルコストを低減しました。制御機器では、バッテリーレスで駆動するワイヤレスリミットスイッチ「XCKWシリーズ」を開発し発売しました。生産ラインや設備、機械装置等の配線の煩わしさから解放するだけでなく保守やメンテナンスも省力化します。エネルギー監視システムでは、波形計測、サグ/スウェル(瞬低/電圧上昇)探知判定、データログなどの機能がある電力品質監視システム「デジタルパワーメータPM8000シリーズ」を開発し発売しました。カラーディスプレイにより作業時の視認性が向上しました。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は94億25百万円です。

■電子デバイス部門
パワー半導体分野では、汎用インバータや工作機械等の小型化や省エネルギー、トータルコスト削減に貢献する第7世代IGBTモジュールの1,200V耐圧において25Aから150Aまでのものを系列に加えました。最新のIGBTおよびFWD(Free Wheeling Diode)チップ技術と高温動作環境下においても優れた動作寿命を持つ最新パッケージ技術を適用し、連続動作時の保証温度を従来の150℃から175℃に拡大しました。UPS(無停電電源装置)や新エネルギー向けにTタイプの3レベル変換回路を持つAT-NPC(Advanced Type Neutral Point Clamped)IGBTモジュールの系列を追加しました。DC(bus)電圧850V対応の1,200V/450,650,900Aの製品は、変換回路の中間ACスイッチ部に独自開発の900V耐圧RB-IGBTを採用、また、DC(bus)電圧1,200V対応の1,700V/450,600Aの製品は中間ACスイッチ部に1,200V耐圧のRB-IGBTを採用しました。また、DC(bus)電圧1,800-2,000Vクラスのアプリケーション向けに、標準の1,700V耐圧2in1モジュールとの組合せによりI-Type NPC回路が構成可能となるチョッパーモジュールを系列に追加しました。いずれの製品も低オン抵抗化を図り高い電力変換効率を実現します。
電鉄向けに最新の第7世代IGBTおよびFWDチップを搭載した大容量モジュールHPnC(High Power Next Core)を開発し、電圧電流定格1,700V/1,000Aの2in1回路構成のモジュールのサンプル展開を開始しました。小型で低インダクタンスを特長とした新型パッケージを採用しています。
また、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車で使用される車載用直接水冷型パワーモジュールのサンプル出荷を開始しました。車載用パワーモジュールでは初めて採用した逆導通IGBT(RC-IGBT)により、チップが大幅に小型化し、EVやHEVシステム全体の小型軽量化に貢献します。ディスクリート製品として、民生・通信・産業用途のスイッチング電源向けに高周波動作可能な連続モードPFC(力率改善)-ICを開発し発売しました。このICによりトランスが小型化し、力率改善機能を持つ電源の小型化に貢献します。また第2世代スーパージャンクションMOSFETの系列に、「Super J-MOS S2FDシリーズ」と「Super J-MOS S2Aシリーズ」を加えました。サーバや通信機器、UPS等の比較的大容量の電源向けの低損失で低ノイズの内蔵ダイオードの逆回復時間を50%低減したSuper J-MOS S2FDシリーズは、内蔵ダイオードの高速化により、より広い用途をカバーでき、各種搭載機器の高効率化、小型化を強力にサポートします。さらに、表面実装(SMD)TO-252パッケージ系列を追加しました。搭載機器の小型、薄型化と基板実装効率の向上に貢献します。車載DC-DCコンバータや充電器向けのSuper J-MOS S2Aシリーズは、低損失化、高信頼性で、HEV、P-HEV、EVの小型軽量化に貢献します。
感光体分野では、プロダクションプリンタ向けの高精度大径(直径140mm)有機感光体を開発し発売しました。アルミ基体とフランジの高精度化により回転ムラを抑えるとともに、電位安定性に優れた機能材料の採用によって高品位な画像品質を達成しています。
ディスク媒体分野では、モバイル用ハードディスクドライブで業界最高容量となる2TB機種用媒体(2.5インチ 1TB/枚・2枚搭載)を開発し量産を開始しました。磁性およびHDI(ヘッド・ディスクインタフェース)に新技術を採用することで、高記録密度を達成しています。また、データセンター等で広く活用されているニアラインサーバ用ハードディスクドライブ 8TB機種用媒体(3.5インチ 1.33TB/枚・6枚搭載)を開発し量産を開始しました。高記録密度化と表面欠陥の更なる低減により、高い信頼性を確保しています。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は104億81百万円です。


■食品流通部門
自販機分野では、デジタルサイネージ自販機を開発し発売しました。購買者のタッチ操作の検知に汎用の光学式センサを使った機構を採用しました。ディスプレイ上にタッチセンサがないので映像がクリアになり、直射日光の当る屋外への設置も可能で販売促進に貢献します。2016年5月に三重県で開催されたG7伊勢志摩サミット2016のプレスセンターに設置し各国のメディア関係者に当社の技術力を紹介しました。
小型シースルーカップ自動販売機を開発し発売いたしました。多岐にわたる嗜好に対応した飲料を提供します。シースルー部からコーヒーの抽出工程が直接見えて香りも楽しめるため、お客様に美味しさと安心だけでなく、カフェの雰囲気も提供します。
通貨機器分野では、紙幣鑑別装置と硬貨識別装置を中国市場向けに開発し発売しました。他の国向けも順次開発し、グローバルに展開します。また、新しい検銭・鑑別技術やセキュリティ技術、搬送技術の製品化に向けた開発を行っています。また、これらの技術を活用した新型釣銭機の開発を開始し、2017年3月に開催されたリテールテックJAPANにデザインモデルを出品し好評をいただきました。
冷凍冷蔵ショーケース分野では、外気を遮断するためのエアカーテン、並びに、棚下気流の改善・最適化を行い、更なる冷却性能の向上と省エネルギー化の開発を進めています。また、冷凍機を内蔵して設置工事が不要とした壁面ケースの開発や、オペレーションを改善する陳列方式、ディスプレイを使った訴求性の高いPOP広告機能等の新規提案を具現化したプロトタイプ機を2017年2月のスーパーマーケット・トレードショーに出品し好評をいただきました。また、店舗向け総合設備管理サービスにおいて、電力測定システムや稼働管理システムに加え、QRコードを用いて設備や設置場所の登録・変更が容易に行える店舗向けの設備管理システムを開発しました。店舗向け総合設備管理サービスにおける「見える化」により、「食の安全・安心」、「省人化」、「省エネルギー」に関する課題を解決します。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は45億88百万円です。


事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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