有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009XXW
ローランド ディー.ジー.株式会社 業績等の概要 (2016年12月期)
(1)業績
当社は、前連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更いたしました。経過期間となった前連結会計年度につきましては、当社は4月から12月の9ヶ月間、12月決算の連結子会社は1月から12月の12ヶ月間を連結対象期間としておりました。このため、前期と比較する場合については、前期実績を当連結対象期間と同一の期間に調整した数値に補正して増減比を記載しております。当期における世界経済は、米国や欧州、日本等の先進国においては、総じて緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、中国をはじめとする新興国経済の成長鈍化や資源国経済の低迷、さらには金融市場の大幅な変動や地政学的リスクの高まり等、さまざまな景気の下振れリスクを抱えながら、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループでは、2016年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定し、当期より取り組みを開始いたしました。この中期経営計画では、「GrowthOne(グロースワン) イノベーションによる持続的成長」を基本方針に掲げ、①成長分野の事業化の加速、②ソリューションプロバイダへの転身、③イノベーション集団への転身、という3つの重点課題にグループ一体となってチャレンジしていくことで、高付加価値市場を創出し、持続的な成長を目指してまいります。
当期は、中期経営計画の重点課題のひとつである「成長分野の事業化の加速」を推進するため、これまでの主力市場であるサイン(広告・看板製作)市場における活動に加え、オリジナルグッズ等の製作を行うリテイル市場や、布地への印刷を行うテキスタイル市場、さらにはデンタル(歯科医療)市場といった新たな成長分野の開拓に注力いたしました。
これらの取り組みの結果、新市場の開拓については着実に成果を上げることができたものの、当連結会計年度の売上高については、サイン市場向けプリンターの販売が減少したことや、為替によるマイナスの影響があったこと等により、前期比6.2%減の441億12百万円となりました。費用面では、売上原価率が、販売単価の下落や研究開発費の増加等の影響により、前期に比べ1.7%上昇しました。また、販売費及び一般管理費は、経費削減に努めた結果、前期より6.4%減少しましたが、売上高に対する比率は前期並みの水準にとどまりました。
これにより、営業利益は、前期比18.8%減の43億58百万円となりました。また、経常利益は、前期比17.2%減の41億4百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比19.4%減の27億5百万円となりました。
なお、当連結会計年度における主要通貨の為替レート(2016年1月~2016年12月の平均レート)は、108.88円/米ドル(前期121.06円)、120.40円/ユーロ(前期134.36円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。なお、品目別の売上高は、以下の通りであります。
品目別売上高
品目 | 前連結会計年度 (補正後) | 当連結会計年度 | 増減額 (百万円) (補正後) | 構成比増減 (%) (補正後) | 前期比 (%) (補正後) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
プリンター | 20,175 | 42.9 | 18,027 | 40.9 | △2,147 | △2.0 | 89.4 |
プロッタ | 1,476 | 3.1 | 1,292 | 2.9 | △184 | △0.2 | 87.5 |
工作機器 | 3,951 | 8.4 | 4,188 | 9.5 | 236 | 1.1 | 106.0 |
サプライ | 14,978 | 31.9 | 13,623 | 30.9 | △1,354 | △1.0 | 91.0 |
その他 | 6,443 | 13.7 | 6,980 | 15.8 | 536 | 2.1 | 108.3 |
合計 | 47,024 | 100.0 | 44,112 | 100.0 | △2,912 | ― | 93.8 |
[プリンター]
従来からの主力市場であるサイン(広告・看板製作)市場における活動に加え、“新しい印刷市場”の開拓に積極的に取り組んでおります。
リテイル市場では、小売業におけるオリジナルグッズ製作用途で、小型UVプリンターLEFシリーズの販売が好調に推移いたしました。消費者のニーズの多様化や個性化を背景に、大小さまざまな小売店舗やインターネット上のオンラインショップにおいて、スマートフォンケースやノベルティ等に写真やイラスト等のオリジナルデザインを印刷してグッズを製作・販売するビジネスが増加しております。当期は、こうしたビジネスチャンスを捉えて1月に発売した高生産性モデルLEF-300が順調な立ち上がりを見せたことや、リテイル専門チームによる販売活動をスタートしたこと等もあり、先進国を中心に売上を伸ばしました。今後もこれまでの成功事例を世界各地域に横展開していくことで、リテイル市場における一層のビジネス拡大を目指してまいります。
