有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100BEHO
レーザーテック株式会社 研究開発活動 (2017年6月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの技術は、光応用技術をコアに、エレクトロニクス、精密機構、及び画像処理などの周辺技術を高いレベルで融合させたオプトメカトロニクスと呼ばれる複合技術であり、代表的な製品である半導体フォトマスク欠陥検査装置やマスクブランクス欠陥検査装置、レーザー顕微鏡、及びFPD用大型マスク欠陥検査装置ほか、すべての製品開発に活用されております。
新しい製品の開発にあたっては、顕微鏡の営業活動などを通じて幅広い業界、市場を調査し、新しいマーケットやアプリケーションを探し出し、それぞれ固有のニーズに合致した新製品を生み出すことを心がけております。
また既に製品を納入している多くのお客様や各種研究開発機関へのサービス・サポートを通じて、お客様の顕在化した要望のみならず、潜在的なニーズを正確につかみ、独創的な視点と技術でどこよりも早く問題解決の方法をご提供することが最重要であると考えております。
当社は、光学技術を追求する過程で、独自のコア技術を確立してまいりました。共焦点光学系、DUV(注)光学系、EUV(注)光学系、及び光干渉計技術などの光学技術を進化させ、高度な周辺技術との融合によって特徴ある製品を生み出しています。また、高精度高速ステージ開発のための精密機構技術、あるいは欠陥検出の画像処理技術などを継続的に深化させ、近年ではAI(人工知能)技術を応用した自動欠陥分類の開発を進めるなど、お客様のニーズに対してタイムリーにソリューションを提供できる研究・製品開発を進めております。
(注) DUV:Deep Ultraviolet、遠紫外線
EUV:Extreme Ultraviolet、極端紫外線
当連結会計年度における研究開発の成果として発売された新製品は次のとおりであります。
(1) リソグラフィプロセス検査装置 LX530
リソグラフィプロセス検査装置LX530は、半導体のパターニング工程において、ウェハ面内におけるCD(注)異常、CDばらつきを高速かつ高感度で検出する装置です。
今日、最先端デバイスの製造において、さらなる微細化に向けたSAQP(注)やEUV露光、3D NANDデバイス向け高アスペクトエッチングといった今までにないプロセスが登場し、CD管理が一層厳格に要求されております。こうした課題に対して、従来使用されているCD-SEM(注)やOCD(注)による測定は測定速度が低いため、測定箇所が面内数十ポイントに制限され、局所的に発生するCDのばらつきを検出する事が困難でした。
このような背景から、CD-SEMと同等の感度で、ウェハ全面のCDばらつきを捕らえる事ができ、且つ高スループットを有するLX530を開発しました。本装置は、現行機種LX330同様にマクロ検査機という特長は維持しつつ、光源や撮像系の新規開発による光学レイアウトの一新で、さらなる高感度化を実現したものです。これによって従来出来なかったウェハ外周部やショット内領域を量産ラインで管理する事ができるようになりました。
(注)CD : 半導体パターンの線幅。
SAQP(Self Aligned Quadruple Patterning):光リソグラフィの限界を超えた微細なパターンを、
4倍の大きなピッチを持つフォトマスクとスペーサを用いたプロセスで製作する技術。
CD-SEM:ウェハ上のパターン幅測定に特化した走査型電子顕微鏡。
OCD: スポット照明した領域の平均CDを光学的に求める装置。
(2) マスクブランクス(注)欠陥検査装置 MAGICSシリーズ M8650/M8651
当社のマスクブランクス欠陥検査装置MAGICSシリーズは、長年にわたり業界標準機としてマスクブランクスメーカーでの出荷検査、およびマスクショップでの受け入れ検査やプロセス管理で活用されてまいりました。近年、最先端の微細化プロセスに対応するため、マスク技術においてもEUVや新構造マスクの適用など様々な技術革新が行われ、これに伴いマスクブランクス検査もさらなる高性能・高機能化が必要となっています。
これらのニーズを踏まえ、当社は設計ルール10nm~7nm世代に対応したM8650/M8651を開発し、2017年4月に販売開始いたしました。
M8650/M8651は、MAGICSシリーズの基幹技術を用い、355nmレーザー光源を採用し、2014年に発売し好評頂いているM8350/M8351と比較して、ビーム本数を倍増、検査時間を1/2としました。さらに高密度スキャンを用いることで、M8350/M8351同等の検査時間で1.5倍の高感度を実現しました。
(注)マスクブランクス:パターニングされる前のフォトマスク製造用の基板。
(3) EUVマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置 ABICS E120
デバイスパターンの微細化に伴い、次世代露光技術であるEUVリソグラフィの実用化が間近に迫っていることから、EUVマスクブランクスの品質管理を行える検査装置の整備が急務となっています。
当社は2011年からの5年間、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による支援の下、株式会社EUVL基盤開発センター(EIDEC)(注)との共同研究を進め、EUVマスクブランクス欠陥検査装置ABI(Actinic Blank Inspection)(注)の技術開発を手掛けてまいりました。
この度、当社は共同研究で開発したABI装置の技術を適用し、EUV量産に対応した新たなEUVマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置ABICS E120を製品化いたしました。
同装置はEUV光を用いた検査/レビュー方式を採用しているため、転写性欠陥の選択的な検出とEUV光による欠陥解析を行うことが可能です。これらの性能はEUVマスクブランクスの欠陥管理や歩留まり向上に大きく貢献します。
(注)EIDEC:現社名 株式会社先端ナノプロセス基盤開発センター(コンソーシアム企業)
株式会社EUVL基盤開発センターは共同研究当時の社名
ABI(Actinic Blank Inspection):EUVLに用いられる光源と同波長の光源(λ=13.5nm)を用いた
