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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AREE

有価証券報告書抜粋 パナソニックホールディングス株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、各セグメントの主要領域における成長戦略に基づき、将来を担う新技術や新製品の開発に注力しました。
カンパニーや事業部などの組織を横断した主な取り組みと成果は、以下のとおりです。
・積層型有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサーによる近赤外線域撮像を可能とする電子制御技術を開発
イメージセンサーの同一画素内で、近赤外線域の感度を電気的に変えることが可能な電子制御技術を開発しました。可視光域と近赤外線域に感度を持つ有機薄膜を積層し、この積層型有機薄膜へ加える電圧を変えることにより、イメージセンサーの感度波長域を全画素同時に電子制御することが可能になりました。
これにより、可視光/近赤外線域での撮像をフレーム単位で切り替えることができるようになります。
・世界最高水準の高効率モーターを搭載した圧縮機の省エネ性能を実証
東北大学「東北発 素材技術先導プロジェクト」(文部科学省)の超低損失磁心材料技術領域が開発する新ナノ結晶合金NANOMET®を用いて試作した家電用モーターを圧縮機に搭載し、圧縮機としての駆動に世界ではじめて成功しました。
今回の試作では、従来の電磁鋼板(ケイ素鋼板)を使用したモーターに比べ約3%の効率改善を実証しました。さらに、このモーターを圧縮機に搭載して圧縮機の性能を表す成績係数を約3%改善し、目標とする世界最高水準の高効率モーターおよび高効率圧縮機が実現可能であることが確認できました。
・非接触肌センシングおよびメイクアップシート技術の開発
可視光で、肌表面/表面下の状態により異なる光の反射吸収の違いから、人の肌状態(シミ、シワ、毛穴等)を非接触で測定する独自の肌センシング技術を確立しました。さらに、そこから得られた肌の情報をもとに、シミなどをカバーするコンシーラー層などをナノレベルの極薄のシートに微細に印刷する技術を開発しました。
これにより、一人ひとりのシミ(サイズ・色)に合ったメイクアップシートを印刷し、肌に貼ることで肌の悩みを解消します。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,361億円となりました。主な内訳は、「アプライアンス」985億円、「エコソリューションズ」548億円、「AVCネットワークス」932億円、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」1,896億円です。各セグメントの主な成果は以下のとおりです。

(1) アプライアンス
主に当社の研究開発部門を中心として白物家電や情報家電、空調機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・OHラジカル生成量が従来比10倍の「ナノイーX」を開発
従来の「ナノイー」デバイスの放電部を改良し、広いプラズマ発生領域を形成することでオゾン量はそのままで、OHラジカルを従来比10倍生成する「ナノイーⅩ」を開発しました。
OHラジカルは空気中の菌・アレル物質に含まれる水素を抜き取ることで無力化などを行うことができ、このOHラジカルの数が多ければ多いほど除菌効果が期待できます。
この「ナノイーⅩ」を加湿空気清浄機、ルームエアコンに搭載、これにより地域や季節に関係なく、日本全国に飛散する花粉(12種類)の無力化や生活5大臭の脱臭に対応、より安心で快適な空気環境を提供できるようになりました。
・700W純水素燃料電池を開発、社会実装に向けて運転実証試験を開始
エネファームの技術をベースに、水素から直接発電する小型で高い発電効率を有する700W出力の純水素燃料電池のプロトタイプを開発しました。また地方自治体・関連企業などと連携し、「ゆめソーラー館やまなし」や「水素ステーション静岡」に試作機を設置、社会導入に向け実環境でのデータ収集や複数台の連携運転などの実証試験を開始しました。
今後は、本実証試験を通じ実用化開発を加速させていくとともに、将来の水素社会発展に貢献してまいります。
・家庭用ルームエアコン向けダブル温度・同時吹き分け気流システムを開発
1つの熱交換器で温度の異なる2つの温風を作り出す世界初のダブル温度熱交換器と、その異なる温度の温風を同時に吹き分ける新開発のダブル温度気流システムを開発し、快適性とともに省エネ性の向上を実現しました。
昨年搭載した「温冷感センサー」との組み合わせで、「暑い」と感じている人、「ちょうどいい」「寒い」と感じている人、それぞれに応じた温風を同時に届けることで、より速く無駄なく快適な温度空間を実現します。

(2) エコソリューションズ
主に当社の研究開発部門を中心として、エネルギーマネジメントをはじめ、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・部屋の明るさ感を向上するLEDシーリングライトの配光制御技術を開発
シーリングライト本体に2つのLED発光部を搭載し、各々の光を異なる2つの方向へ効率よく導く独自の配光制御技術を開発しました。直下を照らす直射用LED発光部と、導光クリアパネルを用いて上下左右に広く拡散し壁面や天井面も照らす発光部を有する独自構造により、これまでの直射タイプLEDシーリングライトより部屋の明るさ感が向上しました。
・美しい天然石の表情を再現した有機ガラス系人造大理石を開発
アクリル素材をベースとした特殊な樹脂の有機ガラス系素材に、天然の雲母を配合し、深みと透明感のある天然石の表情を再現するとともに、凹凸のある表面加工と硬度9Hという硬さで、傷に対する強さを実現しました。さらにはっ水・はつ油成分を配合することで汚れにくくお手入れがしやすくなりました。
これにより、システムキッチンやシステムバス、洗面化粧台などの幅広い水周り設備への採用で空間価値を向上させます。
・空気清浄機の花粉除去性能を従来品の約2倍に向上する気流制御技術を開発
2本の気流を生み出す新形状の「ツインルーバー」を採用した気流制御技術を開発しました。気流を1方向から2方向にするため、吸引がよりスムーズになり、従来は吸い込む気流が吹き出す気流に誘引されて一部発生していた花粉の舞い上がりを軽減し、花粉除去性能が従来品の約2倍向上しました。
これにより、ハウスダストの中でも、特に大きく重い花粉をパワフル吸引します。

