シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ANXG

有価証券報告書抜粋 株式会社三井E&S 研究開発活動 (2017年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、46億14百万円であり、この中には受託研究等の費用7億2百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。

(1)船舶
・船舶に関しては、省エネ、環境対応技術を取り入れた新型ばら積み貨物運搬船4種(56,60,66,182型)に加え、neo-VLCCを開発・市場投入しています。本年度の受注実績を含み、省エネ船の累計受注数は約70隻となりました。また、中規模汎用ガス運搬船(neo83GC)は開発を終え、実案件への提案を行っています。
省エネ船の先行ヤードである当社の強みを維持するために、引き続き新船型開発や省エネ技術開発を進め、neoシリーズのラインナップ拡充を図ってまいります。
・燃費報告制度適用の動きを背景に、船舶実海域性能の推定、計測、改善を目的とした研究開発を実施しています。2016年度は当社建造船での計測準備を行い、2017年度よりデータ収集を開始します。
・海洋関連では、短納期要求に対応可能な新造の大型FPSO(noah-FPSO)ブランドを新たに立ち上げ、船級協会(ABS)のAIP認証を取得しました。中古タンカー改造が主流のFPSOに対して、耐久性に優れる新造船体を短納期で供給し、設計変更の多いFPSOビジネスに適用可能な新しい仕組みを提供することを目指します。
・海洋開発工事に従事する船舶において必須の装置である自動船位保持装置(DPS)に関しては、さまざまな顧客ニーズに対応できる冗長性を備えたシステムを開発し、必要な各種試験の実施後、DNV GL、ABS、NK及びLRの4船級から承認を取得しました。あわせて、顧客への提案活動を実施しています。
・超広域高速海底マッピングに関する共同研究が始動しました。東京大学など6団体と、共同研究チーム“Team KUROSHIO”を結成し、マッピング技術を競う国際コンペティションにおいて国内では唯一技術提案書審査を通過し、2017年9月頃に開催される実海域試験Round1へ進出することになりました。
・船舶運航支援サービス事業関連では、実海域での性能を評価する就航船解析サービス(CAL)の開発を進め、有効な成果を確認しました。また、機械部門と共同で開発する次世代型主機診断サービス(e-GICS advance)の開発を行い、2017年度からサービス提供を開始する予定です。
当事業に係る研究開発費は、5億10百万円であります。

(2)海洋開発
・海洋開発では、海洋での天然ガス開発に係わる新技術の開発及び新規事業分野での既存技術活用に向けた研究を行っています。
・新市場開拓のための製品開発としてはFPSOに搭載の発電プラントの技術や係留技術を生かし、新興国向けに電力や淡水を供給する洋上発電・造水設備を開発しました。LNG(液化天然ガス)を燃料とする大容量の発電プラントや造水装置を搭載する本設備は、環境に優しく、短納期、高い発電効率を特徴としており、新たな市場への参入を目指してプロジェクトの受注に注力しております。
・新規事業分野としては、FPSOで培った技術経験を生かした洋上風力発電事業の検討を進めております。この他、当社グループがこれまでに蓄積した技術をレアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。
当事業に係る研究開発費は、3億15百万円であります。