また、テキスタイル市場では、スポーツウェアやオリジナルウェアの製作用途で、前期の12月に発売したXT-640をはじめとするテキスタイル専用プリンターの導入が進みました。
一方、サイン市場では、低溶剤系プリンターの新世代モデル「TrueVIS(トゥルービズ)シリーズ」をリリースし、VG-640/540及びSG-540/300の計4機種を市場に投入いたしました。TrueVISシリーズは、新開発のプリントヘッドとインクによる鮮やかな色彩と優れた印刷品質が大きな特長で、既存ユーザーの買い替え需要を中心に導入が進みました。しかしながら、サイン市場全体では、ニーズが中・低価格機種へと変化してきたことや、競合他社との厳しい競争が続いていること等を背景に、低調な販売状況が続きました。今後、先進国におけるサイン市場においては、市場が成熟化傾向にあることを受け、高付加価値製品や良質なサービス・サポートの提供により顧客満足度を向上させていくことでシェアの維持・拡大に努めてまいります。また、新興国では、販売網の整備・拡充を実施しながら積極的なセールス・マーケティング活動を推進していくことで、市場拡大を図ってまいります。
このように、当期は、オリジナルグッズ製作用途で小型UVプリンターが売上を伸ばし、また、布地への印刷用途でテキスタイル専用プリンターが伸長する等、新しい印刷市場の開拓が進みましたが、サイン市場における売上の減少が影響し、プリンターの売上高は180億27百万円(前期比89.4%)となりました。
[プロッタ]
導入しやすい価格のGS-24が好調に推移したものの、一部の高価格機種が低調だったことにより、プロッタの売上高は12億92百万円(前期比87.5%)となりました。
[工作機器]
デジタル化のニーズが高まるヘルスケア分野に向けた活動を強化しており、なかでもデンタル(歯科医療)市場は、世界各地域における積極的な取り組みにより、工作機器カテゴリーの主力市場に成長しております。
当期は、デンタル市場における成長を加速するため、デンタル専任者を増強する等、リソースの拡充を図りながら、今まで以上にスピーディかつ集中的なセールス・マーケティング活動を展開いたしました。その結果、新規販売網の開拓が順調に進むと共に、前期の10月に発売したデンタル加工機DWXシリーズの新製品2機種の販売が好調だったこともあり、北米や欧州、日本等の先進国に加え、アジアにおいても売上を伸ばしました。同市場においては、世界各地域に広がるネットワークを通じた効率的な販売活動と良質なサービス・サポートの提供により競合他社との差別化を図りながら、着実にビジネスを拡大しております。一人ひとりに合った治療やサービスが必要とされる歯科医療をはじめとするヘルスケア分野は、デジタル技術やものづくりのノウハウといった当社の強みを発揮できる分野であり、今後も成長市場と位置付けて注力してまいります。
一方、従来から取り組んでいる製造業向けの3次元切削加工機や、彫刻業向けの彫刻機EGXシリーズの販売は伸び悩み、前期を下回りました。
このように、世界各地域で活動を強化しているデンタル加工機が伸長したことにより、工作機器の売上高は41億88百万円(前期比106.0%)となりました。
[サプライ]
UVプリンターやテキスタイル用プリンターのインクが伸長したものの、サイン市場向けプリンターのインクの売上が前期を下回ったこと等により、サプライの売上高は136億23百万円(前期比91.0%)となりました。
[その他]
保守やサービスパーツ等のその他売上については、主にサービスパーツの売上が増加したこと等により、売上高は69億80百万円(前期比108.3%)となりました。
地域別の売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
地域 | 前連結会計年度 (補正後) | 当連結会計年度 | 増減額 (百万円) (補正後) | 構成比増減 (%) (補正後) | 前期比 (%) (補正後) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
日本 | 5,058 | 10.8 | 5,305 | 12.0 | 247 | 1.2 | 104.9 |
北米 | 13,491 | 28.7 | 12,360 | 28.0 | △1,131 | △0.7 | 91.6 |
欧州 | 16,434 | 34.9 | 15,331 | 34.8 | △1,103 | △0.1 | 93.3 |
アジア | 3,770 | 8.0 | 4,094 | 9.3 | 323 | 1.3 | 108.6 |
その他 | 8,269 | 17.6 | 7,021 | 15.9 | △1,248 | △1.7 | 84.9 |
合計 | 47,024 | 100.0 | 44,112 | 100.0 | △2,912 | ― | 93.8 |
[日 本]
プリンターでは、オリジナルグッズ製作用途に提案している小型UVプリンターやテキスタイル用プリンターが伸長しました。一方、サイン市場向けのプリンターは低調な販売となりました。工作機器では、デンタル加工機DWXシリーズや彫刻機EGXシリーズの販売が好調だったものの、企業のものづくり用途に提案している3次元切削加工機等が伸び悩みました。