装置
当連結会計年度の研究開発費の総額は、14億62百万円であります。
なお、当社グループの事業は、検査・測定機器の設計、製造、販売を行う単一のセグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
新しい製品の開発にあたっては、顕微鏡の営業活動などを通じて幅広い業界、市場を調査し、新しいマーケットやアプリケーションを探し出し、それぞれ固有のニーズに合致した新製品を生み出すことを心がけております。
また既に製品を納入している多くのお客様や各種研究開発機関へのサービス・サポートを通じて、お客様の顕在化した要望のみならず、潜在的なニーズを正確につかみ、独創的な視点と技術でどこよりも早く問題解決の方法をご提供することが最重要であると考えております。
当社は、光学技術を追求する過程で、独自のコア技術を確立してまいりました。共焦点光学系、DUV(注)光学系、EUV(注)光学系、及び光干渉計技術などの光学技術を進化させ、高度な周辺技術との融合によって特徴ある製品を生み出しています。また、高精度高速ステージ開発のための精密機構技術、あるいは欠陥検出の画像処理技術などを継続的に深化させ、近年ではAI(人工知能)技術を応用した自動欠陥分類の開発を進めるなど、お客様のニーズに対してタイムリーにソリューションを提供できる研究・製品開発を進めております。
(注) DUV:Deep Ultraviolet、遠紫外線
EUV:Extreme Ultraviolet、極端紫外線
当連結会計年度における研究開発の成果として発売された新製品は次のとおりであります。
(1) リソグラフィプロセス検査装置 LX530
リソグラフィプロセス検査装置LX530は、半導体のパターニング工程において、ウェハ面内におけるCD(注)異常、CDばらつきを高速かつ高感度で検出する装置です。
今日、最先端デバイスの製造において、さらなる微細化に向けたSAQP(注)やEUV露光、3D NANDデバイス向け高アスペクトエッチングといった今までにないプロセスが登場し、CD管理が一層厳格に要求されております。こうした課題に対して、従来使用されているCD-SEM(注)やOCD(注)による測定は測定速度が低いため、測定箇所が面内数十ポイントに制限され、局所的に発生するCDのばらつきを検出する事が困難でした。
このような背景から、CD-SEMと同等の感度で、ウェハ全面のCDばらつきを捕らえる事ができ、且つ高スループットを有するLX530を開発しました。本装置は、現行機種LX330同様にマクロ検査機という特長は維持しつつ、光源や撮像系の新規開発による光学レイアウトの一新で、さらなる高感度化を実現したものです。これによって従来出来なかったウェハ外周部やショット内領域を量産ラインで管理する事ができるようになりました。
(注)CD : 半導体パターンの線幅。
SAQP(Self Aligned Quadruple Patterning):光リソグラフィの限界を超えた微細なパターンを、
4倍の大きなピッチを持つフォトマスクとスペーサを用いたプロセスで製作する技術。
CD-SEM:ウェハ上のパターン幅測定に特化した走査型電子顕微鏡。
OCD: スポット照明した領域の平均CDを光学的に求める装置。
(2) マスクブランクス(注)欠陥検査装置 MAGICSシリーズ M8650/M8651
当社のマスクブランクス欠陥検査装置MAGICSシリーズは、長年にわたり業界標準機としてマスクブランクスメーカーでの出荷検査、およびマスクショップでの受け入れ検査やプロセス管理で活用されてまいりました。近年、最先端の微細化プロセスに対応するため、マスク技術においてもEUVや新構造マスクの適用など様々な技術革新が行われ、これに伴いマスクブランクス検査もさらなる高性能・高機能化が必要となっています。
これらのニーズを踏まえ、当社は設計ルール10nm~7nm世代に対応したM8650/M8651を開発し、2017年4月に販売開始いたしました。
M8650/M8651は、MAGICSシリーズの基幹技術を用い、355nmレーザー光源を採用し、2014年に発売し好評頂いているM8350/M8351と比較して、ビーム本数を倍増、検査時間を1/2としました。さらに高密度スキャンを用いることで、M8350/M8351同等の検査時間で1.5倍の高感度を実現しました。
(注)マスクブランクス:パターニングされる前のフォトマスク製造用の基板。
(3) EUVマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置 ABICS E120
デバイスパターンの微細化に伴い、次世代露光技術であるEUVリソグラフィの実用化が間近に迫っていることから、EUVマスクブランクスの品質管理を行える検査装置の整備が急務となっています。
当社は2011年からの5年間、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による支援の下、株式会社EUVL基盤開発センター(EIDEC)(注)との共同研究を進め、EUVマスクブランクス欠陥検査装置ABI(Actinic Blank Inspection)(注)の技術開発を手掛けてまいりました。
この度、当社は共同研究で開発したABI装置の技術を適用し、EUV量産に対応した新たなEUVマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置ABICS E120を製品化いたしました。
同装置はEUV光を用いた検査/レビュー方式を採用しているため、転写性欠陥の選択的な検出とEUV光による欠陥解析を行うことが可能です。これらの性能はEUVマスクブランクスの欠陥管理や歩留まり向上に大きく貢献します。
(注)EIDEC:現社名 株式会社先端ナノプロセス基盤開発センター(コンソーシアム企業)
株式会社EUVL基盤開発センターは共同研究当時の社名
ABI(Actinic Blank Inspection):EUVLに用いられる光源と同波長の光源(λ=13.5nm)を用いた
装置
当連結会計年度の研究開発費の総額は、14億62百万円であります。
なお、当社グループの事業は、検査・測定機器の設計、製造、販売を行う単一のセグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
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