シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AK3P

有価証券報告書抜粋 オムロン株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、技術の育成・強化を目的に中長期的視野に立った技術戦略を定め研究開発を実行している。
自社の強み、コアコンピタンスとして「センシング&コントロール」を位置づけ、そこに人の知恵を表す「Think」という概念を加えてコア技術を進化させている。これを技術戦略の核として、全社的視点から当社のコーポレート研究所である技術・知財本部が基盤的な技術開発を担い、各事業部門がその応用技術開発や商品開発を実施している。主力事業である制御機器事業をはじめ、ヘルスケアおよび車載事業に重点的に研究開発費を割当て、製品開発およびものづくり技術の強化を実施している。
当期の取り組みとしては、センシング技術、制御技術、AI技術、パワーエレクトロニクス技術などの自社のコア技術の高度化を進めるとともに、オープンイノベーション、中長期を見据えた新規技術の開発の推進や人財育成の仕組みを整備・実行してきた。
知的財産活動においては、世界最強の知財力を目指す方針のもと、知財改革に取り組んでいる。また、知財力の世界最強化を加速するために発明褒賞制度を36年ぶりに全面改定した。今年度は、クラリベイト アナリティクス様が知財動向の分析をもとに世界の革新企業/機関トップ100を選出する「Top 100 グローバル・イノベーター 2016」に選出された。
グループ全体の研究開発に関する費用の総額は、第79期は527億90百万円、第80期は506億97百万円である。なお、研究開発費については、技術・知財本部で行っている技術開発費用87億3百万円が含まれている。

オペレーティング・セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は、次のとおりである。

(1) インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
当セグメントは、製造業の生産現場や機械設備に関わる生産性や安全性の向上、品質歩留り改善に関して、さまざまな要素技術や生産技術を開発し、新商品を通じて価値提供をおこなっている。
生産現場の生産性の向上については、生産人材の不足という社会課題に対する解決策の一つとして、ロボットと画像センサや制御コントローラとの親和性を高め、従来困難であった生産作業の自動化に貢献した。加えて、生産における部品や製品の搬送自動化にも取り組み、独自のAI技術を搭載し自律走行を行う自動搬送モバイルロボットを開発した。
機械設備の生産性と安全性の向上については、多軸モーションコントローラやサーボドライブの性能を強化し、さらなる高速・高精度の加工を可能とした。加えて、拡大する新興国の需要に対応するため、センサ、コントローラ、ドライブといった制御機器や安全機器の低価格化を実現し、商品ラインナップの拡充を図った。また、コアコンピタンスであるセンシング&コントロール技術にAI技術を加えることで、機械設備の故障を予知し未然に防止する技術の開発に取り組んだ。
品質歩留り改善については、製品の高品質化の要求に対し、画像センシング技術を強化し、従来人にしか判定できなかった細かな傷などの外観検査の自動化を実現した。
当セグメントに係る研究開発費は、164億49百万円である。

(2) エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネス(電子部品事業)
当セグメントは、リレー、スイッチ、コネクタを中心としたエレクトロメカニカルコンポ商品および顔認証等の組込画像ソフト技術、光技術、MEMS技術などを用いたセンシングコンポ商品を有し、高度なものづくり技術を強みにお客様のニーズに応える新製品開発に取り組んでいる。
独自の顔画像センシング技術「OKAO Vision」とカメラモジュールを一体化し、従来機よりも認識速度を最大10倍にしたことで検出範囲内に入った人を追跡可能なヒューマンビジョンコンポ新製品を発売した。長距離検出タイプと広角検出タイプの2種類を用意し、機器の利用者にカメラを意識させることなく、人の表情や性別、年齢、視線、目つむりなど属性や状態を検出・推定できる。
また、ビルや工場の天井に設置し、オムロン独自の画像センシング技術により、最大5mの高さから人の位置と人数を高精度に検出するビルオートメーション向け画像型人感センサを開発している。人の存在を赤外線センサで捉える方式とは異なり、人の数と位置情報を元に室内状況に合わせたきめ細やかで最適な空調・照明制御で省エネと快適性を両立し、スマートビルディングの実現に貢献する。
当セグメントに係る研究開発費は、45億66百万円である。

(3) オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス(車載事業)
当セグメントは、車の安全性やセキュリティ性を高める分野として、自動車の窓やスライドドア、ワゴン車などの後部扉であるテールゲートの自動開閉時に乗員の安全性を確保するためのモータ制御技術、快適性や燃費向上に貢献する分野としては、ステアリング操舵力をアシストする電動パワーステアリングコントロール技術、および利便性を向上する分野としてキー操作不要でドアの開閉やエンジン始動認証をおこなうシステムの商品開発に取り組んでいる。また、環境負荷低減に貢献する小型化、軽量化、省エネ化を実現する技術やアイドリングストップシステム用電圧制御技術、電気自動車用電源監視制御技術、衝突予防や回避に必要な車外監視用インテリジェントセンサなど、次世代商品のコアとなる研究開発を進め、商品価値のさらなる向上を目指している。
当セグメントに係る研究開発費は、92億31百万円である。

(4) ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
当セグメントは、駅や道路など、公共の場における利用者の安心・安全・快適に貢献する商品として、人や車の動きを検知するセンサ・システムの開発に取り組んでいる。
また、近年大きな社会課題として注目されている、老朽化した構造物の状態把握や劣化診断をセンシングする研究開発を、大学などと共同で進めている。
当セグメントに係る研究開発費は、18億46百万円である。

(5) ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
当セグメントは、マーケティング部門と研究開発部門が一体となり、真のユーザーニーズの把握・創出に努め、一層の開発スピードアップを目指している。また研究開発部門は、一人ひとりの健康ですこやかな生活の実現に向け、「血圧計を中心とした循環器領域」、「喘息やCOPDなどの呼吸器領域」、「低周波治療器を中止としたペインマネジメント領域」の3事業領域において新しい価値を提供できる新商品の創出を目指している。
当期の主なテーマとして、循環器領域においては、血圧測定の頻度をあげ、いつでも血圧が測定できる超小型手首式血圧計の開発に取り組んでいる。
呼吸器領域においては、小児喘息患者の発作の兆候を検知する喘鳴測定器の開発に取り組んでいる。
ペインマネジメント領域においては、これまでにない新たな疼痛緩和技術を搭載した低周波治療器の開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は62億14百万円である。

(6) その他
その他のセグメントは、主として新規事業の探索・育成と社内カンパニーに属さない事業の育成・強化を担当する領域であり、環境事業、電子機器事業、マイクロデバイス事業、バックライト事業が含まれる。
環境事業では、再生可能エネルギーへの関心や電力自由化の流れを受けた社会ニーズに応えるため、太陽光発電用パワーコンディショナの高効率化・軽量化、蓄電池の利用効率向上などの技術開発に継続して取り組んでいる。
マイクロデバイス事業では、長年培ったMEMS技術による小型センシング技術で環境や健康に関する情報を精度良く読み取り、センサネットワーク社会に新しいソリューションを創出することで、社会の継続的発展に貢献している。
バックライト事業では、車載用およびノートPC用などの大判化光源技術に対応する要素技術開発及びウエアラブル(AR/VR)機器用の部品ユニット事業化に向けた技術開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は、36億88百万円である。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01755] S100AK3P)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。