これらの結果、日本の売上高は53億5百万円(前期比104.9%)となりました。
[北 米]
プリンターでは、大型UVプリンターや高価格帯のプロ用機種が伸び悩みましたが、サイン市場向けの新製品VGシリーズをはじめとする導入しやすい価格帯の機種が堅調な販売となりました。一方、工作機器では、販売網の整備・拡充が進んだことやキャンペーン等の実施により、デンタル加工機が堅調に推移しました。
しかしながら、米ドルに対する円高の影響もあり、北米の売上高は123億60百万円(前期比91.6%)となりました。
[欧 州]
プリンターでは、小型UVプリンターがショッピングセンターやDIYショップ等の大型店舗に導入されるケースが増加していることもあり、前期を上回る結果となりました。また、テキスタイル用プリンターも、スポーツウェア等の製作用途で導入が進みました。一方、サイン市場向けのプリンターは低調に推移しました。工作機器では、デンタル加工機が欧州全域で大きく伸長しました。
しかしながら、ユーロに対する円高の影響もあり、欧州の売上高は153億31百万円(前期比93.3%)となりました。
[ア ジ ア]
中国では、サイン市場向けプリンターの販売が好調に推移したことに加え、新規販売網の開拓が順調に進んだことが奏功し、デンタル加工機等が伸長しました。韓国では、小型UVプリンターやデンタル加工機が売上を大きく伸ばしました。また、インドやASEAN地域では、現地販売店との連携強化を図りながら積極的なセールス・マーケティング活動を推進し、サイン市場向けのプリンター等を中心に売上を伸ばしました。
これらの結果、アジアの売上高は40億94百万円(前期比108.6%)となりました。
[そ の 他]
オーストラリアでは、サイン市場向けのプリンターが伸び悩みました。また、政治の混迷が続き経済情勢の悪化が長期化しているブラジルや、資源価格下落の影響を受けている中東及び一部の南米地域では、主にプリンターの販売が低迷し、前期を大きく下回る結果となりました。
これらの結果に加え、主にブラジルレアルに対する円高の影響もあり、その他地域の売上高は70億21百万円(前期比84.9%)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
連結キャッシュ・フロー計算書の要約
科目 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (百万円) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,543 | 5,369 | 1,826 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,282 | △1,427 | △145 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,270 | △3,879 | △1,609 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △391 | △378 | 12 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △400 | △316 | 84 |
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | - | 243 | 243 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 10,009 | 9,936 | △72 |
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、53億69百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ18億26百万円の増加となりました。主な増加要因としましては、税金等調整前当期純利益が増加し、たな卸資産が減少したことや法人税等の支払額が減少したこと等によります。主な減少要因としましては、売上債権が増加したことや仕入債務が減少したこと等によります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が12億82百万円の支出であったのに対し、当連結会計年度は14億27百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ1億45百万円の支出額の増加となりました。子会社株式の取得による支出が減少した一方、有形固定資産の取得による支出が増加し、支出増となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が22億70百万円の支出であったのに対し、当連結会計年度は38億79百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ16億9百万円の支出額の増加となりました。当連結会計年度は、自己株式の取得を目的とした長期借入れによる収入が28億80百万円あった一方で、自己株式の取得代金として34億18百万円の支出や長期借入金の返済による支出が前連結会計年度に比べ増加したこともあり、支出増となりました。
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