有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AL7O
スズキ株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は主に当社が行っており、環境問題や多様化するお客様のニーズに対応し独創的で競争力のある商品を提供することを目指し、積極的に取り組んでいます。
2015年から「SUZUKI NEXT 100」の「ものづくりの強化」を推進しています。これは、生産、技術、購買が一体となってお客様に価値ある商品を届ける仕組みを見直す取り組みです。現在までに新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」に対応し、50%の投資額で実現できる新溶接ラインの開発とインドのグジャラート工場への展開、先進安全技術を搭載した商品の開発及び生産システムの導入を行うなど商品性向上のみならず、経営面でも多大な成果を上げています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,315億円であり、セグメントごとの活動状況は、以下のとおりです。
(1) 四輪車
四輪車事業では、国内軽自動車をはじめとした小型車の開発においてトップクラスの環境性能の実現と、安心・安全な車づくりに取り組んでいます。まず環境性能への取り組みとして、環境に配慮しながら更に便利で楽しい車を実現する次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」の開発と採用車の拡大を進めています。
「スズキグリーン テクノロジー」では、まず車体の軽量化を進めました。軽量化と高剛性を両立した新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の開発及び採用を進め、2017年1月発売の新型「スイフト」では従来モデル比で120kgの軽量化を実現しました。また、パワートレインの電動化において、発電も可能な駆動用モーター(MGU)と伝達効率に優れたトランスミッションであるオートギヤシフト(AGS)を組み合わせ、高効率なEV走行を実現した当社独自のハイブリッドシステムを新開発しました。新システムは「ソリオ」、「ソリオ バンディット」に搭載し、クラスNo.1※1の低燃費32.0km/L※2を実現しています。
次に安心・安全な車づくりへ向けた取り組みとして、ステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート(DCBS)」や単眼カメラと赤外線レーザーレーダーで前方の歩行者や車を検知して衝突の被害を軽減するシステム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」、また、車両周囲の俯瞰映像を表示する「全方位モニター」などの先進安全技術の開発・採用を進めました。
これらの先進安全技術を搭載したスズキ車は、2016年度JNCAP※3予防安全性能アセスメントにおいて最高ランクの評価である「ASV※4++(ダブルプラス)」を獲得しました。小型乗用車「イグニス」がスズキ車で初めて獲得したことに続き、軽自動車の「スペーシア」、「ハスラー」、「ワゴンR」、「ワゴンRスティングレー」及び小型乗用車の「ソリオ」、新型「スイフト」が獲得しています。予防安全性能アセスメントは、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が自動車の先進安全技術について評価し、結果を公表する制度です。当社グループは今後も安全技術の取り組みを強化し、安心・安全な車づくりを進めていきます。
また、2016年度は当社グループが取り組んできた技術開発が評価され、著名な賞を受賞しました。主なものとして、まず当社のインド子会社Maruti Suzuki India Ltd.が製造販売する新型SUV「ビターラ ブレッツァ」が、インドのカー・オブ・ザ・イヤーである「Indian Car of the Year(ICOTY)2017」を受賞しました。また、無塗装でも塗装に匹敵する外観と高い耐久性能を実現した樹脂材料を開発し、世界で初めて自動車で実用化した功績により、第49回「市村産業賞 貢献賞」を受賞しました。
当連結会計年度における四輪車事業の研究開発費の金額は1,117億円です。
※1 コンパクトハイトワゴンクラス=総排気量1.5L以下・全高1,600㎜以上の2列座席5ドアワゴン。JC08モード走行燃費(国土交通省審査値)に基づく。2017年3月現在、当社調べ。
※2 燃料消費率JC08モード走行(国土交通省審査値)。ソリオ HYBRID SZ、HYBRID SX、ソリオ バンディット HYBRID SV。
※3 JNCAP:Japan New Car Assessment Program
※4 ASV:Advanced Safety Vehicle
(2) 二輪車
二輪車事業では、環境に配慮した技術開発に取り組んでいます。MotoGPで開発された技術を取り入れた新機構「ブロードパワーシステム」を採用し、高回転域での出力向上と低中速域での出力を両立するとともに、欧州新排出ガス規制「ユーロ4」に対応した、新型「GSX-R1000」及び「GSX-R1000R」を投入しました。またアセアン向けに、軽量でコンパクトな車体に147.3㎤の水冷4バルブ単気筒DOHCエンジンを搭載した新モデル「GSX-R150」、「GSX-S150」を投入しました。軽量化についても最新の解析技術や試験装置を活用して、形状、材質、製法の見直しを進め、新型「GSX-R1000」及び「GSX-R1000R」では、現行車に対しフレームで9%、シートレールで36%、タンクで15%の軽量化を実現しました。その他の新興国向け及び欧州向けの各機種においても車体部品と電装部品において、現行車に対し最大65%の軽量化を実現し、車両全体の軽量化に貢献しました。
また、資源の有効利用促進のため、PPリサイクル材の利用拡大に継続して取り組んでいます。また、リサイクル設計を推進する上で、容易に車両を解体し部品を取り外せる構造を追求しています。
その他の研究開発として、水素を用いた空冷式燃料電池二輪車「バーグマン フューエルセル」は、2016年8月に型式認定を取得し、2017年3月から市場性の確認を目的に公道走行を開始しました。
レース活動に関しても、高い技術力を示すことによりブランドイメージを向上させるとともに、レースを通して得られる技術を量産車開発に還元し、より魅力的な商品の開発を進めていきます。
当連結会計年度における二輪車事業の研究開発費の金額は171億円です。
(3) 特機等
特機等事業では、マリン製品における環境や利便性向上に関わる技術開発を行っています。環境面では、熱効率向上、吸排気損失低減による燃費向上を行いました。主な成果として、「DF175AP/150AP」の2機種の新型船外機を開発しました。旧機種から採用されている「リーンバーン(希薄燃焼)制御システム」の採用に加え、高圧縮比化による熱効率向上、セミダイレクト吸気の採用による燃焼室内流入空気温度の低減、電子スロットルバルブ制御の最適化による吸排気損失低減を行い、旧機種に比べて巡航速度域で最大4%の燃費低減を達成しました。
利便性及び信頼性の向上面では、「DF175AP/150AP」に電子制御方式の操作系を採用し、反応の良いスロットル制御と滑らかなシフト操作を実現するとともに、新たにプロペラの正/逆回転を統合した「スズキ・セレクティブ・ローテーション」を採用することで、多機掛けボートへの搭載性の向上を実現しました。さらに燃料性状に合わせて燃焼を最適化するためのノックセンサー、O2センサーを新たに採用、また、燃料内への水分混入を検知し警告を発する水分検知機能付燃料フィルタを採用し、信頼性を向上しました。
当連結会計年度における特機等事業の研究開発費の金額は28億円です。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 関係会社の状況
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 事業等のリスク
- 研究開発活動
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02167] S100AL7O)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。