(3)機械
・基幹製品関連では、高効率発電を実現できるガスエンジンについて、従来の油着火方式に加え火花点火方式の開発を行い、性能及び信頼性向上のための技術開発を行っております。舶用ディーゼル機関においては、IMO(国際海事機関)排ガス規制のNOx三次規制(TierⅢ)に対応可能なEGR(排ガス再循環)装置について、外国製であったEGRブロワと水処理装置の国産化を進め、主機関ライセンサーからの承認を得ました。また、国土交通省の補助事業「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」及び一般財団法人日本海事協会との共同研究として、日本郵船株式会社及び株式会社MTIと共同で進めたEGRの実船試験では、所定の性能を確認し補助事業及び共同研究を完遂しました。
また、CO2を最大で4%削減可能な技術として、当社製過給機と組み合わせた、独自開発の油圧を活用した排熱回収システム(THS)が15台就航し、良好な実績が得られています。舶用機関の主流である電子制御機関に特化し大幅にコストダウンした新システム(THS2)の開発がほぼ完了し、2017年度に市場に本格投入します。さらに、未利用低温排熱を回収するシステムの実船実証試験を開始しました。システムの信頼性を確立するとともに、CO2排出量の約2%削減を目標としています。
・2020年にSOx規制が大幅に強化されることが決定され、重油に変わる代替燃料の採用機運が高まっています。当社は重油も使用できる二元燃料ディーゼル機関の開発を行い、メタン、エタン及びメタノール燃料について商用機受注を得ており、エタン及びメタノール燃料については競合他社に対して先行して世界初号機の運転を実施しました。現在は、LPG(液化石油ガス)燃料に対応する機関開発を進めています。
また、LNG運搬船及びLNG燃料船向け二元燃料ディーゼル機関(ME-GI)用の燃料ガス供給システムに使用する高圧燃料ポンプを開発し、2017年度より市場投入する予定です.本ポンプにより冗長性を確保するとともに安価な初期コストで燃料供給が可能となります。
・産業機械関連では、天然ガスを使用する発電設備のエネルギー効率向上と分散電源の普及奨励に適合する新型のコジェネレーションシステムの開発を開始いたします。
・運搬機事業関連では、ポーテーナ(PT)の遠隔運転、遠隔半自動運転に関わる吊り具の振れ止め機能等の要素技術を確立し、陸側の自動運転機能製品を開発しています。さらに、トランステーナ(TT)の遠隔自動運転の要素技術として、従来製品よりも精度の良い直進走行・自動走行停止システムを開発し、実機試験を完了しました。また、コンテナターミナル自動化に向け、ターミナル内荷役機器の運行管理、状態管理を司るシステム(Automated Crane Control System)の初版の試用版が完成しました。
当事業に係る研究開発費は、14億14百万円であります。

(4)エンジニアリング
・バイオマス関連では、家畜糞尿等を原料とする国内最大規模のバイオガス発電所に前処理の高度化等の新たな発酵技術を適用し、2015年7月に施設が竣工しました。活発化する再生可能エネルギー電力のニーズに応えるため、今後も多様な原料に対応した発酵技術の開発や副産物の高付加価値化に取り組む予定です。また、バイオマス発電所等から発生する副産物を原料にして、付加価値の高い機能性素材の製造に関わる開発に取り組む予定です。
・風車関連では、着床式洋上風力発電設備の建設技術の開発を完了し、2017年度中の市場投入開始を目指し検討中です。
当事業に係る研究開発費は、1億41百万円であります。

(5)その他
・2011年度に、波力発電技術の開発がNEDOの「海洋エネルギー発電システム実証研究」テーマの一つに採択され、実海域実証試験に向けた技術開発を行っています。
・生産活動へのIoT活用に関する研究開発を、2016年7月より開始しました。連結子会社の三井造船システム技研株式会社(MSR)と共に現場作業効率の改善、工作機械の効率的運用を目指します。
・2016年度から国による表層型メタンハイドレートの回収技術の研究開発が開始され、国立研究開発法人産業技術総合研究所の委託研究である「表層型メタンハイドレート回収技術開発に関わる調査研究」に当社を代表機関として清水建設株式会社、学校法人日本大学と共に応募し、これを受託しました。
・その他、環境・エネルギー関連技術等の新規技術開発及び材料・制御・CAE解析技術等の基盤技術開発を実施しております。
・MSRの主要製品である医薬安全性試験システム「MiTOX」については、機能強化及びその周辺システムの開発を継続するとともに、勤怠管理システム「TIME-3」についても機能強化を継続しています。
当事業に係る研究開発費は、22億31百万円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02123] S100ANXG)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。