(3) AVCネットワークス
主に当社の研究開発部門を中心として、AVとICTとを融合し、企業・法人向けの機器やソリューションの研究開発を行っています。主な成果としては、
・メガホン型多言語音声翻訳サービス基盤を開発
大きな騒音下でも正確に入力できる高性能な音声認識機能を搭載したメガホン型多言語音声翻訳機「メガホンヤク」を開発しました。発話した日本語を英語・中国語・韓国語にその場で翻訳します。「メガホンヤク」には約300の定型文をあらかじめ登録しています。また、頻繁に変更が想定される数字などの単語を含む文章は、いくつかのパターンから選択できるワード選択機能にも対応し、全体で約1800パターンの文章が利用可能です。さらに、定型文の管理や更新、ソフトウエアのアップデートなどメンテナンスを行うためのクラウドサービスも構築しました。
これにより、空港、駅といった交通機関や、展示会、イベントなどホールやスタジアムのほか、テーマパークや観光地等、さまざまな場所や場面で来場者やお客様の誘導をスムーズに行うことができます。
・高コントラストな画質を実現する透明スクリーンを開発
特殊ポリマーとカプセルを入れた透明-白濁スイッチング層と、色調コントロール層からなる「高コントラスト調光フィルム」をガラスに内蔵し、設置時に最適なコントラスト画質に調整できる、透明スクリーンを開発しました。電圧をかけることで透明モード、電圧オフでスクリーンモードに変化させ、ショーウィンドーのガラスをデジタルサイネージとしても活用できます。さらに、水平方向に複数枚をつなげて大型スクリーンとしても使用ができ、さまざまな場面で効果的な演出が可能になります。
・独自のセンシング技術を活用した「ダム維持管理システム」を開発
独自のセンシング・イメージング技術により、これまで人が水中でダム壁面を目視点検していた作業を、人に代わって水中に潜り、網羅的なダム点検を実現する「ダム維持管理システム」を開発しました。濁度が高い水中の撮影でも点検箇所をクリアに再現する画像処理技術、撮影カメラ画面全体を一様輝度で均一化する均一照明技術、つねに壁面勾配と正対した状態を自動でキープする自律制御技術を搭載し、老朽化するダムを高精度に点検することが可能になります。

(4) オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
主に当社の研究開発部門を中心として、車載向けなどのインフォテインメント関連機器、二次電池をはじめとした電子部品、電子材料等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・自動運転に貢献する技術を開発、電動コミューターを試作し技術検証を実施
電源回路、インバーター、モーターなどを一つの筐体に高密度実装した独自の統合電動化システムを開発、あわせて家電で培ったデジタルAV、画像認識、人工知能技術を活用し、自動運転にチャレンジ。道路の状況を車両が自ら把握し、停車中のクルマを避けたり、設定されたルートを自動運転する機能を搭載した自動運転電動コミューターを試作しました。すでにテストコースや公道に近い環境のある当社敷地内での試験走行を開始しています。
これらの開発を通して、自動運転関連技術を蓄積するとともに先進運転支援システム(ADAS)関連事業の強化、加速を図ってまいります。
・業界初の完全自動セルフレジ機「レジロボ」の実証実験を実施
IoTを活用したセンシング技術で商品とレジを紐づけ、製造業で培ったロボティクス関連技術も駆使し、商品を入れた「スマートバスケット」を専用レジに設置すると自動的に精算と袋詰めができる自動セルフレジ機「レジロボ」を開発しました。この「レジロボ」は、まず社内の共創の場 Wonder Lab Osakaでの試験運用でお客様の声を得て進化させた後、㈱ローソンと共同で次世代型コンビニエンスストア店舗にて実証試験を実施しました。
「レジロボ」の導入により、精算とレジ作業の大幅な時間短縮を図り、今後も、技術でお客様の豊かな生活をサポートしてまいります。
・ロボット用「モーションセンシングユニット」を開発
高精度に加工した超小型素子を用いたセンサーと、そのセンサーの長所を生かすアルゴリズム技術の開発により、XYZ方向の回転運動や直進運動を6軸検出し、精度が高い姿勢情報を高速に出力するユニットを開発しました。また、用途に応じたパラメータ値を設定した提供が可能で、ロボットメーカー側での開発負担の軽減に貢献できます。
これにより、縦方向、横方向、斜め方向に取り付けても、複雑な動きを検出することができ、多様な使用環境や設置環境に対応し、ロボット用途を拡大します。


事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01772] S100AREE)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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